文学座有志による自主企画・八十八の会『春子/かくて新年は』 in 文学座新モリヤビル1階(4/4)

文学座有志による自主企画・八十八の会『春子/かくて新年は』 in 文学座新モリヤビル1階(4/4)

演出 戌井市郎

『かくて新年は』 作:森本薫

暮れも押し迫ったころ、と、ある製作所社長・庫純(くらずみ)さん(林秀樹さん)は、
大阪支所の営業で才覚のある鳴川さん(若松泰弘さん)を呼び寄せ
ブレーンの宇佐さん(岸槌隆至さん)と蒲さん(今村俊一さん)らの力を借りて
自分の会社を株式組織に移行しようと準備を進めています。
彼の家族は妻の紫麻さん(山崎美貴さん)と姉の素子さん(藤堂陽子さん)。
紫麻さんと鳴川さんは、互いに心が惹かれ合っているようです。
紫麻さんの妹・十糸子さん(松山愛佳さん)の夫・皎さん(横山祥二さん)も
この会社の一員で隣家に住んでいますが、突然の解雇通知を渡されます。
吹雪の夜。
会社の裏切りを知った鳴川さんは、大阪で別工場を起そうと画策し
十糸子さんと皎さんは、大阪の鳴川さんの元で出直す為に、旅立ちます。

有志の会といえども、、めちゃめちゃ豪華なキャスティングですね~♪
小さな空間で、間近に彼らの姿を感じて・・もう・・本当贅沢です。
うわっうわっと、ミーハーに感動しながら拝見しておりました。えへへっ

会社組織の裏側の非道な事を、あっさり言っちゃう庫純さん。。怖かったですね。
庫純さんの奥さんは、紫麻さん。。とても年の離れたご夫婦・・と、最初は違和感がありましたが
これは、夫婦のお話なんだと思った時には、すでに夫婦でしか見えない存在でした。

林さんの穏やかな言葉のテンポと言ってる内容の違いの意味の深さ・・林さんの独自の
台詞廻し・・本当に温かさと非常さのギリギリの温度を感じます。
前作『おーい幾多郎』では一場面しがご出演されませんでしたが、
あの熱いシーンもすごかったです。

奥様の紫麻さんを演じられた山崎美貴さんの美しい人妻姿・・ホントに美しくって
同性ながら、ただただうっとりです。着物姿も凛として気品があって・・
若松さん演じられた鳴川さんと二人のシーンは、どきどきする色気もあって・・・
ミセス・サヴェッジ』の弾けたリリーベルと同一人物とは思えないですよねf(^_^;)
ラストの清々しく微笑む笑顔。紫麻さんの内面の穏やかな美しさが溢れてみえました。

若松泰弘さんのスーツ姿もバシッと決まって素敵でしたね。オールバックの髪型もお似合いで
それでもってバリバリ仕事ができちゃって、色気もあってかっこいいですぅ
さっと紫麻さんの手を握るシーンのさりげなくて強引な姿にくらっと(笑)やばいです(笑)
前回は『トムは真夜中の庭で』トムの叔父さんを演じられておられました。

紫麻さんの妹は、十糸子さんを演じた松山愛佳さん。まさに妹気質の十糸子さん(笑)
無邪気で悪気がなくて屈託がない可愛い人妻(笑)でした。
泣いたり笑ったり忙しい十糸子さんでしたが、素顔の愛佳ちゃん魅力もちょっぴり
覗くことが出来で、なんかとっても十糸子さんのキャラが愛おしくなりました。
前回は、『トムは真夜中の庭で』のトムの時間を越えた友達・・可愛いハティでしたね。

そんな十糸子さんの旦那さまは、皎さんを演じられた横山祥二さん。
どうも十糸子さんのペースに負けてしまっているような感じを受けましたが
それが姉夫婦とは、また違う一組の夫婦の姿としてみることが出来ました。
突然の解雇での怒りのシーンは、社長の弟として安泰と思っていただけに
あわてふためいてるその姿さに思わず笑ってしまいそうな程、動揺が伝わってきました。

庫純さんのお姉さん素子さんは、藤堂陽子さん。
『ミセス・サヴェッジ』では、心の乱れを、嫌いなものを羅列することで、自分を守っていた
愛すべきキャラクターのミセス・パディを演じられていました。
素子さんは、言葉に出さなくても感じることの出来る素敵な女性でしたね。

会社の重役を演じられたのは宇佐さんこと岸槌隆至さんと蒲さんこと今村俊一さん。
怒りん坊の蒲さんと、逆に感情を出さない宇佐さんの怪しげな雰囲気。
ちょっと怖かったですねf(^_^;)
手を怪我した今村さんの仕草がリアルで、血が苦手な私は、アイタタタタッって
でもテキパキと紫麻さんに包帯を巻かれてる時、何気に嬉しそうな宇佐さんを見て
人間味を感じてしまいました(笑)
岸槌さんは『日陰者に照る月』で、ふんだりけったりされるお金持ちのステッドマン・ハーダー氏を
演じられておられました。

慌しいこのお屋敷のお手伝いをされているのは、たえさんこと山谷典子さん。
ひっつめ頭がお似合いで、とても人の良さを感じるお手伝いさんでしたね。
表情が豊かで少女のように可憐なふっくらとしたやわらかな魅力がありました。
前作『風のつめたき櫻かな』では、ボランティアの女性・井上由紀さんを演じられておられました。

さてこの日は、アフタートークが行なわれました。
そのレポートは、また次回に~!!

4/4(土)~8(水)まで in 新モリヤビル1階
by berurinrin | 2009-04-05 19:15 | 文学座観劇感想