『岸田國士短編集』風組

『岸田國士短編集』風組 in 銀座小劇場(11/14)

作  岸田國士
演出 森さゆ里

<隣の花>
隣同士に住む二組の若い夫婦は、それぞれお互いの妻に好感をもっています。
従順な妻、片やわがまま放題の妻たちもそれぞれのお互いの夫たち
横暴な夫、片や軟弱な夫の考えや姿勢に惹かれあっているようです。
ある日、この二組の夫婦は一緒に活動写真を見に行く約束をします。
ところが従順な一方の妻は突如拒否し、わがままな妻の言動に腹を立てたもう一方の夫も
外出を止めてしまいます。そんな二人を残して連れ立って外出をしてしまう彼ら・・・
軟弱な夫は、一人で留守番をしている従順な妻のいる隣の家の方向に・・・

これが現代なら・・と、もう直球でf(^_^;)ドラマにならないかもしれませんが・・
短いドラマの中で描く男女の関係の言葉にならない、思いの数々・・
夫同士、互いの妻と夫、それぞれの夫婦の会話の言葉やニュアンスの妙を感じながら
なんか意味深でドキドキする作品しながらのお芝居でした。
こういうお芝居は、難しいですよね。
でも襖って、なんか伝わりますよね。見えない何かが・・・

<ヂアオログ・プランタニエ>
同じ一人の男性を愛する二人の女性(相本結香さん、岩出茉莉さん)が、
彼の愛を得る為に互いに牽制しあう心理戦。

いやぁ、怖いっ!女同士ギラギラしています。
岩出さんの相本さんを見るときの目つきの鋭い事(笑)
たわいのない花占いで、負けたほうが諦めようと、きっと他人が見たら
あきれる姿かもしれませんが、二人は真剣・・それだけ愛に対して、その男性に対して
真っ直ぐ切羽詰った状況というのが伝わってきます。
でも、それは残念ながら・・すでにどちらかの女性は愛の勝者で・・
方やそれを認めたくない、意地っ張りな交渉毎。それも同じ同性だけにわかっちゃう所が
観ていて切ない・・こんな情景を男性である岸田さんが書かれたのが、すごいなぁと
思っちゃいます。

<紙風船>
ある日曜の午後。
結婚一年目の若い夫婦(吉野実紗さん、國井有さん)の何気ない会話に、
心のすれ違いが見え 隠れしてきます。
互いの気持ちの違いがはっきり現れたとき、ふいに飛び込んできた紙風船。
気がつくと無邪気に笑いあう二人の姿・・・。

いい作品ですねぁ~好きですね★私。
過去に一度、狭いスペースでこの作品を拝見したのですが、今回のキャストとても素敵でした。
実紗ちゃんの声音と岸田さんの美しい台詞が溶け合って、本当に日本語って美しいもんだなぁと
感動してしまいました。それに実紗ちゃんの表情がまた何ともいえない。
恋愛の賞味期限は3年間と、友人が言っていましたが、嫌いじゃないけどすごく好きじゃない
すごく好きだった相手に対する気持ちの温度が下がって、それが相手もそうで、察してしまったら
自分を気持ちを差し置いて寂しくなってしまいます。誰の所為じゃないし、責められない。
そんな、一抹の寂しさを紙風船は救ってくれるといいですね。

赤坂で『七本の色鉛筆』を拝見し後に向った先は、ここ銀座小劇場。初めての会場です。
最近は、色々学習しましてf(^_^;)時間がある時は、一度場所を確認してから時間を潰すと(笑)
ま、当たり前っちゃ当たり前の話ですが、私のような人間は痛い思いをしないと学ばない(笑)
今回も確認する際に迷ってましたからf(^_^;)
入り口では、なんと頼経明子さんがお手伝い!?なんかヨリちゃんで嬉しい★
客席には、永川友里さんに遭遇!お隣の席でよもや話しで花が咲きました。
友里ちゃんの同期の千田美智子さんの姿も・・・でも、わたしホント人見知りなんで、すみません。
人見知りを直そうと努力しようとするんですが、なんか後から自己嫌悪に陥っちゃって
声を掛けて下されば嬉しいのですが、自分からは・・いけないんですよ、これが・・全く

終演後、研修科の卒業生の岩出茉莉ちゃん(芸名です)と実紗ちゃん、ヨリちゃんで
なぜか話題が新国立劇場『ヘンリー六世』!(今頃、三部上演中ですね♪)
今回お手伝いのヨリちゃんは、みんなの為においしい手調理を作って応援されていたそうです。
いやいやいや、ヨリちゃんったら女の子らしい!素敵!
「稽古期間が短くて難しかった」と、実紗ちゃん・・ぽそっと、そんな言い方が、めちゃかわいい♪
普段は、ホントに可愛い女の子なのです。
久々のお芝居で、気が強いぞビームを炸裂(笑)した岩出茉莉ちゃんには、お菓子を頂いちゃって・・
いつも気遣いの人なんですよ。ちなみに芸名です(笑)
さすがに一日に二本のお芝居を観るのは、ヘトヘトに疲れますが(なんか熱出ちゃうし・・)
でもねでもね・・逆に出会った彼女達に元気をもらった一日でありました。

11/13(金)~15(日) in 銀座小劇場

さて、リンクを追加いたしました。
この作品の演出をされた森さゆ里さんのH.PTokyo劇場です。
実は、森さんと出会ったのは、この会場ではなかったのですが(笑)
人見知りの私が、初めて会話を交わしたとたん、森さんの事大好きになりました★
ホントに飾らない素敵な女性です。
繊細でいてさっぱりしていて柔らかな空間を作られる森さんです。
「二年に一度しか更新していない」とおっしゃっておられましたが、ユニークな文書に惹かれます!
by berurinrin | 2009-11-23 21:58 | 観劇感想

プリエールプロデュース『七本の色鉛筆』 in 赤坂RED/THEATER(11/14)

作   矢代静一
演出 西沢栄治

七人の娘を残して、母の初七日。
まだ元気の出ない父(小林隆さん)。
亡き母は、娘達を「7本の色鉛筆」と例えて、個性を尊重して大切に大切に育て上げてきました。
ある日、六女・文代さん(黒木マリナさん)は、付き合っている年上の男性・田所さん(岡森諦さん)が
文代さんと双子の七女・巴絵さん(宮菜穂子さん)の実父であると告白します。
その事実を知りながらも他の子供たちと同じように愛情を注いできた父。
実の父を男性として慕う文代さんは、逃げ出すように家を出て行き、修道院に入るという巴絵さん。
お見合い結婚が決まった五女・明子さん(加藤亜矢子さん)と次々色んな出来事が
この家族を包んでいきます。

7本の色鉛筆だけあって、娘達はそれぞれ個性に合わせた色が入った衣装を身に付けています。
面白いのは、おでん屋さんに嫁いだ三女・みな子さん(高橋麻里さん)と夫(竹岡真悟さん)とは
同じ色の配色の衣装(笑)
セットの背景にも沢山の洋服が貼ってありました。
その手法がユニークで今や、注目の演出の西沢さん。
本来3時間超えの作品を2時間10分に短縮して、次女・菊さん(江間直子さん)が
ストーリテラーのように、一歩下がった感じで、父と姉妹の節目節目の日常の事件や
過去の父と亡き母のエピソードを紹介されました。
特に、五女・明子さんの結婚式の前夜、父が母との結婚前夜のエピソードは微笑ましいし
母と娘達に対して大きな愛情と全てを受け容れる寛大な父の姿には、じーんと来るものがありました。
題名は、可愛いものだけど、内容は決して明るいドラマが展開するわけではありませんが
心にふあっと残る、形の無い温かいものに癒される・・良い作品でした。
でもなんか、う~ん、ちょっとぶつ切りな感もなくもなく・・
切り取られ編集された戯曲の部分がどうも気になる
原作とおりの作品を観たいなぁ・・と、思ってしまいました。

文学座からは、佐藤麻衣子さん。
四女・まりさんを演じました。まりさんのカラーは、赤!赤いワンピ姿で主婦!(* ̄m ̄)プッ
それも空気が読めないハイソな奥様です。
ちょっとテンションが高くて難しい役柄でしたけど、面白かった(笑)
役柄に対して、素直に向き合い丁寧に演じられる姿は、誰もが好感を持たれるのではと思います。
実は麻衣子ちゃんが、研修科生の時に発表会でこの作品を上演されたそうです。
おでこ全開(笑)で頑張った「ハナタレおとうと」でありました(爆)

さて、この日はダブルヘッター!次は銀座へGOでした(*^_^*)
ちょっと熱がありましたが、気のせい気のせいとf(^_^;)


11/6(金)~15(日) in  赤坂RED/THEATER
by berurinrin | 2009-11-23 16:54 | 観劇感想

劇団1980・新宿梁山泊合同企画公演『宇田川心中』 in 
                         青山公園南地区広場特設テント(11/13)

原作・脚本 小林恭二
演出     金守珍

渋谷のスクランブル交差点。
ふとすれ違った男女は、何かを感じて互いの姿を見て立ち止まります。それは・・・昔。
150年前のある日、「宇田川小町」と呼ばれる美しい小間物屋の娘はつ(今村美乃さん)は、
芝居小屋の前で女装した青年・桜丸(亀田佳明さん)と出会います。
同じ頃、はつは渋谷・宇田川で道玄寺の学僧・昭円の(松田洋治さん)と出会い
二人は、急速に恋に落ちていきます。
逢瀬の約束・・昭円を待っているはつの姿を見かけた桜丸は、はつを誘拐し
桜丸の恋人の栄三郎(桜川一歩さん)の元に連れて行き、はつを上方に連れて売ろうと計画します。

初のテント、初の新宿梁山泊、初の劇団1980・・初めて尽くしの舞台でした。
インドア人間なので、野外は苦手でアングラもまだまだよくわからなし・・
誘ってくださった亀田さんを通じて何か心の出会いがあればいいなぁ・・と思いつつも
青山墓地近くで、夜のみの公演、それも13日の金曜日(笑)ジェイソンが現れたらどーする?!
さすがに一人で拝見する勇気がなかったのですが、
わたしと違って器の大きいf(^_^;)いつも優しい演鑑の先輩が、ご一緒して下さいました。
ありがとうございます。

この原作の脚本すべて上演すると5時間はゆうに掛かるとか・・・
大胆カットとはいえ休憩2回で3時間超えの大作。
物語は、はつ、桜丸、昭円の三人が、非情な運命の流れに飲み込まれていくお話ですが
この三人を軸に、いつくか複線が張り巡らされたドラマが複雑に絡み合っていきます。

舞台と客席の間には、水場があって・・この日は、大雨(笑)
雨音がBGMです♪水場のすぐ近くの席には、透明のビニールが用意されてありまして
「水が掛かりそうになったら、こうやってこうやって」と説明を受けつつ、自分の身は自分で守ろう!(笑)
でもこんなに客席に近いんだから、そんなむちゃな使用はしないだろう・・なーんて、軽く考えていた私。
これがバシャーン、ドボーンとわおっすごい!!
映像をふんだんに取り入れて、スペクタクルでスピーディーな展開
ちょっと登場人物が、多過ぎて、複雑に絡み合っているので、一瞬でもさらっと流してしまうと
本筋がぼやけそうになったりしちゃうので、神経使いまくりでヘトヘトになりました。
劇中劇のコロスたちの歌が長いかなぁ・・と、思いましたが
狭いテントの空間で、役者たちの熱気を感じながら観る舞台・・・
内容は、う~ん、えぐいっ(笑)すごい迫力だし面白かったです。

愛とは、再び会う約束。
現世では、愛し合う事が叶わなかったはつと昭円は、いつか巡り会い愛し合える日を
確信して死を選びます。
そしてもう一組の愛の形。
前世では叶わなかった二人の男女の魂が、桜丸と栄三郎として出会い固く結ばれていました。
運命の強さを感じます。
重なった二人の遺体のバックには、150年後の渋谷の映像。
互いを知らない男女が出会い・・・二つの魂が重なる瞬間の映像と重なります。
笑顔を交わす二人の未来が幸せなものでありますように・・

文学座からは、亀田佳明さんご出演でした。
最初から最後まで女形のメイク、ホントに綺麗で妖艶でした~★
首をかしげるポーズが、ちょっと悔しい程めちゃめちゃ色っぽ~い!声音も使い分けて・・もうヤバいです。
でも色っぽさだけじゃなくって、アクションも炸裂!でもそれだけじゃない。
桜丸の心の葛藤が、その眼差し、その手の震え、背中や吐息から細い湯気のように
ゆるゆると伝わってきます。
はつと昭円よりも、初めてはつと桜丸が出会った瞬間の桜丸の表情の印象が強烈に伝わっただけに
はつと昭円の恋の行方が希薄な感じがなくもなかったんですが
それだけ亀田さんの桜丸が絶品でした!!
終盤に桜丸とはつと昭円・・生き別れた血の繋がった兄妹であったことがわかり、
愛し合う二人はつと昭円が、輪廻転生を願い自害していく様を、
かっと目を開いて微動だにぜず見届ける兄・桜丸の哀れな姿。。。心がぎゅっとしました。
で、栄三郎に寄り添う女性らしい可愛い桜丸の姿。
いやぁ~亀田さんのすごい一面を観てしまいましたっ!!

11/7(土)~22(日)まで in 青山公園南地区広場特設テント

あっ、完全版・戯曲本『宇田川心中』岩波書店(定価2,000円)には、
亀田さんほかメインキャストのインタビューや稽古場写真、上演記録が記載されています
by berurinrin | 2009-11-23 00:17 | 観劇感想