劇団NLT公演No.154『ミントティー、それともレモン...』 in 銀座みゆき館劇場(3/5)

作 ダニエル・ナヴァーロ=オドゥクール& パトリク・オドゥクール
訳 佐藤康
演出 山上優

今、まさに初日を控えた最終舞台稽古中。
なかなか台詞が出てこないジュリアン(茂木直人さん)にイライラがつのるのは
相手役のベテラン女優ソフィア(杉山美穂子さん)。
トラブルメーカーのジュリアンの行動が周りの空気をどんどん変化させていくようです。
それもそのはず、ジュリアンは初舞台デビューでプロデューサーの御曹司。
微妙な空気が、舞台監督ロベール(亀井惟志さん)はじめスタッフにも感染…
そして初日を迎えます

一幕は、べニアに囲まれたセットで稽古中なうという感じ。で
二幕になるとしっかりした舞台セットになっていて、
そこんところは、以前、新国立劇場で上演された『から騒ぎイノゼフオフ』な作り。
あまりにも個性豊かな登場人物だけに、それだけでも空気が乱れ
その乱れが笑いにつながるのは、ちょっと初日開けてまもない、拝見したこの日では
こなれていなかった気がします。
「絶対だめでしょう」な演技に対して「素晴らしい」と言っちゃう演出家クララ(泉関奈津子さん)
をはじめ、まともな人が誰も出てこないので、どうも芯がどっちかに曲がっているような
なんか違和感を持ちながらの一幕。

その一幕の人間関係を把握しての、初日舞台の二幕。
観客は観客としての役割を担う参加型ライブとなります。
緞帳が上がる前からなんかヤバそうな(笑)
昔のドリフターズの番組のコントの終盤にかかる音楽とともにどっかんどっかんと
起こる屋台崩しのような、これでもかという位に次から次へと起こるハプニング
これは、人間関係は置いておいて、流れに身を任せて楽しませてもらっちゃいました。

フランスのコメディーは、ちょっとひつこさを感じることが多く
でも好きなんですけど( *´艸`)
その違和感は、どうにもこればっかりはお国柄と仕方ないと思うのですが
フランスのコメディーを数こなしてる劇団にしては
もうちょっと逆にどきつく演じて欲しかった気がします。
おとなしかった気がして…ちと残念。
まぁきっと公演後半になるにつれどんどん熟成されて、笑いの火種に火がついて
客席も、もぞもぞうきうきしてくるかもしれません(^_-)-☆

さて、演出は山上優さん。
今回は、演出家兼ロビーに設置されたワインバーの支配人さん(笑)
ミントティーも販売されてますよ。
優さんが二種類のミントをブレンドしてのオリジナルティー美味かった♪
一緒に拝見した征矢かおるさんは、しっかりした味わいのワインをチョイス
これも味見をさせて頂いたら美味しいかった。
ぜひちょっと早めに劇場で、もしくは休憩中にフランスの香りを楽しんでくださいね。
かおるさんは、前回、優さん演出の『岸田國士を読む。冬』にご出演されました。
そんなこんなでご一緒させていただいたのでした。

ワイン、お茶を楽しんでると壁にはフランスで上演中の写真が貼られていました。
優さんは、この作品を現地でご覧になって、
直接、作家と交渉しての今回、日本初上演の運びとなったそうです。
今もフランスではロングラン上演中だそうです。

なんかとても気になったのは
このタイトル。
普通、コーヒーもしくは紅茶?!しかり、ミルクティーもしくはレモン?!
が、ミントティーそれともレモンティーですよ。
この感覚がよくわからなくて優さんに聞いちゃったら
ミントティーはアラブの人たちが好んで飲まれるそうで、でなんで?って
思ったら、当日配られた機関紙SPOTの中に笈田ヨシさんの寄稿文の中に
ミントティーはアラブ人のお茶で、レモンティーはヨーロッパ人のお茶で
今のヨーロッパの混沌を象徴してると書かれていました。
あ~そうかぁと、そんな側面を見ながらこの作品を見たら
また違う感覚が芽生えるかもしれませんね(^_-)-☆

2015/3/4(水)~11(水)in 銀座みゆき館



# by berurinrin | 2015-03-07 23:45 | 観劇感想

シアタートラムネクスト・ジェネレーションvol.7
『解体されゆくアントニン・レーモンド建築旧体育館の話』 in シアタートラム(2/28)

作 オノマリコ
演出 稲葉賀恵

春。と、今年もこの大学に多くの女学生が
様々な思いを抱いて入学してきました。
大学生活の日々の中、お気に入りの旧体育館が解体されることになります。
女子大生の一人、哲学(深谷美歩さん)が、旧体育館の存続を願い
論文を書き上げます。

舞台は、実際のトラムの背景に合わせ感じの中央の崩れかけたブロックが廃墟のよう
ところどころに砂場。砂に埋もれたイス。
上に吊られた一脚のイスの下に積もれたイスたち。

実際に2009年に起こった東京女子大学レーモンド建築旧体育館解体工事に対して
大学の有志の皆さんが守る会を結成して大学側と協議された出来事をもとにして
書かれた戯曲だそうですが、それがすべてじゃなくて
まだ幼さの残る彼女たちの日常の風景のように、溶け込んで通り過ぎていくような感覚。
けれど、彼女たちの大学生活の中で、確実にあった記憶の中にある
あんなこと、こんなこと、悔しかったこと、泣いたこと、感じたこと。
そんな感情の揺さぶりと共に忘れられない背景、空間だったのかな…なんてね

まぁ、それにしても複雑な感情のまじりあった言葉の断片のシャワー。
登場する9名の女性たちの名前というか、沈黙や奔放とか動詞が付けられてなんか不思議。
でも、登場人物たちの名前も一人の女性の持つ感情のようで、一つの体内から
発せられた言葉の感情の対立にも思えるから、
そんだけ複雑な感情に満ちた年頃というのでしょうね
自分に投影するには、とても恥ずかしい時代のど真ん中なので
ちょっと思い出しても、とても恥ずかしくて活字にするのは、
かなり抵抗がありすぎなのであります。
あの頃は、なんでもできると思ってました。
大人と子供の間を行き来きしながら
でも、その目指す目標を見出せなくて…
今だったら、あの頃の自分に少しはアドバイスできたかも…
あ~でも、聞く耳持たなかったかも…やっぱ複雑な年頃ですね。
なので、彼女たちのきゅんきゅんした言葉に、口の中はちょっと酸っぱく感じながら
心にはぐいぐい刺ささるのでした。

演出は稲葉賀恵さん。
若い才能の発掘と育成の為の事業ということで
今回トラムいう、素敵な場所で発表の場を得た賀恵ちゃん。
めっちゃがんばったね(^^)/
元は映像の勉強をされただけあって、一コマ一コマが美しくて
女学生たちの怒りや喜び、言葉で表現しきれない感情の起伏、
躍動感を瑞々しく繊細に魅せてくれました。
砂をまき散らせ走る走る彼女たちの渦に巻き込まれそうになる
感覚を味わいながら大人になっていく姿はとてもとても眩しいものでした。

文学座からは
00さんを演じられたのは、上田桃子さん。
役名が“00”さんなんて面白いですね
私ったらなんか勘違いして“00”さんを“∞”=メビウスの輪だと読んでいました。
でもなんか当たらずも遠からず的な(笑)
勘違いついでに、作家のオノマ リコさんを
オノ マリコさんだとも思ってました(>_<)
時空を旅している永遠の女学生。もしくは旧体育館の妖精みたい
彼女たちの感情のコントロールを委ねられた役どころな感じなのかしら…
そのつかみどころの無さか桃子さんの超魅力的なところですね。
時に彼女たちの一番の年長な顔を魅せるかと思えば、少女のような面影を魅せる
まさに無限大な女優さんです(^_-)-☆

平穏さんを演じられたのは、増岡裕子さん。
00さんとのやり取りは、まるで清水邦夫さんの『楽屋-流されるのはやがてなつかしき』の
楽屋の地縛霊さんのようなコミカルな味わいがあって楽しかったです。
裕子ちゃんは、じわじわとしみてくる三枚目的な側面があって
彼女の持ち前の明るさとその奥底にある陰の部分が、終幕の嘆きの言葉にぶつけられた気がして
これまた生き生きと年齢不詳で時代ごとに名前を変えて、そこに生きる女性なのかと
発散して走る祐子ちゃんの姿、とてもきれいでした。

怒りのオーラを出してるのは、癇癪さんを演じられた前東美菜子さん。
なかなか屈折した役どころではありましたね。
あまのじゃく的な感情表現で、なんかすごく共感してしまう部分がありました。
きりっとして、ポーカーフェース姿の美菜子さんは、かっこいいですね
でも内面は、めっちゃ女性らしい側面が見えた気がして
ほっとしながらも、その危なっかしさにドキドキしっちゃったりしたのでした

終演後にはポストトークが開催されていて
このセットは、トラムのカベに合わせたブロックが、年月と共に崩れて中央の廃墟となり
砂となって朽ちていく…そんな流れがあるそうです。
今回は、同世代中心の若い女性たちで演じられた作品ですが
意外と様々な年齢の女優さんで演じられても
面白いんじゃないかと思ったのでした。

2015.2/26(木)~3/1(日)in シアタートラム










# by berurinrin | 2015-03-01 18:03 | 観劇感想

加藤健一事務所35周年記念vol.92カトケンシェイクスピア
『ペリグリーズ』             in 本多劇場(2/19)

作 ウィリアム・シェイクスピア
訳 小田島雄志
演出 鵜山仁
美術 乘峯雅寛

ツロの若き領主であるペリクリーズ(加藤健一さん)は、絶世の美女と謳われる
アンタイオカスの王女(加藤忍さん)に求婚をするため、アンティオケに向かいますが
父王アンタイオカス(山崎清介さん)と近親相姦の関係を見抜いたことから
身の危険を感じ、国政をヘリケーナス(田代隆秀さん)に委ね、諸国放浪の旅にでます。
旅の航海中に嵐に見舞われたペリクリーズは、身一つで難を逃れ
漂流したのはペンタポリスの地でした。
そこでは、王女セーザ姫(加藤忍さん)を巡り騎馬試合が行われることを聞き
騎馬試合に参加し、セーザ姫の愛を得て結婚することになります。

中央に逆三角形の幕。
まるで正面からとらえた船の様です。
両側にはブルーの淡く美しい照明に当てられた海の神殿のような立柱が立っています。
美しい舞台装置は、乘峯さん♪

鵜山さんお初のシェイクスピアのロマンス劇(#^.^#)ラブ話ですよ~!!と
言いたいところですが、これがかなりクセのあるお芝居(笑)
これでもかという位の災難のオンパレードが降りかかるペリクリーズと
同じように不幸の連鎖に巻き込み巻き込まれながらも、
自分の信念を貫く潔さを失わない人々。
この人々を演じられる俳優陣が、複数演じ分けられるのですが
これがめっちゃ個性的過ぎて、その役のふり幅が広すぎて、後からパンフを見て
あら、この役もこの役も?!うぁーみたいな、面白すぎます。
逆にマイペースなペルクリーズが翻弄されちゃってる気もしなくてもないのですが…

作りによっては、ものすごく大舞台になり得る題材を、
とてもシンプルにクラシカルに魅せて頂いた気がします。
客席を巻き込むさりげないコミカルなシーンにしても
語り部となるガワー(福井貴一さん)の立ち位置が、とてもバランスがよくて
客席の空気を舞台の上に乗っけて、劇場全体に降りそそいでいるような感覚を覚えました。
そんな橋渡し役(#^.^#)
きっと、むかしむかし
シェイクスピアが生きていた時代の舞台と観客の距離感が
こんな感じだったのではないのかしら、そう思ったのでした。

そーそー
ペリクリーズとセーザ姫の娘マリーナ(加藤忍さん)が、優しく清らかに歌うシーン。
なななんと、鵜山さんが作詞をされたそうですよ( *´艸`)
これがとても素敵っ!!忍さんの歌声も最高ですヨ

2015、2/19(木)~3/1(日)まで in 本多劇場







# by berurinrin | 2015-02-21 23:58 | 観劇感想

現代カナダ演劇・最新作連続公演/第25回下北沢演劇祭参加
名取事務所『ベルリンの東』
                            in 下北沢『劇』小劇場(2/10)

作 ハナ・モスコビッチ
翻訳 吉原豊司
演出 小笠原響

第二次世界大戦後、ドイツから南米パラグアイに家族と共に
移住してきたルディ(佐川和正さん)は、何不自由なく暮らしていました。
ある日、幼馴染のヘルマン(西山聖了さん)の何気ない言葉から
自分たちの父親がナチの残党だと知ることとなります
名取事務所『ベルリンの東』_c0023954_14531999.jpg
それもルディの父は、アウシュビッツ強制収容所の軍医として、
ユダヤ人に対し非人道的な行為に関わっていたことがわかります。
父と対立し、ヘルマンを裏切るように家を出てドイツに留学するルディ。
そこで、アウシュビッツに収容されていた母親の記録を探しにニューヨークから
やってきたユダヤ人サラ(森尾舞さん)と出会い二人は恋に落ちます。
けれど両親は事故死したと、サラに何一つ真実を話せないルディ。
そこに幼馴染のヘルマンがルディを訪ねて現れます。

タイトルの「ベルリンの東」いうのは、アウシュビッツ強制収容所の事を指しているそうです。
舞台は、正面に大きなドア。ドアの両側から下手、上手に伸びた有刺鉄線。
中央にテーブル。左右にはそれぞれガラス扉の付いた本棚。

疲れた表情の一人の男性が、震える手で煙草に手を伸ばして
過去を語り始めました。
語り口は、柔らかくて軽い笑いを込めながらも
その声は渇き、未来に向かう道は閉ざされた暗い暗い悲しみの瞳を持つルディ。

果たして親たちの過ちに子供たちはどこまで責任を負わなければならないのでしょうか
親たちの苦しみに子供たちはどこまで寄り添わなくてはいけないのでしょうか
悲しみと苦しみとあきらめの何処に未来への道があるというのか
残酷なことです。
怒り感情を人の心や肉体を傷つけることによって、
数倍になって自分の痛みとなって返ってくる
やりきれなさ
ルディの姿を通して、今の私たちを取り巻くきな臭い社会とその先の起こり得る現実
と重なって見えてしまうのです。
私たちの責任を、マイナスの遺産を、未来の子供たちに押し付けちゃいけない。
彼らは何も知らないのだから…

出ずっぱりの語りっぱなしなのはルディを演じられた佐川和正さん。
上演時間の1時間45分のうち、1時間43分はしゃべっていたんじゃなかろうかと
それもモノローグと会話とスイッチの切り替えをしながら、すごいですね~
思わず、台本何ページ分くらいあるんですか?と聞いちゃったら98Pとか~?みたいな~
くらくらしちゃいます。
冒頭の第一声の風貌と声が佐川さんと一致するまで、しばし?!と
あの表情、あの声の乾き声に愕然とさせられました。
悩み苦しむルディとそのルディを冷静に見てる現在のルディが
交差してリンクして重なる衝撃のラストまで、瞬きするのももどかしく
見つめ続けてしまいました。
ほーんと、佐川さんは毎回違う顔を魅せてくれちゃうんだから(#^.^#)

すごいすごい作品でした。
と、ところが、終演後「あそこに座って居たでしょう。わかったらそっち見れなくて(笑)」
えーーー。
「もう、絶対、こっち見てくれたら視線を外さないように食らいついておこうと思ったのに」
残念(笑)そんだけルディと寄り添っていたかったのでした。


2015、2/6(金)~ 15(日) in 下北沢『劇』小劇場










# by berurinrin | 2015-02-11 23:34 | 観劇感想

Minami-Aoyama MANDALA Presents Reading Live2015
『岸田國士を読む。冬』 in MANDALA

『異性間の友情と恋愛』
演出 青柳敦子

昭和6年に雑誌「婦人公論」に掲載されたエッセイ。
話者(小長谷勝彦さん)が、助手(亀井良太さん)と共に登場し
関係図式を用いて、様々な方向から男女間の友情と恋愛について語ります。

女性の中の男性的とより女性的な型と男性の中の女性的とより男性的な型の
様々な組み合わせにより恋愛系、友情系と関係性をパネルと共に紹介していきます。
男女間に純粋な友情は成立するのか否か…と
今でいう草食系と肉食系とか、もっと組み合わせが複雑になるかもしれないなぁ~と
ほくそえみながら拝見しちゃいました。

『恋愛恐怖症』
演出 青柳敦子

夕暮れ迫る浜辺に二人の男女。
男(粟野志門さん)と女(一青妙さん)。
友情と恋愛の間で行きつ戻りつ会話を交わす二人
日は暮れて、男は去り、女は残ります。
後日、男は別な男(小長谷川勝彦さん)から女と結婚したと聞かされます。
ナレーション(征矢かおるさん)

もう~じれったい男(笑)
こんなに女が、シグナルを送っているのに何で?!と
これを書かれたのは大正15年というから本当に驚いてしましましたが
恋愛事情というのは、普遍的なもので
こういう男と付き合っても先にいいことがナイ!と言えちゃうことも普遍的な事なんじゃないかと
ほんと、オイコラ!と
先に拝見した『異性間の友情と恋愛』の実例として見るのは、ちょっと主人公たちには
意地悪な悲しいお話な気がしました。

『モノロオグ』
演出 山上優

去っていたの彼の住んでいた部屋を訪ねてきた女(征矢かおるさん)。
異国人の彼との出会いから今に至るまでの思いを回想しながら
一つの恋の終わりに区切りをつけていく過程を追います
ナレーション(亀井良太さん)

あくまでも女のモノローグなのですが、扉の開け閉めや控えめなナレーションの
アクセント的なこれまた控え目感のコミニュケーションのやり取りが気持ちよかったです。
去っていた彼を一つの区切りにするために、必要な感情の流れの時間を
優しく強く、でもまだ未練を感じる、やりきれない女心を切なくかおるさんが訴えかけて
いました。

「女らしさに」について
演出 青柳敦子

昭和14年に雑誌「婦人公論」に掲載されたエッセイ。
話者(山上優さん)が、「女らしさ」について男性の立場、女性の立場から
その定義について解説をします。

これはかなりぶっ飛びました(笑)
まさかの優さんが、男装してのご登壇(笑)
思い出してもプププッ!いやぁ~すごい、あのメイク(笑)にあのキャラ(笑)x2
これは見れた事がお宝だと思っています(笑)

おしゃれな街、南青山にあるおしゃれなバーMANDALAで行われる「岸田國士を読むシリーズ」
夏に続いて冬に参加してきました。
夏では、文学座から得丸伸二さんと山崎美喜さんが参加された朗読劇『歳月』。
演出は、山上優さん。
これが、とても素敵だったのです。
穏やかな空気の流れの中で、ふっと違う匂いや湿度の違う風が吹いてくるような
違和感を魅せてもらった感が新鮮で、これがドキドキ楽しくて
あんまり楽しくて、美喜さんから演出の山上さんを紹介して頂きました。
山上さんは、日本とフランスを行き来しながら演劇に携わっておられる素敵な女性で
以前、鵜山仁さんが演出された劇団NLT『オスカー』の再演で、
演出助手としてお仕事をされていたそうです。
フランス語も堪能で、かっこいい~そして、とっても面白い(#^.^#)
思えば当時は3.11の震災の年に福島からの地方巡業のスタート。
私は、秋田演劇鑑賞会で拝見させて頂きましたが、その時のツアー思い出話で
一挙に優さんが大好きになってしまいました。

『岸田國士を読む』というシリーズは、戯曲にこだわらずに
岸田さんの作品を読むという主旨があるそうです。
で、今回は冬。
昨年までフランスに自費留学されていた征矢かおるさんの帰国後第一作だし、優さんだし
これは行っとかないと!!
で、ここはお食事もとても美味しいので、ちょっと到着も早かったし、お腹も空いて
いくつか頼んだら一人じゃ多いぞぉ~ヤバい!と、そんな時に、素敵な男性が★
先日、研修科生卒業発表会『三人姉妹』を演出されたばかりの高橋正徳さん♪
てなわけで、一緒に食事&リーディングをノリ君と共に楽しませて頂いたのでありました。

久しぶりに舞台の上の征矢さんの姿は、とても美しくて
よりパワフルに明るくなった感じがして、何より楽しそうに演じてる姿が素敵でした。
ダメ出しが厳しかったそうですが、素敵なかおるさんの側面をたくさん出して下さった
優さんの演出が温かく伝わってきました。

そんな優さんと初対面のノリ君に「もうめっちゃ素敵な女性だよ!」と散々言って
次に演者として登場した優さんの姿に、イスからずり落ちそうになりつつも
その変貌ぶりに何度も吹き出させられまして…
というのも、まるで変なおじさん風に変装した姿に、その動きの怪しさ度100%(笑)
もっと大好きになってしまいました。

そう、ここは食事もお酒も美味しいおしゃれなバー!
終演後は、フランスで征矢さん宅を突然訪問した優さんの話や
ノリ君のイタリア留学話で盛り上がって楽しい時間を共有したのでありました。

2015.2/2(月)、3(火) in 南青山MANDALA





# by berurinrin | 2015-02-09 23:09 | 観劇感想