文学座ファミリーシアター『思い出のブライトンビーチ』その2

全労済文化フェスティバル2011参加作品
文学座ファミリーシアター『思い出のブライトンビーチ』 
in 全労済ホール/スペースゼロ(4/30.5/7)

作  ニール・サイモン
訳  鳴海四郎
演出 望月純吉

さて、一家の大黒柱ジェローム家のお父さんはジャック、大滝寛さんが演じられました。
素敵なお父さんでしたね。
家族の為に働いて働いて・・体を壊してしまいます。
誰よりもたくましくて強くて、お父さんの言葉が家族の全て・・
昔のよき時代の家族のあり方を、垣間見たような気がしました。
今は、ちょっとお父さんの権威は厳しい状況ですものね・・
改めて素敵なお父さんでした!
そんな大滝さんは『カラムとセフィーの物語』では、カラム(亀田佳明さん)のパパ・ライアンを
演じられておられました。
ライアンは、カラムのお姉さんリネット(鬼頭典子さん)の死によって革命に加わり、投獄され
脱獄の末に死んでしまう・・まさに子供達の為に命を削る激しい父を演じられました。

一家を支えるお母さんはケート。金沢映子さんが演じられました。
子供達に向かって体ごといっぱい怒って、いっぱい愛する。
心配事が山のようにあって、やることが山のようにあって・・
いろんなところに目がついてる(笑)のに、ちょっと見落としまう・・
その罪のない見落とした部分が、子供にはダメージだったり・・
どこの家庭に必ずいる愛すべきママでしたね。
金沢さんが演じられると、より明るくより元気なお母さんでしたねっ
口紅~rouge~』では、小林勝也さんが憧れる未亡人・牧田綾乃さんを演じられていました。

ジャックとケートには二人の子供がいます。
一人は頼もしいお兄さんスタンレー(細貝光司さん)。
責任感があって、父・ジャックをとても尊敬しているようです。
若くして家族の生活を背負ってしまった責任感と信念の葛藤は複雑ですね。
そんなプレッシャーがあるのかないのか?時折スットコドッコイな一面も(笑)
ちょっとひやひやさせられますねっ
今回は、細川さんのきりっとした二枚系なキャラクターと愛すべきスタンリーの
キャラクターが相まって、素敵なお兄ちゃんが出来上がっていましたね。
そんな細貝お兄ちゃん(笑)は、アトリエの会『トロイアの女たち』で
戦勝したギリシア側の兵士を冷酷に演じておられました。

スタンリーの弟はユジーン。研修科二年生の宮内克也さんが演じられました。
モノローグのシーンが多いので、とってもとっても緊張の連続の日々だったと思います。
お稽古見学で、はじめて宮内さんの芝居を拝見したとき。
観客に話しかけてるはずのユジーンの目は、私達の姿を通り越して遥か彼方の人に
向かって話しかけているようで、とてつもなく広い距離感を感じていましたが
距離がだんだん狭くなり、わたしたちの目線をキャッチするして
身近な元気な男の子に変貌する過程を拝見できました。

ジャック一家の住まいには、夫を病で亡くし財産もなく二人の娘を持つ
ケートの実妹ブランチ(八十川真由野さん)が
ジャック夫婦の庇護の下で同居しています。
虚弱で、姉夫婦に養ってもらっているという負い目が常にあるブランチの
寂しげな目線や物腰・・切なかったですね。
でも姉妹喧嘩は迫力満点(笑)
久しぶりの本公演ご出演の八十川さんですが、有志の会『背中から四十分』では
お芝居の最初から終わりまでマッサージを施すマッサージ師や
リーディングなどでその存在感をみせて頂いていました。
楚々とした少女のような美しい女優さんです

ブランチには二人の娘がいます。
長女は16歳のノーラ。渋谷はるかさんが演じられました。
長女って微妙な存在なのですよね・・
母親の苦労もわかっちゃうので、しっかりしなきゃと思うし
甘えたい・・でもちゃっかりした妹の存在があって、
母からは頼られて・・甘えたいけど甘えられない・・
そんな屈折した心を抱いて過ごす日々。
家族の為、自分の為、良かれと思ったことが、みんなに否定されちゃって
切なくなっちゃうのも無理ないかも・・
つま先立ちで頑張っている姿が、けなげにも思えちゃう
まだ16歳の少女・・可愛く素直に演じられていました。
『セフィーとカラムの物語』で、ヒロイン・セフィーを演じられたはるかさんです。

イイトコ取りのちゃっかりした妹は、ローリー。ユジーンの宮内さん同様
研修科二年生の福田絵里さんが演じられました。
ころころ変る表情が豊かで可愛らしいですねぇ~
特にふてくされる姿が最高です!
子供達の中では、ちょい憎まれ役ですが、母ブランチと姉ノーラの会話を
階段の影で神妙に聞いてる姿は、うなだれて・・まだまだ子供らしい姿が
伝わってきました。
そんな福田さんは、去年の研修科演出部勉強会『棲家』で
主人公の妻を演じられていました。
by berurinrin | 2011-05-11 23:35 | 文学座観劇感想