文学座有志による自主企画公演アビコカルピズ『裸足』②

文学座有志による自主企画公演アビコカルピズ『裸足』
                         in サイスタジオコモネAスタジオ(10/8)

作  田村孝裕
演出 上村聡史

このユニット名<アビコカルピズ>といのは
どうやらアビコ=我孫子からきているようですがカルピズってなんでしょう?
カルピスなら、あの白くて甘くて・・美味しくて懐かしい味♪ってでも末尾が“ズ”だし(笑)

昨日の続きでございます。
ネタバレだらけだと思いますので、ご注意の程を・・・

幼稚園が舞台だけに、女性中心の職場です。
いつもかっこ素敵な征矢かおるさんは主婦でもある、人のよさそうなマイペースなみやこ先先。
前回のH・H・G『蝶のやうな私の郷愁』では、普通の主婦であって普通じゃない。。
危うい感情をメリハリ良く演じられて、観る側をドキドキさせて演じられた征矢さんですが、
みやこ先生もしっかりしてそうで、そうでもない(笑)そんな両極端で愛すべき先生っぷりでした。
今まで征矢さんといえば、気が強くて自立した女性のイメージが強かったのですが
セゾン・ド・メゾン~メゾン・ド・セゾン』弾けたおちゃめ振りも可愛かったですよね♪

添田園子さんの演じる、サカイ先生は男勝りの様でいて実はとってもナイーブ。
友達にも居る居るこういう人って云う位、自然な姿でとっても好感が持てます。
それにしてもH・H・G『赦せない行為』の姉を演じられた人と同一人物なんですよね(笑)
素敵です添田さん♪

意地悪っていうのかなぁ・・ひねくれものっていうのかなあ・・そんなりつこ先生は
片淵忍さん!片淵さんのあの顔面くしゃくしゃにする表情、わたし大好きなんです。
片淵さんといえば、中野志朗さん演出の『女中たち』のソランジュ役が見事でした。
また再度観たい作品の一つです。
あの狂気じみた姿にぶっとんだり・・と思うと、久保田万太郎の世界『あぶらでり』では
しゃきっとした凛とした江戸の芸者さんを演じられたり・・とても魅力的な女優さんです。
Vsしほ先生(上田桃子さん)とのシーン。思いっきり叩き合う頬のバッシーーンって音。
凄かったですね。終演後、くしゃくしゃの可愛い笑顔の片淵さんに思わず
「頬、大丈夫ですか?」と聞いてしまいました(笑)

そのりつこ先生と対戦するのは、孤立気味のしほ先生を演じられた上田桃子さん。
鬱積した感情を押し殺した演技にかけてこの人ほど上手い女優さんは
今のところ見当たりません。とっても可愛らしい華奢な姿からは想像もできない
何かを抱えてる彼女の熱いモノ・・・受け止めるには、かなりの力が必要です・・
でもラストのそっけない会話のやりとりの中にも、しほ先生の今の状況を改善しようとする
けなげな姿・・愛おしかったですね。

鬼頭典子さん演じるひでみ先生は、先生達のお姉さん的存在(?)とてもしっかりものです。
でも怒らせると怖~いです。達朗先生(斉藤祐一さん)となにやらありそうな関係のようですが
どうなんでしょうねぇ???園長先生はご存知なんでしょうか?(笑)
鬼頭さんも『ヴォイツェック』とか、淡々と狂気を押し殺した不幸な女性を演じさせたら
素晴らしい女優さんですが今回のような等身大の女性も演じ分けられる
鬼頭さんの姿もまた素敵です。

そして・・お待たせしました。彼女のデビュー待っていましたよぉ♪
マイペースでぶきっちょでも動じない新人先生のむつこ先生を演じられたのは
藤崎あかねさん。役柄と同じで今年準座一年生ぴかぴかの新人さんです。
研修生時代、実はそれ程印象がなかったんですが(ごめんなさい)
二十世紀少年少女唱歌集』のタブルキャストでミドリ役を演じたことを知って
彼女のミドリを観ておきたかったと、とても後悔した思い出があります。
むつこ先生は、女優としてデビューした藤崎さんに相応しくて、これからを期待させる姿と
重ねてしまいましたが、次回もはちゃめちゃに頑張ってほしいと思いました。

女性だらけの中の黒一点(笑)へそまがり気味なのは達郎先生こと斉藤祐一さんです。
場を読めない、自分より弱い立場の人に八つ当たる・・・とんでもない身体の大きな子供です。
でもなんか憎めないんですよね(笑)それは達朗先生の可愛い笑顔とあの眉毛(笑)
アンパンマンの姿・・これはずるいです(爆)斉藤さんは、観る度に色んな姿を魅せてくれる
不思議な俳優さんですが、また『僕と幽霊とサルビアの女』のように作家・演出家としての
顔もまた魅せて欲しいです。

こんな様々な先生たちを束ねるのは園長先生の赤司まり子さん
達朗先生のお母さんでもあります。
園長先生が登場しただけで、がらりと場の雰囲気が変わるのは流石です。
全部をいわなくても説得力のある園長先生のあの笑顔ときりっとした姿。
例えトイレットペーパーを手に持った買い物帰りの姿であろうと付いていきたくなります☆

う、書き切れない・・③へ続きます(笑)

~10/10(火)まで in サイスタジオコモネAスタジオ
by berurinrin | 2006-10-09 15:22 | 文学座観劇感想