文学座付属演劇研究所研修科卒業公演『萩家の三姉妹』 

文学座付属演劇研究所研修科卒業2006年度卒業公演『萩家の三姉妹』 
                                   in 文学座アトリエ(2/3)

作   永井愛
演出  高瀬久男

と、ある地方都市の旧家「萩家」には、三人の娘がいます。
家を相続して、父の代からのお手伝いさんにお給料を払う独身の長女は
大学でフェミニズム教えています。
実家の近くに住む次女は、歯科医の夫との間に子供が二人を持つ専業主婦。
三女はいわゆるフリーター。
この三姉妹。。。なかなか恋愛に関しては、上手く付き合えないようで
長女は4年間の不倫の末、相手の妻が妊娠してしまったり
三女にいたっては、二人の男性と関係を結んでも平然としています。
そして次女は・・・。
季節が変わるごとに「萩家」の三姉妹の生き方も変化していきます。

とうとうこの時期がやってきました。
第44期生の卒業公演です。
それにしてもこの44期生・・本当に個性豊かな面々で(笑)
それゆえ静かな芝居だと、ちょっと静かになりすぎる感じがしましたが
『天保十二年のシェイクスピア』のような群集劇に対しては
個性と個性がぶつかり合って、すごい火花を魅せてくれる・・ダイナミックで力強い
個人技が光り輝く、本当に器の大きな役者の揃った集団でした。

このラストに選んだ『萩家の三姉妹』
登場人物たちが、またこれが、くせもの揃いで(笑)個性的。
まさに彼らに打ってつけの作品となりました。
え.え.えぇ???っと、先の見えないストーリーに驚いたり、笑ったりと
彼らが全力で立ち向かった芝居です。
繊細な心の揺れや細やかな動き、大胆な表現力。
何から何まで・・・・素晴らしい出来栄えでした。
作品としてみても未熟さの微塵も無く全く見劣りしません。
途中2回程、大掛かりなセット変えがあるのですが
薄ぼんやりした中で、セットを変える研修科生の姿の手際の良さにも感動です。
すべてをひっくるめて、その感想を口に出すなら
「すげーすげー。マジ面白い~!!」
・・・失礼しました。いやぁ~でも、興奮しましたぁ。
いつもは、涙がこぼれるようなカーテンコールも、個性的な彼らの事ですから
ちょっと違って・・
はにかんだような笑顔、爽やかな笑顔、満足気な笑顔。笑顔。えがお。エガオ。

そんな彼らも明日で本当に卒業です。
お疲れさまでした。そして、これからの44期生の未来に心からのエールを!!!!

2/2(金)~4(日) in 文学座アトリエ
by berurinrin | 2007-02-03 00:18 | 文学座観劇感想