『風をつむぐ少年』とバックステージ見学

2度目の文学座ファミリーシアター『風をつむぐ少年』観劇でした。

一言で云うと「静かに湧き上がる感動」というのでしょうか。
よく観劇後に「面白かったぁ~」って云ってしまう私ですが
今回の作品は「面白かったぁ~」と、すぐに感想を言葉にする事が
出来ず、ぼぉ~っとしてしまう何とも形容しがたい空気に包まれて
しばし、ロビーの椅子に座る事も出来ず立ち止まったまま
壁を見つめ心地よい余韻に浸っていました。

ブレント少年(斉藤祐一さん)は、前回拝見した時よりもナイーブな多感な少年らしさが
強くなったような気がしました。母親(倉野章子さん)の声の台詞に
一瞬、びくんと身を乗り出すかのような(恋しがるような)しぐさが
体は大人のように成長していても、少年らしさが滲みでて素晴らしかったです。
また、石川武さんのプエルトリコ人のモノローグの場面もとても深く心に残ります。
他の出演者の方々も、シリアスな場面から素晴らしい弾けっぷりで場を沸かしたり
本当に芸達者な方々の力の産物のような見応えアリの作品でした。
ところで、浅野雅博さんはジャグリング上達しましたね~!!
個人的には山本道子さんと石川武さんのリコーダーを演奏されている時の
後姿大好きです。なんか、ぎゅっとしたくなる位愛らしいです♪
原作を読んでから、再度観るとこの作品の構成の素晴らしさに
改めて感動します。
本当にいい作品です。

観劇後、演出助手の中野志郎さんが案内人でバックステージを見せて下さいました。
実は前回の観劇後も拝見しましたが、初日開いてすぐでしたので
ネタバレと思いレポしませんでした。
舞台にはブレント少年が作った4つの風見の人形が出てきますが
これらは、個々に小さなモーターが取り付けれていて
ラジコンの要領でリモコンにより遠方操作で動かされていました。
劇場には色々な機械があるので、勝手にモーターが回ったりと
初日ぎりぎりまで大変なご苦労があったそうです。
床の絵は「アメリカ大陸」、バックのスクリーンは「船の帆」をイメージしてあるそうです。
作品にぴったりの淡い色調で柔らかなイメージが出ていましたよね。
今回は、回り舞台(盆舞台)と異なりドーナツ状の舞台で
中心の円が回らず、周りのドーナツ状の部分のみが周りを回っていました。
わたし初めての経験です。
例えば、指に輪ゴムをくるくる回すと外にゴムの輪が広がろうとするように
軸の無い回転ということで、かなり難しい作業で頭を悩まされて
舞台を作りあげられたそうです。

年に一度、家族で楽しめる作品であるこの企画。
また、来年のファミリーシアター楽しみです♪
早く甥っ子を連れて一緒に観たいです(まだ4歳ですが・・・)

『風をつむぐ少年』~5/8(日)まで 全労済ホール/スペースゼロ

p.sこの作品には、えふさまのご贔屓の古川悦史さんの声のご出演ありましたね♪
by berurinrin | 2005-05-07 21:45 | 稽古場/舞台裏話