文学座公演『エゲリア』その2 in 吉祥寺シアター(9/8,17)

文学座75周年記念公演『エゲリア』その2 in 吉祥寺シアター(9/8,17)

作  瀬戸口郁
演出 西川信廣


お酒も煙草も遊興をすべて止めて、かの子さんの創作活動の為には
何でも惜しまず与える事を決意した一平さん(大滝寛さん)と
妹・大貫きん(増岡裕子さん)のお世話のおかげで
すっかり健康を取り戻したかの子さん(吉野実紗さんは、自分の進む道を明確に爆走中(笑)

ある日、かの子さんは恋をします。
相手は同じ作家の道を志す文芸青年・堀沢芳雄さん(駒井健介さん)
体が弱く神経質な堀沢さんは、
恋人・かの子さんと夫・一平さんとその子・太郎さん(佐川和正さん)
との不可解な同居生活に神経をすり減らし気味・・
その上、かの子さんの芸術の為ならなんでもOK的(笑)な言動・行動に対して
ピリピリ度MAXf(^_^;)そんな中で起こる二人の言い争いは、激しい口調となっていきます。
なにくれと世話をしてくれたきんさんとの関係に嫉妬したかの子さんとの壮絶なバトルで、
別れた後、病が悪化し短い一生を終えてしまう芳雄さん。
亡くなった芳雄さんとの事で、よりダメージを受けるのはかの子さんのようでした・・
強烈なかの子さんの性格を印象付ける最初のJabを撃つのが役目的な芳雄さん(笑)
演じられたのは、今年、研修科から準座員に昇格したニューフェースYeah~!(*^^)v
文学座公演デビューなのではありますが、
すでに自主企画公演でさまざま姿を私たちに魅せて下さっています。
自主企画『ボーイング=ボーイング』では、二股どころか三股の友人ベルナール(西岡野人さん)
をフォローしつつ、真面目で一本気のドイツ人の女性代表ジュデット(増岡裕子さん)と恋人になってしまう
ちゃかりものロベールを軽快に演じられていました。

下宿人として岡本家に居住するようになったのは、岡本家の成松恭夫さん(粟野史浩さん)。
家事一般に無頓着なかの子さんの代わりにエプロンを身に着け
一平さんの仕事の把握から、太郎さんの母親代わり主婦的な役割を担っていきます。
かの子さんを「お姉さん」と呼び(つーか、呼ばされた)岡本家になくてはならない懐刀的な存在です。
シリアスからコメディまで、なんでも演じきれる粟野さんの持ち味が光るのは、あのくしゃくしゃの笑顔
ニクイ位に惹きつけられます。
岡本家を長年支えてきた成松さんは、かの子さんと全く別のタイプの女性と結婚を決意します。
もちろん、かの子さんの大反対、岡本家の決別を意味します。
かの子さんの罵詈雑言を込めた全力の説得を静かに受け止めつつ、去っていく姿がとても淋しげでした。
そんな粟野さんは、『女の一生』の栄二さん。
老年期→青年期→老年期と見事に演じ分けされていました。
劇団内外と活躍されている粟野さん。
先日、ご出演された『負傷者16人―SIXTEEN WOUNDED―』を拝見しました。
出番がワンシーンでしたが、粟野さんの抑えた芝居、すごかったぁ~怖かったぁ~

成松さんのフィアンセは、植野光子さん(伊藤安那さん)。
闘争心むき出しのかの子さんに、がつんがつんがつんがつんと追い詰められ
居たたまれなくなっちゃう光子さん。
こればっかりは仕方ないf(^_^;)
長年、かの子さんの側に居た成松でしたが、生涯の伴侶として選んだのは、
清楚な普通の女性だったようです。
緊張感みなぎるシーンでしたが、VSかの子に対して精一杯の気丈さをみせようとした光子さんの姿は
う~ん、頑張った・・負けちゃったけど(*^_^*)
そんな伊藤さんも駒井さんと同期で今年文学座準座員に昇格してのデビューとなります。
素顔の伊藤さんは、恥ずかし気にじっと人の目を見て一生懸命に
自分の言葉を伝えようとする真っ直ぐな可憐な女の子です。
『月の岬』で、担任教師平岡先生(西岡野人さん)を翻弄させる子悪魔的女子高生も面白かったですし
芝居となるとがらりと人格が変貌していきます。
まだまだ彼女の未知な部分・・今後も楽しみです。

患者だったかの子さんに見初められて、熱心なアプローチを避けまくり、追いまくられて
その勢いに負けた(笑)のは、はーちゃんこと柴田亀造さん。演じられたのは、大場泰正さん。
すらっとしてきりっとした白衣姿のはーちゃんが、
かの子さんのペースに巻き込まれ取り込まれてしまうシーンは
まさに漫画の世界のようにトリッキーで面白ったですね。
それも一平さんも一緒だけに尚更(笑)
そーいえば、かの子さんの最期を一平さんと看取ったのは、はーちゃんでしたね。
そんな大場さんは『長崎ぶらぶら節2012』では
窮地の愛八さん(平淑恵さん)を救う「長崎ぶらぶら節」のレコード化を提案する
西条十八さんを軽快に演じられていました。

かの子さんがはーちゃんに熱烈なアプローチなうの時に手紙を運ぶ俥夫と
一平さんの弟子・宮田さんを演じられたのは、研修科二年生の後田真欧さん。
MEMORIESテネシー・ウイリアムズ[1幕劇一挙上演]』では、
運送屋さんの4人のメンバーの中の一人でした。
1月の卒公が研修生活として最後の年・・精一杯の姿を応援したいと思います。

ちなみに、リーディングでの文学座の方のキャストをご紹介します。

五大路子詠み芝居『エゲリア~生々流転 岡本かの子』
平成17年12/23,24神奈川県立青少年センターホール

脚本 瀬戸口郁
構成/演出 西川信廣

岡本一平 関輝夫
柴田亀造 若松泰弘
岡本太郎 岸槌隆至

さて、待ちに待った『モジョミキボー』あの二人が帰ってきます!
詳しくは→リンクしてるモジョミキボーのブログ
by berurinrin | 2013-01-02 23:19 | 文学座観劇感想