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イッツフォーリーズ公演『ミュージカル天切り松ー人情闇がたり』

イッツフォーリーズ公演『ミュージカル天切り松ー人情闇がたり』 in
                             アトリエ・フォンティーヌ(4/25)

原作 浅田次郎「天切り松 闇がたり」(集英社刊)
脚本 水谷龍二
演出 鵜山仁

現代のと・ある留置場。
老人・松蔵(左とん平さん)は、今日も語ります。
“闇がたり”といって、六尺四方から先には聞こえないという夜盗の声音を使って・・
それは松蔵がまだ子供だった頃の大正時代。
義賊と呼ばれた目細の安吉親分に引き取られた幼い松蔵さんの目から見た
いくつかのエピソード・・それは、今や死語になりつつある義理と人情の溢れた世界です。

再々演のこの作品。
「やっぱ歌ありきじゃん」と思っていた私のミュージカルに対するイメージを払拭
してくれたのがこの作品でした。
まぁ、主演の左とん平さんが、朗々と歌い上げる方じゃないので(笑)
でも気持ちが観客に伝われば、それはそれで台詞が歌に乗せて囁きかけてくる
まさに“闇がたり”という伝達手法として異質な感じがして良いなあ~と思いました。
初めてのアトリエフォンティーヌという、狭いスペースに生バンドと歌とダンスで
舞台も客席もぎゅーぎゅーな感じが作品にマッチしていて
紀伊國屋サザンホールでの再演よりも臨場感が伝わって一つ一つのエピソードが
宝石箱のようにきらきら輝いて感じられました。

演出は鵜山さん~☆彡です!うきゃうきゃ
イッツフォーリーズの制作の方が、「この作品は我々の宝です!」と胸を張って
おっしゃっていました。
初めての劇団イッツフォーリーズの本拠地、アトリエフォンティーヌ・・
座席番号で抽選会があって、次回公演のご招待とかプレゼントとか
サービス精神旺盛です。でも狭い階段を降りての地下3階ってちょっときついです。
改めて文学座のアトリエのスペースの贅沢さを感じます。

わたしは、この作品のほかには『俺たちは天使じゃない』を拝見しましたが
これはちょっと生理的に合わなくて(><)
「今!今!~♪」という、代表曲を聴いて・・・さぶっ!!思い切り拒否反応が......
本当にごめんなさい!
確かに『天切り松』の中には、寒い楽曲f(^_^;)やちょっと古臭いダンスも感じましたが
でも全体にはとっても美しいドラマが流れています。
また次回、鵜山さんの演出作品があったらぜひ観たいです。
だって私、鵜山さんの追っかけですからっ(笑)

4/24(木)~27(日) in  アトリエフォンティーヌ
by berurinrin | 2008-04-30 23:02 | 観劇感想

文学座4月アトリエの会『ダウトDOUBTー疑いをめぐる寓話』交流会

文学座4月アトリエの会『ダウトDOUBTー疑いをめぐる寓話』の交流会が
4/20(日)終演後に行なわれました。

司会は、演出をされた望月純吉さんから、ご挨拶が始まりました。
まずは、この作品の上演の経緯から
文化庁新進芸術家海外留学制度で2005年9月からNYへ留学しているときに
ブロードウェイでロングランされてるこの作品を観て
「言葉、文化、人種をこえて理解できる作品ではないか?」と、思って
自ら企画されたそうです。

ゲストは、翻訳家の鈴木小百合さん。
30年来NY在住の井澤眞知子さんが、この作品を紹介されたそうです。
鈴木さんは、以前同じくジョン・パトリック・シャンリィさんの『お月様へようこそ』
を20年ほど前に翻訳をされて、とっても感銘を受けられたそうで、
上演権も取得されたほどの惚れ込みよう・・
そんな鈴木さんなので、4人しか登場しないのに構成が上手いと『ダウト』にも
すっかり惚れ込み共訳する運びになったそうです。

フリン神父を演じられた、清水明彦さん
「2年ほど前の3月頃に、NY留学中の望月さんのところに遊びに行かれた時に
『ダウト』を観る前の日に台本を借りて読んで、翌日観たら面白くて面白くって
すっかり惚れこんでしまって、演りたいと思いました。」

校長先生のシスターアロイスを演じた寺田路恵さん。
「こんなに沢山の方が(交流会に)残って下さったのは初めてです。
終わった虚脱感とかっかした熱とが渦巻いて(役と)切り替わってない状態で
まだ、もやもや状態です(笑)」

シスタージェームズを演じられた渋谷はるかさん。
「何をしゃべったら良いのか解りません(笑)
準座2年目で、アトリエは初参加です。
先輩方の胸を借りながら頑張っています。」

ミラー夫人を演じられたのは、山本道子さん。
「(肌を)黒く塗ったからって黒人には見えませんが
塗った方が解りやすいんじゃないかと思って塗っていました」

ここからは、質疑応答が始まりました。
作品が疑惑だけに、疑惑を解こう?!と、客席からは、手が一杯挙がっています。

<毎日演じ方が違うんでしょうか?>

寺田路恵さん
「もう・・毎日、微妙に違います(笑)
ちょっとした言い方が違うだけで、全然違うので生の戦いです。
素晴らしい本だと思うので、出だしが違っても
例えば、荒ければ荒いペースで、流れを潰さず(軌道修正せずに)にその日の
バランスで最後まで演じきってしまう(笑)」

NYでは、演出家とフリン神父が毎回打ち合わせをして
今日は黒で、とか無実で・・とか、演じられたそうですが

望月純吉さん
「実際は(フリン神父とプランの打ち合わせは)やってないです(爆)」

<その日によって、フリン神父が黒か白か違うのですか?>

清水さん
「今日は、そう・・(ちょっと濁して(笑))、昨日は無実と考えながら演じました(笑)
微妙なところで違うんです。顔をそらしてみたり(笑)」
寺田さん
「その時で生み出す最高なものが出るといいなあ・・
そっぽ向きたかったら向いちゃうとか(爆)」
それを受けて、清水さん
「もーわからない人だなあって(笑)」

いい感じのお二人です~☆彡

望月さん
「今日は良かったですね。(フリン神父のジャージ姿の)バスケットの場面の
(客席の)反応が(笑)
時には「しーん」そんな子供達も、いると(笑)」

<キャスティングは演出家が決められるのですか?>
望月さん
「山本道子さんのミラー夫人は、NY版を観た時から決めてました(爆)
いかがわしさでは、フリン神父は清水さんしかいない(笑)
寺田さんは、以前(『THE CRISIS』で)組んでいるし信頼してやっていけると思いました。
渋谷はるかさんのみ、座内でオーディションしました。
声がでかいが若々しさと元気さで(笑)

オーディションで渋谷さんが遅刻してきたと、こぼれ話まで飛び出しちゃいました。
「いやぁ電車が・・」と、一生懸命言い訳する渋谷さん(笑)これまた可愛いです♪

<(寺田さんへ)疑惑の根拠は?正義感からなのですか?それとも自分が
(フリン神父に)した事への疑いですか?>

これは、ラストのシスターアロイシスが
「私は重要な疑いを感じます」という台詞についての質問でした。
寺田さん
「たとえ打ち合わせしようが、観客は(フリン神父が黒でも白でも)どっちも思う。
(フリン神父への疑惑の裏づけとしては、シスターアロイシスの)経験からの積み重ね。
結婚、子育て、夫の戦死・・過去をどう捉えているか、自分なりに考えてる設定で
演じています」

その他にも、渋谷はるかさんが演じられたシスタージェームズの純粋さが良かったと
それに対して「よく眠れます(笑)」と、嬉しそうに応える渋谷さんや
原作では、シスターとブラザーで統一している総称を
校長先生やシスターや先生、神父と翻訳して使い分けることによって
解りやすくされたそうです。
1960年代、人種の問題がどう影響されているか?
移民の多い地区での設定で、黒人が普通の学校に通えるようになった時代。
どう周りが対応していくか?どういう差別を持っているか?
どう捉えていくかと・・作品の面白さを熱っぽく語る望月さんです。

ジョン・パトリック・シャンリィさんの通ったミッションスクールが
モデルになっているそうです。なんとシスター・ジェームズには実在のモデルが
いて、一躍有名になったそうです。
そして、映画化にもなって12/5全米公開だそうです。
日本は来年・・・観たいですね~☆彡

本当に沢山の質疑応答で、メモを取るのが必死でした(笑)
なのでちょっと違う部分もあるかと思いますが、お許しを・・・m(_ _)m
一時間という時間が、あっという間に過ぎてしまったほど
舞台の余韻と相まって、熱い熱気がある・・いつもとはちょっと違う感じの交流会でした。
でもこんな感じも良いですね

4/20(日)終演後 in 吉祥寺シアター
by berurinrin | 2008-04-29 11:41 | イベント

文学座4月アトリエの会『ダウトDOUBTー疑いをめぐる寓話』2

文学座4月アトリエの会『ダウトDOUBTー疑いをめぐる寓話

4人の役者による会話劇のサスペンスチックな内容で
本当に面白い作品でしたね。

厳格な教育者であり、自分にも他人にも厳しい姿勢で臨む校長シスターアロイシスには
寺田路恵さん。
自分の信念を曲げずに突き進む姿は、教育者としても上司として頼もしい存在ではありますが
その発言はちょっとキツイかなぁ・・と、思ってしまいました。
ほめ~て、ほめて伸びるタイプで、おだてに弱い私はシスターアロイシスに、
お小言を言われるたびに萎縮して凹んでしまいそうです(笑)
が、ラジオを夢中に聴いてる姿や苗木に霜よけをする時の優しい手の動き・・
殿様と私』の女中頭のカネさんや『A WAKE AND SING!』のお母さんベッシーもそうですが
寺田さんの演じる女性像って、見た目には強く毅然とした女性でも、
その芯の部分にある母性の温かさとか女性らしい可愛らしい姿がほのかに
漂うように伝わってくるんですよね。
そこが私にとっての寺田さんの大好きな魅力的な部分の一つなのです。

怪しい?!フリン神父は、清水明彦さん・・う~んやっぱ怪しい(笑)
望月さんのアトリエデビュー作『THE CRISIS』では、
怪しい駐米ソ連大使を演じられた清水さん。
一場面でのシーンの出番でしたが、わたしの記憶に残るベストシーンに入っているほど
インパクトありました。2脚の椅子を向い合わせて対峙するアメリカ側は、
司法長官を演じられた浅野雅博さん。
この二人の静かな言葉でのやり取りで交す国の存亡を掛けた対決・・
今でも鮮明に覚えています。
初雷』では、お茶も自分では入れられない一家の大黒柱のお父さんと
色々な面をお持ちの清水さんですが、やっぱりちょっとエキセントリックな
要素が入った役になると
とっても優しい笑顔が、柔らかな眼差しが、穏やかな声音が・・うぎゃー(><)
背筋ぞくっと・・と本当にもう・・やっぱ怪しいし、怖いし
でも素顔はとっても優しくて面白くてそのギャップの激しさ・・ジキルとハイドも真っ青の
その姿・・だから余計に惹かれちゃうんですよね♪

果たして被害者なのでしょうか?!という黒人少年の母を演じられるのは、山本道子さん。
校長先生との面談の為に学校にいらっしゃいます。
きっと黒人という差別される側の半生を歩んでこられたのでしょう。
彼女なりに考えたであろう学校への訪問着を身に付けていますが
意識せずに足を広げて座る姿や使い慣れない敬語・・ドアの開け閉め・・
彼女と息子の普段の家庭の生活がその姿勢に現れています。
たとえ息子が、フリン神父に性的虐待を受けていても、
神父が後盾となり保護してくれる存在ならば
・・と、打算的ではありますが彼女なりに世間を知ってるがゆえの
息子を守ろうとする必死さを感じます。
また、息子のホモセクシャルな傾倒も彼女は察しているようです。
そんな事は校長シスターアロイシスには、到底理解してもらえない話です。
二人の会話は、一方通行で終わってしまいますが
立場が違っていても、考え方の尺度も違っていても
根本は互いに子供を生徒を守ろうとする姿勢の対立・・・素晴らしい女優のガチンコ勝負!
すごいシーンでしたね。

その笑顔には誰もがとろけそうになっちゃう・・そんな魅力一杯の
シスタージェームズを演じられた渋谷はるかさん。
シスターアロイシスとフリン神父の間に立ってしまう難しい役どころです。
若草物語』『長崎ぶらぶら節』と本公演にご出演、そしてアトリエデビューを果たしました。
『若草物語』では、4姉妹のメグを演じた渋谷さん。
初々しい結婚式のシーン可愛かったですね~☆彡
研修科時代に発表会『二号』で、おばあちゃんの役を演じたことがあったのですが
その時もめちゃめちゃ可愛いおばあちゃんでした。
でも彼女の魅力は、まだまだこれから今後も色んな役柄でどんどん開花していくでしょう
とても楽しみな女優さんです。
by berurinrin | 2008-04-27 13:10 | 文学座観劇感想

文学座4月アトリエの会『ダウトDOUBTー疑いをめぐる寓話』

文学座4月アトリエの会『ダウトDOUBTー疑いをめぐる寓話』 in
                                吉祥寺シアター(4/12.20)
作: ジョン・P・シャンリィ
訳: 鈴木小百合・井澤眞知子
演出:望月純吉

1964年、NYブロンクス地区にあるカトリック系のミッションスクール。
校長のシスターアロイシス(寺田路恵さん)は、教師であるシスタージェームズ
渋谷はるかさん)から、ある相談を受けます。
それは、唯一の黒人の生徒が、彼の後見人であり体育と宗教を教えている
フリン神父(清水明彦さん)と二人で会った後に、彼の様子が変だったこと。
そして、アルコールの匂いがしたというのです。
シスターアロイシスは、ある疑惑を感じ・・そして行動を起こします。

信濃町の文学座アトリエの隣の稽古場“モリヤ”が建て替えの為に
今年のアトリエの会は、吉祥寺シアターでの上演となりました。
私にとっても初めての吉祥寺シアターです。
とても客席の段差が大きく取られていて、舞台がとても観やすいですね♪
何より音響がいいっ!音拾い捲り~(笑)
隣には、カフェが隣接していて・・ちょっとおしゃれな感じです。

さて、舞台はミッションスクール。
実はわたしも中・高校とカトリック系のミッションスクールで一環教育を
受けておりました。それも学校と同じ敷地内に修道院があって
校長先生もシスターで、何人かのシスターが授業を受け持っていました。
「ごきげんよう」から始まって「ごきげんよう」で終わる学生生活でした。
校長先生はシスターアロイシスほど厳しくなく
教師のシスターは、シスタージェームズほど優しくなく(笑)
一人のシスターは、杖代わりと言いながら、竹刀持って歩いていました(笑)
シスター達が世話をしていた山羊に、テッシュを食べさせたりして。。怒られたっけ
そーいえば、シスター達が丹精こめて育てたみかんの木から、
みかんを盗んでスクールバックに詰めていたら見つかって、ものすごい形相で
シスターに追っかけられたなぁ・・・そんな無邪気な学園生活を送っておりました。
御ミサの間の説教では、フリン神父のようにじっと目を見つめられて
しぶしぶ承諾したように頷くと、優しく微笑んでくれた眼差し・・
昔の思い出に浸りながら、ドラマの世界に入っていきました。

この芝居には、果たしてフリン神父が、黒人の生徒に対して性的虐待を
したんかい?!という疑惑に対して最後まで結論は出ていません。
答えは、フリン神父と生徒のだけが知っている・・
そんなぁ・・と、観客は劇場を後にしながら「絶対した」いや「無実じゃない?」と
あーだこーだ言いながら帰路に着くのですが
最初拝見した時は私は、絶対にフリン神父は黒!と確信したのですが
2度目は、もしかしたら無実かも・・と、ぼやけたんです。
それは、役者たちのその場、その時、その一瞬の空気感になせる技。
丁々発止と言葉で戦う役者同士の、まさにライブならではの持ち味を生かした
観客をくすぐる面白さ、見ごたえたっぷりの息を呑むすんごいお芝居でした。

4/12(土)~22(火) in 吉祥寺シアター

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画像については事前に劇団の許可を頂いています。無断転載はなさらないで下さいね★
by berurinrin | 2008-04-22 14:30 | 文学座観劇感想

日韓合同公演『焼肉ドラゴン』

日韓合同公演『焼肉ドラゴン』 in 新国立劇場小劇場(4/19)

作   鄭義信
翻訳  川原賢柱
演出  梁正雄/鄭義信

大阪万博が開催された前後の年のお話しです。
関西の・・と、ある空港近くの朝鮮人集落。
焼肉屋「ドラゴン」を経営しているのは、片腕を戦争中に失った金龍吉さん(申哲振さん)
と妻の高英順さん(高秀喜さん)二人は、再婚同士でそれぞれの連れ子である
金静香さん(粟田麗さん)と金梨花さん(占部房子さん)金美花さん(朱仁英さん)
そして二人の息子・金時生さん(若松力さん)と暮らしています。
この日は、次女・梨花さんと哲男さん(千葉哲也さん)との結婚のお祝い会。
「ドラゴン」では、歌手を目指す実花さんが歌い、賑やかにささやかに楽しく過しています。
時は、高度成長期真っ只中。
大波となって「ドラゴン」に集う人たちを、今にも飲み込んでいきそうです。

熱くて煙くて香る舞台です(笑)
舞台上で焼肉ジュージューして、はふはふして食べてる俳優達を初めて観ました(笑)
実は、私・・焼肉が苦手で焼肉屋さんには行く機会がないので
やかんにお茶碗で頂く、マッコリの飲み方・・とか、とっても斬新
お茶碗で飲んでるもんだからスープ?!でもこんなに飲むの?おかわりがんがんするし
なんて・・無知なじぶん・・本当もう恥かしい・・・

ちょっと、周りの目が・・とか、みんなの前でこんな事・・
そんな事は一切お構いなく「ドラゴン」に集う人たちは皆、好き勝手に
いっぱい怒って、いっぱい笑って、喧嘩して・・・もう・・めちゃくちゃです。
在日というくくりの中に大きな体を収め、片寄せあって生きる彼らの生き様の底辺にある
モノカナシイさ・・祖国と日本との間に浮遊している彼らの基盤のない生き方が
わたしには不思議と羨ましさと痛ましさ・・両方の眼差しで感じ入っていました。

家族の定義もあったもんじゃない!とごちゃまぜ状態ですが
夫婦の愛情の上に自立していく子供たちが、
それぞれの決意を胸に旅立って行く瞬間。
それがどんな結果に結びついても、その後を思うと胸に直球に迫ってきます。
家族でさえ何も出来ない・・・自分はなおさら・・
年代を性別を超えて観ても、きっと自分の底に持っている熱い心を感じることのできる
素晴らしい作品だと思います。

いっぱい笑って、いっぱい泣いてください。
ぜひ、たくさんの方に観て頂きたいです。

4/17(木)~4/27(日)まで in 新国立劇場小劇場
by berurinrin | 2008-04-22 13:49 | 観劇感想

JAM SESSION.7『億万長者夫人故郷ニ帰ル』

JAM SESSION.7『億万長者夫人故郷ニ帰ル』 in 下北沢「劇」小劇場(4/18)

作 フリードリッヒ・デュレンマット
構成:演出 西沢英治

鈍行列車しか止まらない町ギュレン。
会社は倒産し、工場は停止、町には失業者が溢れ崩壊寸前のこの町に
一人の女性クレーレ(斉藤範子さん)が戻ってきます。
彼女は巨額の富を持ち世界一の億万長者となって・・・
その財産を目当てに大歓迎をする市民達。
彼らの中に昔彼女を手酷く捨てたイル(亀田真二郎さん)の姿もありました。
クレーレは、多額の金額を寄付する用意があるといいます。

正義と引き換えに寄付をすると言うクレール。
彼女の正義とは、市民に恋人だったイルを殺させる事。
自分を裏切って、無実の罪を着せ町を追い出させ、違う娘と結婚した恋人への
復讐だったのです。
自分たちの手を血で汚してまで、お金は要らない!と、市民達は言い放ちますが
手を伸ばせはお金を手に入れられる距離の現実に
今まで自分たちに手が届かなかったわずかな贅沢な夢を見始めます。
つけで、靴を買ったり、洋服を新調したり、タバコを外国産にしてみたり・・
だんだん買い物がエスカレートしていく彼ら。
そんな市民達の様子を命の危険と共に不安げに見守るイル。

人間って、本当に意思の弱い、誘惑に弱い情けない生き物だと思い知らされます。
クレールに対してイルが行なった過去の過ちは、謝って済む問題ではありませんが
その出来事によってクレールが悪魔のようになってしまう気持ちも十分理解できるから
ま、女性に恨みを持たれることの恐怖を、世の男性達はもっと知るべきです!
・・・なーんちゃって(笑)

なんにもない舞台ですが、まるでクレールの手の上でうごめく小市民達の滑稽な
悲喜劇がユーモラスでとても新鮮な体験をしました。
白塗り真っ赤なドレス、義手に義足といういでたちに、表情たっぷりに演じる
クレールを演じる斉藤さん・・ものすごい怪演振りに驚きです。
満席の客席と舞台の熱気がぶつかり合って見事な融合が生まれていました。
いい舞台でした。

先日拝見した『止むに止まれず。』にご出演されていた松垣陽子さんの同期で
文学座研修科卒業された藤井悠平さんが、今回ご出演でした。
思えば、藤井さんの舞台を拝見するのは、卒公『萩家の三姉妹』以来です。
お姉さん泣かせの可愛い~笑顔(失礼)が印象的な藤井さん・・
イルの息子のカール。
親思いの優しい息子が、物欲に目覚める能天気振りを爽やかに演じておられました。
実は、勉強家の藤井さんとは色んな劇場で出会いがありました。
普段はとっても真面目?!~な藤井さん。
普段は絶対お目に掛かれない弾けた姿を舞台上でこれからも見ていきたいと思いました。
ゆっくん♪ぜひまた声を掛けて下さいね~☆彡

4/15(火)~4/20(日)まで in 下北沢「劇」小劇場
by berurinrin | 2008-04-20 09:58 | 観劇感想

ミズキ事務所プロデュース公演VOL.2『止むに止まれず。』

ミズキ事務所プロデュース公演VOL.2『止むに止まれず。』 in 俳優座劇場(4/19)

作  佐藤秀一(劇団ユニット3LDK)
演出 森さゆ里

蕎麦屋を営む鈴原家の長男・正隆さん(さとう広義さん)は、姉・はるかさん(木村理恵さん)
妹・瞳さん(松垣陽子さん)と住み込みの従業員・藤田芳郎さん(末宗慎吾さん)と
暮らしています。
正隆さんは、亡くなった両親の代わりに長男として、彼女達を守って生きていました。
実は鈴原家には、もう一人次男・あきらさん(藤島琴弥さん)います。
10年前に家を飛び出したあきらさんから、帰ってくるという連絡が入ります。
それも婚約者を連れて・・・。
と、一人の見知らぬ女性が現れました。
そして、鈴原家のながーい大変な大騒動の一日の始まりがやってきます。

相談もなく・・ある日突然に、お兄ちゃんがお姉ちゃんになっちゃったら?!もとい
弟が妹になっちゃったら?!あなたはその現実を受け入れる事が出来ますか?
そんな・・今の世ならありえなくもない?!お話です。
ところが、お姉ちゃんになったお兄ちゃんが・・もとい
妹になった弟が、婚約者(もちろん男性です)を連れてきちゃったもんだから
大混乱。その上に10年前にあきらさんと交際していた何も知らない
近所の八百屋さんの大竹有紀さん(浜田えり子さん)や
瞳さんの彼氏・中田竜次さん(岸部哲郎さん)が登場してややこしさは倍増(笑)
しかし最後は、大団円~☆彡
すべてが丸く収まる温かいお話です。

ほんわかした・・はるかさんを筆頭にユニークな鈴原家のキャラクターが
本当に面白くて、また彼らの周りに集まる人たちも一癖も二癖もありすぎの
猛者たち・・・ぐちゃくちゃになりそうな複雑な人間関係も森さゆ里さんの
すっきりした演出、采配は上手いなあ~さすがだなぁ~と、すげーすげーと
気がついたら声を出して笑ってました。

次女・瞳さんを演じた第44期文学座研修科卒業された松垣陽子さん。
何度か彼女の芝居を拝見していますが、思えば年相応の役を演じているのを
拝見したのは今回が初めて?
研修科時代からさかのぼっても高校生とか、主婦とか、若侍とか(笑)
それだけ彼女の演技力に幅があるという実績なのです。
でも彼女もまだまだ年頃の女の子~☆彡弾けた瞳ちゃんを演じる姿は
明るくて元気でとっても可愛いです。そしてほのかな女性らしい色気も感じさせてくれました♪
うふふっすごく新鮮でした・・これからも色んな役を演じながら大きな器を持った女優として
がんばって欲しいなあ~と思いました。

また第43期文学座研修科卒業生の小林優太さんもご出演でした。
彼は、長女・はるかさんを恋する八百屋・大竹健太郎さん役。
ちょっとヤバイ?!程、その想いは真っ直ぐにはるかさんに注いでいます。
冒頭から美味しいインパクト効果大で、その恋の行方を微笑ましく見守ってしまいました。

4/11(金)~13(日) in 俳優座劇場
by berurinrin | 2008-04-19 23:46 | 観劇感想

双数姉妹『やや無情・・LES PETITS MISERABLES』

双数姉妹『やや無情・・LES PETITS MISERABLES』 in THEAER/TOPS  (4/11)

作・演出 小池竹見

ここは刑務所。
それは再犯を繰り返す受刑者たちのために、更生教育の一環として始められた
演劇のプログラムを行なっている教室です。
役人サクラダさん(小林至さん)、心理学者のモリノさん(井上貴子さん)の
アドバイスのもと某劇団の演出家トムカイさん(吉田麻起子さん)が
彼らの指導をしていますが、題材は、彼らの行状を再現するかの内容・・
受刑者たちの心を傷つけながらも、モリノさんの熱意は少しづつ彼らの演劇に対する
意識に変化を起こしていきます。

初の双数姉妹です(笑)
舞台は刑務所・・それも選りすぐれた再犯を繰り返す囚人達。
そんな彼らに強制的に“演じさせて”まるで過去を回帰させるような内容の
芝居を外の劇場で公演する目的で、日々稽古を始めていきます。

初めは、囚人達の人権を無視したかのような意見や質問を投げかけたりする
「上から目線」のような演出家や
規則で固められた看守や囚人達におびえなから参加する俳優達・・。
いつしか同じ目的の為に次第に団結していきます。が、彼らは囚人達・・
教室への行き帰りは点呼に整列。芝居の出番の無い時は、体育座り。
移動は、脇を固めて握りこぶしを前にして早足・・。
普段は従順な彼らも、ちょっとした事で怒りを表す態度は、めちゃめちゃ怖いです。
その時ばかりは、看守と囚人&一般人と、ボーダーラインがはっきり見えてきます。
その目に見えないラインが見え隠れする教室は、
平和な空気と少しの緊張感に縁取られています。
彼らはいつしか刑期を終えて、外の世界に出て行きますが
また舞い戻ってしまう事が多いそうです。
どうしても過去の出来事が、家族の苦悩、まわりの差別を生み、理不尽な思いで
つい・・。でも、周りの尽力や自分の意思の力で立ち直っていく姿・・。
辛い現実もこの芝居の中で劇中劇という形で、
彼らが演じる彼らの未来の姿を重ねる事が出来ます。
劇中劇で、春山さんを演じたハルヤマさん(佐藤拓之さん)の未来が明るいといいなあ・・・、
一生懸命演じる囚人さん達も幸せ=普通の生活が送れるといいなあ・・・と、心から思いました。
けれどこの芝居では、より現実的な出来事が起こってしまいます。
・・・厳しいです・・ぐすん(涙)
でも、本当の現実はもっともっと厳しいと思います。
犯罪を犯した人が居れば、被害を被った方も居られる。。
何よりも被害者の方の心の平安が優先だと思います。

さて文学座からは、かっこい~い!中村彰男さんがご出演です。
囚人達の演じる芝居の助っ人で、参加される俳優・カオナシさんもといオトナシさん。
そーいえば『千と千尋の神隠し』では、あのカオナシさんの吹き替えを演じられた彰男さん。
偶然ですかぁ・・よね(笑)
一生懸命に演じる彼らを見守るオトナシさんの眼差しは、
彼らが不安な時、オトナシさんの顔を見る事によって力つけてくれそうな程に
癒しの効果たっぷり優しく慈愛に満ちています。
ほんとうに優しい笑顔です。
囚人達から質問を受ける時に、相手の顔をじっと見つめ返す姿に真摯に彼らと接しようと
努めるオトナシさんの気持ちにぐっときました。
やっぱかっこいい彰男さんです。

お話はシビアなものでしたが、ロビーや物品販売など会場の雰囲気はユニークで
ちょっとびっくりしましたが(笑)劇団のアットホームさが伝わってきました。
彰男さんとお揃いでTシャツ買うべきだったな・・・と、後から後悔しちゃいました

詳しくは、双数姉妹のブログに載ってます。

4/9(金)~4/13(日)まで in THEAER/TOPS
by berurinrin | 2008-04-13 20:38 | 観劇感想

4、5月主な外部出演

★原康義『放浪記』4/24~27オーバートホール(アスネットカウンター076-445-5511)5/2~28博多座(博多座チケット予約カウンター092-263-5555)
★松井工『山本周五郎の妻』3/27~4/27赤阪ACTホール3/21~22丸ビルホール(横浜夢座事務局045-661-0623)
★戸井田稔、星智也『さらば、わが愛 覇王別姫』4/5~13シアタードラマシティ(Bunkamuraチケットセンター03-3477-9999)
★高橋耕次郎『風林火山・晴信燃ゆ』4/9~13日生劇場(チケットホン松竹03-5565-6000)
★中村彰男『やや無情』4/9~13シアタートップス(双数姉妹03-3202-0243)
★大場泰正『女房の骨付助肉ローズマリー風味』4/11~20博品館劇場(劇団未来劇場03-3360-1717)
★たかお鷹『エキストラ』4/25~29紀伊國屋サザンシアター(劇団東京ボードヴィルショー03-3227-8371)
★小林勝也『トゥーランドット』3/27~4/27赤阪ACTシアター(チケットスペース03-3234-9999)5/2~9梅田芸術劇場(梅田芸術劇場06-6377-3800)5/13~22御園座(御園座052-222-1481)
★鵜山仁(演出)『天切り松 人情闇がたり』4/24~27アトリエ・フォンティーヌ(オールスタッフ03-3683-9821)
★森さゆ里(演出).浅海彩子『止むに止まれず。』4/11~13俳優座劇場(ミズキ事務所03-5712-5628)
★鍛治直人『黒蜥蜴』4/18~6/1ル・テアトル銀座(パルコ劇場03-3477-5858)
★神保共子、廣田高志、高橋広司『わが魂は輝く水なり』5/4~27Bunkamuraシアターコクーン(Bunkamuraチケットセンター03-3477-9912)
★菅生隆之『女王メディア』5/10、11兵庫県立芸術文化センター(芸術文化センターチケットオフィス0798-68-0255)5/13~18シアター1010(シアター1010 03-5244-1011)5/24名鉄ホール(名鉄ホール052-561-7755)
★粟野史浩『第17捕虜収容所』5/19~6/8東京グローブ座(テレドーム0180-993-888)
★鵜山仁(演出)、石田圭祐、清水朋彦、石橋徹郎『オットーと呼ばれる日本人』5/27~6/8新国立劇場(新国立劇場チケットボックス03-5352-9999)
★大原康裕『おくにことばで語る今、むかし』4/12全労済ホールスペースゼロ(文化フェスティバル事務局 03-5371-2697)
★南一恵『女の一生』4/30シアターX(楽03-5640-4324)
★加納朋之『誰ガ為ニ陽ハ昇ル~~Wonderful World‘08~』5/14~18中野ザ・スポット(03-3382-1560)

*お問い合わせは( )までお願いします

さて、私は鵜山仁さんの再演作は『天切り松』・・・
ミュージカルの概念を変えてくれた私にとっては驚きの作品でした。。
古い作品ながらも語り継がれる秀作『オットーと呼ばれる日本人』
勿論、新国立の芝居は欠かせません『焼肉ドラゴン』
永遠のイケメン中村彰男さんの『やや無情・・』←双数姉妹のH.Pで稽古場ブログありです!
『止むに止まれず』には、研修科卒業生の松垣陽子さんもご出演です。
松垣さんの同期といえば『億万長者婦人、故郷ニ帰ル』には、卒公『萩家の三姉妹』以来・・
ひさびさの藤井悠平さん(ご連絡ありがとうございます★)
そして勿論・・アトリエの会は、『ダウトーDOUBT -疑いをめぐる寓話ー』です!!
by berurinrin | 2008-04-05 18:22 | 外部出演

アトリエの会『ダウトーDOUBT -疑いをめぐる寓話ー』の稽古場見学

桜満開の春の午後
モリヤが解体されて、アトリエの全貌がくっきり現れた文学座へ
そう・・アトリエでは、『ダウトーDOUBT -疑いをめぐる寓話ー』のお稽古が真っ盛りです。
そんなアトリエにお邪魔してきました。

『ダウトーDOUBT -疑いをめぐる寓話ー』の出演者は4名。
人数が少ないせいか、アトリエも何気に静かな感じがします。
壁には、作家のジョン・パトリック・シャンリィさんから贈られたメッセージが飾ってあって
遠くから静かに見守ってる優しいぬくもりが感じられます。

まずは、神父さまの衣装を着けた清水明彦さんの一人語りから始まりました。
やわらかく前に組んだ手や柔らかな物腰・語り口調は、もうすでに穏やかな神父さま。
ご本人は「まだまだ・・」とご謙遜されていましたが、
中・高一貫教育で6年間通った学校がクリスチャンだった私・・・
とても懐かしい気分です。
一度終わってから、演出の望月純吉さんから2、3言あった後に
もう一度繰り返されました。
望月さんは、普段の口調そのままにゆっくり穏やかに演出されてました。
↑この望月さんの声がとっても優しいお声なんですよぉ
語尾を合わせたり、時折「もうちょっと抑え気味で・・」という感じに両手を下に落とすような
ジェスチャーをされる位で
後は役者に任せたかのように静かに見つめています。
そんな清水さんと望月さん互いに敬語で会話してます。なんか新鮮です★

次は、寺田路恵さんと渋谷はるかさんとの2人の場面です。
黒いセーターとスカート姿・・←何かありそうな役作りの為の色遣いでしょうか???
そんな黒ずくめの寺田さん♪にこにこっと笑顔で迎えて下さいましたが
一転、目の前の役に入ったそのお姿は、まさに女優さん。
穏やかなお稽古場の空気がぴーんと引き締まります。

出番を終えた清水さんは、長い神父さまの衣装を脱いでリラックスされて
控えで座っている山本道子さんと何やらひそひそ話し?!
そんな中、後ろに座っていた私を道子さんが、手まねきで「おいで」と「?!」
見難いだろうと、わざわざ道子さんが椅子を譲って下さったのでした。
道子さんの優しさにじーん★

寺田路恵さんと渋谷はるかさんの場面が終わると
再び演出の望月さんの登場です。
すると寺田さんが「ちょっと重くない(私の芝居?)。ちょっと硬いよね」と
望月さんとしばしお話・・
その二人のやり取りがとっても自然で様子を眺めていていても、
とっても気持ちがいいのです。

最後の記念撮影の時に、清水明彦さんが脱いでいた神父様の衣装をまた
あたふた着なおしての私たちへのサービス精神振りに爆笑でした。
こんなお茶目さんな神父さまって、居るのかなあ???

そおいえば、望月さんが
「この作品は、疑惑のお話です。信頼し合えるメンバーだからそこ出来る芝居です」と
和気藹々とした稽古場の雰囲気というよりは、とっても落ち着いた静かなアトリエの中
信頼関係に育まれた座組みの中で生まれた疑惑と秘密に包まれた『ダウト』
望月さんが、文化庁新進芸術家海外留学制度で滞在先のNYブロードウェイで
ロングラン公演中のこの作品を観て
「上演したい!!」と企画したのだそうです。
女優のメリル・ストリープさん主演で映画化も決定。
そんなアメリカではすでに話題の『ダウト』
日本では文学座が初上演となります。
秘密がいっぱいで、言いたくても言えない~!!そんなニクイほどの思いやりで
お口をチェックの望月さんと出演者の皆様のおかげで・・
公演まで悶々とした日々を過ごしそうな予感です。
あ~はやく観たいっす~☆彡

では、皆様~吉祥寺シアターでお目にかかりましょう!!
by berurinrin | 2008-04-03 23:47 | 稽古場/舞台裏話