6月アトリエの会『数字で書かれた物語』2

6月アトリエの会<別役実のいる宇宙>ー新旧書下ろし連続上演ー
       『数字で書かれた物語~「死なう團」顛末記~』 in 文学座アトリエ(6/16)

作   別役実
演出  高瀬久男

皆で「死のう、死のう、死のう」と繰り返し叫び若者達。宗教団体「日蓮会」から
新たに「死なう団」を結成した彼らは、「餓死殉教の行」と称する籠城生活を送っています。

青酸カリを用意し、警官だけでなく誰でもこの彼らの篭城するこの会館に入ろうと
したならばその場で、集団自殺をする覚悟を決めています。
そんな彼らの日常の風景とは・・・

実際に起こった「死なう団事件」を基にして作られたお話です。
それにしても、この新興宗教・・思いっきりマイナス思考というか、ネガティブというか
冷静に考えてみても????な感じですが
そこに集う人たちは、本当に真剣そのもの。
社会から遮断して、自ら閉じこもり日々過す彼らですが、すぐ傍らには“死”
たわいの無い会話から始まって気がつくと、ピリピリした空気が彼らを包み込みます。
人騒がせではありますが、昨今の世間を騒がすテロ集団や他のカルトと違い、
彼らの活動は、その対象は決して外に向けられる事は無く
自分達の命を捧げての彼らの反抗精神活動は、私にはやっぱり
理解することは到底できませんが一抹の潔さを感じることが出来ます。

公演を前に、4月にアトリエで行われたシンポジウムの際に別役実さんが
「事件よりも、年間約3万人もの自殺者が出てきている底辺の闇の部分
対人関係の変化を追跡していきたい・・・」そう語る別役さんの姿が浮かびました。

もし「死なう団」に興味を持たれた方にお勧めの本があります。
保阪正康さん著『死なう団事件―軍国主義下のカルト教団』 角川書店(角川文庫)
わたしも今読んでいる途中ですが
彼らの軌跡を知った上で観るとまた違った視点で楽しめそうです。

~7/5(木)まで in  文学座アトリエ
by berurinrin | 2007-06-21 22:54 | 文学座観劇感想