文学座+青年団自主企画交流シリーズ第一弾『忠臣蔵』

文学座+青年団自主企画交流シリーズ第一弾『忠臣蔵』
   in アゴラこまば劇場(5/20)

作  平田オリザ
演出 戌井市郎

昨年、文学座有志による自主企画公演『八十八の会』に
おいて公演されたものの再演です。

客席と舞台の間にホワイトボートが置いてあって
ホワイトボードに出演者の名前が手書きで書いてあります。
出演する俳優達は普段着のままやって来て、ホワイトボードの自分の名前のところに
赤いマグネットをおきます。
まるで楽屋口の着到板みたいですね。
舞台に上がった俳優達はそこで着物に着替えて・・と、思いきや
座り込んで、なんかとてもリラックスした感じで、内輪話したり携帯をチェックしたり
なんか?なんで?ってそんな姿を見せられて・・・面白い感じです。
前回サイスタジオで拝見した時よりも、ほのぼの~状態もUPです。
なかでも、『チェンジングルーム』に引き続きのご出演の横山祥二さん。
何気に『チェンジングルーム』のラグビーのユニフォームを着てこられて・・
そういえば、選手の役と違ってコーチ役だったので本編では着ていませんでしたね(笑)
ユニフォームなかなかお似合いでした♪

最後に来られたのは、岡本正巳さん。
実はぎりぎりまで、客席案内をしてくださっていました♪
『毒の香り』では、怪しい刑事さんでしたが
(実際、怪しかったのですが・・)とても優しくお客様を誘導なさっていました。
『エスペラント』で若女将を演じていた大田志津香さんが、開演前のご案内係りさんでした。
大田さんの独特なふんわりした雰囲気いいですよね。
なんかほっこり~します♪

寝っころがっていた中村彰男さんがおもむろに
「で、どういうこと?」
これで芝居モードにスイッチが切り替わった役者達は、一気に赤穂の武士に変わります。

が、お国許にいる彼らにはまだ殿中の事件の詳細が伝わっていません。
まるで、ちゃぶ台を囲んだような彼らの周りには、ほのぼのとした平和な日常がみえます。
その間にも、早飛脚によって事件の詳細が判ってくると、じわじわ・・えええって
彼らの混乱ぶりも激しくなります。
ご家老の大石内蔵助(外山誠二さん)の登場により今後の方向を決めようとしますが
なかなか速やかには決まらないものです。
このご家老の采配ぶりが、かなり素敵すぎて笑っちゃうんですよね。
『著名人』では、坊主頭だった中村彰男さん・・・大分髪も伸びましたね。
う~ん、やっぱりかっこいいです。ちょっと小ばかにした物言い方・・色っぽくて好きです。
次回アトリエ公演『オトコとおとこ』での中村彰男さん・・かなり楽しみでございます♪

さて四十七士ということで47分の短いお芝居でしたが
役者の間の取り方といい。テンポの妙技。本当に見事です。
最高の会話劇を堪能できました。

「(討ち入りは)自由参加型ってことで・・」
「あのさ、みんなで江戸行ってね。ぱっと討ち入って
ちょっと幕府を困らせて、で、さっと切腹ってそんな感じかな・・」
「この逆境を、みなさんの人生にいかして下さい」

かの有名な『忠臣蔵』のお話は、
もしかしたらこんな状態から始まったのかもしれませんね。

5/16(火)~21(日) in アゴラこまば劇場
by berurinrin | 2006-05-20 22:52 | 観劇感想