2010/2011シーズン『雨』

2010/2011シーズン『雨』in 新国立劇場中劇場(6/11)

作  井上ひさし
演出 栗山民也

江戸・・鉄屑拾いの徳さん(市川亀次郎さん)は、ある雨の日に出会った老人(たかお鷹さん)から
「行方知れずの紅花問屋主人、喜左衛門さんではないか?!」と声を掛けられます。
話を聞くうちに、喜左衛門さんになりすまして
大金と美しい妻・おたかさん(永作博美さん)を手に入れようと考える徳さん。
ところが、まんまと喜左衛門さんになりすましたものの
後に引けなくなり、死に物狂いの努力の日々の末
今や、すっかり本人に成り代った徳さんいや喜左衛門さん。。。
そんな彼の前に昔の仲間が現れます。

久しぶりの中劇場!
ここの劇場の匂いが好き。
あたたかい光が入るロビーが好き。

この作品は、井上ひさしさんの中でも非常に難易度の高い作品といわれているそうですね。
役者の力量が問われるとも聞いたことがあります。
なので、なかなか再演することが困難な作品なんだそうです。
初演は、名古屋章さんが演じられたそうです。
名古屋さん演じられた徳さんが、絶品だったそうで・・
今更ながら拝見したかった(><)
絶対、活字で読んでも面白そうですね!

難易度が高いというのは、言葉。
というのも、キーワードは東北の方言。
なにしろ生粋の江戸っ子で、中でも下町の界隈で、でやんでぃ~べらんめえ~と
しゃべっていた主人公が、自分と瓜二つと言われた大店の主人に成り済まそうとして
すり替わる為には、土地の人と同じ様に言葉を操ることが大前提。
江戸弁が出なくなるほど、必死な努力の末にお国言葉が自然に口をついてしまう・・
そんな涙ぐましい努力の先には、悲劇が待ち受けているという皮肉な結末。
よくよく考えてみると、河童の話や徳さんの語るその場しのぎのでまかせが、
うそ臭いほどに周りを納得させて繋がってしまう・・ところが、その先に
あんなことが待ち構えていたなんて・・みんな仕組まれていたと考えると
ぞぞぞぞっ・・・一番最初の老人の徳さんへの声掛けさえも・・そうなるか?!
そしておたかさん・・・いやぁ~すんごい作品ですねぇ

主人公、徳さんを演じられたのは、あの亀次郎さん。
今や時代劇、現代劇・・あげくはシェイクスピアまでこなす
器用な方ですねぇ・・じつは、初・亀次郎さんなのでした。
う~ん、約3時間の長丁場、ほとんど出ずっぱりで、すごいすごい
ただ残念なのは、ご自身の生まれ持つ品の良さが
徳さんの生れ落ちた境遇と喜左衛門さんになった時に落差が
あまり感じられなかったのは、もったいなかった気がしました。
けれどもあの所作、足捌きの見事な事・・・
歌舞伎を観ない私ですが・・幼い頃から身についた芸事の深さ
昨日今日で出来る動きじゃない・・・すごいですねぇ~

徳さんが喜左衛門さんに成り代わろうとして懸命な努力をする過程で
彼は喜左衛門としての生きがいを自分の中で見出していきます。
徳さんとしてみたら本末転倒かもしれませんでしたが
でも、人間変わろうとしたら・・変われるのかもしれない。
その先にどんな未来が待ち受けていても
なんかちょっと色んな事を諦め始めてる自分の心にガツンときました。

さて文学座からは、たかお鷹さんと石田圭祐さん。
親孝行屋と称し、物乞いのようなうらぶれた風情で
しつこく徳さんを「喜左衛門さん!」と勘違いする様子は
ちょっと尋常じゃない・・・やっぱり、ここから仕組まれたお話?!
まさかねぇ・・・んんん?!
親孝行屋さんの言葉から端を発するこのドラマ。
たかおさんならではです(*^_^*)

平畠家ご家老・浜島庄兵衛さんは石田さん。
徳さんを追い詰めるまなざしの鋭さ・・厳しかったですねぇ~
もう答えの出ている答弁。
すべての答えの方向が、どう反論しても同じ向きを示してる・・
そのやり取りをじっと聞いてる姿・・圧倒されました。

6/9(木)~29(水)まで in 新国立劇場中劇場
by berurinrin | 2011-06-23 23:59 | 観劇感想

モーツァルト劇場公演『クレタの王イドメネウス(別名:イーリアとイダマンテ)』 
in紀尾井ホール(6/18)

作曲     モーツァルト
台本     ジャン・バテェスタ・ヴァレスコ
訳詩/総監督  高橋英郎
演出     鵜山仁
指揮     大井剛史

トロイアを陥落させたギリシヤ側の武将イドメネウス(児玉和弘さん)は
祖国クレタへの帰還の船が沈没してしまいます。
遭難したイドメネウスは、海神ネプチューンに
無事に生還出来たら、彼が最初に出会った人物を生贄として捧げることを誓います。
イドメネウスの息子イダマンテ王子(田村由貴恵さん)は、
トロイアの王女イーリア(品川昭子さん)を愛していますが
アルゴスの王女エレットラ(菊池美奈さん)という婚約者がいます。
イーリアもイダマンテを愛していますが、想いを伝える事ができません。
そんな時、父イドメナウスの船が沈んだことを聞いたイダマンテは
急ぎ海岸に駆けつけます。
海岸にたどり着き、九死の一生を得たイドメネウスの目に最初に現れた人物は
10年振りに再会した息子・イダマンテでした。
(キャストはダブルキャストです)

みなさま~ちょっとぉ~約一年ぶりの鵜山さんのオペラですよぉ~
楽しいですね~、テンション上がりますよ
最近、クラッシックを聴くことが、かなーり楽しくなってきました。
が、チケットは高いし、きっかけが無いと何を観たら良いかの選択肢が
よくわからないのですわ。
きっと新国立のオペラのシーズンレパートリを網羅したらいいんじゃないかと
思うのですが、そんなことをしたら確実に赤字になりそうなので
そこは我慢。がまん。
なので普段は、テレビやCD・・・聴きながら、たまに鼻歌でふふん~♪なんて
おおっ、ちょっとわかってきたかあ・・なーんてね。
でもホントは、まだまだド素人の枠から全く出ていませんから~

さて紀尾井ホール。
小ホールには、鵜山さん演出の『溺れる花嫁』(懐かしい・・うふっ)とか
主にリーディングを拝見しに何度か来たことがあったのですが、
1Fの大ホールは初めて・・こざっぱりした場内には
シャンデリアがずらっと3個X2天井から輝いてる
すごーい、きれーい、おしゃれだー。
舞台は緞帳はなくて、舞台後ろに青い布が吊ってあります。
この青い布が色んな表情を魅せてくれます。
荒ぶる海や穏やかな空の色、奴隷となったトロイア人が解放される平和の証。
イーリアの清らかな愛情・・・真っ赤なドレスを身をまとったエレットラが、愛と嫉妬で
もだえ苦しみながら、青い布の中に取り込まれていく姿は、行き場のない愛・・

中でもエレットラさんといえば、ギリシヤ悲劇では、弟と父を謀殺した母親を殺害したエレクトラ。
確かに激しい感情を持った女性に描かれているので
その先にそんなエピソードがあると思うと納得しちゃいますね。
でも、ギリシヤ悲劇って、同じ人物が、書く人によって自由自在に生きているんで
これもまた一つのアナザーストーリーってことで
『エレクトラ』という戯曲を読んじゃうと、お姫さまであるエレクトラが
彼女を恐れる母親の策略で、確か農夫のお嫁さんになっていますから。。
それにしても可哀相でした・・不幸せの象徴のような存在なのでしょうかねぇ
愛する婚約者がイーリアに恋しての三角関係。
そんな中で、身を隠す為とはいえイダマンテと二人で祖国に帰ることになって、
めっちゃ嬉しい!と思いきや、残念ながら見つかって
やっぱ殺されることになって、そしたらイーリアが替わりに死ぬなんて言っちゃうから
ほろっとしたネプチューンが「愛の力だ!」ってイダマンテを許しちゃう。
みんなが、やった!わーい、わーいって大団円の中、
ちょっとちょっとと、そりゃ一人割が合わない(><)
普通だったら、おめでとう!!で、幕が下りるところを
ここからが出番です状態(笑)
最後の最後にエレットラの乱れ舞で終わるところがすご~い
きれいごとで終わらせないんですね。

音楽は、オーケストラというか、こじんまりした管弦楽の構成で
ぽろん、ぽろろ~んと全体に軽やかな感じがします。
ところが、このぽろん、ぽろろ~んが、まあすごい
あちゃ~あ、こちゃ~あと色んな方向に自由自在に飛んでいくようで
これがまた、わぉって楽しい!
多彩に表情を変えながら、輝きを増していく音楽の力・・
なんかわくわくしながら音楽に乗っかった言葉を、おっとおっとと
キャッチしておりました。

主催のモーツァルト劇場さんは、日本語訳でのオペラ上演というポリシーがあるそうです。
自国語のオペラだと字幕があるのですが、
今回、ソリストの方によっては、歌詞が聞き取れない方もいらして
日本語訳でも字幕があったら、もっと楽しめたかなぁ~と、ちと思いました。

それにしても色んな愛の形があるんですねぇ~
わたしのような万年オペラ初心者には、ぴったりの贅沢な一品でした!
あ~満足しました★

6/17(金)、6/18(日) in 紀尾井ホール

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by berurinrin | 2011-06-21 22:47 | オペラ

<日本の戯曲 春から夏へ>『鳥瞰図』 in 新国立劇場小劇場(5/13)

作  早船聡
演出 松本祐子

[名](スル)鳥が空から見おろすように、高い所から広い範囲を見おろすこと。また転じて、全体を大きく見渡すこと。
俯瞰(ふかん)。「山頂から市街を―する」「日本経済を―する」
ちょうかん‐ず【鳥瞰図】(大辞泉より)
東京湾岸のとある町の釣り船宿「升本」を経営しているのは茂雄さん(入江雅人之さん)と
母の佐和子さん(渡辺美佐子さん)。ほとんどが埋め立て地と化したこの湾ですが
昔は渡り鳥の休息地であったそうです。
現在は馴染みの客を中心にほぞぼぞと営業している「升本」に、ある日
事故で亡くなった佐和子さんの娘・波子さんの子ミオさん(野村佑香さん)がやって来ます。

この作品の初演は、2008年6月・・いまから3年前になります。
前・演劇部門芸術監督だった鵜山仁さん♪の時代でした。
思えば、ラブリーな鵜山さんの時代。
どれもこれも斬新で、あ~こういう作家もいるんだ、こういう時代もあるんだぁ
こんな舞台機構もあるんだ、こんなところで芝居できちゃうんだ
演劇ってこんなこともできるんだ・・と、拝見する度に、びっくりしたもんです。
そして次回は、何が起きるんだろう?と、毎回わくわくのうきうき状態でした。
その結果、常に賛否両論の評価が付きまとっていましたが・・・
それはしょうがない。新しいものには必ずリスクがつきますから・・
やっぱり新国立劇場という、日本の演劇の頂点に存在する劇場ならではの
他の劇場、団体ではどーしても諸事情等でやりたくても出来ない取り組みを
新国立では、リスクを恐れず、真っ向からぶつかって欲しいと思います。
今後のレパートーリー素敵ですよね~とても楽しみです。
でも、他の商業演劇のようなキャストの置き方ではなくて、
実力があるけれども表面に上がってこない俳優をキャスティングして
「こんなすごい人もいるんだよ!」って広く世間に広めて欲しい・・・
そんな役割もあるんじゃないかなぁと思ったりもします。

なーんて偉そうにすみません。
当時は、しょっちゅう通って通いすぎた感もある新国立劇場でしたが
すっかりご無沙汰・・約一年ぶりの新国立劇場でした。
やっぱ久々の新国立・・・イイ!大好きな劇場です!
もう友の会もやめちゃおっかな・・・なんて思っていましたが
これからも、もしや・・と思い、それも手違いでゴールド会員になってました私。
ま、いつものおっちょこちょいですから
なもんで今後も期待してますよ!そこんとこヨロシクです。

さて、『鳥瞰図』。
初演の時は、同じ時代を生きる新しい時代の劇作家と異世代の演出家によるコラボという
そんなコンセプトでしたが
いまや、早船聡さんももうメジャーな方になってしまいました。
当時、初の早船作品だった私でしたが、各場所でお名前を見聞きするようになりました。
3年の月日の経過って、すごいですねぇ~

演出は、前回同様に文学座の松本祐子さん。
キャストは、船宿の社長・茂雄さんが、浅野一之さんから入江雅人さんに変更されました。
入江さん演じられる茂雄さんは、誰に対しても穏やかで面白くて
でも絶対本心を見せない・・そんな壁を周りに作っている孤独さを感じました。
色んなものを背負っちゃって、それを匂わせないところにその重さ、その大きさ・・・
男の人は大変ですねっ
そんな内面を、さらっと見せちゃう演出の祐子さん・・かっこいいですね
見えない家族、もう会えない人に思いを馳せる・・
なんか懐かしくて、温かい人の優しさをしみじみ感じ入りました。

浅野雅博さんがご出演。
ほがらかな弟キャラの照之さん。
よりいっそう趣味と実益を兼ねた役作り(笑)に磨きが(笑)
さっすがぁ~浅野さん。
あの日焼けした姿も役作り?!と、思いきや、ちと違いました♪
ほのぼの~とした明るいキャラクラーでも、年相応の色んな問題があります。
問題を抱えているのは、自分だけじゃない
そんな一抹の寂しさとエールが漂う秀作だと思います。

そうだ!この日、会場で声を掛けて下さったのは
山形演鑑の会員さんで、浅野さんのファンの方でした。
浅野さんのファンの方は、本当に皆さん温かい人が多いのです。
震災で、気になっていた方のお一人だったので、お会いできて
声を掛けて頂けて、とても嬉しかったです。ありがとうございました。

5/10(火)~22(日)まで in 新国立劇場小劇場
by berurinrin | 2011-06-09 01:18 | 観劇感想

劇団1980第52回公演『麻布怪談』 in 俳優座劇場(5/14)

原作/脚本 小林恭二
演出    井上思 

子狐・ゆずり葉(室井美香さん)は、花魁道中で出会った花魁に心を奪われ、
自分も遊女となって美しい花魁になる事を決意します。
神に祈り、願いを聞き届けられる見返りとして
真原良庵氏(山本隆世さん)を師と仰ぎ学び、仕え、その孫、その子孫、狐の生ある限り
彼らを守護する事を誓うことになります。
勉学に励み苦労の末、花魁となった子狐は、
何度も転生しながら、美しい花魁となり花街に君臨しつつ真原家を守護し続けていましたが
ある日、良庵さんの子孫で親のスネをかじりながら麻布で学生を続けている
真原善四郎(亀田佳明さん)の窮地を知らされ、彼の元に現れます。
突然現れた美しい彼女に心を奪われる善四郎さん。
同じ頃、追われるように善四郎の元に現れた旗本の娘・初(山田ひとみさん)にも
心を奪われる善四郎さん。。
ところが武家の娘と関係を持つようになってから善四郎さんの体に異変が起こります。

麻布が原・・・現代の麻布と違って、当時はうっそうとした林に囲まれた、
寂しげな場所だったんですねぇ

『宇田川心中』に続きの劇団1980です。
原作も同じ小林恭二さんの作品です。
で、前回と同様に亀田さんが参加というので
これは観るきゃない(笑)と、拝見させて頂きました。
前回は、女形に扮しての立ち回りやら、あれやこれやで・・まじヤバかった亀田さん。
匂い立つような色気で圧倒させられました。ピュアなラブもあったし(笑)
今回は、超モテ男の善四郎さんをこれまたアンニュイな感じで
やってくれちゃいました。
この人は、なんちゅう切ない目をするんだろう?

むかし、むかし・・・もしかしたら人間と妖怪が暗黙の了解で
共存し合っていたかもしれない・・・
もっともっと今の私達よりも寄り添って生きていたかもしれません・・
それが義理や人情の縛りがあったとしても。
少しばっかりオドロオドロシイさもありますが
ちゃんと理由や筋道がしっかりしてる気がします。
今の世の中の方が、奇奇怪怪、摩訶魍魎な理不尽さや不可解さで
隣人が獣や怪物に簡単に変化する世の中・・
きっと今の時代よりも豊かな心で日々過ごせたのかなぁ~

自分の願いの成就の為に力を貸してくれた人間への義理を
忘れることなく守り続ける狐・ゆずり葉さんの情の深さと
初産に赤ちゃんもろとも亡くなってしまった善四郎さんの
前妻・たづさん(西田若菜さん)の願いを果たす為に
そうとは知らずに彼に執着する幽霊・初さん。
愛情を二つに分けた恋愛と情愛・・それぞれの向き合い方で
愛された善四郎さん。代償はあったけれども
それでもこの世で幸せな男性ですよねぇ~くぅって感じですよ(笑)
今後は、亀様と呼ばせて頂きます(笑)

この『麻布怪談』に客演していたのは、亀さま(笑)だけじゃないんですよ
今年、研修科を卒業して文学座の準座に昇格したばかりの新人二人。
采澤靖起さんと南拓哉さん。
二人はアンサンブルと幽霊・初さんを追い詰める死神を演じられました。

なかでも采澤さんは、とても綺麗な目をしています。
そんな采澤さんは、7月のアトリエの会
山羊・・・それって・・・もしかして・・・シルビア?』にご出演されます。
演出は、鵜山仁さんですっ!!うきゃうきゃ★楽しみですねぇ~
ぜひご注目下さいませ
お芝居の第一声で、狐が憧れる花魁を呼ぶ台詞があるのですが
すぐ采澤さんだと分かったし、アンサンブルでは切れのいいダンスをご披露していました。
ニヒルで切れ味鋭そうな南さんとは、二人のシーンもあったりと
今後がとっても楽しみな、イケメンさんです。

そうだ、そうだ亀さまの次回作は、モチロン同期ユニットunks公演!
第3回公演『蟻』@新宿ゴールデン街劇場です。
狭いせまーい会場だそうです。チケットが完売している日もあるそうです。
早めにご予約を~ネット予約も可能ですよ!
詳細は、リンクしているunksの公式HPへ→unks

5/9(水)~5/15(日) in 俳優座劇場
by berurinrin | 2011-06-08 22:53 | 観劇感想

文学座6月アトリエの会『にもかかわらずドン・キホーテ』 in 文学座アトリエ(6/7)

作   別役実
演出 藤原新平

小屋に寝ていたところを起こされた男(金内喜久夫さん)は
「ドン・キホーテの旦那」と呼ばれて目覚めました。
声を掛けたのは、ドン・キホーテに仕えるサンチョパンサと名乗る男(田村勝彦さん)。
二人は、あれやこれやと身支度を整え、司祭(飯沼慧さん)から祝福を得て、
小屋の持ち主の旅籠の夫婦(三木敏彦さん、赤司まり子さん)からは食料をもらい
旅籠の女中(大野容子さん)が、連れてきたロシナンテに乗って・・・
二人は先の見えない冒険の旅へと進んでいきます。

初日の舞台を拝見させて頂きました。
舞台は、一筋の線が描かれた黒い壁に囲まれ、
赤・茶系統の明るい色を一面に塗った床に柱が一本。
バス停や乳母車、ベンチはありませんョ(笑)
今まで拝見したわたしの数少ない別役作品とはちょっと異色な雰囲気です。
舞台は、赤土をイメージしたスペイン?!
そんな多国籍なテイストです。
そーいえば柱の上には、つねに何かが乗っかっています。
ご覧になられる方は、ちょっと注意してみて見て下さいね。

始めは、あーでもない、こーでもないという、重箱の隅を突き合うような
色んな温度をみせる会話の妙技というかコントが何通りも繰り広げられ
客席からは、くすくす笑いが絶えないのですが、ある時を境にドラマはあらぬ方向に
急カーブを切ります。
その時にみえる世界のおぞましさに、ぞぞぞっと・・・びっくりです。
先の見えない人生の可笑しさ理不尽さ・・
全てが滑稽でつまるところコントなのかもしれません。

実は、先日稽古場見学をさせて頂いたのですが
その時は、冒頭の一場(旅立ちまでの)のみの見学で、
それも仕事の関係で遅刻しちゃったもんだから
拝見したのは、ほぼ10分位(苦笑)
稽古場見学最短見学時間だと思います(笑)あんまり短いから
金内さんが「二場もやりますか?!」とおっしゃって下さったんですが
演出の藤原センセが、「うん」と言ってくれなかった・・
で、頭の中は「なんだ?なんだ?どうなるんだ?」状態(笑)
拝見してみて、納得の藤原センセの愛情・・・うふっ
さらっと、自分なりに理解したストーリーを一番最初に書くようにしてる
わたしも二場からのお話の展開をUPできませんもん・・うくくっ
これから先のドン・キホーテ(?)とサンチョパンサ(?)二人の冒険の行方が
どんな展開をみせるか・・・これはアトリエでご確認くださいませ。

お会いした藤原センセに
「(稽古場見学で)二場を観せて頂けなかった理由がわかりました」と言ったら
あのニコニコ顔で「そうなんですよ」と笑っておられました。
やっぱ別役さんと藤原センセは最強コンビですねぇ~
舞台に関わる皆様の熟練の風味を感じさせつつ
深くて面白くて恐ろしい・・その中に、しっとりとした味わいがありました。
言葉や演技だけじゃない、空気とか温度、人の体温とか、観客の気に
よって変わっていくものというのを、しみじみ感じさせて頂きました。

終演後、別役さんが「いい舞台でした」と
みなさまの前でご挨拶をされていました。
あ~ほんと、お芝居って楽しい、めっちゃ楽しいですね!

6/7(火)~21(火)まで in 文学座アトリエ

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by berurinrin | 2011-06-07 23:58 | 文学座観劇感想

秋乃桜子vs文学座有志『猿』のお知らせ

作   秋乃桜子(山像かおり)

演出  得丸伸二 →松本祐子さんに代わりました

出演 得丸伸二、吉野正弘、大場泰正、神野崇、松角洋平、藤側宏大
   奥山美代子、目黒未奈、永川友里

日時 7/22(金)~7/31(日)
   
 プレビュー7/20(水)、21(木) 19:30(プレビュー公演のため2500円)

於  TBスタジオ


入場料  日時指定3,300円(当日3,500円)
学生2,500円(要・学生証) 

チケット取り扱い TBスタジオ03-6903-9333

TBスタジオグランドオープン記念公演だそうです。
場所はJR赤羽駅から徒歩約15分(南北線志茂駅から徒歩2分位) 
この山像かおりさんの手による『猿』はまさに昨年度の
劇作家協会新人賞の最終候補に残った作品です。
こんなに早く拝見できる機会があって嬉しいですね~
これもちょっと目が離せないですねぇ~

演出及び日程に変更があります
詳しくは、リンクさせて頂いてる奥山美代子さんのブログmiyocom本舗
目黒未奈さんのブログ台風のめだま
ご参考くださいね!!
by berurinrin | 2011-06-06 12:10 | 文学座公演情報

文学座9月公演『連結の子』のお知らせ  

作  田村孝裕   

演出 上村聡史 


日時 9/9(金)~23(金)

出演 金内喜久夫、中村彰男、高橋克明、浅野雅博、木津誠之、亀田佳明
    倉野章子、金沢映子、山崎美貴、片渕忍、上田桃子、吉野実紗  
     
於  吉祥寺シアター 

詳細はまた後日。

9月の本公演は、吉祥寺シアターです!
う~ん、豪華なキャスト★
モリヤビルの改修工事の際にアトリエの会が上演された場所ですね。
英国留学後の初文学座演出となる上村氏と田村孝裕さんというと
以前、有志の会でサイスタジオで上演された『裸足』
面白かったですね→当時の感想はここにUPしています。
きっと見逃せない作品になる予感です
by berurinrin | 2011-06-05 18:06 | 文学座公演情報

6月からの主な外部出演

★浅地直樹『真夏の夜の哀しみ・2011』6/28~7/3シアターX(コメディオンザボート042-466-6102)
★佐藤麻衣子『刃・刃・刃!』6/23~6/30シアター風姿花伝(アトリエ・センターフォアード090-6685-2908)
★坂口芳貞『風と共に去りぬ』6/3~12梅田芸術劇場(キョードーインフォメーション06-7732-8888)、6/18~7/10帝国劇場(帝国劇場03-3213-7221)
★今井朋彦『G・G・Rグレンギャリー・グレンロス』6/10~19天王洲銀河劇場(銀河劇場チケットセンター03-5769-0011)6/22北九州芸術劇場(北九州芸術劇場093-562-2655)6/25.25兵庫県立芸術文化センター(芸術文化センター0798-698-0255)
★鈴木正光(台本・演出)、岡本正巳、南一恵『義経土藏相模』6/22~7/3北品川本通り商店街「楽間」(守半企画03-3737-7446)
★廣田高志、城全能成『ヴェニスの商人』6/5~26自由劇場(劇団四季予約センター0120-489444)
★鵜山仁(演出)『クレタの王イドメネウス』6/17.18紀尾井ホール(モーツァルト劇場03-3338-3773)
★小林勝也『姉妹たちの庭で』6/24~7/10シアタークリエ(東宝テレザーブ03-3201-7777)7/13.14兵庫県立芸術文化センター(芸術文化センターチケットオフィス0798-68-0255)、7/15.16北國新聞赤羽ホール(北國新聞チケットセンター076-260-8000)、7/18新潟テルサ(NSTイベントインフォメーション025-249-8878)
★たかお鷹、石田圭祐、脇田茂、つかもと景子『』6/9~29新国立劇場(新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999)
★山森大輔『けもの撃ち』7/15~24花園神社内ステージ(椿組080-5464-1350)
★星智也『三銃士』7/21~24日生劇場(日生劇場03-3503-3111)
★荘田由紀『嵐が丘』7/11~24赤坂RCTシアター(キョードー東京0570-064-708)、7/27~31梅田芸術劇場シアタードラマシティ(梅田芸術劇場シアタードラマシティ06-6377-3888)    
★鍛冶直人、上川路啓志、佐古真弓『tatuya』7/8~12サイスタジオ(双葉&泚㈱スタジオ事業部03-5375-1118)
★加納朋之、高橋克明、上川路啓志、山本郁子、山崎美貴『燕のいる駅』7/15~19サイスタジオ(双葉&泚㈱スタジオ事業部03-5375-1118)
★高橋礼恵『この子たちの夏1945・ヒロシマ ナガサキ』8/6~8/8世田谷パブリックシアター(世田谷パブリックシアターチケットセンター03-5432-1515)
★椎原克知『ソープオペラ』7/13~19劇場MOMO(劇団朋友03-6661-1101)
★横田栄司『荒野に立つ』7/14~31シアタートラム(ゴーチ・ブラザーズ03-3466-0944)8/2~4ABCホール(キョードーインフォメーション06-7732-8888)、8/11.12イムズホール(ピクニック092-715-0374)
★浅野雅博『TRAIN・TRAIN(男性バージョン)』7/16~27下北沢駅前劇場(コマンドエヌ03-5988-7661)
★たかお鷹『エル・スール』8/10~14笹塚ファクトリー(トムプロジェクト03-5371-1153)
★鵜山仁(演出)『父と暮せば』8/17~24紀伊國屋サザンシアター(こまつ座03-3862-5941)
★鵜山仁(演出)『ミュージカル青空の休暇』8/10~14紀伊國屋サザンシアター(オールスタッフ03-3583-9821)
★櫻井章喜、松岡依都美『わらいのまち』9/4~24シアタークリエ(東宝テレザーブ03-3201-7777)9/30~10/2道新ホール(UHB事業部011-214-5261)10/13~10/16名鉄ホール(中京テレビ事業部052-957-3333)10/19~10/23イオン化粧品シアターBRAVA!(キョードーインフォメーション06-7732-8888)10/26アステールプラザ大ホール(テレビ新広島事業部)082-253-1010)11/2、3キャナルシティ劇場(ピクニック092-715-0374)
★角野卓造『アパッチ砦の攻防』9/23~28紀伊國屋ホール(劇団ヴォードヴィルショー03-3227-8371)
★渡辺徹『ゲゲゲの女房』9/29~10/7シアタークリエ(シアタークリエ03-3591-2400)
★鵜山仁『イロアセル』10/18~11/5新国立劇場小劇場(新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999)
★鵜山仁(演出)、金内喜久夫、塾一久、川辺邦弘、山本道子『欲望という名の電車』12/15~25世田谷パブリックシアター(劇団青年座03-3467-0439)

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by berurinrin | 2011-06-04 23:11 | 外部出演

文学座付属演劇研究所研修科発表会第一回公演『家を出た』 in 文学座アトリエ(5/15)

作   鈴江俊郎
演出 鵜澤秀行
協力 文学座演出部

白い色調の病院のロビーのような一室。
ここは思いを現世に残して死んでしまった人が、消えてしまう為の
心の整理をする場所です。
ここにいれば現世のまま、考え、悩み、食べて、寝ることが出来ます。
そして、体の痛みを感じる事無く、穏やかに過ごせます。
恋をする事もできます。でも、身体は何も感じることはできません。

また新たな一年間という期間限定の座組みの誕生ですね。
研修科の発表会で『家を出た』を拝見するのは、今回で三回目になります。
発表会だと、中年や老け役もまして子役さえも全て彼らが演じます。
それはそれで得難い経験だと思いますが
やっぱり一度は揃って、等身大に近い今の彼らの姿を観たいし、
演じてもらいたい・・
鵜沢さんの彼らに対する愛情も伝わってきます。

このお話では、死んでしまうと無になってしまうそうです。
でもその前に・・
理由あって、現世に思いを残した人が、このいわゆる中継地に集まって
自らの自由意志で無になる決断をするまで、好きなだけ
居られる場所なんだそうです。
なので色んな人がやってきます。
自分の死後、残った家族達の様子も見ることが出来ます。
病死した彼を忘れられなくて、後追い自殺をした彼女。
一見、高校生の仲良し三人組・・ところが一人に二人は刺殺され、
刺した子も自殺をして・・・。
バスケの試合に向かう途中での事故死。。
生きていた間ずっと病と闘ってきた男性。
この中継地に居るからといって、何も起こるわけが無いのです。
最後は自分の決断だけ
逆にいつまでもなんの変化もなく平和に過ぎる日々に、苛立ったり、諦めたり、
この白い病院のロビーのような一室のなか・・
やりきれない彼らの気持ちは、白い壁に吸い込まれてしまいそうになります。

新研修科一年生、昇格おめでとうございます。
二年間の研修科生活をどうぞ悔いなくお過ごしください。
もーいくところまでいっちゃって下さいね
今年も出来る限り見守らせて頂きます♪

あっ、当日配られるパンフは、以前のように写真が入ってると嬉しいですね
やっぱりなかなかお顔とお名前が一致できないので・・・

5/13(金)~5/15(日) in 文学座アトリエ
by berurinrin | 2011-06-03 23:13 | 文学座観劇感想

unks第三回公演『蟻』のお知らせ

作   秋乃桜子(羽衣1011)

演出  高橋正徳

美術  乘峯雅寛(unks)

出演  上田桃子、亀田佳明、斉藤祐一、細貝光司(以上、unks)
    山像かおり(以上、文学座)
    石住昭彦(演劇集団円)、ダンプ松本

日時 6/29(水)~7/51(火)

於  新宿ゴールデン街劇場

前売開始予約  受付中

          
入場料  日時指定・全席自由席3,300円(当日3,500円)
学生3,000円(要・学生証) 
注)6/29 16時/19時30分:6/30 16時の3回公演は特割公演2,800円

企画・制作 unks
       

チケット取り扱い及びお問い合わせ unks公式ページ   

unks(アンクス)とは、文学座所属の上田桃子さん、亀田佳明さん、斉藤祐一さん、乗峯雅寛さん
細貝光司さんらが同期のメンバーが企画構成するユニットです。
そして、前回『1960年のメロス』に続き高橋正徳大演出家(笑)が演出として加わります。
そして、昨年度の劇作家協会新人賞の最終候補に残った今、旬の作家・秋乃桜子さんの書き下ろし!
秋乃桜子さんというのは、文学座の女優・山像かおりさんのペンネームなんですよ
沢山の才能が集まって成長を続けるunks!
もしかしたら後数年後には、ものすごい人たちになっているかもしれない
そんな彼らの姿を焼き付けておいて下さいませ~!!
by berurinrin | 2011-06-02 23:17 | 外部出演