文学座ファミリーシアター『風をつむぐ少年』

文学座本公演 ファミリーシアター『風をつむぐ少年』 in 全労済/スペースゼロ

転校生の17歳の少年ブレント(斉藤祐一さん)は、パーティーで恥をかかされ
やけになって飲酒運転をして事故を起こし、後続車を運転していた少女を死なせて
しまいました。少女の母はブレントに少女の名前を記した風見の人形を作り
アメリカの四隅に立てて欲しいと頼みました。
そして、ブレントは旅に出かけました。

パステルカラーの柔らかい色調の舞台に帆をイメージしたスクリーン。
ドーナツにも似たユニークな盆舞台。

以前、稽古見学をさせて頂いた時の印象は
とてもやわらい感じの“愛”の物語ではないかと想像していましたが
実際は、決して生易しいものではありませんでした。
「死」をファンタジーではなく、しっかりとした現実としてとらえています。
過去・現在・未来の時間軸が交差していますが、
時間なんて関係ないって思うほど、ストーリーに影響されないのが凄いことです。
けれども、それはそれパズルのようなシーンの数々です。
きっと稽古では、ブレント以外の役者達は非常に役作りに苦労されたのでは。。
でも、鵜山仁さん演出ですもの。お見事でした♪

主演の大役をこなしたブレント役の準座員の斉藤祐一さん、よかったですね。
以前拝見したフォーラム「いさかい」やHHG「knob」でも感じたのですが
彼はとても“目”で感情を語れる人だと思いました。
繊細なブラント少年の内面の心情の表現、おびえ、悲しみ、、、
確かに斉藤祐一さんの“目”が訴えていました。

ブラント役以外は、役者達はいくつもの役をやられています。
その役柄の変身振りを観るのは楽しい事です。
特に倉野章子さんのお祖母ちゃん(レベッカ)とジェニー役山田里奈さんとの
思い出をつづるドライブでのお話やクィークスボロでのブラントと交わす女性役の場面。
本当に切なくて、ブラントに「あなたは悪い人じゃない」と言うシーンでは
優しい、そのしっかりした口調に胸をうたれました。
そんな倉野さんも少女をやられていましたね♪
浅野雅博さんも楽しかったですね。いじめっ子からアナウンサー、お父さんから
ドイツ人・・場を沸かしてくれました。ちょっとシュールな大道芸人、笑っちゃいました。
笑いといえば
大滝寛さんと石川武さんのアフロヘアーとか、モンロー張りのセクシーな先生役の
山本道子さんとか、植田真介さんのワル風な演技には爆笑ものでした。
山田里奈さんは生き生きとした演技がチャーミング、新準座員の頼経明子さんは
演技の器の広さを感じました。これからが楽しみな女優ですね。

ファミリーシアターとあるだけに、家族誰もが観て感じられる仕上がりになっていました。
侮ってはいけません。子供に薦められるものは、大抵大人にも良いものなのです。
また、初めてお芝居を観る方にもお勧めできる作品です。
終演後、もしかしたら目に見えないいつもと違う風を感じられるかもしれません。

~5/8(日)まで
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画像については事前に劇団の許可を頂いています。無断転載はなさらないで下さいね★
by berurinrin | 2005-04-30 22:59 | 文学座観劇感想