舞台芸術学院 ステージアーティスト科2期上演発表『ルーベンスタイン・キス』

舞台芸術学院 ステージアーティスト科2期上演発表
         『ルーベンスタイン・キス』 in 舞台芸術学院(11/28)

作   ジェイムズ・フィリップス
訳   吉田美枝
演出  鵜山仁・鈴木智香子

この作品は、実際に第二次世界大戦中、原爆製造の機密情報をソ連に流したスパイとして
戦後発覚し死刑となったローゼンバーク事件を元に描いている作品です。

あるギャラリーに展示していたルーベンスタイン夫妻の写真の前で出会った一組の男女。
マシューとアンナは、惹かれあい付き合い始めます。
アンナは、曖昧な義弟の証言によりスパイ疑惑により処刑されたルーベンスタイン夫妻の無実を
証明する「ルーベンスタイン訴訟委員会」のメンバーで熱心に活動しています。
そんなアンナの姿を見てマシューは、自分はルーベンスタイン夫妻の遺児である事を表明します。
その告白を聞いたアンナは動揺し自殺未遂を計ります。
なぜならアンナは、ルーベンスタイン夫妻を死に追い込んだ義弟ディヴィットの
娘だったのです。

紀伊國屋サザンシターで『くにこ』&アフタートークを拝見した後は、池袋にある舞台芸術学院へ
略して、舞芸の卒業生でもある鵜山さん。
ここでは、後輩の指導もされているのでした。

さて今年の3月、銀座みゆき館で、鵜山さん演出で行なわれた時と同様に
リーディング形式で行なわれた今回の発表会です。少しだけ短縮されていました。
シーンごとに配役を替えていく・・文学座ので言うと研究所発表会『わが町』『女の一生』形式。
約40名ほどの生徒さんの内、男性が3名という構成なので、女性も男性を演じます。

初演の時は、この事件を知らなくてf(^_^;)情けない自分でしたが
演劇の楽しさって、観た芝居について、もっと知りたいとか、より作品世界に浸りたくなったりと
興味が湧いてきちゃったりします。
結論を知った上で拝見すると、また見方が変わるというか、また違う面白さが見えてきて
お芝居ってホント面白いなぁって思うんです。

とはいえ、発表会の題材にしては、専門用語はいっぱい出てくるし、きわどいし、
かなり難易度が高い作品で、時代背景とか・・皆さん事前勉強とか、大変だったそうです。
かなり濃密な人間関係から未来と過去を行きつ戻りつしながら
ドラマは展開し、最悪な事態を迎えて、新たな関係が生まれていくという、複雑なんですけど
これがまた面白いんですよね。

舞台の壇上に配役に合わせて色を統一したシャツを着て、自分の出番を待つ彼らの表情と
終わった後の安堵した表情・・出番と出番の合間に控えている彼らの表情とか
客席から良く見えて、これが新鮮というか、若い人たちなんだなぁ~と実感しちゃいました。
まだまだ、未熟さの方が見えてしまうのは当たり前、でもおおっ♪と輝く方もいらっしゃるし
なによりも真っ直ぐ役に向き合う姿勢。その純粋な気持ちが伝わってきて
感動しきりの発表会でした。

休憩時間の客席の後ろで、何やら聞き覚えの声?!と振り向いたら文化庁在外研修生として
ロンドンに留学されていた上村聡史さん「お帰りなさ~い!!」
うん?!逞しくなった気が・・・・しなくもないけど(笑)いやいや、相変わらず面白い上村さんでした。
イギリスだけでなく、ドイツも回ったそうで、楽しいお話を聞かせて下さいました。
上村さんのお隣は鵜山さん♪鵜山さんからも、留学して戻ってきた頃のお話とか聞かせて頂いちゃいました。
帰国ほっかほか(笑)留学前に、戻ってきて仕事がなかったら自衛隊に入隊する宣言をした上村氏。
鵜山さんに「(自衛隊に)入ったらいいんじゃないか(笑)」とかるーく軽く言われてました。
そんな上村氏の帰国第一作目は、やはり舞台芸術学院の卒業公演『三人姉妹』
(2/25~27in東京芸術劇場)です。
その演出如何によっては、鵜山さんと恐れながら私で、自衛隊に入隊をおススメ・・・(笑)
うそです!そんなんしたら来年の文学座の公演は、どうするんだぁ~(爆)

11/28(日) in 舞台芸術学院
by berurinrin | 2010-12-05 12:48 | 観劇感想