NHKシアター・コレクション’08『AWAKE AND SING!―目覚めて歌え!― 』

NHKシアター・コレクション’08『AWAKE AND SING!―目覚めて歌え!―
                        in NHKみんなの広場 ふれあいホール(2/3)

作   クリフォード・オデッツ
翻訳 黒田絵美子
演出 上村聡史

1935年、アメリカ大恐慌の真っ只中のNYのブロンクス地区に住む
ユダヤ人バーガー家のアパートが舞台である『AWAKE AND SING!』は
2006年文学座の12月アトリエの会として、上演されました。
あれから、一年ちょっと・・・
その後のバーガー家の皆さんは如何お過ごしでしょうか?そんな気分で
雪の降りしきるこの日、まさに『AWAKE AND SING!』日和(笑)拝見いたしました。

アトリエで公演中だった頃、
世間では「ワーキングプア」という言葉って使っていたでしょうか?
溢れ出している情報に溺れそうな日常と
街を歩けば目新しいものだらけ・・欲しいものはどんどん増えていくのに
やりたい事もたっくさん!!
でも本当に欲しいもの、やりたい事は見つからない・・
そして収入っていうと・・・う~ん。
ラルフ(田中宏樹さん)が、少年から青年へと自立に目覚めた頃。
彼の苛立ちや不満が、手に取るように理解できちゃうのは
きっと時代が逆行していくような不安を感じてしまった、私だけではないのでは・・
顔を見るとガミガミ言い争いが起こる家庭ですが
それでも互いに思い遣るからこそ起こってしまう出来事。
懐かしさと新鮮さが溢れた秀作だなぁ~と、しみじみ感じた作品でした。

ユダヤ人家族のお話なので、初めてご覧になった方の中には
ちょっとご理解することが難しい習慣があったのでは
例えば、おじいちゃんが亡くなった後、(悲しい顔が見えないように)鏡に布を掛けたり
旅立つヘニー(松岡依都美さん)にりんごを剥きながら去るパパ(塾一久さん)の姿。
ユダヤ教の世界の中で、りんごには新たな旅立ちを祝う意味が込められているそうです。
パパの想いが込められたりんご・・・のシーンは、泣けちゃうんです私。

あ~、観たかったけど観れなかったぁ~!!の方々朗報です!!
早々にもTVの放送が決まっています。
3/14(金)PM10:25~『芸術劇場』(教育TV)にて放送決定です!!

2/2(土)~3(日) in NHKみんなの広場 ふれあいホール
by berurinrin | 2008-02-03 21:42 | 文学座観劇感想