新国立劇場開場10周年記念
フェスティバル公演
「三つの悲劇」―ギリシャからVol.2
『たとえば野に咲く花のようにーアンドロマケ』 IN 新国立劇場中劇場(10/20) 

朝鮮戦争勃発の翌年の九州のとある町。
港に近い寂れたダンスホール「エンパイアダンスホール」。
ここで働く安田満喜さん(七瀬なつみさん)、珠代さん(梅沢昌代さん)達・・
ある日、ライバル店「白い花」のオーナー阿部康雄さん(永島敏行さん)が
やってきて、一目で満喜さんに夢中になってしまいます。
けれども康雄さんには、婚約者の四宮あかねさん(田畑智子さん)という存在が
そしてあかねさんを恋する康雄さんの弟分・竹内直也さん(山内圭哉さん)もまた

第2弾は、ギリシャから九州に舞台を移しての愛のドラマです。
実際のところ、アンドロマケの物語をちゃんと理解していない私にとって
どうリンクしているのかが、わかりませんでした(><)

遣り切れないほどの愛の連鎖の物語です。
戦争が終わって、日本が復活の兆しをみせながらも
米国の圧力を受け、隣国では戦争が始まり
日本に居ながらも、在日として生きている彼らにとって
祖国であり同胞である人たちが、今もなお戦時下にあり
空には、爆音と共に彼らの祖国・戦場に向う戦闘機の音が響きます。
そして戦争中に恋人を失った満喜さんにとっては、心の平安はこんな状況では
訪れる事もなく、そんな彼女を愛する康雄さんにも、戦争によって起こってしまった
暗い思い出が彼を責めさいなむのです。
「どうしてわたしじゃダメなの!!」と、悲痛な叫びを上げるあかねさんも
またアルコール依存症・・・

どうしてあげたら彼らを救えるのでしょうか?
ひたすら片思いの愛の連鎖の彼らは、抱えているものが大きすぎて
その鎖の重さに押し潰ぶされそうです。
けれど、戦場の後には静寂が、そして静かな時がやって来ます。
ラストの穏やかな光景に、自分でも気付かない涙が流れました。

10/17(水)~11/4(日) in 新国立劇場中劇場
by berurinrin | 2007-10-28 14:54 | 観劇感想

SANYO HALLスペシャルシアターNol,7
傑作劇フォーラムⅦ
演題『ガラスの動物園』
 
作  テネシー・ウィリアムス
翻訳  小田島雄志
構成/上演台本 野田治彦
演出/案内人  小林勝也  
主催        株式会社三陽商会

ウィングフィールド家には、母のアマンダ(赤司まり子さん)、姉ローラ(松岡衣都美さん)
弟のトム(川辺邦弘さん)の3人家族です。
父は家出中。姉は今で云う自閉症のような状態です。
なので家計のほとんどはトムの収入に頼り切っています。
ところが、母のアマンダは裕福だった頃の生活が忘れられず
子供達に過剰な期待をかけては、精神的に追い詰めてしまいます。
ある日、アマンダのかねてよりの頼みでローラの為にトムの同僚
ジム(粟野史浩さん)をディナーに呼ぶことにします。
その同僚の名前を聞いたとたんに、極度のはにかみやのローラは
気分が悪くなってしまいます。

久しぶりのフォーラムです。
案内人は、小林勝也さん・・そしてこの芝居の中では、成長したトムさんを演じています。
この物語は、成長したトムの回想として綴られています。
現実のものでない回想の世界には、JOUさんというダンサーの方が
そのシチュエーションに応じて妖精のように幻想的・・時にコミカルに
舞台の上を飛び跳ねています。
ちょっぴりいやかなり(笑)違和感がありましたが、以前小林勝也さんが
JOYさんと競演された事が、きっかけということで実現した今回のコラボ。
でも、フォーラムらしい実験的な彩りを加えていることには間違いありません。

がみがみがみがみ・・・と、おしなべて全ての母親が持っているであろう
子供たちへの特権?!を酷使しているのは、赤司まり子さん演じる母・アマンダさん。
自分の子供たちの姿を、母という頭の中のフィルターを通してみています。
そうなっちゃうと、どこの子よりもうちの子が一番となるわけで
色んな意味で勘違いしちゃうんですよね。で、家出中の父がいればなおさら・・
現実逃避で過去の思い出に浸りたくなるのも理解できます。
でもそんな母親の姿・・・・嫌だけど憎めない
赤司さんの演じるアマンダは、まさに愛すべき存在だけど避けたい存在。
見事な母親像でした。

お姉さんのローラは、足がちょっと不自由な女性。
観るたびに、一回りも二回りも成長した姿で「おおっすげっ!」と思わせる
松岡衣都美さんが演じました。
極度のはにかみ屋さんで、伏目がちで心もとなく手を合わすしぐさや
大好きなガラス細工の動物達をいとおしそうに見つめる視線・・
抱きしめたくなる程いじらしかったですね。
偶然にも初恋の男性ジムと二人っきりになって、彼女の心の変化の過程を
不器用だけど、少しずつ素直な女性らしい表情を魅せる松岡さんのローラ。。
松岡さんらしい丁寧な演じ方にとっても好感が持てました。

栄光と挫折を味わって、自分を変えていこうとする前向きな青年は
粟野史浩さんが演じたジム。
彼は、ローラの初恋の男性で、トムの同僚。
ローラの事を聞かされずに、ウィングフィールド家の夕食に招かれますが、
実は婚約者がいる身。
自分の過去を振り返りながら、ちょっと乱暴にローラの心をほぐしていきます。
本当にこんな人とローラが一緒になれば、きっとローラのその後の人生は
変っただろうな・・あー残念!!と思うくらいに、ぴったりハマってました♪
まじお似合いの二人だったぁ・・・・

やりたいことと、やっていることって
なかなかリンクした人生って、難しいですよね。
というか、やりたいことを見つける事自体難しいですが・・
けれどトムの場合は、やらなければならない!とマスト状態。
やらなければ、電気もガスも止められて、アパート追い出されて
家族が生きていけなくなる。。。
でも、母はがみがみして、けんかが絶えず・・姉は家に籠もって・・
自分の家なのにリラックスできない。
家族を愛しているのに、常にイライラした状態・・逃げ出したくなるのも無理ないです。
まだ自分の夢を諦めるには若すぎる・・・
そんなトムを演じた川辺邦弘さん。
切なかったですね。

どの人物にも、それぞれ背景があって、熱い想いがあって
現実と理想とのギャップに苦しみながら、一生懸命生きてるこのドラマ
今に生きる私たちにも当てはまる素晴らしいまさに名作でした。
できるなら、もう一度アトリエでじっくり鑑賞したくなりました。

10/19(金)~20(日)まで  in  SANYO HALL
by berurinrin | 2007-10-27 14:41 | 文学座観劇感想

文学座のアトリエに到着したときは、すでにお稽古が始まっておりました。
遅刻ですぅ・・う・うっ(><)
当初からわかっていた事とはいえ、ご迷惑をお掛けしました。
そんなアトリエは『殿様と私』のお稽古真っ最中!!熱気がありました

舞台は、白河子爵邸の応接間。
白河義知さん(城全能成さん)と妹の雪江さん(松山愛佳さん)のやりとりの
途中から拝見させて頂きましたが、とっても絵になる美しいご兄妹でございます。
先見の明を持ったようなお兄ちゃんの発言にハッキリした捌けた妹・・
素敵な組み合わせ~っと、うっとりと眺めておりましたら・・・
このと~っても美しい(あえて強調!)ご兄妹のパパは、白河家当主義晃氏・・・
そうお殿様こと、たかお鷹さん(笑)でした。
っと、そんなお殿様は、かな~りお怒りモードで、ものすごいかっこでご登場でした。
その後ろには、家令の雛田源右衛門さん(加藤武さん)が、悲壮感やらってもう・・・
笑えます。このお二人、二人だけ世界が違う気が・・
っと、誰よりも大人な感じの発言をする義知さんを取り囲むように
どたどたシーンが、テンポよく運ばれていきました。
真面目に会話すればする程、思わず噴出しそうになる場面満載です。
ちなみに家令の雛田源右衛門さんの奥さま役は、(今回はお休みでしたが)寺田路恵さん。
この日は、富沢亜古さんが代わりに演じておられました。
富沢さんは本家の『王様と私』で例えるなら、アンナです。
まさに役名もそのまま米国人アンナさん・・(*^_^*)


まずは、一場面のお稽古を拝見させて頂きました。
たかおさんは、出番まで後ろの隅の方に、じっと立っておられ
加藤さんは、上手の椅子にうつむき加減にじっと座って、集中力を高められてる
ようなお姿は、とっても大きく感じます。(エネルギーの温存もありそうですが・・)
そんなお二人が登場されると、ものすごい事になるのですが(いえない・いえない)
けれど、たかお鷹さんのファンの皆様の期待は裏切ってませんよ(笑)
今回も素敵ですからっ(爆)ご期待ください♪

ご登場のシーンを拝見できなかったですが
下手の客席側に、大きな体をちょこんとパイプ椅子に収めて
プロンプさんをされているのは、星智也さん★星さんがプロンプさんなんて
劇団公演ならではの貴重な光景ですね♪
時折発する深くて美しいお声が、
お昼抜きだった私の空腹なお腹にしみわたりました~(笑)
この台本は、ほとんど「あてがき」になっているそうですが
中でも、ザ・あてがき(?!)は、星さんだそうです。
マキノ・ノゾミさんご自身、約180cmの長身の御方だそうですが
星さんは約190cm~☆彡マキノさんが、見上げた星さんのイメージが
どうなっているんでしょうな???うふふっ楽しみです。

舞台正面の長テーブルで鉛筆で何やら書き込みをしながら
真剣に稽古を見てるのは、浅野雅博さん。
意外な(?)真面目な後姿・・・寡黙なオトコは、かっこいいです。
浅野さんは、通訳件車夫さんの役
ところがこの本には、英語はこれっぽっちも出てこないそうです。
んんん?!(笑)
留学経験もおありな浅野さん・・どんな感じに仕上がるのか楽しみですね。

場面が終わったところで、演出・西川信廣さんのダメ出しが始まります。
豪快に見えますが、西川さんの指摘された部分を加藤武さんが何度も
一人繰り返し直しをしたり・・・・謙虚なその姿に感動しました。
かと思うと、城全さんに「あそこの動き、すごく良かった♪」と
声を掛けておられたり、加藤さんの人間性を垣間見てしまいました(*^_^*)
褒められた城全さんも嬉しそう・・うふっ
ご自分の代表作にしたい!と意気込み十分な加藤さん
オンもオフの姿もとっても素敵な方でした。

今回は、マキノ・ノゾミさんの書下ろしとい事で
演出家でもあるマキノさんから、
「台本にある句読点は、きちんと意識して下さい。」というアドバイスが
あったそうです。
コメディではありますが、当時の日本人が欧米文化を取り入れる姿や葛藤
一生懸命生きる姿の中から、生まれてくるコミカルな部分。
今に生きる私たちへのオマージュ的なものが見えてくるかもしれません

11/2(金)初日です!!(休憩を挟んで2時間30分位を予定しているそうです)
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画像については事前に劇団の許可を頂いています。無断転載はなさらないで下さいね★
by berurinrin | 2007-10-24 22:24 | 稽古場/舞台裏話

巣林舎第5回公演『佐々木先陣ー天に向かって撃つ男』 in
紀伊國屋ホール(10/13)

作      近松門左衛門
脚色・演出 鈴木正光
企画・監修 鳥越文藏

時代は源平合戦の真っ只中。
平家は備前の児島に陣をとりますが、兵船のない源氏は手足もでません。
誰が先陣を取れるか?
そんな中、ひょんな事から佐々木盛綱さん(沢田冬樹さん)は、塩焼籐太夫さん
(世古陽丸さん)から、馬でも児島に渡れる浅瀬を教えられ、先陣を果たし
その功により備前の国主となり、塩焼籐太夫さんの娘・曙さん(山本郁子さん)を
妻に迎えます。
そして13年後・・・

本編が始まる前に、評論家の渡辺保さんが
作品についてのレクチャーをして下さいました。
近松作品として本人の署名のあるもので現存する最古のものと
されているのがこの『佐々木先陣』だそうです。

戦乱の世から、江戸時代・庶民の時代に移り変わっていくと
戦争物よりも、ホームドラマ的なものが好まれたそうで
この作品も戦乱をベースに佐々木家の家族・兄弟のお話を中心として
盛綱さんの妻となった曙さんの家族の葛藤も加わり、時代を超えても
共感できる素晴らしい作品として描かれています。

佐々木家は、戦乱の世の因果か?!
4人兄弟のうち、2人は源氏に味方し、すでに戦功を挙げていますが
父・秀義さん(三木敏彦さん)と兄・広綱(岡本正巳さん)は、平氏方についています。
父は、二人の息子を前に
自分の首を持って源氏に寝返るように、そして「功名を挙げよ」と言い残し
盛綱さんの手を借りて自害をします。
その出来事が、その後の盛綱さんの心に暗い影を落としていきます。
当時、功名を挙げることがどんなに重要なことか
それが出来ない武将の惨めさが、兄弟の対比からして切実に伝わってきます。
運良く、功績を挙げることが出来た盛綱さんですが
その為にしてしまった行為は、彼自身の心の闇の部分を広げてしまいます。

そんな辛い影を持つヒーローは、沢田冬樹さん。
沢田さんの立ち姿が、かっこいいいぃ~!
白い衣装が良くお似合いで、背中に薔薇をしょったようなりりしさでした♪
清廉潔白な爽やかな好青年が、最後に心の闇の部分を吹く出す痛々しい姿・・
壮絶な場面でした。。あまりの違いにびっくり・・すごかったですね。
ほのぼのとして繊細で優しいイメージの役柄が続いただけに
沢田冬樹さんファンは必見!の舞台でした。

盛綱さんを誰よりも大きな愛情で支えながらも時折寂しげに見えるのは
愛する夫の心の闇を知っていながらも、どうすることも出来ない
やるせなさからだったのでしょうか?!内面の美しさが染み出てくるような
山本郁子さん・・気高く美しい女性でした。

ワルに徹したのは、盛綱さんの兄を演じた岡本正巳さん。
4人兄弟のうち、一人だけ何の功績も持たないと
こうも人間やさぐれちゃうの?!と、いう位ひねくれちゃいましたね(笑)
でも、こういう役柄にもぴったりハマってしまうのが、さすが岡本さんです。

一場面のご出演でしたが、壮絶な姿を魅せて下さったのは、三木武彦さん!
息子の盛綱さんに首を切られる・・戦乱の悲劇・・・
激しいだけに息を飲んでしまう、ものすごいシーンでした。

曙さんの母は、双葉さん(金沢映子さん)
夫を殺され、殺した相手は娘の夫?!後半は、盲目となり狂女といわれ
散々な目にあってしまいますが、夫を慕う一途な姿は凛として美しく
魂を絞り出すかのような、歌声の見事さ・・・ずんときました。

綱盛さんを温かく厳しく見守るのは、醍醐貢介さん演じる畠山重忠さん。
派閥のライバル的な北条時政さん(竹本淳平さん)は、義理の父になるそうですが
二人の対比が、ハッキリしてとてもわかりやすかったですね。
裏で計り事を企てる北条氏と違い、源氏を盛りあげていこうとする姿勢は
真っ直ぐで、それゆえ双葉さんの殺害を命じても自己の為でないと、言い切れます。
深い声の穏やかさ、どっしり構えた姿はとても穏やかで
その豪快な笑い声からしても、品の良さの中にも潔さが・・まさに武人の笑いです。
(後日談として、北条氏に謀殺されるという悲劇が彼を待っているのです)

10/12(金)~10/16(火)まで in 紀伊國屋ホール
by berurinrin | 2007-10-15 22:06 | 観劇感想

11.12月アトリエの会森本薫作品2本立て公演『華々しき一族』『かどで』の
公演を前にシンポジウム『森本薫の夕べ』が開催されます。

日時 10/30(火)

時間 18:30~20:30

会場 文学座アトリエ

第一部<森本薫の時代と作品>
     演劇評論家・大笹吉雄さん、演出家・大山勝美さんがゲスト出演予定。

第二部<『華々しき一族』『かどで』の演出と演技>
      各作品の演出される戌井市郎さん、森さゆ里さんと出演者が
      参加予定。

入場無料(申し込み不要)

どっぷり森本薫さんの世界に浸かってみたい・・知りたい・・
そんな気持ちだったので、めちゃめちゃ嬉しい企画ですw(^o^)w
ぜひご一緒に楽しみましょう!!
by berurinrin | 2007-10-15 21:23 | イベント

文学座+青年団自主企画交流シリーズの第二弾 
『その行間まで、100km ~東京T区母子餓死日記を読む~』
 
作・演出 斉藤祐一

照明  坂口美和

1996年に実際に起こった事件です。
それはアパートの一室で母77歳、息子41歳が死んでいるのが見つかったそうです。
所持金28円。死因は餓死。
同じ頃、高校生の板倉亮一さん(畑中友仁さん)は、いたって普通の高校生。
ただ、ちょっと友達付き合いが苦手で、人ごみが苦手で・・・そんな平凡な高校生活。
二つの世界の日常が交差します。

平成の時代に、それも東京で餓死で亡くなる人がいたなんて
そんな痛ましい事件が実際に起こった事が、信じられませんでした。
切ないことです。
自ら命を捨てる事をせず、餓死で亡くなるまで
母は10冊の「覚え書き」と書いたノートを残していました。
当時、大変なニュースとなったこの事件。
行政の問題にまでなったそうですが、この事件の背景を明らかにするため
(行政には落ち度がなかったぞ、と)この母の残したノートを
一般公開とい形で出版されましたが、早々にプライバシーの問題ということで
絶版となったそうです。
今、入手したこの絶版になった本を傍らに置いています。

舞台中央に引き戸があって、親子のエピソードの度に引き戸が開け閉めされ
引き戸の中では母(鬼頭典子さん)と寝たきりの息子(近藤強さん)の日常の生活が
営まれ、交代で俳優達が母の日記を読み上げていきます。
引き戸が閉まる音が響き、閉鎖的なひとつの世界・・
母子が社会から遮断されているような状況が、否応無く感じさせられました。

この母を演じたのは、鬼頭典子さん。
この前にはミュージカル『ピーターパン』にご出演だった彼女は、頭を白く染め
腰を曲げ、足を引きずり、社会と断絶し寝たきりの息子と二人の世界で
生きています。最後の最後に「覚え書き」を書きながら語る彼女の言葉には
恨みもなく、あるのは一つの願い・・息子と一緒に死なせて下さい。
淡々と演じた鬼頭さん見事でした。

高校生・板倉亮一さんのつぶやきは、当時の斉藤祐一さんが
想いのままに書き留めていたノートから引用していたそうです。
学生服をあわてて着替える時に、ドリフの番組の音楽を口ずさんでいたり
コカコーラよりドクターペッパーが好きだったり
帰宅部で自転車に乗り過ぎて、痔?!になってしまったり(苦笑)
お祖母ちゃんに甘えたり、何の問題もない普通の家族の
普通の高校生のエピソードが綴られていきます。

板倉さんの学校の生活指導の先生は露口先生(吉野正弘さん)
前回『エスペラント』でも高校の先生でしたね(笑)
この先生も実際にモデルが居られたそうです。
露口先生は、突然学校からいなくなってしまって
なんといったらいいか?!住所不定の放浪の身?!
屈折した人物ではありましたが、板倉さんの前では素敵な先生でしたね。
お互いを必要としていた先生と生徒の関係がほのぼの伝わりました。

露口先生と同僚の教師と板倉さんのおばあちゃんを演じられたのは
八十川真由野さん。正義感があって、きゃぴきゃぴ(当時の言葉でいうなら)した
先生とおばあちゃん?!両極端の人物を、見た目の扮装の変化でみせるわけで
ないのに、メリハリよく演じ分けてしまう上手さ・・・さすがですね。

ルーズソックスの女子高生から女医さんまで演じ分けたのは
大西玲子さん。43期文学座研修科卒業生です。
現在はフリーで頑張っている玲子ちゃん。
彼女の瑞々しい演技は、何処にいても愛らしく胸に響きます。
どうぞ今後の活躍を見守ってあげて下さいませ。

今回は演出に徹した斉藤祐一さんは、お芝居には出演されないものの
前説では、学ラン姿で登場し、歌を歌ったりモノマネしたり、ちょっとさぶい(笑)
ジョークもありで、会場を沸かせてくれました。
それにしても、作家・斉藤祐一さん、描写が細かい(笑)いやマニアックな(笑)
いやいやすごいです。ほんとすごい!
この細やかな視点が、あの頃あの時代の自分自身の思い出が蘇えって
すごく懐かしい気持ちとその頃にこの痛ましい事件があったことに
改めて驚きもいたしました。

この日、サイスタジオの入り口で遠目からでも美しいオーラを
放っておられたのは佐古真弓さん。本当に美しい女性です。
でも面白いさばさばした気取りのないところがとっても魅力的なお方です。
階段をとんとんとんと、降りた所の受付けには、
上田桃子さんと藤崎あかねさんがお手伝いされていました。
とても素敵な頑張り屋さん達です。

10/2(火)~10/8(月)  in サイスタジオコモネAスタジオ
by berurinrin | 2007-10-09 21:09 | 観劇感想

文学座付属演劇研究所研修科発表会『山脈』 in 文学座アトリエ(10/6)

作   木下順二
演出 岩村久雄

戦争末期、夫の友人の山田浩介さんに付き添われ、田舎に疎開してきたとし子さんと
義母・たまさん。とし子さんの夫は出兵中です。
家庭を持つ浩介さんととし子さんは、互いに惹かれ合っていますが、誰にも云えず
その想いは、静かに深まっていました。
東京にいた父と夫の戦死の連絡を受けて田舎の暮らしにも慣れてきたとし子さんの
元に山田さんが現れます。ついに山田さんにも徴集令状が届き、出兵することに
とし子さんは、ついに抑えていた気持ちを・・・

休憩2回3時間越す大作です。
そして時代は戦争末期から終戦にかけてのお話しです。
都会では戦火に焼かれて厳しい日常を強いられています。
疎開先の田舎では、戦争とは無縁の静かな日々を送ってはいますが・・
その中にも戦争の影は確かに広がり、毎日のように男性達は出兵していきます。
何か大きな緊張感で過す毎日・・
そして残された女性たちと老人達の殺伐とした空気感とか
メッセージ性の高い、膨大な台詞の量の迫力に感動しました。
愛する人と一瞬でも長く居たい為に、全てを捨てて突っ走った・とし子さん。
彼女の生き方の激しさ、彼ら研修生達のいっぱいいっぱいな思いが
全てを失っても、ふらふらになっても、その先はわからなくても
見たい情景・・でも近くに行けば行くほど遠くに行ってしまう山脈(やまなみ)を追う
主人公の姿と、リンクしてしまって胸がキュンとなってしまいました。

終演後、後ろの席で温かく優しい眼差しでご覧になっておられてたのは
寺田路恵さん・・すっごく、すっごく綺麗でした。
あんまり美しかったので書いてしまいました(照~)

実は、芝居を観る前に劇団の近くの超・有名な美味しいカレー屋さんで
お友達と食事をしていたら、爽やかな風を感じて~っと
偶然にも浅野雅博さんが、ふらっと入ってきてカウンターへ

浅野さん「マスターいつもの」(そんなこと言ってません)
マスター「おお、がってんしょうちのすけ」(決して言ってません、マスターって誰?って)

あんまり美味しそうにカレーを召し上がっている姿をみて
・・ぱくぱくぱくぱく・・と、食べてる男の人の後姿って、かっこいいっすね♪もちろん正面も!!
プライベートだし、そっとお声も掛けずに帰ろうと思いましたが
あんまり美味しそうに(x2)食べてる姿に、ついちょっかいを出して
ウケ狙いで(笑)お持ち帰り用のカレーを差し入れてしまいました。
リンクさせて頂いてる浅野さんのブログにネタにして頂いたので、ネタ返しさせて頂きました(笑)
そんな面白くて、カッコよくって、カレー好きな(余計でした)
浅野さんは『殿様と私』のお稽古真っ最中。頑張って下さいね!!
またご出演した舞台『エンジェル・アイズ』が10/2日(金)22:25~ 
NHK教育テレビ「芸術劇場」で放映されます。
ぜひお見逃し無く~!!!

10/5(木)~10/7(日) in 文学座アトリエ
by berurinrin | 2007-10-09 08:56 | 文学座観劇感想

11.12月アトリエの会・森本薫作品2本立て『華々しき一族』『かどで』のお知らせ

作  森本薫

華々しき一族

演出 成井市郎 

出演 稲野和子、石井麗子、高橋礼恵
    飯沼慧、押切英希、高橋克明

かどで

演出 森さゆ里

出演 倉野章子、添田園子、中村彰男、浅野雅博

日程 11/29(木)~12/13(木)

前売開始 10/29(月)

料金 4.000円(当日4.300円)

場所 信濃町/文学座アトリエ


07年最後のアトリエの公演は、森本薫さんの2本立てとなりました。
ご存知のとおり森本薫さんといえば文学座の歴史的な作品『女の一生』の作者であり
『華々しき一族』は、名女優・杉村春子さんの遺作であります。
文句無しの豪華なメンバーで、薫り高い作品を拝見できる幸せを噛み締めながら
大切に目に焼きつけたいと思います。
by berurinrin | 2007-10-08 15:17 | 文学座公演情報

東京イボンヌ第一回公演『無伴奏』 in 萬劇場(10/6)

作・演出 福島真也

と、ある山奥のペンションに突如表れたのは、国際的なチェリスト奏者・寺島貴子さん
(金崎敬江さん)。
ラジオからは、突如姿を消したチェリスト奏者の話題でもちきりです。
ペンションのオーナー塩留圭さん(阿部純三さん)は、彼女とは旧知の仲のようです。
ペンションの長期滞在者でカメラマンの及川光則さん(小林直人さん)は、いち早く
貴子さんの正体を見抜き、スクープ写真を取ろうと目論みます。

文学座研修科卒業生の金子加於理さんのご出演のお芝居です。
感想をUPできなくて申し訳なかったのですが、やはり今年卒業された
松垣陽子さんと小石川祐子さんのお芝居を拝見する機会がありました。
共通して云えるのは、やっぱり上手いです。
競演される方々とは、キャリアの差はあるかもしれませんが
ヘンな癖がないというか、役柄に対して丁寧に演じる姿勢が好感が持てるし、
何よりも、舞台のどの場所にいても、ひたむきに輝くきらめきを放っています。

加於理さんの役柄は、チェリスト・貴子さんの昔からの友人・香苗さん。
夫と共に彼女に呼び出され、高ビーな貴子さんのパシリのような感じです。
夫とは共働きですが、香苗さんの方が収入が多く
ギクシャクした感じを受けますが、最後は、仕事を辞めて家庭に入ることを
決意します。。。決意する経過が不透明ですが・・(><)

特に今回のような、小さなホールにも関わらずに
自分の声に酔っているのか?大音響とオーバーアクションで
周りの空気を読めない人や主要な人物で、前髪が長すぎて顔の表情が見えず、
観客のストレスを感じさせる・・・・うっうっ
あまい芝居運びのテンポの悪さの中で、一際清涼感のある加於理さんに
癒されたような感じでありました。
その上、チェリスト奏者のお話なので、クラッシック音楽BGMに使っていますが
なんせ音響が悪い。。。演出家の意図が汲み取れず、残念です。

・・・・かなり乱暴な感想になってしまってごめんなさい。
UPしようか悩みましたが、今回は第一回公演という事でしたので
あえて書かせて頂きましたm(_ _)m


10/4(木)~10/8(月) in 萬劇場
by berurinrin | 2007-10-07 23:37 | 観劇感想

新国立劇場開場10周年記念
フェスティバル公演
「三つの悲劇」―ギリシャからVol.1
『アルゴス坂の白い家-クリュタイメストラ』 IN 新国立劇場中劇場(9/22.27) 

作   川村 毅
演出 鵜山 仁

劇作家の島岡さん(中村彰男さん)は、ギリシャ悲劇を題材にした斬新な現代劇を書こうと
していますが筆が進まず、壁にぶつかっているようです。演出家からは矢の催促・・
酒を飲み町をふらついていると
かの偉大な悲劇作家エウリピデスさん(小林勝也さん)と出会います。
島岡さんは、エウリピデスさんに書きかけの原稿を見てもらうことにしました。
そして二人は、島岡さんの書きかけの作品の中に入って行きます。
エウリピデスさんに誘われながら、島岡さんの悲劇が作られていきます。

鵜山さんの新国立劇場芸術監督就任作品の幕が上がりましたぁ
この作品について、鵜山さんが「やっかいな作品」とコメントされていましたが
なんて、はちゃめちゃな作品なんだろう(笑)
せっかくの機会なのでこれからも・・いっぱい冒険しちゃって下さい。
これからもきゃっほらんらん♪付いていきます!

「運命 宿命 星回りぃ~♪」
もう耳に残っていますよ。冒頭のミュージカルのシーン(爆)
う~ん、確かにギリシャ悲劇にミュージカルは似合わない・・納得です。
しょっぱなから、パンチを浴びた感じですが
テンポのいい芝居運びの中で、混乱しそうになると
ぐいっと軸に戻してくれる・・・

ギリシャ悲劇といえば、血みどろの惨劇・・と、なりますが
今の時代では、どうでしょうか?
最近では、自分の子供を橋の下に落として殺したり
両親、兄妹を殺したり・・・ギリシャ悲劇さながらの大事件が毎日のように
新聞やニュースをにぎわし、事件ではなく出来事のように過ぎています。
そんな殺伐とした世の中の悲劇ってなんでしょうね。
今回は一滴も血は流れることなく、アルゴス家の殺戮を大の大人達が真剣に
「な~んちゃって」ごっこで表現する滑稽さ。
殺戮の悲劇だけでなく、現代の家族の崩壊もしかりです。
そして・・それでも神にすがろうとする哀れな私たち・・・
なんだかなぁ・・なんだかなぁ・・・笑いながらも身につまされてしまいます。
でもこうなったら、笑うっきゃないでしょうね。

途中、トロイアの戦争の悲劇の場面で、おおきな赤いカーテンが天井でゆらゆら動き
舞台中央奥から戦士がゆっくり現れるシーン
心臓がドキドキしました。
かと、思うとラストの白い家の母と娘の姿に彩を与えるお花畑の美しさ・・
その前の、佐久間良子さんが大きな釜で、シチューを混ぜ混ぜのシーンでは
彼らの祖父の仕業を思い出して、背筋がぞゎぞゎ~
こんな事も、あんな事もできちゃう・・新国立劇場の舞台装置にも驚かされたり
色んな意味で盛りだくさんで、とっても楽しい作品でした。

それにしても小林勝也さんにはリアカーと日本酒がお似合いですね(笑)

丁度、新国立劇場開場10周年ということで、ロビーには
過去の作品の写真のパネルや舞台のミニチュアや衣装をはじめ
トロフィーや表彰状が展示してありました。
そんな華やかなロビーに定番(笑)Tシャツ&ジーンズスタイルの鵜山さんを
はっけーんYeah~!(*^^)v
お客さまと談笑中だったのですが、気がついて下さって優しい笑顔を
いっぱい見せて下さいました。
もう・・かっこいい、かっこいいっす。きゃーぁ


2007年9月20日(木)~10月7日(日) IN 新国立劇場中劇場 
by berurinrin | 2007-10-02 18:25 | 観劇感想