本公演『ぬけがら』その2

めちゃめちゃ♪かっこいい人が情けな~い役をやると、より哀れな感じがしちゃうのは
私だけでしょうか?(笑)


奥さんの美津子さん(山本郁子さん)には、離婚届を山ほど渡され
(本当に山ほどですよん)、お父さん達には、翻弄されまくる卓也さんを演じるのは
パンツ姿になっても、ぷにゃぁ~と、お腹のお肉を指でつまめても
かっこいい若松泰弘さんです。
初演よりもバージョンアップされた目にも眩しい派手なランニングウエアを
着こなせるのは、若松さんか西条●樹さんしかいませんっ!!
文学座でのご出演は、2年前の初演の『ぬけがら』でしたが、この間には
外部の舞台で大活躍されておられた若松さん。
若松さんの舞台は見逃せない私にとって、一番印象的だったのは
森本薫作『薔薇』。客席で息を吸うのも苦しい位の緊迫した空気感は忘れられません。
他にも復讐に燃えるヒーローを演じた『出世景清』かっこよかったぁ(はっきりミーハーです)
で、今回の若松さんのトホホ振り(笑)
いったい素顔の若松さんは、どちらに当てはまるのでしょうね??
お父さんたちに振り回されながら、少しずつ変化してゆく卓也さん。
中でも50代のお父さん(関輝雄さん)の背中に乗りながら
懐かしむ卓也さんのきらきらした瞳・・・本当に小学生の子供のような澄んだ瞳に見えました。

卓也さんに離婚届にサインを迫るのは、美津子さんを演じる山本郁子さん。
『ゆれる車の音』では、女手一つで娘を育てあげた小料理屋の女将さんを演じて
おられましたが、美津子さんはダンス教室の先生です。
「上を向いて歩こう♪」を歌って踊って、酒飲んで、酔っ払ってどーん♪っと
弾けた姿が、すごいカッコイイ~!!ダンスがめちゃめちゃ切れが良いですね。
足もがーんと上にあがって、あわわびっくりです♪
しっかりした気丈な美津子さんですが、心情をふと漏らす姿は
とっても切ない。。。本当に卓也さんってば、逃がした魚は大きかった・・・

と、この夫婦の決定打を打ったのは
卓也さんの浮気相手の存在。卓也さんの大学時代での元カノ佐藤理沙さんを
演じられたのは、奥山美代子さん。
「卓也ぁ~~」と宇宙?に向かって叫ぶ姿、もう最高です!
したたかで、可愛くて・・・きっと、男の人って理沙さんタイプに弱いんだろうな・・って
上着をちょっと脱いだだけでドキッ♪とさせるチャーミング振り
勉強させていただきますm(_ _)m
お月さまへようこそ』では、自ら水をかぶって自己アピールする女性を演じておられました。
何事も体当たりの奥山さんの姿・・素敵な女性です。

そして、とっても美人なんだけど、不思議系な独特な雰囲気を持つ女性と云えば、
葬儀屋の田中久恵さんを演じる太田志津香さん。
ちょっとアブナイシーンもありますが、太田さんのほのぼのとした清楚な姿が
逆に爆笑を誘う名場面になっていましたね(演じる方は大変かと・・)
そんな太田さんは、『ゆれる車の音』でもスーパーの店員さんで
独特なキャラクターを演じられていました。
毎回ながら客席から太田さんを観ていると、ぽわ~んと癒されます★
by berurinrin | 2007-05-14 22:30 | 文学座観劇感想