加藤健一事務所VOL.87『Be My Baby いとしのベイビー』

加藤健一事務所VOL.87『Be My Baby いとしのベイビー』
                                                                      in 下北沢本多劇場(11/27,12/8)
作 ケン・ラドウィッグ
訳 小田島恒志 小田島則子
演出 鵜山仁
美術 乘峯雅寛

1963年。叔母のモード(阿知波悟美さん)を伴ってグロリア(高畑こと美さん)は、
婚約者のクリスティ(加藤義宗さん)の待つスコットランドに向かいます。
そこで待っていたのは300年も続く貴族の家柄のクリスティ家の執事・ジョン・キャンベル(加藤健一さん)。
モードとジョンは、顔を合わすたびに喧嘩ばかり…
それから…クリスティとグロリアの赤ちゃんに不幸な事件が起こり
同じころ、サンフランシスコに住むグロリアのいとこが離婚することになり、産まれたばかりの赤ちゃんを
里子に出すといわれ、その赤ちゃんを里親として引き取るため
クリスティはジョンに、グロリアはモードに、サンフランシスコに行くように働きかけます。

今年最後の鵜山仁さんの10本目の作品でした。
美術は、乘峯さん(*^-^*)可愛らしい遊び心満載のイラストに飾られて
ポップアップ絵本のように前後左右、いろんなところから次から次へと場面が転換していきます。
動きも立体的、なかなかありそうで見掛けないユニークなセットの作りではないでしょか
なんと30シーン以上も場面があるそうですよぉ~すごいですね。
中でも感動的なのは初めて飛行機体験するシーン
モードの恐怖感が、手に取るように伝わってくるだけに、申し訳ない位に可笑しくて
それが飛行機の座席のセットだけで表現されていて、その座席があらまぁ~と
ジェットコースターのようにぴゅーんと舞台をくるくる回って、
スピード溢れる動きに一緒に体験してる気分になっちゃう(^^)/
そして機上の人になった時のゆったりした心地よい雰囲気がふぁっと
これは絶対、名(迷)場面(笑)!

喧嘩ばかりしていたジョンとモードに赤ちゃんが託されてから
ピリピリしていた二人の空気感が一転して、ほんわかなパステル調に変化していきます。
ささやかな赤ちゃんのしぐさに微笑み合う二人の姿…素敵でしたね
赤ちゃんを通じてお互いが、かけがえのない存在になっていく変化が
とても丁寧に温かいまなざしで描かれていました。
それぞれ歳を重ねて、巡り合ったパートナー…いいなぁ~
その二人のスパイス的な役割がクリスティとグロリアの若い夫婦の姿。
田舎暮らしに馴染めないグロリアとクリスティの愛し合っていながらも
心が離れていくジレンマに苦しみながら解決策を見出そうとする二人。
二組のカップルがそれぞれ選んだ道は、最高の選択でしたね。

さて文学座からは粟野史浩さんがご出演。
加藤忍さんと共に場面毎に役柄を変えて登場
なんと9役!
ぶっきらぼうだけど♡の農夫、太っちょの飛行機の乗客、
「かしこましましたぁ~」笑顔満載のホテルマン、ブラウン管のTV司会者
痔を悪化させちゃった判事、レストランの支配人、ひゃっくりの医者、酔っぱらいの神父、
あれあと一役なんだっけ…う~ん(>_<)
(あと一役は、機長の声だったそうです♪これで9役、ああすっきり(^^♪ありがとうございます)
声音を変えて、頭の先からつま先まで大変身の数々~絶対何かやってるし(笑)
舞台に花を添えておられました♪

で、で次回の加藤健一事務所の作品は『あとにさきだつうたかたの』!
そう山谷典子さんの作品が上演されるのです。
すごいですね★よかったよかった
今回の上演にあたり新たに戯曲を手直しされたそうです。
本多劇場という大きな会場で、作家・山谷さんの作品を拝見できるなんて(^_-)-☆
素敵なことですね



11/27(水)~12/8(日) in 下北沢本多劇場
by berurinrin | 2014-01-04 22:44 | 観劇感想