岸田國士傑作短編集『明日は天気』『驟雨』『秘密の代償』その1

文学座公演・紀伊國屋書店提携

岸田國士傑作短編集『明日は天気』『驟雨』『秘密の代償』その1
                                        in 紀伊國屋サザンシアター(11/4)

作  岸田國士
演出 西川信廣

『明日は天気』

忙しい会社勤めをやり繰りして海辺に避暑に来た一組の夫婦。
ところが連日の雨続き・・・
退屈を持て余し、妻(片渕忍さん)は昼寝を決め込むと夫(浅野雅博さん)は
妻の気を引こうと、ある物語を語り始めます。

拝見したこの日は初日!
自主企画による有志の会や研修科の発表会など
本公演やアトリエの会以外では、何度か拝見する機会があった
岸田作品・・文学座創立の三幹事のお一人の作品を本公演で観れる楽しさ
なんかそれだけでもワクワクしちゃいます。
久しぶりに緞帳が下りた舞台。
幕が上がるとそこには金箔!?クリムト?!男女の顔を寄せた絵がどーんと、で岸田作品?!
ちょっと一瞬びっくりですが、金色って人に馴染む色合いなんですよね
細やかな言葉や温度が俳優達の体を伝わって、背景に吸収される・・・
当時の華やかな世界の香りを感じさせる、とても美しいセットです。

ちょっと無理して海辺の旅館で避暑を楽しみにやってきた夫婦。
泳ごうとしても外は雨・・
妻が書く旅のたよりの文面は、なぜか晴天・・
夫は、話そうとしますが、妻はお昼寝・・
天気も行動も会話も・・・
全てが合わないづくしでドラマは進んでいきますが
人間関係の豊かさとか気遣いとか、仄かに香り立つ空気の流れが、
よき時代を忍ばせます。
その時代に生きていないのに、なんか懐かしい・・・・

さて、浴衣の下ではクラシカルな水着姿をご披露して下さった
夫を演じたのは浅野雅博さん。
畳の上ではちゃぽちゃぽスイミング(笑)
ツッコミをさせて頂いたら、全て台本通りとおっしゃっておられました。
そんな『連結の子』では、新築マンションの頭金問題で
現れたトラブルメーカーの次男坊あっちゃん事、篤さんを演じられていました。

アンニュイなラストの表情が美しかった妻は、片淵忍さん。
お昼寝姿は、あんな表情、こんな声(笑)素敵過ぎる片淵さんです。
そんな片淵さんは『連結の子』では、元気にお姑さん寿子さん(倉野章子さん)
と喧嘩が絶えないお嫁さん眞子さんを演じられていました。

旅館の女中さんは、すらりとした姿が美しい千田美智子さんは
麦の穂の揺れる穂先に』では、向井先生(坂口芳貞さん)の下で
寄生虫を学ぶ大学生・門倉しおりさん、『カラムとセフィーの物語』では、セフィー(渋谷はるかさん)の
同級生ジョアンヌを演じられていました。

もう一人のどたどたと廊下を歩く賑やかな女中さんは、頼経明子さん。
ぽよんとした表情が、可笑しくて(笑)可愛い女中さんでしたねっ
よりちゃんは『トロイアの女たち』で、敗戦国トロイアの悲劇の女たちコロスを
演じられていました。

この千田さんと頼経さんの女中さんは後半役柄がチェンジするようです。
どたどた歩きの千田さん姿を、しっかりした頼経さん姿をご覧になりたい方は
ぜひ後半ご覧下さいねっ
私?!もちろん観ちゃいますよっ

無口な風呂番さんは、藤側宏大さん。自主企画『猿』についでの無口な役柄ですが
彼の表情の豊かさは天下一品ですねっ
でへぇ~と声が聞こえてきそうな(笑)
あの笑顔をおかずにご飯が食べれそうです。うききっ
そんな藤側さんは、『カラムとセフィーの物語』ではカラム(亀田佳明さん)の同級生コリン
と後半は、ちょっと強面でセフィー誘拐を企んだ解放義勇軍のメンバー、モーガンを演じられていました。

旅館の番頭さんは、大原康裕さん。
短い出番ながらも、場の雰囲気をふわっと変える魔術師のような大原さん。
というか、贅沢な配役ですよね。
そんな大原さんは、『ダーヴィンの城』では、金魚を飼って、
自分の留守に元教え子の妻チハルさん(藤崎あかねさん)を盗撮する怖い怖い大学教授ヤスヒロさんを
演じられていました。

研修科の勉強会を拝見した時、偶然アトリエから浅野さんと片淵さんが出てこられました。
この日は、お稽古がお休みで自主稽古をされていたそうです。
で、このお二人の雰囲気が、ふあっとしたいい感じだったんです。
うまく言葉で表現できないけれど・・
この空気感、しっかり舞台に漂っていました。

11/4(金)~11/13(日) in 紀伊國屋サザンシアター
11/20(日) in 八尾市プリズンホール
11/23(水・祝) in 兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール

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by berurinrin | 2011-11-05 23:02 | 文学座観劇感想