文学座付属研究所研修科『風のつめたき櫻かな』

文学座付属研究所研修科発表会『風のつめたき櫻かなー久保田万太郎作品集より』
                     in サイスタジオコモネAスタジオ(8/2)

作   平田オリザ
演出 戌井市郎

今日かもしれない明日かもしれない・・そんな近未来の東京都下に
直下型地震が襲った数週間後のお話です。
「宵町銀座商店街」の一角に位置する全壊をまぬかれた喫茶店「ライン」は、
痛々しい傷をベニヤで補強しながらも今日も営業をしています。
そして「ライン」には、馴染みの商店街の仲間が一杯のコーヒーと
たわいのない話をするこの場所が癒しとなっているようです。

今年6月に本公演として上演された作品です。
当時、中国で大きな地震がありました。
同じ頃には、東北地方で相次いで大きな地震に見舞われ
TVで被害地の模様が連日放送され、地震の恐ろしさを改めて知ることとなりました。
被災に見舞われた方々の今の生活が、この芝居の今の状況なのだろうなぁ。。と
複雑な思いに捕らわれながら、拝見しました。

研修科の若い彼らが、自分達の両親や祖父母の年代の人間を演じました。
本当に本当に頑張ったと思います。
この作品は本当に難しいお芝居だと思います。
演じる個々の登場人物の日常生活の匂いと地震により一変した非日常の生活。
そして地震によって体験してしまった悲劇の残像・・。
年齢を重ねる毎に積み重なっていく人間としての懐の大きさをより要求される
お芝居だけに自分の中で整理できないものが一杯あったと思います。
本公演で演じた俳優達には遠く及ばなくても、彼ら自身の作り上げ演じた人物への思いは
熱く強く伝わってきました。
芝居に対して本当に真面目に取り組む彼らです。
もうちょっと羽目をはずして冒険してもいいんじゃないかなぁ・・なんて思う時もあります。
羨ましい程に、今を楽しんで時に苦しんで・・後悔が無いように
めーいっぱい過ごして欲しいです。

8/1(金)~8/3(日) in サイスタジオコモネ
by berurinrin | 2008-08-08 22:27 | 文学座観劇感想