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『殿様と私』バックステージ見学

すっかり遅くなってしまってすみません
紀伊國屋サザンシアターで公演中『殿様と私』の、と・ある日の終演後に
バックステージを拝見させていただきました。

楽屋を通って舞台袖に回るのですが
そこでは、お客様と談笑中の義知お兄様こと城全能成さんに遭遇♪
舞台の上では、きりっとした超二枚目ですが、目が合うと、がはがは笑うお姿は
人懐っこい隣のお兄ちゃんのようなやわらか~で、とっても優しい面白いお方です。
「見つけた~!」と、後ろから声を掛けてくれたのは、雪絵お嬢様の松山愛佳嬢♪
一緒に居たうちの天然系の母に
「雪絵お嬢様を演じた愛佳ちゃんだよん」
「えー違う人か思ったぁ(爆)」
母が言うのも納得?!舞台では楚々としたお姫様♪
ところが普段は、めちゃめちゃやんちゃな愛佳ちゃんです。
元気一杯な朗らかな笑顔は、こっちまで元気なっちゃいます。

薄暗い袖のすぐ脇に“殿様と美術箱”と書かれたボテ発見!
その奥には、カーテンで仕切られた早変わり室もありました。
さて舞台奥から下手側(設定では、玄関のある奥の廊下)から、舞台へ

舞台は、白河子爵邸の居間。
御簾があるのに、洋間?!という、アンバランスは造りは
かつて和室だったものを、洋間にリフォームしたイメージになっているそうです。
床は、とても凝っていて、寄木細工風。そして滑り止めのように溝が入っていました。
足袋を履いてのダンスのシーンもあるので、スタッフの俳優達に対する
心配りに頬が緩みます。
お稽古場では、かなりの傾斜を感じた八百屋の舞台も、ゆるい傾斜変わっていました。
それでも普段のお芝居よりも俳優達が立ったり座ったりが多いので、
腰や足に負担が掛かりそうです。
傾斜のある舞台って観客として観易い装置ですが・・・

舞台の中央に位置する影の主役・・・そう、伊万里焼きの壺!
「絶対に触らないで下さい」とのお触れが出ていた超高級品です。
恐る恐る覗いてみると、中はつぎはぎだらけ・・・(笑)
ガウン姿のたかお鷹さん扮するお殿様が気持ちよさそうに、
一人で踊っていた時に壺にガツンと当たって、床に落として割ってしまうシーン。
一度拝見したときに、上手く壺が割れなくって床にコロロ~ンと転がり
お殿様が、両手で壺をバリバリバリィ~と割った時があったんですよん。
(次に拝見した時は、ベストなタイミングでガッツリ割れました!)
樹脂で固めて作られたこの壺、模様もとっても繊細でお家に飾りたい位の精巧さでした。

居間の至る所にあるランプ・・お芝居の冒頭にオレンジの暖かい光を灯してしたランプ・・
劇中にも寺田路恵さん扮する雛田カネさんが、一つ一つ点しておられましたね。
このランプは、スイッチで遠方から操作されていたそうです。

今回は素敵なお衣装がいっぱい&時代を感じさせる調度品達・・
これらはほとんどがレンタルだそうです。
けれど、加藤武さん扮する爺やの白い衣装(切腹をする時のシーンで着られたお着物)は
簡単に洗濯が出来ない代物で、このお衣装はあつらえ物なんだそうです。

背景がお庭で、舞台の両側も木立と屋敷の柱をイメージした舞台・・本当に美しかったですね。
この舞台美術は、奥村泰彦さん。以前に『湖のまるい星』の美術も手がけられました。
彼は劇団MONO所属の俳優さんでもあります。
木のぬくもりを感じさせる落ち着いた暖かい色調、光と影のコントラスト・・あの秋の色
・・・・素晴らしかったですね。
by berurinrin | 2007-11-30 23:23 | 稽古場/舞台裏話

メジャーリーグ+庭劇団ペニノ『野鴨』

メジャーリーグ+庭劇団ペニノ『野鴨』 in シアター1010ミニシアター

作         ヘンドリック・イプセン
演出・上演台本 タニノクロウ
企画・上演台本 笹部博司

ヤイマール・エクダル氏(手塚ひろしさん)は、美しくて働き者の妻ギーナ(石田えりさん)
13歳になる娘へドヴィック(鎌田沙由美さん)、エクダル老人(藤井びんさん)と
静かに幸福に暮らしています。そこへ豪商ヴェルレ氏(津嘉山正種さん)の
息子で彼の友人のグレーゲルス(保村大和さん)がやってきて
ギーナと父との過去の関係を打ち明けます。

会場に入るとそこは森でした。
実際に本物の木がそちらこちらにそそり立つ姿は見事です。
木の伐採に関しては、長野まで行かれたそうです。
(その後、この木達はどうなっちゃうんでしょうか?ちと心配ですが・・)
特にこの時期、劇場はかなり乾燥していて
のど飴、マスクは、マストアイテムなのですが、なんとなーく潤っているような
舞台となる森を囲んで、客席はL字型で2列しかありません。
なんという贅沢な作りなんでしょう。
照明も木立の影を通すように、上からそっと降り注ぎます。
薄ぼんやりした暗い光だったので、つい睡魔が・・と、一瞬ヤバイ状態を
耐え、気がついたら舞台に見入ってました(笑)

登場人物は全て、心や体に傷を持つ人々・・その傷は奥底に潜ませて
穏やかに暮らす彼らの生活に突然割り込み
わけのわからない正義感を振りかざし
聞いちゃいない真実を暴露し、ひとつの幸福だった家族を破壊する悲惨なお話しです。
最後はものすごい大きな犠牲を支払う事になりますが・・
それにしても真実を知ることは、本当に良い事なんでしょうかね?!
でも決して真実だけが全てじゃないと、改めて考えさせられてしまいます。
とはいうものの、そう言い切る程の秘密が自分には無かったんですが・・・(><)

イプセンといえば『人形の家』!って、それしか知らなかった無知な私ですが
この本はすごいです。原作を読んでみたくなります。
ヒロインのへドヴィックが、飼っている傷ついた野鴨
それは猟犬によって、野鴨が死に場所にたどり着く前に捕獲された
二度と空を飛ぶことが出来ず、もはや死ぬことも出来ない野鴨・・・
その野鴨について、イプセンが書いているそうです。
「野鴨が突然、銃で撃たれる。
野鴨はすぐに真っ直ぐに水底に潜る。
潜るだけ潜って、藻や水草にかじりつく。
そこが野鴨の死に場所で、死を決意した野鴨はそうやって二度と
水上には浮かび上がってこないのだ・・・・」

真実かどうかはわかりませんが辛いです。

この大きな代償の償いは、いったいどこへいくのでしょうか?

11/1(木)~11/30(金) in シアター1010ミニシアター
by berurinrin | 2007-11-29 08:59 | 観劇感想

『異国の唄ーアンティゴネ』

新国立劇場開場10周年記念
フェスティバル公演
「三つの悲劇」―ギリシャからVol.3
『異国の唄ーアンティゴネ』 IN 新国立劇場中劇場(11/17)

作   土田世紀
演出 鐘下辰男

ある漁村に身を寄せる元旅芸人・淀江宍道さん(すまけいさん)は盲目となり、
不自由となった体の彼の世話をしている姪のアンさん(土屋裕子さん)と
メイさん(純名りささん)。
二人の母は、奇跡の唄を歌い、その歌声は大量の魚を呼び寄せたと言います。
しかし母は死に、宍道さんはその血を引く彼女達に唄を歌うことを禁じています。
ひたすら従順に叔父の世話をするアンさんと対照的に島を出ようするメイさん。
そしてメイさんを歌手デビューさせようとする水上辰さん(小林十三さん)は
父・水上正吾さん(木場勝己さん)とこの島にやってきました。

真っ白い砂が敷き詰められた舞台の中央に高い櫓。
小さな島の漁村の人たちは、よそからやって来た旅芸人の一家を
監視するかのように厳しいその眼差しは暗く、
彼らを見るその目は敵意に満ちているし
何かやりきれない気持ちを観客に向かって爆発させるかのようなダンスは、
怒りのパワー全開だし。。
なんか妖気をも感じられそうな、怖い島です。

ギリシャ神話のアンチィゴネは、読んでいませんが(相変わらずの勉強不足で・・)
以前に劇団四季で公演された『アンチゴーヌ』(アヌイ作)を観たのはいいのですが、
早々に爆睡してしまった過去を持つわたしとしては
今回は自分どうよ?大丈夫かい?と(寝ちゃわないかい?)と
一抹の不安な気持ちを持ちつつ拝見しました。
が、始まっちゃったら・・もう
そんな心配は、芝居が始まったとたん吹き飛んでしまいました。
人が動く度に静かに砂の音が囁きかけ、不可思議な世界感が広がる中に
マッチングしているんだかアンマッチなんだか・・激しい台詞が飛び交い
後半に噴出す、これでもかぁという位に人間を追い詰める鐘下さんのキツイ世界が、
彼らを飲み込み咀嚼して、あの美しい白い砂浜に埋没させてしまうような感覚に
めまいがしそうになりました。
いやぁ~いいっすね。芝居ならではのライブの感覚を味わえさせてもらいました。

ギリシャ悲劇、神話って奥が深いですね。
ちょっと真面目に読んでみたくなりました。
悲劇と構えて読んでみても、実際怖いことばかりの世の中なので
けっこうすんなり読み進められるかもしれませんね。
(それはそれでどうよ。って感じですが・・)
そんな時代だからそこあえて、ギリシャ悲劇を持ってこられたのかなあ?!鵜山さん♪
でもすんなり舞台をギリシャにしないで、あえて日本を舞台にする事で
私たちの他人事感覚に波紋を投げているのであれば・・
まさによその国の遠い昔のお話だけに終わらない
病んだ現代に生きる私たちにマッチするお話しであったと思います。

11/14(水)~12/2(日) in 新国立劇場・中劇場
by berurinrin | 2007-11-27 23:04 | 観劇感想

シェイクスピア・シアター『ペリクリーズ』

シェイクスピア・シアター『ペリクリーズ』 in 俳優座劇場(11/24)

作  W・シェイクスピア
訳  小田島雄志
演出 出口典雄

ツロの若き領主であるペリクリーズ(平澤智之さん)は、アンタイオカスの王女に
求婚をしますが、アンタイオカス(松木良方さん)と近親相姦の関係を見抜いたことから
身の危険を感じ、国政をヘリケーナス(松本洋平さん)に委ね、諸国放浪の旅にでます。

何も無いフラットな舞台に、もんぺ姿や軍服を着た人たち・・
戦中戦後の日本を舞台にしたお話しかしら?と、思いきや
完璧で原作に忠実なシェイクスピアのぺリクリーズのお話しです。
ちょっと、ちょっと違和感がありましたが、それも最初の内で
お話が進むにつれて、全く違和感がなくなりました。
けれども演じる方は、そりゃ大変だと思うのです。
嘆きのペリクリーズの台詞をタートルネックのセーターにパンツ姿の素の姿で
言葉を発するのは、かなり自己のテンションを上げて切り替えていかないと
・・・それは、もんぺ姿のお姫さまにも云えることで・・
(本来なら老けていくであろうと思うのですが、メイクもそのままの状態です。)
演じる側には、かなり難易度の高い挑戦だと思います。
それでもシェイクスピアってすごいですよね。
どんなシチュエーションでも、シェイクスピアの世界は不動ですもの。

さて、今回は文学座から山谷典子さんとのびのび~♪西岡野人さんがご出演です。
山谷さんは、ペリクリーズの后になるサイモニディーズの王女・セーザ。
真っ白なドレスがお似合いでめちゃめちゃ美しいお姫さまです。
大きな目を恥かしそうに伏せる仕草とか、指先の動きまで細やかな美しい所作・・
発せられる声もまた美しい・・・ため息が出る程です。

のびくんは、何役も兼ねての活躍ですが、中でもセーザ姫に求婚をする騎士の役では
ペリクリーズに嫉妬の炎をメラメラバチバチ(笑)顎をぐーっと引いて強調している
姿が可笑しくて(笑)そして、船の中で死んだと思われ、海に流されたセーザを
救った貴族セリモン。穏やかで人望のある好人物を演じられました。
こんなに穏やかな演じ方をしている、のびくんを初めて観ました。
今年一年間芝居漬けの日々を送っていた彼の日々の頑張りが形となって
少しずつ彼の引き出しに入り始めているのでしょうね。
なんにもない舞台、スーツ姿で演じる彼が、頼もしく眩しく見えました~☆彡

11/24(土)~11/26(月)まで in 俳優座劇場

また、11/30(金)~12/2(日)には『冬物語』が上演されます。
詳しくは、リンクしてるのびくんのブログのびのび日記へ情報が載っています!!
期間が短いので、スケジュールが厳しいとは思いますが一見の価値はありますよ!!
by berurinrin | 2007-11-27 08:52 | 観劇感想

文学座付属演劇研究所研修科発表会『家を出た』

文学座付属演劇研究所研修科発表会『家を出た』 in サイスタジオ(11/23)

作   鈴江俊郎
演出 鵜澤秀行
協力 文学座演出部

白い色調の病院のロビーのような一室。
ここは思いを現世に残して死んでしまった人が、消えてしまう為の
心の整理をする場所です。ここにいれば現世のまま、考え、悩み、食べて、寝ることが
出来ます。そして、体の痛みを感じる事無く、穏やかに過ごせます。
恋をする事もできます。でも、身体は何も感じることはできません。

丁度2年前の今頃、同じサイスタジオでこの作品を拝見しました。
あの頃の感想を読んでみると、相変わらずわたしの煩悩は成長もせず
文章も相変わらずド・下手f(^_^;)だし・・。
なかなか、消滅するには時間が掛かりそうです(笑)

今回は、45期生を中心とした『家を出た』
本当に毎回思うのですが、期毎にカラーが全然違うんですよね。
なので同じ作品、同じようなセットといえども、まったく違う作品に感じます。
それにしても45期の彼らは、芝居が上手い!
感情のコントロールもとっても上手い!
個人個人もレベルもとても高いと思います。
でもね。せっかく実際の彼らとほぼ同世代の設定なので
逆にもうちょっと舞台の上で発散しても
いいんじゃないのかなあ・・と、思ったりもしちゃいます。

次は卒業公演が控えている彼ら45期。
悔いなく舞台で輝く彼らをしっかり見守りたいと思います。

11/23(金)~11/25(日)まで in サイスタジオコモネA 
by berurinrin | 2007-11-26 08:51 | 文学座観劇感想

こまつ座第83回公演『円生と志ん生』

こまつ座第57回公演『円生と志ん生』 in 紀伊國屋サザンシター(11/23)

作   井上ひさし
演出 鵜山仁

五代目志ん生こと美濃部孝蔵さん(角野卓造さん)と六代目円生こと
山崎松尾さん(辻萬長さん)は、終戦間近な昭和20年、演芸慰問団の一員として
満州・大連に渡りますが、そこで終戦を迎えます。
そしてやってきたのは、ソ連軍の進攻、中国人の反乱
満州から日本に帰国する為に、大連を目指す日本人達・・
地獄の坩堝と化した大連に孝蔵さんと松尾さんは閉じ込められてしまったのです。

ソ連軍に囲まれた異国で、帰りたくても帰れない彼らに次から次へと襲い掛かる
悲惨な出来事のオンパレードのはずなのですが、人間って不思議なもので
これ以上人間の器がいっぱいになっちゃうと、もう「笑うっきゃない」状態。
現在の悲惨な状況を変える手段はなくても、考え方次第で
悲劇から喜劇へ、方向の転化は可能のようで、悲喜こもごもの彼らの
二人の満州での生き方が、落語のお話しと心地良い音楽で進んでいきます。

この二人を巡る5組の女性たちは、誰もがどん底の地獄の中を生き抜き
彼らに出会い、そしてその後の運命もまた・・・・。
胸をいっぱいにさせるエピソードが綴られます。
でもどんな運命が待っていても、顔を上に向け生き抜く姿は
キラキラと美しいものです。

そーいえば、初演の幕が上がる数日間前に鵜山さんから
「まだホンが上がってないんだけどね(笑)」とおっしゃっておられたなあ・・と
懐かしい気持ちで拝見しましたが
初演の素晴らしさもさることながら、再演され熟された作品の見事さ・・
泣きながら笑って・・大忙しの私です(笑)

文学座からは、前作同様に生活の全てが落語と共存しつつも
その場しのぎの孝蔵さんに角野卓造さん。そして塩田朋子さん。
塩田さんは、今回からの参加ですがぴったり人物にハマっています。
彼女が演じられる5人の女性たちは
美しく哀しく、時に凛として母性を感じさせる素敵な女性たち・・・
ハスキーで美しい歌声と共に魅せて下さいます。

11/14(水)~12/2(日) in 紀伊國屋サザンシアター
by berurinrin | 2007-11-24 10:27 | 観劇感想

『華々しき一族』稽古場見学

めっきり寒くなりましたね。
アトリエの中に入ると、おおっストーブが・・ホント季節は冬です。
今回のアトリエ公演は、2本立♪
従来お稽古は、午後1時から始まるそうですが
スケジュール的な問題で、ちょっぴり早い朝11時からスタートです。

華々しき一族』は、全3幕の作品です。
第一幕の冒頭から、お稽古見学が始まりました。
今年の4月にBSにおいて、杉村春子さんの没後10周年記念特集で
上映された映像を思い出しました。
あの舞台は旅公演を意識された作りだったそうで、通常の舞台の作りとして
いたそうですが、今回は、ちと違う・・その違いも楽しみです。

演出の戌井市郎さん・・本当にお元気で、お稽古中もすくっと立ち上がり、違う場所から
舞台上の演技を拝見されたり、何よりもその足取りの軽やかな事・・
御歳90歳・・・いやいやお若い!
その戌井さんが、この作品についてお話をして下さいました。

この作品は、森本薫さんが23歳の京都大学在学中に書かれた作品で
『かどで』と共に初期の作品であり、その十年後の33歳の時に書かれた『女の一生』が遺作
となって、翌年34歳の若さで亡くなられたそうです。
『華々しき一族』は、23歳の青年が書かれた物とは、思えないほど完成度が高く
非常に面白い作品だそうです。
そしてこの『華々しき一族』は、11年前にアトリエで上演されました。
主演の諏訪さん役には、この作品をとても愛しておられた杉村春子さん。
そしてこの作品が杉村さんの遺作となり、翌年亡くなられました。
文学座創立70周年、杉村さん没後10年、まさに上演するに相応しい時期なのでしょう。

「毎日緊張しながらお稽古をされている」と、おっしゃるのは、
杉村さんから諏訪さん役を引き継いだ稲野和子さん。
さりげなく匂い立つ様な、堂々とした諏訪さんの美しい登場シーン・・素敵ですよぉ
お稽古場でも、うわぁ~と思った位ですから
そして今回は、亡き杉村春子さんが諏訪さんの役で着ておられた着物を
杉村さんから譲り受けたそうで、お披露目も楽しみです。

諏訪さんのだんな様は、前回と同じ配役の鉄風役の飯沼慧さん
「80才を過ぎて、段々(体に)がたがきて・・」と、弱気な発言をされておられましたが
ところが舞台上の姿は、御歳を感じない軽やかさ十分♪
そして私だけでなく飯沼さんの舞台をまだまだ観たいファンの方は、
いっぱいおられますって(笑)

前回と同じ配役をされるもう一人のお方は、須貝さん役の押切英希さん。
彫りの深い色気のある超二枚目さん・・・。かっこいい・・・
そしてものすごく丁寧なお言葉・・そして深い声・・
・・・・モテモテの役にぴったしです。

さて須賀さんを巡る姉妹は
お姉さんの美伃さんを演じる石井麗子さん♪わたしの大好きな女優さんです。
ものすごく美しい女優さんというのは、もちろんですが
日本物がとてもお似合いなしっとりとした雰囲気をお持ちなのに
何か内面の強さを感じさせる・・とっても素敵な女優さん♪
お稽古の最初は着物姿でしたが、途中にお洋服に変身~★
麗子さんの久しぶりの舞台・・楽しみです♪

美伃さんの妹さんの未納さんを演じるのは、高橋礼恵さん♪
「言葉が美しいので、自分のリアルな心情を言葉に乗せるのが難しい」と
おっしゃっていましたが、やんちゃな弾んだ姿がとっても可愛かったです。

そんな美しい妹達のお兄ちゃん昌允さんは、高橋克明さん
なーんか面白いキャラでした(笑)えへへ、もちろんとっても素敵なんですが
胡散臭いというか・・う~ん、いや素敵です。。
ちょっとチョイワルを隠した感じが、またイケてます♪

アトリエは、ちょっと底冷えがする寒さですが
戌井さんを中心に穏やかな雰囲気に包まれて、いつまでも居たいような・・
ほっこりするような柔らかな印象を受けました。
この素敵な雰囲気から、出来上がる“森本薫”さんの世界・・
もう一本の作品『かどで』と共に・・・絶対に素晴らしいものになるに違いないと思いました。
今年最後のアトリエ・・・きっと忘れない作品になりそうです。
by berurinrin | 2007-11-18 21:58 | 稽古場/舞台裏話

オペラ『カルメン』オペラトーク

新国立劇場2007/2008シーズン
オペラ『カルメン』オペラトーク in 新国立劇場・小劇場(11/18)

11/25(日)~12/9(土)まで、新国立劇場オペラ劇場で公演される
ビゼー作オペラ『カルメン』<全3幕フランス語上演>を前に
オペラ部門芸術監督・若杉弘さんが司会進行役で
『カルメン』を演出される鵜山仁♪さんと指揮をされるJ・デラートさんを交えての
トークショーがありました。

『カルメン』といえば、オペラの師匠だちょんさんのお陰で
演奏会形式の『カルメン』を拝見させて頂き、音楽の高揚感に感動しまして
オペラとしての『カルメン』に期待大をしていました。
その前に予習も大事ですからっ
でも私的には、鵜山さん中心で(笑)

まずは、体の大きなデラートさんがお話しして下さいましたが
とっても深い優しい声の持ち主で、きっとこの方が指揮棒を振っている姿
すっごく迫力がありそうです(笑)
パリ・オペラ・コミック座で初演された『カルメン』は、今でこそ
「ハバネラ」や「闘牛士の歌」とか、オペラ初心者のわたしでも、そのメロディを聞いただけで
「おやぁ~♪なんか聞いたことがあるぞぉ」と、有名な楽曲ですが
実際の初演では、楽曲の合間は、台詞だらけ・・ドラマ性が色濃く出てしまって
オペラとしてはどうよ!って感じで、その評判は散々だったそうです。
(オペラというのは、色々形式やら難しい約束事があるそうで・・)
ところがウィーンで上演される事が決まった時に、台詞を歌に変えたりと
大幅に変更した事によって大評判!
初演から10年を待たずして大成功を納めたそうです。

と、いうことで紆余曲折を経て『カルメン』は、現代にいたるまでに
色んなバージョンが作られ公演されているそうです。
新国立劇場では、この10年の間に3回上演されているそうですが
普通オペラというのは、とってもお金が掛かる代物で
一つのプロダクション(芝居で言うなら“座組み”?!)で、
50回は繰り返し公演されるのが普通な世界・・なので、この3回もの
新しいプロダクションでの公演回数は、とっても贅沢な事なんだそうです。

・・・・っと、前置きが長くなりましたが
色んなバージョンのある『カルメン』の演出を、鵜山さんにお願いした意図を
原作に忠実なオーソドックスな作品として体験して欲しいと
安心して観てもらえる作品としたかったと
若杉さん(鵜山さんは、若杉先先とおっしゃっていました)が語られると
鵜山さん「奇妙な事をしないで欲しいと、(若杉先生から)云われたような(笑)
群集がいっぱい出てくるので、どれほどの色んな人間がそこに住んでいるか
同じ動きをしたら、退屈しちゃうので・・
人間同士の対応性から生まれてくるダイナミズムを存分に楽しみたい」
鵜山さんが演出する『カルメン』は、
曲の合間は全て台詞で語られる、初演のコミック版と異なり
アルコーア版で、群集の演出が重要課題で
いかに個性を持たせていくか。合唱の変化を楽しみたいとおっしゃっておりました。

若杉さんよりいくつか質問が、鵜山さんに寄せられまして
「(鵜山さんは)どんなカルメン像をもっていますか?」
鵜山さん曰く、女性の両面性・・愛と死
愛といえば、これ以上可愛らしいものはないし
死といえば、これ以上恐ろしいものは無い・・
・・・ふむふむ

「演出家として舞台美術や照明はどこまで権限をもっているのですか?」
「・・・ケース・バイ・ケースで、多分権限はあると思いますが
「こんな空気で」とか「こんな材料で」とか
あんまり細かく言うと「だったら書け」と云われるので、それは書けないし(笑)」
鵜山さんがよく言われる演出で
自分はAだと思うが、相手はBだという・・ならばCでやってみる
今回も、稽古場で感じ合って、話し合って、戦い合って
作る作業が楽しいと、おっしゃっていました。

このトークの合間に『カルメン』の楽曲3曲が披露されました

①第一幕カルメン「ハバネラ」(谷口睦美さん)
②第二幕エスカミーリョ「闘牛士の歌」(小林由樹さん)
③第三幕ミカエラ「何が出たって怖くない」(大村博美さん)

「ハバネラ」を歌う谷口さん、鵜山さんの肩に手を置いて歌ってました。
おおおおっ・・ちょっと、ちょっと・・・って感じでしたが、鵜山さんもなんとなーく嬉しそう・・
後からハンカチでお顔を拭き拭きされてる鵜山さん・・ちょっとお茶目さん♪でした(笑)
もう・・・
歌手の方をねぎらうように、若杉さんがお一人お一人に「よかったよぉ~」って、
まるでお父さんみたいに、彼らに優しい眼差しを向けておられました。

指揮のデラコートさんは、今回の鵜山さんとのコラボに対して
(鵜山さんは)とってもインテリで、頭の良い方で融通もきいているので
アイデアの交流ができる、とっても楽しい現場だとおっしゃいました。

また、デラコートさんはとってもサービス精神が旺盛で
『カルメン』の楽曲の中のある共通性とか、伝統的にカットされる部分の復活のお話しや
実は「ハバネラ」は、ビゼーではなくキューバ人のゼバスチャンなんとかさん(笑)
が書いたとか、過去の『カルメン』のお話しを沢山して下さいました。
私には、ちょっと専門的なお話はわかりませんでしたが・・(><)

1時間ほどのトークショーでありましたが
おとといから舞台稽古に入って、この日の午後から衣装合わせがあったりと
めちゃめちゃ忙しい状況なのに、それを楽しんでるような鵜山さんのお姿が
眩しく映りました。
スペイン人のお話なのに、フランス語で歌う自体へんてこなオペラと
おっしゃった鵜山さん♪
おかげで本番拝見できる事がとっても楽しみになりました。

11/18(日) in 新国立劇場小劇場
by berurinrin | 2007-11-18 21:13 | イベント

劇団NLT公演『オスカー』

劇団NLT公演『オスカー』 in 俳優座劇場(11/16)

作  クロード・マニエ
翻訳 梅田晴夫
演出 鵜山仁

バルニエ石鹸の社長であるベルトラン・バルニエ氏(村井国夫さん)の屋敷にやって
きたのは社員のクリスチャン・マルタン(大沢健さん)。
彼は、自身の仕事の手腕により利益を掴み、大金を手に入れます。
それを元手にバルニエ氏の令嬢に求婚しにやってきたのでした。
が・・・・・

今月は、マイ鵜山さん月間!と名付けております(笑)
な・ん・と3週連続鵜山さん演出作品が続いております。
すげーすげーです。
そして初・劇団NLT!なのでございます。
わたしにとってNLTというと、コメディ路線が強いというイメージが大きすぎて
実は食指が動かず・・ちょっと敬遠しておりました。
そんなこんなで劇場に入ってみて、スタッフの方々の細やかで親切な対応に
ちょっとびっくり・・マナーが行き届いています。
スタッフの方の対応が良いとおのずと観客のマナーも素晴らしい♪

今回は、ハチャメチャなコメディと聞いていたので
何も考えずに、ただゆったり客席の椅子に深く腰掛け、身を委ねて楽しもうと
思ったのが大正解◎
まるでレビューが始まるかのような、華やかな音楽とカラフルな照明が緞帳に浮き上がり
その続きのような感じで芝居が始まります。
この冒頭の導入が、外国のドラマ風で小洒落てます★
そして目の前で起きる大(珍)事件、次から次に起こる馬鹿馬鹿しい位のやりとりに
頬を緩ませて、最後に映し出される「fin」←これも小洒落てます(笑)
もう、鵜山さんたら・・遊んでるなあ、と思いつつ・・
さて主演の村井国夫さんは、最後まで突っ走っておられました。
村井さんというと、舞台ではどーん!とした落ち着きのある静のイメージがありましたが
こんなにサービス精神旺盛で、体を張って笑いを提供してくださる姿に脱帽です♪

文学座からは、後半に家政婦さんとしてやってくるシャルロットに八木昌子さん。
一場面の短いご登場ではありますが、その足の美しさにびっくり♪
八木さんというと着物のイメージが強かったのですが、洋服姿もとっても素敵です。

初日終演後、うきゃうきゃ・・鵜山さんにお会いできました。
実はこの日の二日前に夢を見まして、その内容がですね・・

鵜山さんにパンフレットにサインをねだったんです。
「何か一言、書いてください」とお願いしたら
パンフの文字が見えなくなるほど、いっぱい書き込んでくれて
「わーい、わーい、ばんざーい」と手を挙げた瞬間 に
何かに当って目が覚めまして・・
ん?あちゃー(><)ベットの脇の椅子に置いてあったタンブラーが
ひっくり返って、水が床にびしゃー っと
夜中の3時過ぎの雑巾がけ・・ そんなオチ付きでしたが・・

なので、この出会いは正夢・・
しっかりサイン&メッセージを頂き、パンフを抱きしめ劇場を後にしたのでありました。
えへへっ♪一生の宝モンです。
そしてわたしの鵜山さん月間は、続きます。

11/16(金)~21(水) in 俳優座劇場
  
by berurinrin | 2007-11-17 23:18 | 観劇感想

文学座本公演『殿様と私』3

文学座本公演『殿様と私』 in 紀伊國屋サザンシアター(11/7)

作   マキノ・ノゾミ
演出 西川信廣

この日、チラシ配布のお手伝いをされていたのは、助川嘉隆さん!!
思えば今年は、助川さんのお芝居観てないぞぉ~でも地方公演で大忙しでしたもんねぇ
そして、文学座の王子さま(笑)細貝弘二さん♪
『その行間まで、100km ~東京T区母子餓死日記を読む~』ではびっくりのおばあさんを演じられた、鬼頭典子さん。

浅野雅博さん演じる三太郎さんが思いを寄せる
白河雪絵お嬢様は、素直だし、可憐だし、可愛いし・・文句なしのお嬢様
三太郎さんが、一目で恋してしまうのも無理はありません♪
好奇心旺盛な明るいお嬢様ですが
足が不自由の為に、体と心のバランスを崩してしまう事があって
まわりはちょっとひやひや~
そんなお嬢様を演じたのは、松山愛佳ちゃん♪
かーいかったですね。めちゃめちゃ可愛かったですね。←会う度に言ってました(笑)
だって可愛いんだもん!
普段は元気を絵にしたらこんな笑顔!という
周りを朗らかにしてしまう位の強力な人馴っこい笑顔満載の彼女。
ハンディキャップのあるお嬢様をしっかり自分の中の長所と融合させて
見事な愛らしいお姫さまに作り上げましたね。
初恋のラングさんに、手を取られて抱きすくめられた時の表情ったらもう・・
こっちが恥ずかしくなってしまいました。うきゃきゃ

雪絵お嬢様を優しく、時には心配しすぎて厳しく見守ってしまうのは
雪絵お嬢様のお兄様、白河家の長男!陸軍中尉の義知様を演じられた
城全能成さん♪堂々とした軍服の着こなし、ほれぼれしちゃいますね。
難しい言葉の羅列もなんのその見事にこなされていらっしゃいました。
けれど義知様は、カッコいいだけじゃない。
華族としての立場、今後の方向性を常に考え、視野を広く持った方でもあります。
あ~、ほんと完璧。
でも、普段の城全さんは、隣のあんちゃんって感じで、
めちゃめちゃやんちゃ坊主さん♪そんなギャップがたまらないのです(笑)

さて雪絵お嬢様の初恋のお相手は
鹿鳴館で出会った英国海軍大尉ジョン・ラングさん。
ひょんな事から再会したことにより、雪絵お嬢様の恋心は募るばかり・・・
けれどジョン・ラングさんには裏の顔が・・・っと、星智也さんが演じると
騙されても仕方がないかも・・と、思えるほど色気のある二枚目さん♪
それにあの声!
「・・あなたの真実の恋人、ジョン・セバスチャン・ラング・・」・・ため息・・・・。
出番は少ないながらも、しっかり観る人の心に焼きつく・・憎い(笑)演技はさすがです♪

・・・・っと、東京公演は終わってしまいましたが
久々に良質で清々しい文学座らしいコメディでした。
笑いの中にも、時代背景がしっかり練りこまれて
今の時代にもどこか共通点を見出せる日本人の姿とか・・
また、いつか出会いたい作品の一つとなりました・・

11/2(金)~11/11(日) in 紀伊國屋サザンシアター
11/17(土)、18(日)   in 兵庫県立芸術文化センター中ホール
11/20(火)  in 長岡リリックホール・シアター
by berurinrin | 2007-11-16 21:55 | 文学座観劇感想