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文学座5.6月アトリエの会『NASZA KLASA(ナシャクラサ)私たちは共に学んだ-歴史の授業・全14課』その5

文学座5.6月アトリエの会『NASZA KLASA(ナシャクラサ)私たちは共に学んだ-歴史の授業・全14課』
その5
                                        in 文学座アトリエ(5/18、22)

作  タデウシュ・スウォボジャネク
訳  久山宏一
演出 高瀬久男


ユダヤ人(ユダヤ教徒)
ドラ(牧野沙也子さん)1920-1941
ラヘルカ(山本郁子さん)1920-2002途中でカトリックに改宗してマリアンナ
ヤクプ・カツ(藤側宏大さん)1919-1941
メナヘム(亀田佳明さん)1919-1975
アブラム(采澤靖起さん)1919-2003

ポーランド人(カトリック教徒)
ゾハ(佐古真弓さん)1919-1985
ルィシェク(川辺邦弘さん)1919-1942
ズィグムント(沢田冬樹さん)1918-1977
ヘニェク(中村彰男さん)1919-2001
ヴワデク(清水明彦さん)1919-2001
名前の後ろの数字は、生没の年代が表示されています。

ヘニェク(中村彰男さん)の場合
意外にも消防士になりかったのですねぇ~という感じのヘニュク。
幼少時代のヘニュクは、賢くポーランド人の男の子一歩前に居て宗教を語る雰囲気でしたが
ソ連軍が侵攻し、カトリック系の建物が映画館に変わり、
ルィシェク(川辺邦弘さん)、ズィグムント(沢田冬樹さん)ヴワデク(清水明彦さん)らと地下組織を作ります。
ところがルィシェクが逮捕されると、彼は司祭の家を泊まり歩き、教会の手伝いをして逃げ回っていました。
独ソ開戦により、ポーランドをドイツ軍が占領し、ユダヤ人の迫害が起こります。
ある日、ルィシェクを密告した犯人だと思い、ルィシェク、ズィグムント、ヴワデクらと
ヤクプ・カツ(藤側宏大さん)の虐殺に加わります。その足で、今度は メナヘム(亀田佳明さん)の家に押し入りドラ(牧野沙也子さん)を
乱暴するルィシェク、ズィグムントの助けをするヘニュク。
その後、穀物倉庫におけるユダヤ人の虐殺に加担します。
ラヘルカ(山本郁子さん)の改宗とヴワデクとの結婚に協力した後は、司祭に成る為に村から出て行きます。
戦争が終わり、逮捕されるヘニュク。目の前には、メナヘムの暴力的な尋問が始まります。
ヤクプ・カツ殺害と穀物倉庫でのユダヤ人虐殺事件について、
メナヘムの暴力によって強制的にされたものだと否定します。
そして、教会の力で難なく釈放されます。
司祭となりズィグムントとの友情、いや共犯者としての付き合いは、
彼の息子の葬儀やズィグムント自身の死まで続きます。
ゾハ(佐古真弓さん)が、一時帰国するとゾハの母親と夫の墓石に案内し、
ゾハからの寄付で亡くなったポーランド人、ユダヤ人・・同級生たちの冥福を祈ることを申し出ます。
ズィグムントの死により衝撃を受けたヘニュクは、仕事に精を出しますが、
その反面トランプでの賭け事などスキャンダルも多く
穀物倉庫のユダヤ人虐殺事件の関与の疑惑まで浮上し、その出所がヴワデクとマリアンナと知ります。
穀物倉庫のユダヤ人虐殺の追悼式典に出席する為に、アメリカからアブラム(采澤靖起さん)が
帰国し再会します。
病気が再発し、同時期に体調を崩したヴワデクと同じ日に葬儀が行われました。

難しい人物ですよね。
暴力と血を浴びた人物でも司祭になれるもんなのでしょうか?!と思いました。
彼の前半生は、自ら選べられた生き方ではなくて、生きる為に集っていた気がします。
普通じゃなく極限に生きた彼ら。
彼の人生の後半は、それでも懸命にすべてを捧げて神に仕えていたと思いますが
やはりその代償は、彼の最期に現れていたと思います。
彼の最期の言葉は「・・神はいなかった」。
こんなに無残な言葉は神に仕える者として、最悪を通り越して無ではなかったのかと
彼には神が見えなかった。それでも最後に彼の本心が見えた気がしました。

そんな小狡さも見えるヘニュクを演じられたのは、中村彰男さん。
連結の子』では犯罪を犯した息子・由起夫(亀田佳明さん)とどう付き合ったらいいのか悩めるお父さん
鉄道模型(笑)別称ツクリテツさんの進さんを演じられていました。

ヴワデク(清水明彦さん)の場合。
荷馬車の馭者になりたいといったヴワデク。
いつもルィシェク(川辺邦弘さん)、ズィグムント(沢田冬樹さん)ヘニュク(中村彰男さん)とつるんでいますが
ソ連侵攻に伴い、社会主義が流れ込んだ時に貧富の差やユダヤ人とポーランド人が仲よく暮らせる世界に共感を覚えます。
それはユダヤ人のラヘルカ(山本郁子さん)への想いもあったことだと思います。
けれどそれは一瞬で、ルィシェクらと地下組織を作ります。
独ソ開戦により、ソ連に変わってドイツ軍が侵攻してくると例の如くルィシェク、ヘニュク、ヴワデクらと
密告者と信じてヤクプ・カツ(藤側宏大さん)を捉えますが、
手は下さす彼らの暴力行為を恐れながら見ていました。
その後メナヘム(亀田佳明さん)の家に押し入る彼らと別れ、
ラヘルカを守る為に自分の家に連れて行きます。
ラヘルカの家族の様子を見に広場にいったヴワデクは、ルィシェク、ズィグムント、ヘニュクが
今まさに関わっている穀物倉庫のユダヤ人虐殺の一部始終を目撃します。
全てが終わったあと、穀物倉庫でドラ(牧野沙也子さん)とその子供の遺体を見つけ葬った後に、
ルィシェク、ズィグムント、ヘニュクにラヘルカの改宗と結婚を宣言し、協力してもらいます。
素直に従うラヘルカは、改宗してマリアンヌと名乗り、ヴワデクとその母とマリアンヌとの生活が始まります。
自分の留守に身重のマリアンヌをルィシェクが連行していくのを見掛け、
マリアンヌを助ける為にルィシェクを銃殺し戦争が終わるまで逃亡生活を続けます。
その間にヴワデクの母は、軍の警察に殺害され家は焼かれてしまいます。
二人の間の赤ちゃんは死産でした。
戦争が終わり、村に戻ったヴワデクの全てのものは破壊され、
かろうじて残ったマリアンナの父の水車小屋で生計を立て始めます。
そこへズィグムントが現れ和解します。
ある日、逮捕されメナヘムの元に連行されたヴワデクは、再会を喜び
ヤクプ・カツの殺害
について自供します。ところが裁判ですべてを覆すこととなります。
けれど水車小屋は壊れ、ヤプク・カツや彼が殺害したルィシェクの亡霊にうなされ酒に溺れるようになります。
マスコミにすべてを語ったヴワデクは、自分たち夫婦をロミオとジュリエットのように語り
司祭となったヘニュクの事を告白したため、嫌がらせを受け、警察の保護を受けることになります。
すでに胃癌の宣告を受けたヴワデク。
マリアンヌとの結婚生活は、すでに破たんしてはいましたが、最期の彼を看取るのはマリアンヌでした。

きっと最初から最後まで、同級生という関係を自然に大事にしていたのは
この方だったんだろうなぁ~と思いつつも、どうも納得がいかないシーンがあって
ルィシェク、ズィグムント、ヘニュクらが行った蛮行を
「済んだことは済んだこと」と一言で済ましちゃうヴワデクの言葉がずっと耳に残っていました。
参加するけど手は汚せないヴワデクの行為もちょっと考えちゃいますけどね
でも、マリアンナに対する一方的だけれど誠意は感じられるし、愛情も感じますが
マリアンナとの亡命中に出産した赤ちゃんを、死産ではあったけれど
マリアンナとしてはヴワデクが殺したんじゃないかと思わせる程、
二人の夫婦間の信頼度は薄かった気がします。
悲しい出来事ですよね。
時代が違っていたら、夫婦にはならなかったかもしれない二人だと思いますが
でもやっぱり最後は夫婦であった気がします。
って、なんかよくまとまってなくてすみません
そんなヴワデクを演じられたのは、清水明彦さんです。
三人姉妹』では、次女マーシャ(塩田朋子さん)と恋に落ちるヴェルシーニンを演じられました。

以上で、感想は終わりです。
誰もが主人公のこの作品。
実はト書きがないそうです。そして台詞はすべて過去形(以前も書いた気がしますが・・)
死者の彼らが蘇って過去を検証するお話。
でも思えば、今日も何処かの国で内戦が起こり、何処かの国で虐殺が行なわれています。
間違った事だと私たちは過去から沢山学んでいるはずなのに・・
なぜか空しい気持ちがざわざわと残ります。
by berurinrin | 2012-06-19 00:12 | 文学座観劇感想

文学座5.6月アトリエの会『NASZA KLASA(ナシャクラサ)私たちは共に学んだ-歴史の授業・全14課』その4

文学座5.6月アトリエの会『NASZA KLASA(ナシャクラサ)私たちは共に学んだ-歴史の授業・全14課』
その4
                                        in 文学座アトリエ(5/18、22)

作  タデウシュ・スウォボジャネク
訳  久山宏一
演出 高瀬久男


ユダヤ人(ユダヤ教徒)
ドラ(牧野沙也子さん)1920-1941
ラヘルカ(山本郁子さん)1920-2002途中でカトリックに改宗してマリアンナ
ヤクプ・カツ(藤側宏大さん)1919-1941
メナヘム(亀田佳明さん)1919-1975
アブラム(采澤靖起さん)1919-2003

ポーランド人(カトリック教徒)
ゾハ(佐古真弓さん)1919-1985
ルィシェク(川辺邦弘さん)1919-1942
ズィグムント(沢田冬樹さん)1918-1977
ヘニェク(中村彰男さん)1919-2001
ヴワデク(清水明彦さん)1919-2001
名前の後ろの数字は、生没の年代が表示されています。

ゾハ(佐古真弓さん)の場合
お針子になりたい!と将来の夢を語ったゾハは、女中をしている母に育てられました。
ユダヤ人のメナヘム(亀田佳明さん)に恋をしているようですが、メナヘムはドラ(牧野沙也子さん)に夢中のようです。
ソ連軍が侵攻し、カトリック系の建物が映画館に変わり館主となったメナヘムに
協力して寸劇を行いルィシェク達に非難されます。メナヘムはドラにプロポーズし
アブラム(采澤靖起さん)から来た手紙にラヘルカ(山本郁子さん)への想いが綴られていた事で
母親から勧められていた歳の離れた農場主と結婚することにしたゾハ。
独ソ開戦により、ポーランドをドイツ軍が占領し、ユダヤ人の迫害が起こります。
ある日、ルィシェク(川辺邦弘さん)、ズィグムント(沢田冬樹さん)、ヘニェク(中村彰男さん)ヴワデク(清水明彦さん)ら
同級生たちに虐殺されるヤクプ・カツ(藤側宏大さん)を目撃したといって
農場に突然現れたメナヘムが、 ゾハに助けを求めてきました。
そしてメナヘムの頼みでドラの様子を見に行きますが、すでに狂信したポーランド人達の壁に囲まれたドラに対して
見殺すしかなかったゾハ。
時に体を張って、ゾハは戦争が終わるまでメナヘムを匿うことになります。
戦争が終わり、メナヘムの助力でアメリカに亡命するゾハ。本当はメナヘムと一緒に出国したかったのに・・
アメリカで、アブラムと再会し、全てを語ります。
メナヘムはいつまでたってもゾハの元には来てくれず、異国アメリカでの生活の不安から悲観した時に
ふと声を掛けてくれたユダヤ人と結婚します。
子供に恵まれ、一時の幸福を手に入れますが、終戦までユダヤ人であるメナヘムを匿った話を
アブラムが良かれと思って公にしたことで、夫婦仲は悪化します。
夫の死後、亡命者の一時帰国で、ポーランドにやってきたゾハ。
同級生ラヘルカ(山本郁子さん)とヴワデク(清水明彦さん)の貧しい暮らしに驚き、
司祭となったヘニェクの案内で同級生達のお墓を巡ります。
アメリカに戻り。最後は老人ホームで、家族すら訪問を拒み自ら命を経ちます。

あまり自分の感情を出さないゾハ。
聡明なゾハに対して、時代が変わろうとも彼女にとって世間は冷たい・・・。
彼女はメナヘムを愛しているのにアブラム(采澤靖起さん)から来た手紙に、
アブラムが幼い頃のラヘルカへ想いを告白したことで
「ああそっかぁ~」って、母親が決めた歳の離れた農場主と結婚しちゃうんですよね。
実は、そこんところがちょっと腑に落ちなくて、失礼ながらも演じられた佐古さんに伺ったところ
家庭環境に恵まれたとは言えない中で育ったゾハは、もしかしたらコンプレックスの塊で
好きなメナヘムからだけではなく、他の同級生の異性から注目を引きたい気持ちがあったのかもしれなくて
それがアブラムの告白で「ああそうなのか」と、
やっぱ自分じゃなくて綺麗なドラやラヘルカなんだ・・と諦めの気持ちが出ちゃったのかも・・と
幼少の頃は、注目してもらいたい、自分を愛してもらいと心の叫びを訴えていたゾハが
老齢に入り、自分の子供たちから離れ、心を閉ざして、淡々と一人静かに命を絶ってしまう
強がりな振る舞いをすればするほど、彼女の人生が本当に哀れに思ってしまいます。
そんなゾハを演じられた佐古真弓さん。
なんとアトリエは、修学旅行の引率の先生を演じられた『エスペラント』以来だそうです。
本公演では『定年ゴジラ』。
定年を迎えた山崎さん(坂口芳貞さん)の次女で
離婚訴訟中の妻子ある会社の上司と恋愛中のOL万里さんを演じられました。

ルィシェク(川辺邦弘さん)
パイロットになりたいと言っていたルィシェク。
野原を無邪気に駆け回るやんちゃな子供時代を過ごしていたと思います。
同級生の可愛くて綺麗なユダヤ人のドラ(牧野沙也子さん)を両思いと知らずに告白しますが
無残にも他の同級生達に見つかって、からかわれ彼は傷つきます。
その後、ドラはメナヘム(亀田佳明さん)と付き合うようになります。
ソ連軍が侵攻し、カトリック系の建物が接取され映画館になります。
カトリック教徒でポーランド人のルィシェクは仲間であるポーランド人の同級生ズィグムント(沢田冬樹さん)、
ヘニェク(中村彰男さん)、ヴワデク(清水明彦さん)と地下組織を作りますが
ソ連兵に捕まります。仲間を守る為に口を割らないルィシェクに対し、
ある日、兵士に連れられたヤクプ・カツ(藤側宏大さん)が、ルィシェクを前にして彼の身元を話してしまいます。
独ソ開戦により、ソ連に変わってドイツ軍が侵攻し
散々暴行されて解放されたルィシェクは、ヤクプ・カツをスパイだと思い込んでいます。
通りの向かいから歩いてきた ヤクプ・カツを、 ズィグムント 、ヘニュク、ヴワデクらと捕まえ、暴行し、
倒れた彼の頭に大きな石を落として息の根をとめたルィシェク。
今度は皆でメナヘムを捕えようと彼の家に行き、留守番をしていたドラを乱暴します。
村のユダヤ人を集め、とある穀物倉庫に押し込めるルィシェク達。
その中にはドラの姿も・・救いを求めるドラを殴るルィシェク。
ユダヤ人の殺戮が終わった後、ヴワデクからラヘルカ(山本郁子さん)が、
カトリックに改宗して彼と結婚すると伝えられ協力します。
その後、 ズィグムント から唯一生き残りのユダヤ人である ラヘルカ =マリアンヌの殺害を依頼され
ヴワデク の留守中にマリアンヌを捕えますが、 それを知ったヴワデク に追いつかれ、射殺されます。

ちょっと、むちゃくちゃな野獣みたいなところもありましたが
子供の頃からの無邪気さは最後まで変わらなかったような気もするのです。
ヤクプ・カツの姿が哀れに思って、楽にさせてあげようと石を彼の頭上に落としたとか
その後のペロンはちと怖いのですが・・。絶対にドラへの暴行は許せないけれど
ドラの最後も、周りの手前どうしようも出来なくて殴ってしまったとか・・
そのドラの死から幻覚に悩まされたり
マリアンヌに対しても結婚や改宗を素直に祝福して、ズィグムントからの殺害指示に対して一旦躊躇したり・・
時代が変わっていたならば、普通の人物になりえたし優しい真面目で素直な人物だったのに・・
ヴワデクに殺された後、生きてる彼らを見守るルィシェクの隣に寄り添うのはドラ。
生きている間に、微笑み合い寄り添う二人の姿を見てみたかったものです。

そんなスイッチが入ると狂犬のような振る舞いをみせるルィシェクを演じられたのは川辺さん。
アトリエの会『ダーウィンの城』では、やはり怖いカタギリヒロシさんを演じられました。
あ~でも普段の川辺さんは、本当に本当に面白くて優しくてとってもとっても素敵な方なんですよぉ~
だからこそ、このギャップに萌え~なのでした(笑)

ズィグムント(沢田冬樹さん)
軍人になりたいと言っていたズィグムント。
子供時代、そんなに目立つ雰囲気はないように思いました。が、
一転するのは、ソ連が侵攻してきた時。
村の人たちが、彼らを歓迎するするためにみんなが赤い旗を掲げた際に
ズィグムントのお父さんはポーランドの旗を掲げた事で連行された事から・・
(当時は、理由もわからず人が連行されたようです)
ユダヤ人たちがソ連軍を歓迎したのと反対に
ルィシェク(川辺邦弘さん)、ヘニェク(中村彰男さん)、ヴワデク(清水明彦さん)らポーランドの若者が
反ソ連に対する地下組織を作りますが、ある日ルィシェクが逮捕されてしまいます。
逮捕された際に連行されたヤクプ・カツ(藤側宏大さん)が、そうとは知らず彼を認めた為に、
彼はヤクプ・カツをスパイだと思い込んでしまいますが、実際はズィグムントが情報を流していたようです。
けれどその代償の父親は戻ってきません。
独ソ開戦により、ソ連に変わってドイツ軍が侵攻してくると例の如くルィシェク、ヘニェク、ヴワデクらと
ヤクプ・カツの殺害とドラ(牧野沙也子さん)への乱暴から穀物倉庫でのユダヤ人の大量殺戮をへて、
ヴワデクと結婚し改宗したマリアンナ(山本郁子さん)の代父となりますが、
村の唯一の生き残りであるユダヤ人マリアンナを恐れたズィグムントは、ルィシェクに指示して殺害を命じますが
失敗しルィシェクは、ヴワデクに銃殺されてしまいます。
戦後、逮捕されたズィグムントは、メナヘムと再会しますが、それは逮捕する側とされた側。
メナヘムから、ドラへ対する一連の事件を告発されますが、一枚上手のズィグムント。
その後、ポーランドの労働党に入党し二人の娘、自慢の一人息子の行く末も幸せに満ちていましたが
息子が旅行先で事故死してから一転、妻は精神病院に入院し、ズィグムントは覇気を無くし
ある日、脳出血で入院し死亡します。

この人は、まじ屈折してる・・・ってか、みえない不思議な人でしたよね。
なんか彼が笑うと怖い・・アブラム(采澤靖起さん)曰く
ズィグムントを含むポーランド人の彼ら四銃士
ルィシェク、ヘニェク、ヴワデクの中では一番の策士でもありましたが
家族の絆を愛する心は人一倍持っていた気がします。もともとお父さんの連行から
父親を取り戻すためのスパイ工作だったし
例えば、ドラを襲う前にドラの赤ちゃんをあやす姿や
自身の家族に対する愛情は図り知れない程・・その反面、ここまで人は冷酷になれるのかと
深い二面性を魅せてくれた気がします。
久々の悪役をみせて頂いた冬樹さんでしたが
『三人姉妹』では穏やかな男爵。そして『殿様と私2011』では、爽やかな車夫の三太郎さんを演じられていました。

先日のワールドカップ予選大会で、ポーランドVSロシア戦が行われ
緊張の高まる両国のサポーターの小競り合いで逮捕者が出たとニュースになっていました。
まだまだ過去を語りには、根深く問題なのだと、痛感しました。
by berurinrin | 2012-06-18 00:56 | 文学座観劇感想

文学座5.6月アトリエの会『NASZA KLASA(ナシャクラサ)私たちは共に学んだ-歴史の授業・全14課』その3

文学座5.6月アトリエの会『NASZA KLASA(ナシャクラサ)私たちは共に学んだ-歴史の授業・全14課』
その3
                                        in 文学座アトリエ(5/18、22)

作  タデウシュ・スウォボジャネク
訳  久山宏一
演出 高瀬久男


ユダヤ人(ユダヤ教徒)
ドラ(牧野沙也子さん)1920-1941
ラヘルカ(山本郁子さん)1920-2002途中でカトリックに改宗してマリアンナ
ヤクプ・カツ(藤側宏大さん)1919-1941
メナヘム(亀田佳明さん)1919-1975
アブラム(采澤靖起さん)1919-2003

ポーランド人(カトリック教徒)
ゾハ(佐古真弓さん)1919-1985
ルィシェク(川辺邦弘さん)1919-1942
ズィグムント(沢田冬樹さん)1918-1977
ヘニェク(中村彰男さん)1919-2001
ヴワデク(清水明彦さん)1919-2001
名前の後ろの数字は、生没の年代が表示されています。

メナヘム(亀田佳明さん)の場合
女の子たちから人気のあったメナヘムは、同級生のドラ(牧野沙也子さん)が気になっていたようです。
ある日、ドラが、ルィシェク(川辺邦弘さん)からもらったハートをかたどった手紙をみんなの前で読み上げてしまいます。
小さないたずらが、人を傷つけてしまうことさえ、まだわからない幼い頃のエピソード。
ソ連軍が侵攻し、カトリック系の建造物は、映画館に建て替えられました。
映画好きのメナヘムは、そこの映画館の館主となり、メナヘムの子を宿したドラと結婚します。
この出来事が、カトリック系のポーランド人の恨みを買うことになります。
1941年独ソ開戦。今度はドイツがポーランドに侵攻してきます。
と共に、ソ連に対するユダヤ人の態度を良く思っていなかったポーランド人からの非難と
ドイツのヒットラー総裁によるユダヤ人弾圧の嵐が、彼らを包み込みます。
身の危険を感じたメナヘムは、ヤクプ・カツ(藤側宏大さん)に逃げるように勧め、
ドラに家から出ないように注意を促してから身を隠します。
ルィシェク、ズィグムント(沢田冬樹さん)とヘニェク(中村彰男さん)ヴワデク(清水明彦さん)らに
虐殺されるヤクプ・カツを目撃したメナヘムは、
ゾハ(佐古真弓さん)に頼り戦争が終わるまで匿ってもらうことになります。
戦争が終わり、ゾハを国外に脱出させた後、ポーランドに戻ったメナヘムに仕事は地下組織の弾圧。
ところがズィグムント達の結束は固く、逆に告発されイスラエルに亡命します。
そこでドラ似の美しい女性と結婚し、一人息子をもうけますが、機械工として兵士として召集されます
そんな時、息子がテロの犠牲者となり、妻は去ります。
息子を殺戮したテロ組織を突きとめる仕事を志願しますが、それには彼のポーランドでの職歴が阻み
すでに中東戦争は、軍事技術競争の時代。機械工としてのメナヘムの技術は不要となっていました。
彼は自ら命を絶ってしまいます。

女の子に興味津々なおちゃらけた普通の男の子が、民族間の争い、戦争によって
妻子を失い、一緒に遊んだ同級生が同級生を殺害を目撃してしまう・・
戦争が終わっても彼自身の戦争は終結できず、その代償が、息子の死という
まるでメビウスの輪のように繰り返し、立ち止まった時には、時代はすべて新しく、
彼にはそれを受け入れるには年を取ってしまっていた・・
なんとも痛ましい生涯を送ってしまうのでしょう・・
後半、たまに見せる笑顔は、常に泣き顔のような表情をするメナヘム。
演じられたのは『連結の子』で過去に殺人を犯し刑務所から出所してきた由起夫さん。
テネシー・ウィリアムズ 一幕劇・一挙上演』では「財産没収」少年トムから
「ロング・グッドバイ」では、青年ジョーと幅広いキャラクターを演じられておられました。
最近、演じるキャラクターの幅広がって目が離せない亀さまです。

アブラム(采澤靖起さん)の場合
同級生が同級生であった頃。彼は家族を残して単身アメリカに留学します。
定期的にヤクプ・カツ(藤側宏大さん)に宛てに近況を知らせる手紙を送ります。
ポーランドにソ連軍が侵攻し、ポーランド人、ユダヤ人と同級生達が反目しあう状況下でも
アブラムの手紙は、彼らの心を一瞬でも過去の時間に戻してくれていました。
それまでは・・
ソ連軍に変わってドイツ軍が侵攻してくると一変してユダヤ人に対する圧力が激化します。
そんな中、アブラムが送った手紙をポケットに入れ村から逃げようとしたヤクプ・カツは、
ポーランド人の同級生ルィシェク(川辺邦弘さん)、ズィグムント(沢田冬樹さん)、ヘニェク(中村彰男さん)
ヴワデク(清水明彦さん)に虐殺されてしまいます。
何も知らないアブラムは、結婚し子供に恵まれますが、同級生達からの便りのない事を心配しています。
ある日、ズィグムントから便りが届き、初めて祖国の実情を知ることになります。
でもそれはズィグムントが、現実を湾曲した手紙でした。
戦争が終わり、亡命してきたゾハ(佐古真弓さん)から真実を聞かされたアブラムは衝撃を受けます。
彼の一族が虐殺され、ドラが殺された穀物倉庫での一件をポーランド当局に訴えるアブラム。
その後、追悼式典に参加するために帰国します。
式典で、アブラムは説教をして、同級生たちは複雑な思いで見守っていました。
ヴワデク(清水明彦さん)亡き後、アブラムが留学前に恋していたマリアンナに対して渡米や援助の手を差し出しますが
マリアンヌは来てはくれませんでした。
その頃は、老齢に達したアブラムは持病の糖尿病が悪化し、体が不自由の身になっていたようです。

祖国にいる同級生に対して、一人アブラムは能天気というか・・・
常に舞台にいるのに彼らとはとても離れたところにいます。
彼らが祖国で、過酷で熾烈な戦いが繰り広げられていている間も
アブラムの手紙の中では、幼い普通の同級生の仲間意識が溢れています。
ユダヤ教のラビという指導者という高位についてるアブラム。
まだ彼らが幼かった頃、ユダヤ人とポーランド人で諍いが起こるとラビと司教等、代表間で悶着を収め
人種が違っても彼らは穏やかに暮らせていたそうです。
よき時代だったんですね・・
想像と現実の違いに翻弄されるアブラム・・でも、きっと現実の自国の状況は、
わかっていたような気がするのは私だけでしょうか?!
そんなきれいごとの話じゃないですよねぇ~って、ちょっと悪意がありますf(^_^;)
戦後になって、明かされる同級生たちの真実に向き合っても
どこか過去の追っかけというか、どうしてもずれを感じてしまうアブラムの行動ですが
後半の虐殺された家族、親戚一同の名前を語るアブラム凄かったですよね。
ホント良く覚えられましたねぇ~って皆様からも褒められたそうですが(笑)
わたしだったらきっと指を折りながら、えっとえっと(笑)お父さんが~、おじさんは~って
受験生時代を思い出したという、アブラムを演じられた采澤さんは、準座2年目。
鵜山仁さん♪演出のアトリエの会『山羊・・・それって・・・もしかして・・・シルビア?』で、ちょっと複雑すぎる家庭環境の中
屈折したゲイの息子ビリーでアトリエデビューされました。
見た目は爽やかな雰囲気を持つ采澤さんですが、かなり面白い人物です。

ふぅ~以上がユダヤ人チームでした。
いやぁ~厳しい!厳しいのは私の知識も薄っぺらで・・すみません
彼らの人生をこんな解釈で語ってしまって果たしていいのでしょうか?!って
思いつつも、今更やめられないので、最後までいっちゃいますf(^_^;)
by berurinrin | 2012-06-17 10:18 | 文学座観劇感想

2012.6月~主な外部出演

★江守徹『ハンドダウンキッチン』6/14ウインクあいち(ウインクあいち052-571-6131)
★鵜山仁(演出)、金内喜久夫、神保共子『月にぬれた手』5/17~6/3座・高円寺(座・高円寺03-3223-7300)
★西川信廣(演出)、松井工、鍛冶直人、細貝光司、千田美智子『黒蜥蜴』6/1~24明治座(明治座03-3666-6666)
★鵜山仁(演出)『危機一髪』6/9~17俳優座劇場(劇団昴03-6907-9220)
★小林勝也、横田栄司『南部高速道路』6/4~24シアタートラム(世田谷パブリックシアター03-5432-1515)
★戸井田稔、櫻井章喜、星智也『サロメ』5/31~6/17新国立劇場小劇場(ボックスオフィス03-5352-9999)
★金沢映子『高き彼物』6/22~30可児文化創造センター(可児文化創造センター0574-60-3311)7/4~10吉祥寺シアター(中村ステージプロダクション03-5355-1332)
★たかお鷹『藪原検校』6/12~7/1世田谷パブリックシアター(こまつ座03-3862-5941)
★奥山美代子、目黒未奈『ヴェニスの商人』6/19~24俳優座劇場(シェイクスピアシアター03-5318-5755)
★鈴木正光(演出)、岡本正巳『品川富士曾我誉(しながわふじそがのほまれ)』6/20~7/1品川宿楽間(巣林舎090-3690-5874)
★江守徹『ミュージカル「本能寺が燃える」』6/21~24セルリアンタワー能楽堂(音楽工房052-982-7730)
★外山誠二、佐川和正『東京原子核クラブ』6/27~7/1俳優座劇場(俳優座劇場03-3470-2880)
★中野志朗(演出)岸槌隆至、松尾勝久『代用感情「第三帝国の恐怖と悲惨」より』『闇の光明』7/4~10新宿サニーサイドシアター(新宿サニーサイドシアター03-3355-7377)
★鵜山仁(演出)、金内喜久夫、石橋徹郎、宮内克也『日本の面影』7/12~25俳優座劇場(oh!can03-35607623)
★松本祐子(演出)、亀田佳明『20世紀少年少女唱歌集』7/13~23花園神社境内特設ステージ(椿組03-3202-1350)
★上村聡史(演出)、倉野章子、大滝寛、中村彰男『千に砕け散る空の星』7/19~30シアタートラム(ゴーチ・ブラザーズ03-6809-7125)
上記作品公演文学座支持会・パートナーズ倶楽部会員特別割引があります。詳細→世田谷パブリックシアター03-5432-1515へお願いいたします
★今井朋彦(演出)『パンドラの鐘』7/21~28桜美林大学プルヌスホール(桜美林大学opap_50@yahoo.co.jp)
★高瀬久男(演出)、西岡野人、駒井健介、金松彩夏、伊藤安那『月の岬』7/25~31(Pカンパニー03-6808-5306)
★小林勝也、松山愛佳『十三人の刺客』8/3~18赤坂ACTシアター(チケットスペース03-3234-9999)8/21~29新歌舞伎座(新歌舞伎座06-7730-2121)
★高瀬哲朗、上川路啓志、藤側宏大、牧野紗也子、千田美智子『親鸞わが心のアジャセ』8/30~9/1浅草公会堂(オフィスのいり042-369-9570)
★鵜山仁(演出)櫻井章喜、林田一高『芭蕉通夜舟』8/17~9/2紀伊國屋サザンシアター(こまつ座03-3862-5941)
上記作品公演文学座支持会・パートナーズ倶楽部会員特別割引があります。詳細→こまつ座 TEL03-3862-5941へお願いいたします
★高橋礼恵『この子たちの夏』8/17~19世田谷パブリックシアター(世田谷パブリックシアター03-5432-1515)
★塾一久、たかお鷹、原康義、廣田高志、横田栄司、星智也『トロイラスとクレシダ』8/17~9/2彩の国さいたま芸術劇場(彩の国さいたま芸術劇場0570-064-939)
★塩田朋子『シュペリオール・ドーナツ』8/25~9/10ザ・スズナリ(加藤健一事務所03-3557-0789)
★秋乃桜子(作)、松本祐子(演出)、奥山美代子、山像かおり『いんげん』9/3~9/9SPACE雑遊(西瓜糖070-6463-0980)
★得丸伸二『人形の家』9/7~9シアターグリーン(演劇集団JOKO03-6907-9213)
★鵜山仁(演出)今井朋彦、城全能成、川辺邦弘、松角洋平、倉野章子10/3~21『リチャード三世』新国立劇場小劇場(ボックスオフィス03-5352-9999)
★坂口芳貞、中村彰男、太刀川亞希『季節のない町』10/4~8あうるすぽっと(あうるすぽっとプロデュース03-5391-0751)
★浅野雅博、佐川和正、亀田佳明、栗田桃子『るつぼ』10/29~11/18新国立劇場小劇場(ボックスオフィス03-5352-9999)

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by berurinrin | 2012-06-13 01:54 | 外部出演

文学座付属研究所研修科発表会『アイスクリームマン -中産階級の劇的休息-』のお知らせ

文学座付属研究所研修科発表会『アイスクリームマン -中産階級の劇的休息-』のお知らせ

作  岩松 了   

演出 坂口芳貞

日時 6/22(金)18:30
    23(土)14:00/18:30
    24(日)14:00

於 文学座アトリエ  

全席無料・予約制 文学座  TEL.03-3351-7265(11時~17時・日祝除く)
 
予約受付期間 受付中~6/21(木)

※満席となり次第、札止めとなるそうです

今日から予約開始です
この作品は、文学座43期生の卒業公演となった作品であります。
ちとわたし的には思い入れがある作品なのです。
本当に楽しみにしています♪
by berurinrin | 2012-06-12 20:52 | 文学座公演情報

長岡公演『長崎ぶらぶら節』

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長崎じゃなく長岡です(笑)ツアーの見納めです
大切に大事に拝見させて頂きます
by berurinrin | 2012-06-09 13:09 | 文学座観劇感想