文化庁・公益社団法人日本劇団協議会 主催
『ウェルズロード12番地』 in 青年座劇場(1/25)

作・演出 土田英生

舞台はイギリス・ウェルズロード地区にある日本料理店「有栖川」。
ここ最近の日英間の関係は悪化傾向にあり、日本人に対する嫌がらせ事件が
頻繁に起こっているようです。
そんな状況で、この「有栖川」に集うお客さん達はおのずと日本人ばかり・・・
現地の人にも親しんでもらおうと新しいメニューの件で
女将さん・真理さん(椿真由美さん)と板前の佐竹さん(木津誠之さん)が、もめている中で
近くのパブで絡まれた日本人・三崎さん(坂口修一さん)が
逃げ込んできたのでした

寒中お見舞い申し上げます。
今年初のお芝居でございます。
文化庁の海外研修制度で留学経験のある芸術家の皆様の
研修の成果の発表を中心とした公演だそうです。

日本からこの異国の地に仕事でやってきた人たち。
夢や希望を抱きながらやってきて明日に向かって頑張っている人
残念ながら夢半ばで挫折を味わってしまった人・・
どんな状況で、この地に留まっていても
きっと、がむしゃらな日々の中での苦い経験は日本にいる以上に
体験してしまうんだろうなぁ~と思い巡らすことは、たやすいと思います。
異国の地で、日本食を食べ、日本のビールを飲んで日本語で話す・・
集ってきた気の置けない小さな日本・・そんなサークルの世界で、
彼らはそれぞれ人に言えないものを抱えながら、察しながらっと
一見、ぶっちゃけて気を許せるだろうと思われる同国人たち・・のハズが
どーにもこうにも小さなバレバレの見栄を競って、互いに爪先立ちで接してしまう
その微妙な緊張感が、滑稽でおかしくて思いっきり笑っちゃうんだけど
そんな風に自分を守らざるおえない彼らの姿から、
そこはかとない切なさと異国に暮らすモヤモヤな悲しみが伝わってくる気がしました。

留学生活・・甘くないんだなぁ~
生活自体が、仮の棲家というのも心得ていて、そこんところの自由さも持ち合わせて
一部の人は、え~いとあいまいにしちゃう・・人は流されやすいものだから
しっかりと自分を持っていないと怖いなぁ~
なんかホントすごくおかしくって・・でも、色々考えさせられる秀作だと思います。
舞台は実際に土田さんが留学していた頃に出会った
実在した日本食レストランがモデルだそうです。
へーへーですよね
この舞台のセットがユニークで
私達は、カウンターの内側から店内を覗くような作りになっていて
ちょっと店員さん気分で店内の様子に気を配れるような雰囲気になりました。

さて、文学座からは、ダンサー(笑)タップダンサーで学校に通いつつオーデョンを受けまくりの
留学生・小竹正芳さんを演じられた椎原克知さん。
ちょっと謎めいた人物でしたね
体にフィットしたシャツの下にしなやかな筋肉質の体型が見事!
土田さんのアテガキとのことですが、いやぁ~
なんとなくのダンサーのような立ち姿がめっちゃ綺麗!
その謎が暴かれた時の落ち込み方とほっとした姿・・ねぇって感じです。
椎原さんはアメリカNYに留学されていました。
実はちゃんとお話ししたのは初めてで、木津さんにご紹介して頂きました。
「もう、あるあるよぉ~」と、この登場人物たちに状況や会話についつい
納得してしまうそうです。

京都で5年修行して、この「有栖川」の板前さんをしてるのは、佐竹大輔さん。
演じられたのは、木津誠之さん。
料理人の衣装がこんなに似合うなんて(*^_^*)
日本料理に対するプライドは人一倍・・何かにつけて「京都で5年修行した」がうたい文句。
でも5年って・・(笑)
なんかバックボーンとしては、京都で修業してはいたけど
どうやら日本料理じゃないとか(笑)
海外に行ってより日本人になった人なのかもしれませんねぇ~
それにしても「おちょこ豆腐」食べてみたいかもぉ~
ちと作る勇気はありませんが(笑)
でも、この方も、オーナーのイギリス人に翻弄されちゃう・・なんか切ないです。

おっ、会場で上村聡史氏はけーん(笑)
来年は新国立劇場で初演出されるんですよぉ~なんかいいメンバーが揃ったぞぉ~と
わくわくでイケイケな感じでおっしゃってました。
前回、文学座研修科発表会『セチュアンの善人』を演出されたのですが
これが斬新で面白かったのです。
上村氏もイギリス留学経験者。
去年の文化庁の主催で『ポルノグラフィ』を演出されました。
いまもすでに脂が乗ってきてる上村氏ですが、今後も本当に楽しみな演出家です。
どうぞご期待しちゃって下さい~!

この日は初日★
劇場隣のお稽古場での初日乾杯に誘って頂きました。
もちろん、ビーバーのような笑顔満載のお茶目な製作のSさんや
いつも笑顔で温かいまなざしを持ったプロデューサMさんにもご挨拶できてよかった。
で、毎回思うのですが、Mさんがこの作品に関わったスタッフ、
出演者すべての名前を読み上げられて、その労をねぎらって
明日からの公演に向けてのエールを語るのですが、これが素敵なのです。
あ~この方が、あ~この方も・・と、お顔と名前を確認させて頂いて
皆さん、すごいなぁ~すごいなぁ~と、感動しきりなのです。

その中でも作・演出をされた土田さん。
「なんとか10日前に台本が完成して・・」
会場「え~!?」
「そんな、え~ってみんな(笑)」と土田さん。面白い方なんですねぇ~

色んな場所からこの青年座劇場に集った俳優たちと
色んな職種、出身地からこのウェルズロードにある『有栖川』に集った日本人たち
その異文化の交流の妙技がこの舞台から匂い立つ面白さ
ぜひ劇場で感じて下さいね。きっとプチ留学気分に浸れるかもしれませんよぉ~

1/25(金)~2/3(日)まで in 青年座劇場

さて、来週初日!!待ちに待った『モジョミキボー』あの二人が帰ってきます!
詳しくは→リンクしてるモジョミキボーのブログ
by berurinrin | 2013-01-27 13:06 | 観劇感想

ぶんがくざ なつやすみ こどもフェスティバル『泣いた赤おに』
in 文学座新モリヤビル1F稽古場(7/28)
  
原作 浜田廣介
脚色 鈴木亜希子   
主催 文学座 顧客担当委員会  

と、ある山の中に、一人の赤おにさん(上川路啓志さん)が住んでいました。
赤おには、人間と仲よくなりたくて
「心のやさしい鬼のうちです。どなたでもおいでください。おいしいお菓子がございます。
お茶も沸かしてございます。」
と、書いて家の前に立札を立てましたが、人間は遊びに来てくれません。
そこで友達の青おにさん(山森大輔さん)がある作戦を考えます。

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なかなかいい機会なので、同居している4歳児を連れて文学座へ
東京までの長い移動時間が、ちょっと心配だったのですが
まぁ行きは何とか元気に到着しました。(帰りは、寝ちゃったので、ちとぐずりましたがf(^_^;))

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モリヤの入り口で、赤おにさんのメダルを首にかけて頂きモリヤに入ると
壁が落書きし放題。子供も早々にクレヨンを渡され、端っこでちょこちょこ書き始めます。
そんな子供たちの相手を出演者の皆さんが、あっちに誘導、こっちのお世話と
意外と慣れた感じで子供たちと接してくれています。
子供さん達の某**さんのお嬢さんや姪っ子さん、甥っ子さんとかアットホームな感じで
モリヤのお稽古場の黒い壁が、カラフルな色彩を帯びたお花や車が描かれ
ポップアート的な壁に変貌していきます。
自由に絵を楽しんだ後は、舞台上で出演者がフォーミングUP、そんな光景を見せて頂きながら
自然にお芝居が始まりました。

演奏担当の鈴木亜希子さんのリコーダーと采澤靖起さんのドラムの音楽が
時に効果音の役割を果たし
使う素材は、ひもだったり、壁に描く為のクレヨンだったりと
子供たちの自由な想像力をフルに生かした構成で
後は、俳優たちのしなやかな体を使った動きで魅せてくれました。
時間は約25分と、幼い子供たちの集中力を保つには丁度よかったと思います。

お芝居の後は、赤おにさん、青おにさんも含めての出演者のみなさんと
子供たちとのふれあいのお楽しみ会♪
子供たちは、用意して頂いた鬼の角を頭に付けてもらい
名前やマークを書き込んだ輪っか状に丸めた折り紙を、割りばしにひっかけて飛ばしっこして遊んだり
赤おにさんのダンスを一緒に踊ったりとかなり楽しそう・・
最後のふれあいコーナーの記念撮影の時に、「赤おにさんと青おにさんと写真撮ろうよ」と言ったら
頑として拒否する四歳児!
「お姉さんたちは綺麗で素敵だからいいんだけど・・」
理由を後から聞いたら「あれは本物の鬼なんだからダメなんだよ」と鬼たちを本物だと信じてしまっています。
で、帰りの電車の中で「鬼は絶対ダメ」という4歳児に
赤おにさんは、人間とお友達になりたいからお菓子やお茶を用意してくれたんじゃない
かわいそうじゃない?!
「う・・・ん。でもやっぱり本物の鬼は怖いからダメ」と
実は今でも鬼の存在は信じておりますf(^_^;)
でもね、帰り道ぴょんぷょん飛び跳ねながら、赤おにさんのダンスを「うっはっ!」と
かなり楽しかったみたいです★

その後、四歳児が悪い事をするともれなく赤おにさんと青おにさんを
我が家の夕食にご招待するさせて頂くように手配をすることになっています。だははっ
最後に頂いたチラシを見ると出演者もさることながら、スタッフの数の多さに驚きました。
衣装にしても、メダルや小道具ほとんどが手作業のものばかり・・かなり感動してしまいました。
(モチロン頂いたメダルや鬼の角は大事に保管していますョ)
皆さんのおかげで、四歳児共々楽しい時間を過ごせられて嬉しかったです。
ありがとうございました
次回も楽しみにしています♪

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7/28(土)~7/29(日) in 文学座モリヤビル1階

さて、待ちに待った『モジョミキボー』あの二人が帰ってきます!
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by berurinrin | 2013-01-04 23:58 | 文学座観劇感想

加藤健一事務所Vol.84『バカのカベ~フランス風~』 in 本多劇場(11/16,23)

作 フランシス・ヴェベール
訳・演出 鵜山仁

仕事は充実し、美しい妻・クリスティーヌ(日下由美さん)と
パリのおしゃれなマンションに住むピエール(風間杜夫さん)
恵まれた生活の中で、彼の一番の楽しみは、ある厳選された人物をゲストに招いて
週一度友人たちとパーティーすること。
ところがクリスティーヌは、このパーティが大嫌い。
折しもぎっくり腰になってしまうピエールですが、パーティーに行くと言って聞きません。
あきれた妻は家を出て行ってしまいます。
医者のアルシャンボー先生(西川浩幸さん)から外出を禁止され、パーティをあきらめた時に、
この日のパーティのゲストでもある友人から紹介されたフランソワ(加藤健一さん)が訪ねてきます。

鵜山さん翻訳、演出で初演は1999年『おばかさんの夕食会』というタイトルで、
陣内孝則さん(ピエール)&辻番長さん(フランソワ)のコンビで上演されました。
実はこの作品を拝見した記憶がなかったのですが、なんとなく過去の手帳をぱらぱらしてみたら
2001年世田谷パブリックシアターで、初演メンバーで再演されていまして、再演を拝見していました。
「圧倒的にウザったい辻さんの怪演振りに笑いっぱなしだった。」と偉そうに感想が書いてありましたf(^_^;)
ならばとパンフがあるはずなのに見当たらなかった(><)

今回は、カトケンさんと風間さんということで、鵜山さんが、過去の翻訳された台本を
お二人のキャラクターに合わせて手直しをされたということですが
久々の鵜山さんの翻訳された作品を拝見できたことが嬉しい★
やっぱりダジャレが、ぱらぱらまぶしてあってぷぷぷっ(笑)
タイトルも一新されて、カトケンさんが命名されたそうです。
直球なタイトルではありますが、作品を観てから改めてタイトルを見直すと
なかなか考えさせられる感があります。
壁というか境目って果たしてあるのだろうか?と
ドタバタのコメディではありますが、何か考えさせられる力を持った作品だし
突き詰めて考えてしまうと、大なり大なり(とても小とは言えない)
自分の中に持ってるおバカ度を人と比べつつ生きているのかなぁと思うと
人間ってちっちゃいなぁ~とも思えるし
はたまたそんなおバカ度を持っていないと、この世の中生きていけないのかも
しれないと、世の中の殺伐さを嘆きたくなる今日この頃でもあるのですが
そんなことさえ吹き飛ばしたくなるハッピーな気分にもなるのです。
やっぱ上質なコメディーを魅せて頂いたからですねっ

さて、文学座からは清水明彦さんがご出演されていました。
国税局員のフランソワの同僚で腕利効きの査察担当官シュバル。
「ポ.ポナパールト♪」と、オウムがナポレオンだったら的なモノマネを得意とするシュバル。
サッカー大好きで、この人の人格もかなり奇人のたぐいだと思われます。
家を出て行方が分からなくなったクリスティーヌを探して、いるうちに
まさかの自分の奥さんが浮気が発覚し、がぴょ~んぐわわわわぁ~んと落ちる姿は、もう滑稽で最高でした。
でも仕事になると、眼鏡の奥の目がきらーんと光るのが素敵な清水さんでした(笑)

そーいえば、拝見する前に予習をと思って、丁度WOWOWで放送された『奇人達の晩餐会』の
アメリカのリメイク版が放送されていたので観たのですが、これがとてつもなくひどかった・・・
まーねまーねアメリカ版のリメイクを信用した事は未だかつてなかったのですが、これはちょっとなぁ・・
全く参考になりませんでした。
もう舞台の方が100万倍イイですからっ

11/15(木)~12/2(日)まで in 本多劇場


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by berurinrin | 2013-01-03 22:57 | 観劇感想

文学座75周年記念公演『エゲリア』その2 in 吉祥寺シアター(9/8,17)

作  瀬戸口郁
演出 西川信廣


お酒も煙草も遊興をすべて止めて、かの子さんの創作活動の為には
何でも惜しまず与える事を決意した一平さん(大滝寛さん)と
妹・大貫きん(増岡裕子さん)のお世話のおかげで
すっかり健康を取り戻したかの子さん(吉野実紗さんは、自分の進む道を明確に爆走中(笑)

ある日、かの子さんは恋をします。
相手は同じ作家の道を志す文芸青年・堀沢芳雄さん(駒井健介さん)
体が弱く神経質な堀沢さんは、
恋人・かの子さんと夫・一平さんとその子・太郎さん(佐川和正さん)
との不可解な同居生活に神経をすり減らし気味・・
その上、かの子さんの芸術の為ならなんでもOK的(笑)な言動・行動に対して
ピリピリ度MAXf(^_^;)そんな中で起こる二人の言い争いは、激しい口調となっていきます。
なにくれと世話をしてくれたきんさんとの関係に嫉妬したかの子さんとの壮絶なバトルで、
別れた後、病が悪化し短い一生を終えてしまう芳雄さん。
亡くなった芳雄さんとの事で、よりダメージを受けるのはかの子さんのようでした・・
強烈なかの子さんの性格を印象付ける最初のJabを撃つのが役目的な芳雄さん(笑)
演じられたのは、今年、研修科から準座員に昇格したニューフェースYeah~!(*^^)v
文学座公演デビューなのではありますが、
すでに自主企画公演でさまざま姿を私たちに魅せて下さっています。
自主企画『ボーイング=ボーイング』では、二股どころか三股の友人ベルナール(西岡野人さん)
をフォローしつつ、真面目で一本気のドイツ人の女性代表ジュデット(増岡裕子さん)と恋人になってしまう
ちゃかりものロベールを軽快に演じられていました。

下宿人として岡本家に居住するようになったのは、岡本家の成松恭夫さん(粟野史浩さん)。
家事一般に無頓着なかの子さんの代わりにエプロンを身に着け
一平さんの仕事の把握から、太郎さんの母親代わり主婦的な役割を担っていきます。
かの子さんを「お姉さん」と呼び(つーか、呼ばされた)岡本家になくてはならない懐刀的な存在です。
シリアスからコメディまで、なんでも演じきれる粟野さんの持ち味が光るのは、あのくしゃくしゃの笑顔
ニクイ位に惹きつけられます。
岡本家を長年支えてきた成松さんは、かの子さんと全く別のタイプの女性と結婚を決意します。
もちろん、かの子さんの大反対、岡本家の決別を意味します。
かの子さんの罵詈雑言を込めた全力の説得を静かに受け止めつつ、去っていく姿がとても淋しげでした。
そんな粟野さんは、『女の一生』の栄二さん。
老年期→青年期→老年期と見事に演じ分けされていました。
劇団内外と活躍されている粟野さん。
先日、ご出演された『負傷者16人―SIXTEEN WOUNDED―』を拝見しました。
出番がワンシーンでしたが、粟野さんの抑えた芝居、すごかったぁ~怖かったぁ~

成松さんのフィアンセは、植野光子さん(伊藤安那さん)。
闘争心むき出しのかの子さんに、がつんがつんがつんがつんと追い詰められ
居たたまれなくなっちゃう光子さん。
こればっかりは仕方ないf(^_^;)
長年、かの子さんの側に居た成松でしたが、生涯の伴侶として選んだのは、
清楚な普通の女性だったようです。
緊張感みなぎるシーンでしたが、VSかの子に対して精一杯の気丈さをみせようとした光子さんの姿は
う~ん、頑張った・・負けちゃったけど(*^_^*)
そんな伊藤さんも駒井さんと同期で今年文学座準座員に昇格してのデビューとなります。
素顔の伊藤さんは、恥ずかし気にじっと人の目を見て一生懸命に
自分の言葉を伝えようとする真っ直ぐな可憐な女の子です。
『月の岬』で、担任教師平岡先生(西岡野人さん)を翻弄させる子悪魔的女子高生も面白かったですし
芝居となるとがらりと人格が変貌していきます。
まだまだ彼女の未知な部分・・今後も楽しみです。

患者だったかの子さんに見初められて、熱心なアプローチを避けまくり、追いまくられて
その勢いに負けた(笑)のは、はーちゃんこと柴田亀造さん。演じられたのは、大場泰正さん。
すらっとしてきりっとした白衣姿のはーちゃんが、
かの子さんのペースに巻き込まれ取り込まれてしまうシーンは
まさに漫画の世界のようにトリッキーで面白ったですね。
それも一平さんも一緒だけに尚更(笑)
そーいえば、かの子さんの最期を一平さんと看取ったのは、はーちゃんでしたね。
そんな大場さんは『長崎ぶらぶら節2012』では
窮地の愛八さん(平淑恵さん)を救う「長崎ぶらぶら節」のレコード化を提案する
西条十八さんを軽快に演じられていました。

かの子さんがはーちゃんに熱烈なアプローチなうの時に手紙を運ぶ俥夫と
一平さんの弟子・宮田さんを演じられたのは、研修科二年生の後田真欧さん。
MEMORIESテネシー・ウイリアムズ[1幕劇一挙上演]』では、
運送屋さんの4人のメンバーの中の一人でした。
1月の卒公が研修生活として最後の年・・精一杯の姿を応援したいと思います。

ちなみに、リーディングでの文学座の方のキャストをご紹介します。

五大路子詠み芝居『エゲリア~生々流転 岡本かの子』
平成17年12/23,24神奈川県立青少年センターホール

脚本 瀬戸口郁
構成/演出 西川信廣

岡本一平 関輝夫
柴田亀造 若松泰弘
岡本太郎 岸槌隆至

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by berurinrin | 2013-01-02 23:19 | 文学座観劇感想

文学座75周年記念公演『エゲリア』その1 in 吉祥寺シアター(9/8,17)

作  瀬戸口郁
演出 西川信廣

新聞の連載漫画で一躍時の人となった岡本一平さん(大滝寛さん)は、忙しさにかまけて
家庭を顧みなくなっていました。
帰ってきては、激しい感情の衝突を繰り返す二人・・
そんな生活・・夫に絶望したかの子さん(吉野実紗さん)は、神経衰弱にかかり、
精神病院に入院してしまいます。
初めてかの子さんの苦しみを知った一平さんは、自らを省みて、
今後はかの子さんに捧げる人生を選ぶのでした。

5年前に、神奈川県立青少年センターに於いて、瀬戸口さんの脚本&西川さん演出による
「五大路子さんによる詠み芝居『エゲリア』」が上演されました。
当時の感想がここリーディング形式でした。
かなりの完成度の高い作品だと思いましたが、あの時よりも数倍(笑)
かの子さんのスケールが大きくなった気がします。
瀬戸口さんの描くかの子さんは、自由奔放で超わがままで、世間の常識をものともせず
常に台風の目のような存在だけれども、なんともいえない無邪気さや愛らしい雰囲気を漂わせているのです。
身内や近くにかの子さんのような人が居たら、かなりメンドクイ・・f(^_^;)
でもね、女性なら誰でもが、かの子さんのような生き方に一種の憧れにも似た感情を持ってるだろうし
男性でも多分、かの子さんのような女性から愛情を注がれてみたいなんて
心の底では思っちゃうんじゃなかろうかと、思ってしまうのです。
かの子さんのように愛情も仕事も、全力で駆け足でぶつかっていく人生
ついつい失敗した時を考えてしまう自分は、
どうにもこうにも憧れの範囲から出れないもんです。

さて、そんな舞台を好き勝手に駆け回る、周りを振り回すかの子さんを演じられたのは、吉野実紗さん。
泣く時は、なりふり構わず号泣し。笑う時は、大きく口を開けて笑う・・
喜怒哀楽の振り幅を、まるでメトロノームの大きな振り子のようにころころ変わる表情。
観ていて、なんて楽しい女優なんだろうと思いました。
かの子さんが、文芸誌に酷評をされて、うなぎを食べて力をつけようとする時の拳を振る姿が
たまらなくツボに入っておりました。
そんなみしゃは、舞台では大胆な女優さんですが、
普段は心細げにじっと人の目を見るかなり可愛い女の子なんです。
前回、『三人姉妹』では、ブローゾフ家の長男アンドレイ(櫻井章喜さん)
の妻・ナターシャを千田美智子さんとWキャストで演じられてました。

かの子さんの夫・一平さんを演じられたのは、大滝寛さんです。
実際には、ありえねー(笑)あっ、でも実際にはあったんですよね(笑)
想像の域を超す、かの子さんとの関係ですが、なんか自然に受け止められちゃうのは
一平さんのかの子さんに対するまなざしが、時に異性に対する愛情、
時に子供に対する慈愛に満ちたまなざしであったりと
その場その場で変化する姿・・
一平さんにとって、女性の総称の全てがかの子さんであったのかもしれません。
まさに、かの子さんが言ったとおり“パパの「エゲリア」”。
人から見たらこっけいに映るかもしれない一平さんの懸命な献身。
こんなに人に尽くせる愛情を持てること、完璧な信頼を得ることの幸せを感じさせてくれました。
そんな大滝さんは『長崎ぶらぶら節2012』の古賀十二郎先生。
男性の魅力たっぷり魅せて下さいました。

「芸術は爆発だぁ~!!」と、両腕を上に広げ首の筋をきぃ~っ(笑)
在りし日の岡本太郎さんを彷彿しましたねぇ~
そして「なんだこれは」この台詞・・当初なかったそうですが
演じられた佐川和正さんが、ぜひ入れたいと瀬戸口さんに申し入れたアトリブだったそうです。
ちょっと風変りな家族構成の中で、常に怒りのオーラなう(笑)
でもちょっとマイナスのオーラには見えなかったんですよね~
きっとまた違う不思議な人格構成が育まれていったのだと思いました。
そんな太郎さんを演じられた佐川さん。本当にここ最近、ぐっと演技の幅が広がり深みが増した気がします。
観ていて今度は何をやってくれるんだろう♪とわくわくさせてくれる俳優なのです。
前回は、『 MEMORIESテネシー・ウイリアムズ[1幕劇一挙上演]』の中の『ロンググッドバイ』
思い出のアパートから引っ越しをするジョー(亀田佳明さん)を見送りに来た
お調子者の友人のシルヴァを演じられました。

かの子さんが神経衰弱になった時にお手伝いに来てくれたのは、妹の大貫きんさん。
その後、岡本家の住み込んで、かの子さんのお世話をというか、お手伝いをしていましたが、
かの子さんの恋人で、体の弱い堀沢芳雄さん(駒井健介さん)の世話をするうちに
かの子さんの嫉妬を買ってしまい、実家に戻され有無を言わさずに嫁に出されてしまいます。
演じられたのは、増岡裕子さん。
かの子さんの姉妹とは思えない(笑)当時の日本女性の代表のような佇まいが、ものすごい対比で
描かれていて、爆走するかの子さんに潰されてしまうきんさん・・ちと可哀相でした。
そんな増岡さんは、『トロイアの女たち』ではコロスの一員で、敗戦国の悲劇を嘆く女たちを演じられました。
また、自主企画『ボーイング=ボーイング』では、ドイツ人のスッチ-(笑)ジュデットで
抜群のコメディアンヌ振りを魅せてくれました。なかなか今後も興味深々の女優なのです。

かの子さんの生き方を変えた人・・あるがままに生きることを由と諭したのは
田原石禅師演じられたのは、鈴木弘秋さん。
かの子さんの生き方に太鼓判を押しちゃった張本人(笑)
短い出番ではありましたが、今後の岡本さん夫妻の道しるべを示す重要なシーンだけに、
鈴木さんが演じられる禅師は印象的になりました。
そんな鈴木さんは、『MEMORIESテネシー・ウイリアムズ[1幕劇一挙上演]』で
四人組みの引っ越し屋さんの中で年長者を演じられていましたが、
やっぱり細やかなしぐさが印象に残りました。

一平さんの漫画の方の出版社の担当編集者は二人。
きっと一番被害を被っただろうと思われる同情すべき人物たちです(笑)
大森さんを柳橋朋典さん、
川井さんを南拓哉さんが演じられました。
柳橋さんは、『三人姉妹』ではいつもカメラを身に着けてる
人の良い陸軍少尉フェドーチクを軽快に演じられました。
今回文学座本公演デビューを果たしたのは南さん。
実は、あまり南さんを観る機会がなくて、ごめんなさいf(^_^;)
ただ・・研修科時代『萩家の三姉妹』で、茶髪でガテン系なヤロー(笑)系の池内徳次さんを演じられた姿が、
とても気持ちよく拝見できたのが印象的でした。

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次回に続きます

9/7~23まで in 吉祥寺シアター

さて、待ちに待った『モジョミキボー』あの二人が帰ってきます!
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by berurinrin | 2013-01-01 22:32 | 文学座観劇感想