文学座付属演劇研究所研修科発表会『冬の入り口』

文学座付属演劇研究所研修科発表会『冬の入り口』 in
                           サイスタジオコモネAスタジオ(11/22)

作  長谷川孝治
演出 西川信廣

とある郊外のモダンな斎場が舞台です。
この町の有力者であった一人の老人が、今や火葬になろうとしています。
葬送の中、妻や息子達、従業員らの集う場所に一組の夫婦が現れます。

44期生にとっては、残すところ卒業公演のみとなってしまいました。
『二号』『天保十二年のシェイクスピア』と、驚くほど個性的な面々の彼らが
今回挑戦したのは、青森県を拠点として活躍されている長谷川孝治さんの作品です。
『二号』と登場人物の構成が被る所もあって、ちょっと「?」な感じもしましたが、
そろそろ翻訳劇なんかも見たかったなあ・・と、本音ですが(笑)
でもこの作品は前回と違い全編に渡って、大きな展開があるわけではなく
話の進み方は、まったりと静かな日常の会話で綴られていきます。
ほのかに笑える会話の流れは、今まで彼らの見せてくれた姿とは違う一面を要求され
溢れる心情に蓋をした演技は、かなり高度なものであったと思います。
ふわっと光が二人の男性を包み、暗転となるラストシーンの暖かさ・・
気持ちが浄化されるような、すがすがしい気持ちでスタジオを後にする事ができました。
余韻のある芝居って、好きだなぁぁ♪

そうそう、この舞台のセット
モダンな斎場とい名の通り、何色かのタイル(木材)が壁一面にはめ込まれていました。
きっと一枚一枚、手作りで塗って組み立てたと思います。
このセットの後ろから光が差すと、本当に綺麗でした。
次は、卒業公演に向う彼ら・・ガンバレ!!!

11/21(火)~23(祝日・木) in サイスタジオ
by berurinrin | 2006-11-26 13:33 | 文学座観劇感想