こまつ座第七十八回公演『小林一茶』

こまつ座第七十八回公演『小林一茶』 in 紀伊國屋サザンソアター(9/24)

作   井上ひさし
演出  木村光一

「十両盗っても首が飛ぶ」時代。四百八十両の大金が盗まれた?
容疑者は小林一茶?!容疑者小林一茶の身元調べに当たるのは
もと狂言作家の同心見習五十嵐俊介(北村有起哉さん)。
狂言作家のクセが抜けない五十嵐俊介は、一茶を良く知る住人達の証言を
張り合わせ芝居を始める事になります。容疑者小林一茶を知るには自ら小林一茶を
演じていくことにより、疑惑の糸をほぐしていくのが一番?!
そして一茶の俳諧にかける宿敵竹里(高橋長英さん)とおよね(キムラ緑子さん)
との不思議な三角関係と壮絶な半生が見えてくるのです。

見習同心で劇中劇で小林一茶を演じている北村有起哉さん。初めて拝見したのですが
不思議な魅力があって良いですね。竹里の高橋長英さんを相手に
間の抜けたようで計算高い一茶を軽快に演じていらっしゃいました。
軽快に演じられていたのは小林勝也さん!小林さんの動きがなんともおかしくて
小林さんが登場すると釘付けになります(笑)
でも今回は何よりも佐藤淳さん♪
だってかっこいいんですもん★あのキラキラしたまっすぐな瞳を楽しみにしていました。
きっと佐藤淳さんに見つめられたら、とりあえず「ごめんなさい」って
謝ってしまいそうな私です!(* ̄m ̄)プッ
この人は動きが軽やかで台詞が滑らか。本当に気持ちが良いんです。
そして紅一点のキムラ緑子さんの可憐な娘時代のおよねさんから
熟女まで演じ分けの上手さに脱帽です。

井上ひさしさんらしく音楽のあり、会話の響きの良さ。ふんだんに交わされる俳句が
耳に優しく入ってきます。またどんでん返しもあって軽やかな推理劇です。
でもおかしさの根本には哀しみが溢れる一茶と一茶を巡る周りの人々の半生が
垣間見えてきます。

~25日まで in 紀伊國屋サザンシアター(新宿)
by berurinrin | 2005-09-24 22:44 | 観劇感想