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こまつ座第90回公演『父と暮せば』 in あうるすぽっと(8/10)

作   井上ひさし
演出 鵜山仁

広島に原爆が落ちて3年後。今にも崩れそうなこの家に一人で住んでいるのは
美津江さん(栗田桃子さん)です。
図書館に勤める美津江さんは、ある日恋をします。
けれど原爆によって愛する人たちを尽く失った美津江さんにとって
生き残ってしまったという罪悪感から、恋心も疎ましくその心を固く閉ざしがちです。
そこへ亡き父・竹造さん(辻萬長さん)が現れます。
娘のために、娘の恋の成就のために・・・

7/17に相模原・杜のホールはしもとで初日を迎えた『父と暮せば』が、地方公演を経て
東京に帰って来られました。
そして初日のこの日、拝見してきました。
会場には、大きな井上ひさしさんのお写真や井上さんの筆跡やら展示品が飾られていて
振り返るたびに・・今は亡き人の偉大さと、亡くしてしまった無念さに心が痛みます。

誰かに「一番好きな作品は?」と聞かれた時
多分真っ先に挙げるのは、この『父と暮せば』と、きっと即答できるほど
わたしはこの作品が大好きなのです。
原爆の悲惨さや戦争によってなんの罪もない一般庶民に与えるむごさとか
もちろん、もう二度と広島や長崎で起こったような出来事を繰り返しちゃいけません。
でも、この作品の中にある・・あの日、生き残ってしまった美津江さんが受けた心のダメージが
木下さんという男性に巡り合ったことによって、日々心の大きな感情のうねりに左右されながら
おとったんと交流する事によって、美津江さんの心が明日に向って再生していく過程が
とても愛おしくなるんです。
生きること、人を愛すること、愛されることの祈りのような願いのような
反戦はもちろんですが、温かいメッセージに溢れた側面に心を動かされます。

東京初日の舞台、またまた号泣。
終演後、洗面所で鏡に映る自分の顔のあまりのぐしゃぐしゃぶりに
そそくさと劇場を後にしてしまいましたf(^_^;)
そのまま有楽町線にも乗るのもなんだしぃ~と、池袋まで歩く事にしたのです。
実はうちの会社の本社は、池袋にあってそれもサンシャイン60のすぐ近く。
よって私も知らない道じゃない。つーか東池袋駅を使って通勤してたし
と、さくさくクールダウンしながら歩いていたら、迷った!うっそぉ~、それもサンシャインの中で・・
本社の同僚に電話して、場所を知らせてナビしてもらいながら出た先は、まさに本社のすぐ近く・・
違う意味でのクールダウンでありました。
方向音痴じゃないはずなんだけど・・・

8/10(火)~8/12(木)  in  あうるすぽっと
by berurinrin | 2010-08-13 23:46 | 観劇感想

サイスタジオ公演vol.24
Happy Hunting Ground vol.10『土の中の教師たち ー啓蟄の頃ー』  in サイスタジオ(8/5)

原作  阿部 順 『薬園台の国語算数理科社会』
脚色  加納朋之
美術  乘峯雅寛
照明  阪口美和
音響  栗原亜衣
宣伝美術 添田園子
企画  Happy Hunting Ground

卒業式を間近に控えた私立高校のとある教室。
卒業生を送る会に向けて、三年生担当の教師たちが、出し物の稽古中です。
ところが先生が一人足りません。ベテラン教師のセガワ先生は、ある事件をきっかけに心を病んでいます。
毎朝、車で学校には来ていますが、車の外に出れず下校時間まで、
ずっと車内に閉じこもっているそうです。病名はパニック症候群・・
先生達もセガワ先生を気にしつつも自分達の事で精一杯で何も出来ません。
そこへ、時折稽古を眺めている一年生担当のオガタ先生(鈴木亜希子さん)の様子が
おかしい事に気がつきます・・・

いやぁ~面白かったですねっ
笑いとシニカルさの、さじ加減がいい感じ~!絶妙です~☆彡
某演出家ファン(いまさら某も何も無いんですが・・まっ、ぶっちゃけ鵜山仁さんですけど・・(笑))
の私的には、往々にして演出家を立てずに
作り上げるH.H.Gに対して抵抗もなくもないんですけど
H.H.Gの自由な作り手達の主張が、客席にバンバン伝わってくるんですよ。
それは創作の楽しさとか、俳優として演じる以外に大きな負荷を負いながらも、
それを大きな力にして、時に同じ立場で互いの姿を鏡のように
重ね合わせたり、共鳴しながら作り上げる謙虚で粘り強い姿が、
あの独自の客席を巻き込むような連帯感、空気感や緊張感を作り上げるとしたら
H.H.Gの活動の再始動は、本当に本当に嬉しい出来事でした。

実は、お稽古が始まり忙しい最中、代表の加納さん初め、高橋克明さん、亀田佳明さん
山崎美貴さん、そして鈴木亜希子さんが、横浜演劇鑑賞協会の事務局に
わざわざおいでくださって、今回のH.H.G公演の熱い思いをお一人お一人の
気持ちを言葉にして下さいました。

この作品は、実在の高校の先生が書かれた戯曲で、それも高校演劇の為に作られたそうです。
実際に12年前、千葉県の高校の演劇コンクールで上演され、最優秀賞作品になったそうです。
で、その時の審査員のお一人が、今回H.H.Gの為に脚色をされた加納さん。
その以前に高橋克明さんらと行なった淡路島のワークショップで、手ごたえを感じられ
その作品でH.H.Gの始動をする予定でしたが、その作品が残念ながら海外で上演される事が
決まっていて版権がすでに海を渡っていたそうです。
そんなこんなで、加納さんの頭を過ぎったのが、この作品だったそうです。

私は私立の中高一貫教育の女子校で、それも一学年3クラスしかない小さな規模の
学校だったので、当時の事を思い出しても自分とはリンクできないのですが
今の学校教育の現場の状況などの報道を見る限り・・・すごいですね。
モンスターペアレントやらゆとり教育の後始末やら
先生が悪いのか?生徒が悪いのか?親がおかしいのか?もうゆがみまくってますね。
新聞の事件欄でも現役教師の起こす事件がなんと多いことか?!
学生の頃、遊んでいた私が云うのは何ですがf(^_^;)
やっぱり学校は学ぶ場なんですね。
でもそれは教科書に書かれたことだけを学ぶだけでなく
きっといいことも悪い事もダメな事もささやかな事も何でも学べる場なのかもしれません。
そして教師たちも学ばせるだけの場でなく、やっぱり社会人として
職場として人生を学ぶ場なんだなぁと、観劇しながら思ったりしたのです。

そうやって自分に向けて考えさせてもらえることは、芝居を観ていて大切なことで
それは彼らのお一人お一人の役柄の背景が、きっちり丁寧に作られているからなんですよね。
最後の卒業生を送る先生達のぶっちゃけトークに、「あ~だから」とか「あの目線」とか
教師たちの切ない思いの種が芽を出すラストにめっちゃ感動したのでした。

おもちろかった(*^_^*)

初日のこの日の終演後、劇中にセーラー服姿の山崎美貴さんが客席に向って見得を切るシーンで
その美貴さんのキラービームを私、受け止めたもんで・・そんな話を美貴さんとしていたら
客席でご覧になっていた、目下『殿様と私』のお稽古中の浅野雅博さんが
「あれは、客席を下から上に舐める様な目線がいいんじゃん・・」と
モジョミキボー』のミキボーのお母さんのダンスのシーンの時のパーンとした
あのセクシィ(笑)眼差しを至近距離でやって見せてくれまして
ちょっと笑っちゃいましたが・・すると美貴さん
「今度『そや(征矢かおる)美貴ボー』やるから」と(笑)
「冒頭の台詞は、二人並んで「そや美貴ボー」「美貴ボーそや(笑)」」
「じゃぁ、あっ、あっ(モジョが走って転ぶシーンの)は有りですよね(笑)」と
「もちろん!」と美貴さん(笑)と、浅野さんを前にさんざんパクって笑ったあと
って、なんのこっちゃっというと
H.H.G始動の次は、なんと今年の冬に征矢かおるさんと山崎美貴さんの美しい女優ユニット
テアトロサンノーブル第2回公演が行なわれるのです。
題名は『そや美貴ボー』もとい(笑)『この星にともる光』
戯曲は征矢かおるさんの手によるもので、演出は高橋正徳さん。
前売近くなりましたら詳細をご連絡しますね。
こちらも見逃せないし、とっても楽しみな企画ですね(^_-)-☆

と、愛すべきH.H.Gの次の挑戦が今から楽しみです
それにしても今の文学座の有志の方々は、本当に元気いっぱい!素晴らしいじゃないですか
彼らの頑張りが、劇団の力になる・・・“劇団力”鵜山さんが、以前におっしゃっておられました。
わたしも本当にそうだと思います。

あっ、ちなみにセガワ先生のハーモニカは、沢田冬樹さんが即興で吹いて下さったそうです。
冬樹さんといえば、ブルースハープの名手でもありますが、あんなぶきっちょな音色も
出せるなんてすごいですねっ!

8/5(木)~10(火)まで in サイスタジオ小茂根
by berurinrin | 2010-08-12 20:58 | 文学座観劇感想

8.9月主な外部出演

★松本祐子(演出)、松角洋平『ピーターパン』8/13中日劇場(中日劇場予約センター052-290-1888)8/19北九州芸術劇場(北九州芸術劇場093-562-2655)8/22名取市文化会館(名取市文化会館022-384-8900)
★鵜山仁(演出)、栗田桃子『父と暮せば』8/10~12あうるすぽっと(こまつ座03-3862-5941)8/15川西町フレンドリープラザ(川西町フレンドリープラザ0238-46-3311)8/16シベールアリーナ(シベールアリーナ023-689-1166)
★原康義『ガラスの仮面』8/11~27彩の国さいたま芸術劇場(彩の国さいたま劇場0570-064-939)9/2~5シアターBRAVA!(グリークス06-6966-6555)
★新橋耐子『お月さまの笑顔』8/11~15中野ポケット(経済とH090-6392-3008)
★反田孝幸『悪役志願』8/20~26座・高円寺(座・高円寺03-3223-7300)
★中野志朗(演出)松井工、目黒未奈『走れゴスポディン』8/21ドイツ文化センター(ドイツ文化センター03-3584-3201)    
★西川信廣(演出)名越志保『女は遊べ物語』9/3~26明治座(明治座03-3660-3900)
★内野聖陽『イリアス』9/4~23ル・テアトル銀座(サンライズプロモーション東京0570-00-3337)9/25りゅーとぴあ(りゅーとぴあ025-224-5521)9/28~10/3兵庫県立芸術センター(チケットインフォメーション06-7732-8888)
★廣田高志『ハムレット』9/10、11りゅーとぴあ(りゅーとぴあ025-224-5521)
★成井市郎(演出)石井麗子『朗読劇 華岡青洲の妻』9/26上田文化会館(千草090-6318-0744)
★西本由香(演出)戸井田稔、外山誠二『今は昔、栄養映画館』8/31~9/4代々木パオ(Make'Em Laugh
★鵜澤秀行(演出)、関輝雄『暮れがた』8/20~23浅草雷5656会館(パラダイスシアター090-9382-1462)
★秋乃桜子=山像かおり(作)山像かおり『SECOND KISS』9/4.5.11.12シアターアンドカンパニー
(コレド03-3470-2252)

*お問い合わせは( )までお願いします

毎日暑いですね~
皆様いかがお過ごしですか?
横浜演劇鑑賞協会の9月の例会は文学座公演『殿様と私』(9/8~11)がやってきます。
思えば『アラビアンナイト』以来、約二年ぶりの横浜公演です。
例会に向けて活動も活発に動いております
例会公演中には、交流会やアフタートーク、バックステージなど盛りだくさんな企画もあります。
もしお近くにお住まいもしくは職場など・・・よかったらこれを機会にご入会のご検討は如何でしょうか?
詳しい情報は→横浜演劇鑑賞協会へよろしくお願いいたします

わたしは『TERRA NOVA ―テラ・ノヴァ―』の横浜公演で入会しました。
演出は、この作品がアトリエデビューだった高橋正徳大演出家!あの頃は可愛かったぁ(笑)
いまでも十分可愛いですが・・ぷぷぷっ
思えばアトリエの作品が、例会で取り上げられという画期的な出来事でした。
入会して早6年、翌年からは運営委員になって企画にも参加させて頂いています。
まだまだ新参者ではありますが、それも文学座一辺倒でf(^_^;)「鵜山さんの」
とか「鵜山さんが・・」とか鵜山仁さんの事ばっかりのミーハー野郎で、そんなしょーもない新参者の言葉に
耳を傾けてくださる心優しい先輩達が大好きです。
いつも自由な場を提供してくれる事務局の方々や先輩達の姿・・
常に新しい企画やドキドキでワクワクなものをキャッチしようと前向きな姿勢やその取り組み方には
いつも尊敬の念でいっぱいです。
それは他の鑑賞会にとって異質なところもあるかもしれませんが
それでもやっぱり、大好きな芝居の事、大好きな人の事・・語れる仲間がいて、場所がある幸せを
いつも感じています。
よかったらいつでも語れる仲間になりましょう(*^_^*) まっとりあえず呑みますか(笑)
by berurinrin | 2010-08-11 13:09 | 外部出演

自主企画公演『今は昔、栄養映画館』のお知らせ

作  竹内銃一郎

演出 西本由香

出演      戸井田稔   /   外山誠二

美術 石井強司

照明 阪口美和

日時 8/31(火)~9/4(土)  19:30

会場 代々木パオ

料金 前売り2,800円(当日3,000円)/ペア5,000円

ですよ(笑)
この組み合わせだけで、なにか面白い事が起こりそうな予感がしています。
とはいえ、どんなお話なのか?実はさっぱりわからないんですど・・
でも観て後悔しないと思いますよっ!
えっ私?!もちろん観に行きます★
チケットの予約ページもあるリンクしている西本さんのブログMake'Em Laughをご覧下さいませ~
by berurinrin | 2010-08-11 00:55 | 外部出演

サイスタジオ公演 vol.24
Happy Hunting Ground vol.10
『 土の中の教師たち ー啓蟄の頃ー 』

8月5日(木)~10日(火)まで
サイスタジオコモネA にて

出演:加納朋之 高橋克明 亀田佳明 山崎美貴
   鬼頭典子 山谷典子 佐古真弓 鈴木亜希子

詳しい内容は→こちらへ
ブログはコチラ→H.H.G vol.10「土の中の教師たち」ブログ

伝説のH.H.Gが帰ってきます!この記念すべき第二章!
ぜひこのお祭りにご一緒に参加しましょう!!うふっ(*^_^*)

日々の感想は↓でお願いします。
by berurinrin | 2010-08-10 17:22 | 外部出演

アトリエ60周年記念のイベントのお知らせ!

第一弾のシンポジウムは終わってしまいましたが
第2弾は、翻訳家・山形治江さんによる<『トロイアの女たち』解説講座>が行なわれます!!

日時      8/28(土)14:00~15:30
会場      文学座新モリヤビル1階
定員      50名
参加費     500円
予約受付中!!
お問い合わせ 文学座03-3351-7265

第3弾は、『カラムとセフィーの物語』の脚色をされた
英ロイヤル・コート劇場芸術監督ドミニク・クックさん来日シンポジウム
が行なわれます!!

日時      10/6(水)『カラムとセフィーの物語』公演終演後
パネリスト   ドミニク・クック、中山夏織(通訳)、高瀬久男(演出)
会場      文学座アトリエ
定員      150名(先着順)
参加費     1,000円
予約開始   9/4~
お問い合わせ 文学座03-3351-7265

まだまだ、各公演には、演出家、出演者を交えてのアフタートーク(交流会)がありますよぉ
トロイアの女たち』9/12(日)公演終了後
カラムとセフィーの物語』10/10(日)公演終了後
ダーヴィンの城』10/28(木)公演終了後
これからチケットを・・・と、考えておられる方は、ぜひカレンダーをにらめっこしてみて下さいね。
あと3本通し券というお得なチケットもありますので
詳しくは、専用ページ文学座アトリエ60文学座NEWS BLOG
by berurinrin | 2010-08-08 23:03 | イベント

集客を考えるより空間を共有する場所・・・
東京は、世界で一番芝居をしている都市だと、小田島恒志さんはおっしゃいます。
その中でアトリエは、商業系と小劇場系が同居しあっていると
例えば、1982年鵜山仁さん訳・演出作ヴァーツラフ・ハヴェル作『プラハ1975』(112作品目)
を上演したというのがすごい!と小田島さん。
このハヴェル氏という人。当時は、反政府運動の指導者だったそうで、本国では上演禁止という
かなり過酷な状況下での企画だったと聞いたことがあります。
ちなみに鵜山さんのアトリエ初演出作品です♪

アトリエ60周年記念ということで
それぞれの作品の紹介を各演出家の方がお話して下さいました。
トップバッターは『トロイアの女たち』
演出は松本祐子さん。
「他者が自分より、良いものを持っていたら妬む」
「自分の子の方が可愛いと思った時点で争いが起こる」と、祐子さん。
なんと日常の中で争いの種が、撒き散らかされているんでしょうね。
お話は、まさに戦争に負けた敗戦国の女達が理不尽なままに翻弄されていく姿を描く作品ですが
祐子さん曰く「現代でどう響き合うか?きっと力強い作品になると思う」とおっしゃいました。

第二弾は『カラムとセフィーの物語』
演出は高瀬久男さん。
原題は「Noughts and Crosses」という、○×ゲームを意味してるそうです。
近未来のお話で、黒人と白人の人種差別。黒人が支配し、白人が奴隷という
シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』がモチーフの作品だそうです。
人種差別が主流にありますが、「社会的アピールだけでなく、芝居の醍醐味がある」と高瀬さん。
差別など、どこから生まれるか?作品としては力強い想像力を要求されるそうです。

そこで、翻訳家の中山夏織さんがお話してくださました。
この作品は、本国では、中高生向けに絞られた作品だったそうです。
お話も2バージョンあって、最後まで仕上げられなかったという・・
シェイクスピアの現代版であり、彼らのスピードをどう表現するか?!
日本の中高生もそうですが、イギリスの中高生達も迷える世代なのかもしれませんね。
でもって衝撃作であるそうです。
一番大事なものを大きく捉える。
今の時代に必要な事かもしれません。

人種差別・・という事で、小田島さんから
以前『欲望という名の電車』をイギリスからのお客さまとご覧になったそうで
その時に、顔を黒く塗っている俳優の姿をご覧になって、すごく違和感を持たれたそうです。
でも日本人が演じているんですから、黒人の役であれば・・と思うんですけど
イギリスでは、そういう事はしないと。まぁ黒人の方がいらっしゃいますから・・
これも人種差別的要素を含んでいると思われても仕方ないことかもしれませんが・・

その流れで、小田島さんが翻訳された『GHETTO/ゲットー』
この作品は、ユダヤ人収容所での過酷な状況中でギリギリに生きる人たちのお話でした。
で、ご覧になった方が
「日本人はいつまで被災者的視点でみているんだろう・・」と言われたそうで
ちょっと作品が素晴らしかっただけに、ちょっとショックでもあったんですが
でも見方の違い、感じ方の違いに、面白いエピソードを伺いました。

第三弾は、『ダーヴィンの城』。
演出は、高橋正徳大演出家。
ロスジェネ世代とか就職氷河期とか、日雇い労働者や阻害されてネットに逃げ込んで
暴力に走ったり、秋葉原で起こった無差別殺人など
リアルが充実して、“リア充”というよくわかんない(笑)ノリ君ですが
小さな世界を守る為に戦う・・
まさに今の時代の諍いが、作家の鐘下辰男さんとノリ君のタッグで観れることは
本当にラッキーというか「楽しい話にならないでしょう」とゲストの鐘下辰男さん
ノリ君の世代と60.70年代のヒロイックな戦いをウチゲバ世代を同世代とか
様々な世代の中でどう対立していくかが楽しみだとおっしゃいます。

年齢層が90代から10代まで居る劇団は、日本には殆ど無いそうで・・そうですよね。
紀元前から21世紀の東京?!という3つの作品の時代設定。
演じる幅が80歳の中で、いろんな議論が出てくるのが楽しみであり
やはり作・演出が別々、もしくは翻訳あって
様々な視線がぶつかり合うことを楽しみにしていると高瀬さん。

以上で、レポは終了です。
なんか相変わらず上手くメモが纏まらなくてすみません。
最後の質問コーナーで、欧米の批評と比べて甘いのでは?と山口宏子さんに質問がありまして
山口さんからは、批判するには、筋立てをきちんと載せる責任があるし、
その為には、掲載する文字数が確実に少ないとおっしゃっていました。
そして10年後50年後を経て、誰かが過去を調べた時に記録として残る事を念頭に置いているとも
おっしゃっておられました。
わたしも微弱ながらも同意見でありまして
もし好きな俳優さんが現れて、ネットで調べていく内に、わたしのブログが引っかかって
その無責任なわたしの文章で、その方の心が乱されたら申し訳ないと、それはいつも
気にするように心掛けています。
改めて心します。

終了後は、金内喜久夫さんの音頭で決起大会が催され
アトリエにご出演される座員の方々と楽しい交流会がなされたのでした。
いやぁ濃密な時間でした。楽しかったぁ~!!

あ~参加したかったとおっしゃる皆様!!
まだまだアトリエ60周年記念のイベントはまだまだ続きますよ!!
by berurinrin | 2010-08-08 22:33 | イベント

上演中の野田秀樹さんの『ザ・キャラクター』をご覧になったという高橋正徳さんから
「野田さんが、圧倒的に先に行っていて一人圧勝しているのではないか?」と

そんな高橋さんご自身を振り返って
いわゆるゼロ世代といわれる、平田オリザさんを主流としたアゴラ発の若い才能が
今や開花してる状態。そんな彼らと同世代を生きるノリ君。
わたしは、あまり古典から繋がってくる文化性というか言葉の美しさを感じない作品群に、
残念ながら、実はなかなか興味が湧かないのですが・・
ちなみにゼロ世代については、発売中の「悲劇喜劇10月号」で特集記事があるので
興味を持たれた方は、読んでみると面白いかもしれません。
強烈な個性を持った彼らの言葉は、時にふてぶてしさも感じますが
色んな制約やタブーを越えて、自身のスタイルを作り上げている彼らの言葉は刺激的です。
さて、そんな彼らとは違い10年間は、「丁稚奉公の10年だった」とノリ君。
西川信廣さんや鵜山仁さんら劇団の先輩の演出助手や時にスタッフとして
現場で常に演劇的言語に溢れた場所に身を置いていたと、おっしゃいます。
同じ演出家でも高瀬久男さんと松本祐子さんの演劇の正解は違うし
「色んな正解の中で、自分の正解を模索する」
アトリエの50周年記念で上演された高瀬さん演出『マイ・シスター・イン・ディス・ハウス』に
衝撃を受けて、文化庁の在外研修で英国に留学されていた祐子さん帰国第一弾
ぺンテコスト』(アトリエ169作目)では、
兵士として出演もしたノリ君。そしてこれまたこの作品に衝撃を受けたそうです。

祐子さんからは、バブル経済が終わってコンピューターが入ってきて
どんどん元気がなくなって、つくづく文学座は前衛でないと思ったそうで
色んな表現の時代を経てきて、それらは本当に信じられるのだろうか?
古い物語が好きで、時代と逆行している?そんな、祐子さんの発言は
アンテナを張り巡らせてるからこその不安感を持たれてるのか?
なんかとても共感が持てました。
1990年代は、祐子さんにとって丁稚奉公の日々。
思えば時給100円にも満たなかったそうで、これまたびっくりしましたがf(^_^;)
鵜山さんらの演出助手を経て、2000年に独り立ちした祐子さん。
エンタメだけでなく、幅広く色んなものが観たいという意識が減っているのではないか?
と、今の観客についておっしゃいました。

アトリエの会の上演については、文学座の座員の中で構成されているアトリエ委員会で
企画されるそうです。勉強会や自主企画なども申請して許可が出れば
アトリエを使うことが可能となるそうです。

小田島恒志さんから「台本を読んでも解らなかった(笑)」と、
中野志朗さん演出作『崩れたバランス』(194作目)上演されて初めて意味があることが
解ったそうです。
そんな小田島さんから、最近は翻訳者の紹介をしない。
もしくは曖昧にしている公演が多いとおっしゃいます。
翻訳という作業は、ただ訳すだけではなく
原作に対するリスペクトがあり、原作者の意図を汲み取って、自分の言葉に置き換えていく作業で
翻訳者のご自身の解釈が入っているそうです。
なので「文学座は翻訳者の名前をちゃんと明記してあるのが、ありがたい」・・と
「作者はこう思っているんだろう。と現地で上演しているような雰囲気で訳している」

また山口宏子さんからは、批評家としての視点でのお話。
日本の新聞は、批評が少ないとおっしゃっておられました。そして文字数が少ない。
例えば夕刊でいうと約400万部、人口の約100人中一人が読んでる計算になり
アトリエが20日間の公演で、約3,000人の動員だとすると
つと演劇に関しては、劇場に足を運ぶ方よりも批評を読む方が圧倒的に多いと
おっしゃっておられました。
批評として紹介できるのは、月に3~7本程度。
なので山口さんのフィルターを通して、これはよかったとか、大きく残ったとか
劇場に観にこれない人たちに向って、新聞という開かれた場所で
何かを伝えたい・・そういう気持ちがモチベーションになっているそうです。

祐子さんが、新国立劇場で演出のお仕事で呼ばれた時
当時の芸術監督の栗山民也さんから「朝日(新聞)の山口さんが、良いって言ってたから」(笑)
当時、アトリエの会で祐子さん演出『冬のひまわり』(164作目)をご覧になった山口さんが
「若手で元気のいい演出家はいないか?」と栗山さんに聞かれ
祐子さんのお名前を出されたというエピソードを聞かせて下さいました。
by berurinrin | 2010-08-08 16:24 | イベント

文学座アトリエ60周年記念シンポジウム『時代とアトリエ』
  ー芝居を通してみえるこの世界ー                 in 文学座アトリエ(7/27)

文学座アトリエ60周年企画3作品連続公演のイベントの一つ、シンポジウムに参加してきました。
入り口では、アトリエの会に出演される俳優の方々が迎えて下さいまして
A4版の7ページにわたる<「アトリエの会」上演歴>の資料を頂きました。
司会は『カラムとセフィーの物語』の演出をされる高瀬久男さん。
そして『トロイアの女たち』を演出される松本祐子さん。
そして『ダーヴィンの城』の演出される高橋正徳さん。
ゲストは、早稲田大学教授・英米翻訳家の小田島恒志さんと朝日新聞論説委員の山口宏子さん。
以上のメンバーで約2時間程のシンポジウムスタートです。
相変わらず、メモメモカキカキ状態でのまとめなので
勝手な解釈だらけですが、そこんとこよろしくお願いいたしますm(_ _)m

最初に高瀬さんから、記念公演については、20年前の1990年のアトリエ創立40周年から
始まったそうで、それ以前は記念公演はされていなかったと、びっくりのお話から
創立40周年の演目は『グリークス』アトリエ前面に砂を敷き詰めた舞台で
吉川徹さん、鵜山仁さん、そして高瀬さんと3人による演出だったそうです。
頂いたリーフレットを見ると、アトリエ136本目」に当ります。
そして、50周年は『マイ・シスター・インディス・ハウス』(高瀬久男・演出)
『エレファントマン』(北則昭・演出)『ザ・ウィアー<堰>』(鵜山仁・演出)
の3本の作品をランダムで上演していくレパートリーシステムでの上演だったそうです。
で、これらが167本。
そして今回で3回目・・意外と記念公演は最近になってからだったんですね。

山口さんとアトリエとの出会いは、1990年代だったそうで
印象的なのは、空間の面白さと温かさとおっしゃっておられました。
アトリエというものを作り出す場所。
出来上がる過程を大切にする温かさがあると・・
そして演劇を勉強できると言われました。それはその時代々の最先端の流れを感じられるそうで
例えば60年代は、フランス演劇。70年代はつかこうへいさんの作品。
そして「なにより演出家が沢山いるという事がわかる・・」

小田島恒志さんは、第一声が「すみません息子の方です(笑)」と、掴みはオッケー!
小田島さんが小学生だった60年代当時のお話。
夏休みになるとお友達は、お父さんの勤める会社の保養所に遊びに行くなか
父親に「文学座海の家」に連れていかれたそうです(笑)
小田島さんご自身はアトリエでのお仕事にまた関わってはおられないんですが
高瀬さんや鵜山さんと外部でご一緒にお仕事されておられました。
アトリエで印象的なのは、ベテランと新人が一緒に芝居を作っているのがすごい!と
そして1997年『寒花』が面白かったそうです。
アトリエで上演されながらも杉村春子さんが、ご出演された『華々しき一族』が
アトリエの会じゃない。と素朴な質問をされていました。
すると高瀬さんから
過去から本公演としてアトリエで上演されることもある。と、おっしゃっていました。
逆に「外部の方から見て、アトリエの建物、空間とかどうだろう?」と尋ねられた高瀬さん。
「自由な感じ」とおっしゃったのは山口さん。
次にアトリエに来た時に、どうなっているんだろう?とわくわくするとおっしゃっていました。
そこで例えて言われたのは『犀』の舞台セット。
『犀』のセットは、アトリエのロビーを抜けたら舞台セットがあって、観客は舞台セットを踏み越えて
客席に向いました。
その『犀』の演出をされた松本祐子さんから、舞台セットについて
「奥行きのある世界を作りたかった」そうで、美術を担当された乘峯雅寛さんと
「お客さまが入ってくるときに、この空間の中に入ってこれる」それを形にされたそうです。

アトリエに入る時、必ず目に入るのは下駄箱ですね(*^_^*)
もちろん今でも現役で使われている下駄箱。
よーく見るとちゃんと名前が入っているんですよ♪
お目当ての方の下駄箱を見つけるのもアトリエの楽しみの一つでもあります。
わたしもいつも鵜山さんの下駄箱を見てはニマニマしています(笑)
見てるだけですよぉ~触ってもいないし、手紙なんかも入れてませんよぉ~!!ぷぷぷっ
その下駄箱について小田島さんが「お風呂屋さんみたい(笑)」
それも玄関のような入り口の佇まいに、初めてアトリエに入ったときに「思わず靴脱ぐんですか?」と
聞いてしまったそうです。

1971年、それまで三越劇場と同じ舞台機構を壊したそうです。
そして翌年シェイクスピアフェスティバルとして『トロイラスとクレシダ』『ハムレット』『ロミオとジュリエット』
80本、81本、82本目の作品となりますが、創立35周年になっていたそうで
舞台は、今と同様のオープンスペースとなったそうです。

「どれだけ面白いものを観たかの記憶が体積されている。」そう、おっしゃる山口さん。
確かにアトリエで拝見した作品は、どの作品も全て鮮明に記憶してる気がします。

そこで、山口さんから他の日本の演劇界の構図というか
流れからアトリエの立場を説明して下さいました。
約25年程前に、鴻上尚史さんや野田秀樹さん達「第三時代」・・身体独自の世界感を
体現した若者演劇という新しい演劇と一方で先輩演劇(観客の年齢層が高い)
いわゆる新劇という普通の日常のリアリティーの中に見出す芝居作りをする劇団として
文学座や青年座の名前を出された山口さん。
中でも、90年代の文学座は、着物を着てきちんと芝居をみせる。。
それが逆に新鮮に受止められたそうです。
60年代は、別役実さんの作品。
乾いた無機質にみえる別役さんの文体といわゆる新劇という両者のバランスの中で
核としてアトリエが息づいていたようです。
90年代の後半は、プロデュース公演が参入した事により
西川信廣さんや鵜山さんらの外部でのご活躍により文学座の芝居が、
じわじわ外の世界に広がってきたそうです。
by berurinrin | 2010-08-08 00:11 | イベント

サイスタジオ公演vol.24
Happy Hunting Ground vol.10『土の中の教師たち ー啓蟄の頃ー』  in サイスタジオ(8/5)

原作  阿部 順 『薬園台の国語算数理科社会』
脚色  加納朋之
美術  乘峯雅寛
照明  阪口美和
音響  栗原亜衣
宣伝美術 添田園子
企画  Happy Hunting Ground

卒業式を間近に控えた私立高校のとある教室。
卒業生を送る会に向けて、三年生担当の教師たちが、出し物の稽古中です。
なかなか纏まらない中、一つの事件が起こります・・・

冒頭からネタバレの恐れがあるので、まとめは公演終了後にUPします!
最近、公私共に慌しい日々を送っていまして・・なかなか更新できなくてすみません
かなりの時差があるとは思いますが、お許しください。

さて、約3年の休息期間を経てH.H.G復活しました!
いやぁ~やっぱ良いですね!
遊ぶところは大いに遊ぶし、締めるところはちゃんと締める。
メリハリを利かせて、独自の世界感をしっかり魅せて下さいました。

文学座の中堅俳優を中心としたユニットで、主に演出家を置かず、
彼ら俳優達で話し合って作っていく演劇スタイル。
サイスタジオという狭い空間で、私達観客も気がついたら
彼らの中に溶け込んで一緒に何かを作り上げる・・そんな気分にさせてくれます。
これは、その場にいなきゃ伝わらない
文学座の内外共に息の長いH.H.Gファンがいるのも納得できると思います。

あ~また観たくなる。あの場に居たくなる。
そんなライブの魅力が詰まった素敵な作品を提供し続けてくれたH.H.Gの復活!
本当に嬉しいです!!
興味を持たれた方は、まず足を運んで下さいね!

H.H.Gの詳しい内容は→こちらへ
ブログはコチラ→H.H.G vol.10「土の中の教師たち」ブログ
by berurinrin | 2010-08-07 21:11 | 文学座観劇感想