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非戦を選ぶ演劇人の会・ピースリーディングvol.15『私(わん)の村から戦争が始まる 』

非戦を選ぶ演劇人の会 ・ピースリーディングvol.15
『私(わん)の村から戦争が始まる ~沖縄やんばる・高江の人々が守ろうとするもの~』
in 全労済ホール/スペースゼロ(7/24)

作   清水弥生、瀬戸山美咲、坂手洋二
演出  鵜山仁
演出補 永井愛
照明  賀澤礼子

『沖縄県、東村高江(ひがしそんたかえ)は、沖縄本島北部の「やんばる」と呼ばれる豊かな森に囲まれた、
約160人が住む小さな集落です。
 このやんばる地方には広大な在日アメリカ軍施設「北部訓練場」があり、
隣接する高江集落でも昼夜問わず軍用ヘリコプターが上空を飛び交っています。
 1996年、日米両政府による「SACO合意」に基づいて、
米国は北部訓練場の約半分を返還することを約束しました。
沖縄の負担は軽減されるはずでした。
 ところがある日、高江集落を囲むように、米軍のヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)を新たに6つ、
増設する工事が始められました。
北部訓練場一部返還の条件として、返還される部分にあるヘリパッドを
高江に移設するということが取り決められたためです。
話し合いを求める住民の声を無視して計画は進められていきました。
 2007年の夏、このままでは高江に人が住めなくなる!
と考えた高江の住民たちは、工事現場の入り口で、座り込みを始めました。
そして2012年夏、日米政府は沖縄に、欠陥の指摘される垂直離着陸機・オスプレイを
配備しようとしています。』
(『非戦を選ぶ演劇人の会』H.Pより参照させて頂きました)

オスプレイの大きさって知っていますか?
このスペースゼロに、一機がすっぽり収まる大きな機体を持つ軍用機。
スペースゼロの客席数が、約600席としても
普通のヘリコプターより遥かに大きなものだということがわかります。
そして二つの大きな羽の直径が約11mだそうで、機体のトラブルが起こった際は、この羽が
機体から外れる作りになっているそうで、その羽が、もし頭上に落ちてきたとしたら・・
大惨事は免れないし、その責任は、誰も取ってくれないのです。
ネットで、オスプレイを検索するにつけ、なんて代物を日本に備えようとしているのか?!
やっぱり納得はいきません。
そして、今、一つの集落を潰そうとする大きな工事が国を挙げて行われつつあります。
その集落を無くすことは、自然破壊にもつながる大きな大きな恥ずべき行為です。
それに対して6年も前から道路で座り込みをしている住人達がいます。
美しい自然やんばるの森とそこに住む珍しい動物たちと共に生きて
共存関係を築いていた東村高江の住人達でした。
彼らは特別な志があるわけではありません。
今の私たちのように普通に暮らす。
ただそれだけを求めておられます。
どうしてそれが許されないのか?わたしには納得できません。

去年に続き2度目のピースリーディングに参加してきました。
恥ずかしい話、鵜山さんが演出をされなかったら
きっと拝見する機会がなかったと思いました。
でも、観ちゃったから、知っちゃったから・・今は、NOとしかいえない。
沖縄に米軍の基地があって、平和条約があって、
何か日本に危機が起こったら守ってくれるかもしれない
3.11の大震災の時は、トモダチ作戦でいち早く救助の手を差し伸べて頂きました。
ありがとうございます。
沖縄で訓練中に民間を巻き込んだ事故が起こった際は、日本の警察が関与できず
また米軍兵による事件に対してもさもありなんで
被害に遭われた方々の心情はいかばかりか・・
遡れば戦後、沖縄の人たちの住居や開墾した畑を没収し軍事基地に作り変え
その上、沖縄人を未開の原住民だと思って新たに本国からやってきた米軍兵士たちの
蛮行は、それはそれはひどいものだったそうです。
ベトナム戦争のときは、高江の人たちをベトナム人に見立てて訓練をしていたと
恐ろしい事です。

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↑新ゴーマニズム宣言『沖縄』編で復習なぞ・・f(^_^;)
(このシリーズほとんど持っていますが、『台湾編』もなかなか凄いです。)
かなり小林さんの本は過激なので、内容はすべてだとは思っていませんが
歴史を知る上で、私にとっては大事な情報源です。
でもほんとなんか・・私たちは、沖縄の人たちに、戦中、戦後とずっとずっと
負担をかけっぱなし・・・これ以上、いや、まだ負担を強いらせようとしています。
それも他人事のように・・・いいんでしょうか?!いや、よくない!

子供の頃、遊びに行くたびに祖父母が本を用意してくれていました。
ある時渡された『ひめゆりの少女たち』という本を読んで以来
遊びに沖縄には行っちゃいけないと子供心に思いまして、
実は一度も行ったことがありません。
きっと今後も観光で行くことはないと思いますが
もし行く機会があったら、高江に行きたいです
つーか高江を目的に行きたいと思います。

と、前置きが相変わらず長くてすみません(すでに書き始めて3時間は経過してますがf(^_^;))
スペースゼロのロビーはすでに活気に満ちていて、みなさん手弁当でノーギャラ
物品販売も寄付集めもみなさんの手によるものです。
そんな物品コーナーには、恒例のTシャツや手作り缶バッチ、そして高江の染物の手ぬぐい
缶バッチと手ぬぐいを購入させて頂きました。↓これかーいいでしょう♪
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缶バッチには、飛べないと鳥ヤンバルクイナと人魚姫のモデルのジュゴン!
知っていますか?ジュゴンって沖縄にもいるんですよ★
でもヘリパットが出来ちゃうとジュゴンの棲家の湾は消滅して絶滅してしまうそうです。
またヘリパット建設のために道路が出来て、車の往来が増え、
のんびり歩くヤンバルクイナが車に轢かれて死んでしまう事故が多発してるそうです
写真が展示してありました(涙)

舞台は、まさに今、遠く沖縄、東村高江で24時間座り込みされている風景が
再現されていました。
ヘリパット建設を強行しようとする建設作業員も同じ沖縄の人たち。
彼らも好きでやってるわけじゃない苦悩する側面もみえてきます。
高江の人たちの説得に手を止める作業員。

いったいこのこの国を動かしている人たちは、何を思っているんでしょうか?
台詞にあった通りに●oogleで高江の写真を検索すると、雲のように白い影が映ります。
そこに米軍基地があるから作為的にそうしてるのが一目瞭然。
なんとかせにんといかん・・ですね。
わたしもちゃんと考えます。
高江の現状を知るには→やんばる東村、高江の現状

文学座からは、寺田路恵さん、山谷典子さん、沢田冬樹さん、采澤靖起さんが
ご参加されていました。
おばあを演じられた寺田さんの魂の叫び・・・やっぱりNOと答えます。

7/18(水)、7/19(木) in 全労済ホール/スペースゼロ
by berurinrin | 2012-08-14 21:39 | 観劇感想

朗読座プロデュース第一回公演『日本の面影』

朗読座プロデュース第一回公演『日本の面影』 in 俳優座劇場(7/12,7/20)

作  山田太一
演出 鵜山仁

日本に来日したラフカディオ・ハーン(草刈正雄さん)は、
松江で英語教師となります。
そんなハーンさんの身の回りの世話をするのはセツさん(紺野美沙子さん)
日本に魅せられ、セツさんの語る日本の昔話に魅せられ、
温かい松江の人たちと友情をはぐくみ、ハーンさんは、セツさんと結婚します。
冬の寒さが厳しい松江から、家族と共に熊本に移り住んだハーン一家。
ところが近代化の流れが押し寄せ、ハーンさんの思い描く日本の美しさは
失われつつあります。

小泉八雲さんといえば
誰もが知っている怪談話「耳なし芳一」「雪女」。
とても恐ろしいお話なのですが、一方的な怖さだけじゃなくて、
妖怪や幽霊にも私たち同様の感情があって、悲哀の上にあるお話・・
そして反対に人間のおろかしさや滑稽さが浮き出てきちゃう気がします。
でも、小泉八雲さんという人物について知っていることは以上・・終了(苦笑)
相変わらず勉強不足でf(^_^;)

朝の空気の中、ハーンさんが耳に入ってくる様々な音をセツさんに
聞きながら新鮮に嬉しそうに反応する姿を見て
なんか子供の頃を思い出しました。
幼少時代、江ノ島の神社につながる参道で
土産物を営んでいた祖父母の家によく泊まりに行ってました。
祖父の土産物屋の向かいの老舗旅館は、祖父の兄弟が経営し
江ノ島神社の総代を務めていた祖父の後ろをくっついて歩きまわっていただけに
毎回、参道の入り口から両脇に並ぶ土産物店を左右に挨拶をしながら、たどり着くという
なんせ初孫だったので、島の皆さんに可愛がってもらった記憶があります。
どのお店もほとんどが1階が店舗で、その上が住居スペース。ベランダの下は参道。
夜は泊り客の下駄の音がカランカランと響き、
夏の朝は、かき氷用の氷を運ぶリアカーと氷を切る鋸の音がシャッシャと響き
休みなく鳴く蝉の音や、夕方なぜか音楽が放送されていたっけかなぁ「エリーゼのために」♪
お店で、作っていた売っていた「夫婦饅頭」の蒸かしたばかりの甘い香り
そのあんを作る小豆と砂糖を混ぜ合わせる機械の緩やかな音・・
これが私の日本の面影なのかも・・
今の江ノ島は、小洒落た茶屋が出来て、スパや名物い○焼きなんて・・いつから?!
食堂がレストランに変わって、日用品のお店がサーフショップに変わっていたし

日本が大好きなのに、日本の食事も大好きなのにお肉の美味しさが忘れられない
それを残念がるハーンさんの人間らしさ
セツさんの記憶で語る昔話をわくわくしながら聞くハーンさんの無邪気な姿を見ていたら
こんなに無条件に日本を愛してくれたハーンさんに対して
私たちは、なんてことをしてしまったんだろう・・
そう思ったら、自然に涙が出てしまいました。
草刈さん演じられるハーンさんが、優しくて、異国で出来た家族に対して温かくて、
一つしか見開くことの出来ないまなざしが、きらきら煌めいていて
胸にぐっときました。
そんなハーンさんを傷つけてしまって、ごめんなさい
そして今、3.11の震災以来、加速した近代化に対して
より便利さを求めてしまった私たちが
大きなしっぺ返しを受けています。
まさにハーンさんの憂いていた事が現実になってしまったのでした。
日本を愛してくれたハーンさん以上に、私たちが日本を愛して
私たちの日本の面影をもう一度蘇らせらることができたら・・
「美シイ。ヨイ」と、どこからかハーンさんの声が聞こえてくるかもしれません
このタイミングでこの作品に出合えたことに感謝しています。

さて、文学座からは、堅物でかくしゃくとしてなんか愛らしい(笑)
セツさんの養祖父・稲垣万右衛門さんを演じられた
金内喜久夫さん。
人間関係もまたハーンさんにとって美しい日本の姿だったのかもしれませんね。
そんな事に思いを馳せるほど金内さんの姿は、とても素敵でした。

ハーンの父・チャールズと熊本時代の同僚・佐伯信孝さんは、石橋徹郎さん。
どちらもワンシーンではありますが、ハーンさんにとって厳しい人物でした。
佐伯さんというのは、実際の人物だったそうです。
ハーンさんに対して近代化の必要性を訴える佐伯さんの言葉は、
まるで自分に言い聞かせているような理不尽さを感じてしまいまして・・
実は、本当はもしかしたら時代が違えばハーンさんの良き理解者になっていたかも
しれない人物だったのかしら・・と思ったのでした。

松江時代、ハーン先生にお肉を食べてもらって
元気になってもらおうと画策する生徒さんら
小豆沢さんは、今年、研修科を卒業して新準座員に昇格された宮内克也さん。
研修科二年生の時に『思い出のブライトンビーチ』にご出演。
野球好きなユージーンを演じられました。
身近で屈託のないユージーン少年を演じられた時の宮内さんは
とても無邪気だったのに
ここ最近、彼の芝居の表情が同じに見えます。
研修科時代のリーディング『マクベス』を引き摺っちゃってるのかなぁ~
ユージーンと小豆沢さんは、国も教育も育ちも違えど年齢が近いはず。
あの頃の素直な笑顔をまた舞台で魅せて欲しいです。
もう一人は、研修科二年生の渡辺大海さん。
アトリエの会『 MEMORIESテネシー・ウイリアムズ[1幕劇一挙上演]』で
運送会社の社員を演じておられました。

正面のふすまを開けると、真っ黒の紗幕の先に
美しい松江の風景がまるで見えるかのようなセット。
両側の小さな町並み・・左右の渡り廊下の先を想像してしまう美しい舞台でした。
セツさんの側で息絶えるハーンさんのラストの先に、
さて、ハーンさんの気持ちをどうあなたは考えますか?と
思わず胸にぐっと刺さる言葉を投げかけて、がーんとやられた初日の私でした。
そんだけ、わたしの感情のど真ん中に入ってくる作品を作って下さる
そう・・演出は、鵜山仁さんなのでした(*^_^*)

二回目に拝見した時は、丁度、英語字幕のある日で、
外国の方がちらほらと客席でお見かけして
ちょっと不思議な感覚がありましたが、字幕も舞台の邪魔にはならなかったのですし、
何より客席から楽しまれてる感じが伝わってきました。
いいアイデアですよね。
通常の芝居にも、字幕を導入する事ができたら、日本にいる外国の人たちに
芝居を楽しんで頂けるかもしれないですよね

7/12(木)~7/25(水) in 俳優座劇場
by berurinrin | 2012-08-13 23:11 | 観劇感想

『千に砕け散る空の星』

『千に砕け散る空の星』 in シアタートラム(7/21)

作 デヴィッド・エルドリッジ/ロバート・ホルマン/サイモン・スティーヴンズ
翻訳 広田敦郎
演出 上村聡史
美術 乘峯雅寛

ブラックホールが真珠のように繋がっているコズミック・ストリングという現象が
宇宙規模で発生し、それにより宇宙は千の欠片に砕け、世界の終幕は一週間後に迫っています。
ベントン家の母・マーガレット(倉野章子さん)には5人の息子たちがいて
末期の大腸ガンに侵された長男・ウィリアム(中嶋しゅうさん)は、
実家のあるミルファームで母の介護を受けていました。
死期を前にしてウィリアムは、ロンドンから戻ってきた三男のジェイムズ(中村彰男さん)に
家族全員で最期の時を迎えたい・・そう願いを託すのでした。

もうまもなく地球が滅びてしまう。
その事実は避けられようもなく、命の終わりに向かって、こくこくと時が刻まれているとしたら
あなたは、誰と
もしくはその時をどう過ごしますか?

わたしは猫達と過ごしてるかなぁ~ぷぷぷっ
いつものようにりんりんと茶リン君の世話をして、四方には亡きベルの写真が飾っていて・・
そう・・やっぱ自分の部屋で、静かにその時を待っているかもしれない
もしかして、今みたいにパソコンの前でカチカチしたりして(苦笑)

あっ地球の滅亡と関係があるのかないのか?
五男のフィリップ(牧田哲也さん)と次男ジェイク(大滝寛さん)の孫・ロイ(碓井将大さん)の
死者と交信をしたり、出会う前から二人が繋がっている感じ?が伝わる不思議な能力・・

誰もが逃れられない数日間の運命であるなら
多分、数日前からTVやラジオでは、最後の瞬間をどう過ごすか?とかの特番が流れ、
新聞、雑誌も特集記事が出て
ちょっとお祭り気分になって、ハイな人たちがいるかと思いきや
最後だから何をしていいやって、無法な輩も出来てきたりで、ちょとしたパニックも
飲食店は、もしかしら内輪のパーティがあったりして・・
けれども最後の最期は、騒ぎも収まって、TV、ラジオも放送を終了して、お店は閉じられ
皆んなそれぞれの場所に帰って、過去を振り返ったりしてその時を待つのでしょうか?!

もし帰る場所がなかったら・・・。

母の母(祖母)は、結婚初夜に夫(祖父)の暴力によって身ごもり、
その後、祖父とは夫婦の関係はなかったそうです。
そして母は結婚し、5人の息子に恵まれます。
幼い頃から祖母の愛情を与えられずに育った母は、子供たちへの接し方を知りません。
愛はあるのに、伝えるすべを知らない・・愛情の存在さえも定かでない母。
哀しいかな息子たちも同様に、一人一人心の壁に囲まれて、成長し、おのずと家から離れていきます。
夫は大腸がんで亡くなり、長男は、今や大腸がんの末期・・母親の世話を受けての生活ですが
世話される側、する側と、互いに淡々と義務的な役割を果たしているようで、
そこにはわずかばかりの病気の遺伝という形で辛うじて血縁の絆が残っています。

ぎくしゃくしながらも少しずつ寄添って、残りわすかな時間を過ごす彼らの姿は
様々な傷を心に負いながらも、確実に静かにそこ深くつながる愛情が沁み透っていくようで
砕け散った欠片は、元には戻らなくても、そこにあればそれでいい。
そんな単純な答えをみせてくれた気がしました。

演出は『連結の子』も記憶に新しい文学座のイケメン(笑)上村氏
上村氏が、ロンドン留学中に出会った作品だったそうです。
数人の作家による共同執筆との事・・ちょっとシーンにノイズがあったり
素直じゃないけど、意外とまとまり感のあるSFというよりもリアルなお話でした。
なんかね。みんな死んじゃう最期の時に、すでにばらばらに状態だった家族が
一つにまとまってウンネンって、なったらあまりにも嘘っぽい。
水鳥の飛び立つ羽音が何かを予感させつつ
微妙な距離感を持ちながら、同じ場所に居る・・それが精一杯の彼らなりの表現で
その姿が、言葉以上に伝わってこみ上がってくるものがあるのです。
素敵なラストシーンでした

さて文学座からのご出演者は
冷ややか固い表情の内側には、瑞々しい感情が溢れた母・マーガレットを演じられたのは倉野章子さん。
ジェイムズ演じる中村彰男さんの妻・ハリエット(西尾まりさん)にハグされて
とまどいながら、おずおずと背中に手を回すしぐさ・・
ぽろぽろと硬い表情が、剥がれて内側の姿が見え隠れしていく過程の
細やかな繊細さ・・それが、ラストの表情に出ていたと思います。
そんな倉野さんは、『連結の子』では高原直哉さん(金内喜久夫さん)の家の隣に住み
何くれと世話好きなお茶目な寿子さん。寿子さんのハワイ旅行の日焼け顔(*^_^*) ・・
いまでもしっかり目に焼き付いています(笑)

母に愛された記憶のないジェイクを演じられたのは、大滝寛さん。
やはり愛情を上手く娘に伝えられず
娘もまた自分の息子との関係が構築できずに、結果、娘ニコラ(安藤サクラさん)は家を出て
孫のロイの世話をしつつも、その関係はぎこちないもの・・
子供の頃の記憶というのは、根深いものなんだなぁ~と思います。
確か、忙しい食事の時間に、買ったお惣菜・・
でも、お皿に移しただけでも、その手間を子供は愛情だと受け取ると本に書いてありました。
意外と愛情って気づかないうちに伝わるもんなんだなぁ~と思いましたが
そんな簡単な事が欠如してしまう悲しさ・・
ジェイクと孫ロイ、そして娘ニコラ、ロイと母・ニコラとの関係の互いに溝を埋める術を知らない
そこに繋がるニコラの悲劇・・たまらない結末でした。
その事実を知ったらジェイクは、どうなっちゃうんだろう?!
そんな大滝さんは『長崎ぶらぶら節2012』では、
豪快で朗らかな青年のような古賀十二郎先生を演じられておられました。

知的な雰囲気を持ちながら、屈折した感情を持ったジェイムズ。演じられたのは中村彰男さん。
妻に対して屈折した感情があって、それは普通の事を普通に行う妻の行動を理解できない・・
そうとは思わず母親の愛情を求めてしまっている事の戸惑いなのか・・
一見、知的な雰囲気を漂わせているだけに根深さを感じます。
そんな彰男さんは、『NASZA KLASA(ナシャクラサ)私たちは共に学んだ』
では、のちに司祭となるポーランド人ヘニェクを演じられていました。

そして、この客席の頭上も他人事でなく、今にも落ちてきそうな隕石の欠片に包まれた、シンプルでかつ美しくて悲壮感が漂うこの美術は
文学座の誇る天才美術家★乘峯さんの手によるものです。

拝見したこの日の休憩時間
目の前に可憐な女性の後姿が・・と、思ったらおもむろに声を掛けて下さったその女性(笑)
なんと『長崎ぶらぶら節2012』で、鵜山仁さん♪の演出助手を務められていた稲葉賀恵さん!
髪を切って、シャープでかっこいい感じ・・って事で(笑)
今回は、上村氏の演助だったそうです。
なかなか大胆で、オモシロイ稲葉っち(笑)
『長崎ぶらぶら節2012』可児公演で、帰りの無人駅の切符販売機を壊すいう
すぎちゃん並みのワイルドさに脱帽したものです(笑)
まぁ、そこんとこは置いておいて、この稲葉賀恵さん
きっと近い将来、お仕事でもワイルド振りを発揮されます。
このお名前、ぜひ記憶に留めていて下さいね。

で、上村氏と稲葉っちのご厚意で、ちょこっと皆さんにご挨拶に楽屋を訪問させて頂くと
お~走り回ってるのは、『ボーイング=ボーイング』で舞台監督をされていた神田成美さん!
今回も裏方で走り回っていたのでした。
また近いうちに神田さんのやりたいもの魅せて欲しいです!頑張れっ
元気印の神田っちも、あれ髪切った!!

さて今回の作品・・かなりの挑戦があったと思います。
伝え合えない愛情の断片と落ちてきた隕石の欠片、そして砕け散っていく世界
私たちの体も心も、住む世界もジグソーパズルで出来ているみたい
そんな余韻に浸りながら帰路に着いたのでした。

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今回のパンフとチラシです
なんとパンフにはDVDがついていました!すごい!かっこいい~!!
(実は、まだ見てないのですが・・・f(^_^;))

7/19(木)~7/30(月) in シアタートラム
by berurinrin | 2012-08-10 23:54 | 観劇感想

風琴工房code.31『記憶、或いは辺境』

風琴工房code.31
20周年記念公演第一弾『記憶、或いは辺境』in 池袋シアターKASSAI(6/29)

作/演出 詩森ろば

1910~1945年にかけて朝鮮半島は日本は植民地として支配していました。
戦時下の樺太。ここには、朝鮮人も日本人として労働に来ていました。
足が不自由の為、徴兵されず小さな理髪店を営む津田徳雄さん(伊原農さん)は
亡き両親に代わって妹二人・美都子さん(鶴留崎夏子さん)と春子さん(浅野千鶴さん)と三人暮らし。
春子さんの親友は、朝鮮人の呉一香さん(香西佳耶さん)。
ある日、この理髪店に働いているはずという李仙女さん(石村みかさん)を訪ねて
朝鮮からこの地に炭鉱場での労働にやってきた沈永哲さん(金丸慎太郎さん)が現れます。

終戦後、ソ連軍が侵略した樺太。
日本人には本国への帰国許可がおりたそうですが、
朝鮮人労働者には帰国許可が許されなかったそうです。
日本人の名前を名乗り、日本人として日本人より安い賃金で、日本人より過酷な労働を強いられ
同じようにソ連軍に追われながら、逆に日本人からはロシアのソ連軍のスパイと誤解され、殺され
最期は日本人に見捨てられる形で捨て置かれてしまった彼ら。
なんだかなぁ~って思います。

とても沢山の想いがちりばめられた作品だと思います。
でも拝見しながら戸惑いを感じる事がしばしば・・
心に残る美しい台詞が多いのですが、その言葉の為に場面が作られた気がして・・
どうも腑に落ちない・・もっともっと、あるんじゃないのかなぁ~
エピソードに対する怒りや悲しみや理不尽な悔しさ・・
そんな断片が、その場その場で零れ落ちちゃった感がゆがめないのです。
けれどもなかなか知りえない戦後の樺太で起こった出来事を
こういう形で観せて下さったことは、わたしにとってとても貴重な体験でした。

6/27(水)~7/8(日)まで in池袋シアターKASSAI
by berurinrin | 2012-07-08 22:41 | 観劇感想

オフィス300『月にぬれた手』

オフィス300『月にぬれた手』in 座・高円寺(5/19、28)

作  渡辺えり
演出 鵜山仁

戦火を逃れるため、東京から岩手県花巻市の郊外に疎開してきた
詩人であり彫刻家の高村光太郎さん(金内喜久夫さん)。
魂を込めながら亡き夫人・智恵子さんの彫刻を作成しています。
農業に接したり、地元の小学校にクリスマスのプレゼントを贈ったりと
地域の人たちとの交流を深める日々。
そんな日々の中、今日も高村さんの元には、さまざまなお客様がいらっしゃいます。

愛する智恵子さんを亡くし
戦争で作品も家も思い出の品も焼失してしまった高村光太郎さん。
そんな光太郎さんの元にやってくる人たちとの交流の中で
今は亡き智恵子さんの姿が、光太郎さんの中ではぐくまれ、
現在と過去と空想が絡み合って翻弄しつつ光太郎さんの精神世界に
私たちがすっぽり包まれていきます。
光太郎さんの包容力の力なんでしょうか?!?
なんて居心地がいいもんなんでしょうかねぇ~(*^_^*)
心の拠り所って、ひとそれぞれだし
心に抱えている問題もまたしかり・・
けれど光太郎さんの心の闇には、彼の言葉によって戦地に追い立てられるように
消えて行った若い人たち。そして見送ることを強いられた残された母たちの哀しみ
光太郎さん優しい口調ながらの
胸の中には、たくさんの人たちの哀しみがいっぱい詰まってる・・だから哀しくなくちゃいけない
諭すように語る光太郎さんの言葉一つ一つが愛おしく感じました。

カーテンコールで渡辺えりさんがおっしゃっていたように
この作品は、2010年3月に東京芸術劇場で舞台芸術学院60周年記念として
上演されていましたが
震災の影響で、初日が遅れ、約半分の公演となってしまいました。
舞台は、岩手県花巻市
そして智恵子さんは、福島生まれだったそうです。
今回は、作者である渡辺えりさんが加わっての再演。
光太郎さん扮する金内さんがタジタジしちゃう(笑)そんな感じもなくのないのですが
えりさんの怪演振りに笑いのメリハリがついてまた楽しくなりました。

そんな文学座からは、高村光太郎を演じられた金内喜久夫さん。
金内さんの独自の雰囲気が、光太郎さんの温かい言葉と相まって魅力的な人物でしたね
丁度、会場ロビーに高村光太郎さんのお写真が飾ってありましたが
金内さんとよく似ておられてびっくりしました。

子供(笑)からおばあさんまで、幅広く演じきられたのは神保共子さん。
生真面目な少年はじめちゃんになっちゃう所がすごいですよね。
光太郎さんとはじめちゃんの二人の会話のシーンが、年齢を越して
爽やかな友情を醸し出していて、とても好きでした。
劇中のコケティシュなしぐさもめっちゃ可愛い神保さんです

今回、パンフレットがすごい!購入されましたか?!
なんと主要キャストの直筆サイン付!
一部が東日本大震災の寄付に当てられるそうです。

そおいえば以前「がんばろう福島」に疲労を感じ始めたということで
「ふくしまからはじめよう」とキャッチフレーズを変えたと新聞に書いてありました。
まだまだ過去の出来事にするには早すぎますね。

ということで、田代島のにゃんこ共和国の国民ですわ(笑)
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こんな感じでいいと思うんですよ。身近なところからえいやっと
自分とリンクするところで、何かお手伝いできれば・・どんな小さなことでも
だって無理して背伸びしたら息切れしちゃうから、続ける事が大事ですね。
わたしの場合は、被災したペットたち。
もしかしたら明日のわたしと愛猫ベルそしてリンリン&茶リン君かもしれない・・
なのでネットや本屋さんに行くとついつい買っちゃうのです。(←これもちょっとした後方支援)
そして夜な夜な泣きながら一気に読みふける・・
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妹に言わせると、「そんな辛い本ばっか買ってどうするの?」う~ん
ほんとうに辛いんです。でも学ばなければいけないことは沢山あるし、まずは真実を知ることが大切です。
何かあった時に後悔しないためにも
結果、どの本にも書いてあるのは、絶対手放してはいけない。
「だめだ」と言われても「わがまま勝手だ」と言われても、手放さない勇気と覚悟を学びました。
手放した次はないのです。
とはいえ今だから言えること。今の状況を飼い主の責任にはできません。
不幸にも飼い主の手から離れてしまった彼ら
彼らは生きている。
もし自分達が、同じ境遇に置かれた場合を考えると・・
ちょっと無理しながらでも、長く続ける後方支援をしていかなくっちゃね。
改めて、わたしもコツコツします!

ってなんの話かっていうと、この作品は2作品同時上演で
もう一作品が、宮崎賢治さんを題材にした『天使猫』
まさに猫好きにとって、彼らは癒しの天使ですねっ

5/7(木)~28(月) in 座・高円寺
by berurinrin | 2012-07-07 23:11 | 観劇感想

劇団昴公演『危機一髪』

劇団昴公演『危機一髪』 in 俳優座劇場(6/10.12.16)

作  ソーントン・ワイルダー
翻訳 水谷八也
演出 鵜山仁

太陽が昇り、世界の終わりが一日伸びたとニュースが伝えます。
八月というのに氷河期を迎えた人類家。
と、人類家の女中サビーナ(米倉紀之子さん)の動きが止まります。
これらはどうやら芝居の本番中。舞台監督(宮本充さん)がその場をつなげるように
米倉さんに指示をします。

第一部
Mr.人類(金子由之さん)は、アルファベットや九九、車輪のなど
数々のものを発明し生み出しています。
異常な寒さからミスター人類が、ホメロス(佐々木誠二さん)や孔子(伊藤和晃さん)や演奏家らを
自宅に避難させたかわりに、保護していた恐竜(加藤一平さん)、マンモス(加藤来洸さん)を
外に出さざるおえなくなります。

第二部
氷河期を乗り切った人類たちの生誕60周年を祝う記念式典が、一組ずつの様々な生物が参加して
アトランティックシティで行われます。スピーチをするのはMr.人類。
そしてMss.人類夫人からは「トマトが食べられる」「蚕から布が出来る」という
大きなニュースが発表されます。
ところが天候が悪化し、大洪水が起こります
一時はビューティーコンテントの優勝者・能天気(米倉紀之子さん)が、Mr.人類を誘惑し
Mss.人類との離婚を宣言したMr.人類でしたが、言葉を撤回し、動物たちと船に乗り込み難を逃れます。

第三部
戦争が終わり、女中として人類家に雇われていた能天気が戻ってきます。
ところが、休憩時間中に食中毒で数名の俳優が出演できなくなり、代役によるリハーサルが行われます。
そののち本番へ
Mss.人類と娘グラディス(上領幸子さん)の無事を確認して、平和を噛み締めます。
そこへ息子ヘンリー(髙草量平さん)とMr.人類が鉢合わせします。
戦争は、彼らの戦いだったのでした。
ヘンリーがMr.人類の首を絞めた瞬間。演じていたことを思い出す髙草さん
そして夜。
時間ごとの賢人たちの言葉に溢れる世界。静寂が訪れます

いやぁ~オモシロイ作品ですねぇ~
人類創造の歴史が、人類一家という一つの家族の中に納まってしまうこと自体が
驚きを通り越してもうバカバカしい程に滑稽な支離滅裂状態(笑)
そのめちゃめちゃな部分が、補う形での劇中劇の様相でフォローされていて、
その出演者は実名で演じるという(笑)
このお芝居は未完の作品と劇中だそうで、主演女優に「この作品、嫌い!」と
けちょんけちょんに言われ、出演者は食中毒?!
果たして舞台はちゃんと終わるのか?なーんてね
未完の作品といのは、それはまだ人類が滅亡してないから終わらないのかしら・・と
笑いながらも、ズキンと刺さる何かを持っている
不思議なお話でありました。
でも、まったく予備知識なしに拝見しちゃったもんだから
しょっぱなから、お口ぽっかーんとなりましたが、その意図がわかってくると
オモシロイオモシロイ・・ワイルダーさんという人はすごい人物なんですねぇ~
なかなかとっかかりがつかめないと、最期まで???となりかねない作品かもしれませんが
ホントオモシロイ
ちなみにわたしの最大のツボは
第二部で、Mr.人類に離婚を宣言されたMss.人類が、カバンの中から手紙を入れた瓶を
海に投げるシーンで、みんなが、せーので「ぽっちゃ~ん」
ちょっと脱力(笑)
でもその手紙の内容が、女性なら誰でも知ってる内容というなかなか意味深なもの
う~ん深い

で、この人類家の子供たちもかなり不思議なキャラクターで
ヘンリーは、聖書の『創世記』で嫉妬で弟アベルを殺したカインで、その印が額に書かれていて
グラディスは誘惑に弱い・・そこん所は、蛇に誘惑されるイブに似ていて
第2部で、船に動物たちを乗せようと誘導するグラディスが、蛇に異常な執着を持ったりして
戯曲を読んだら、もっといろんな深みが見えてくるんじゃないかと
観る度にわくわくの発見をして、楽しい時間を時間を過ごせて頂いたのでした。
で、戯曲が読みたいと、探していたら絶版で、なんと45,000円のプレミヤがついていて
これまたびっくりしたのでした。

私にとって、数年前に拝見した『チャリング・クロス街84番地』以来の人生二度目の劇団昴でした。
舞台監督でご出演の宮本さんは、地元の演鑑の会員さんでもありまして
当日偶然にお会いした演鑑の先輩から、ご紹介して頂きました。
初めましての宮本さんは、すごく朗らかで素敵な俳優さんでした。
鵜山さんぞっこんラブのわたしに、にこにこと語って下さる宮本さんは
ずっとずっと鵜山さんの演出を熱望しておられたそうです。
お稽古期間は、ずっとお稽古していたかった程とっても楽しかったと
いくつか鵜山さんの無邪気な(笑)エピソードを教えて下さいました♪
ありがとうございます!
そんな噂話なうに通り掛かる鵜山さん(笑)えへへ♪

宮本さんもそうですが、会場案内をされてる昴の方々が、すごく元気で気持ちのいい対応をされていて
それは、幕間の雰囲気をさりげなく見渡しても感じることができまして
劇団の良さに心が癒されたのでした。
今回は三回ほど終演後にアフタートークが行われまして
これが面白かったんですよっ
機会があればUPしたいなぁ~

6/9(土)~17(日) in 俳優座劇場
by berurinrin | 2012-07-05 23:04 | 観劇感想

COREDOプロデュース『冬のサボテン』

COREDOプロデュース『冬のサボテン』 in THEATER&Co.COREDO(3/25)

作  鄭義信
演出 松本祐子

高校卒業して10年。
年一回、野球部OB達による対抗試合が行われます。
そして今回も集まった仲間たち。
カズ也さん(松角洋平さん)とフジ男さん(小野智彦さん)のカップル。
女装の花ちゃん(宮本崇弘さん)とひそかにフジ男さんを想うベーヤン(金成均さん)
そして今は亡きリュージ(声:柳橋朋典さん)
同じ事情を持ちながら、報われない彼らの愛の物語。

ありふれた恋愛の悩みと一言で括れない程に
彼らは日々悩み・・答えを見いだせないまま
思い合う互いを傷つけ自ら傷つけて・・それでも愛することをやめられない。
でもその傷口から溢れるのは、どくどくとした血ではなくて
煌めく星のしずくのように輝く美しい形のないものの気がします
ただ愛する事。
許されない行為だとはいいたくない・・・。

わたしとても好きな本です。
シビアな問題をさらっと描いていて、とてもピュアで愛に溢れた作品です。
もう何年もお会いしていませんが、某新宿二丁目にお勤めしている知り合いがいまして
ゲイのカップルの行く末について話をしたことがありました。
もちろん幸せに暮らしている方もいらっしゃいますが
悲しい事に肉体的、精神的に追い詰められてしまう方が多いそうで
衝撃的で悲劇的なお話の数々・・とてもここでは書けない(><)
自由恋愛といえども自由にならないもどかしさ
結婚という形式が、愛し合う者同士の保証の形とは思えないのですが
なにかもうひとつ。
彼らにとって生きやすい世界を見出すことにとって
同じ時間を生きる私たちにとっても生きやすい世界が生まれそうな気がする
そう思うのは私だけじゃないと思います。

文学座からは、クールで辛辣な言葉とは裏腹に、
背中が泣き出しそうに苦しみを湛えていたカズ也さんを演じていた松角洋平さん。
フジ男さんに対するぎこちなさが、苦悩するカズ也さんの内面を映していた気がしました。
シリアスな松角さんもかなり素敵でつ★

さて演出は、いつもエネルギッシュで熱い舞台を魅せて下さる松本祐子さんです。
あの華奢な体で元気印な演出家さまです♪
今回も客席案内からホスト役まで、すべてこなされておられました。
この作品は、3月に話がきたという超ハードな(笑)
でもいいキャスティングでした
個性的な役柄だけに難しかったと思いますが
本当にいいキャストでしたね
松角さんはモチロンな事、特にベーヤンを演じられた金さん。
丁度、うひゃうひゃ鵜山仁さんが演劇部門の芸術監督時代に
金さんが新国立劇場研修科生。なので足繁く発表会やリーディングに通ってましてf(^_^;)
でだんとつに上手い方だなぁ~と気になっていました。
またその姿を拝見出来て嬉しかったです

終演後は、併設されてるバーと合体した会場で「ビール呑む?おごろっか?」と祐子さん。
素敵すぎる(笑)
個々の表面は穏やかでいて、実のところ内面は、ぐらぐらする熱気を抱える主人公たちの
心の動きを細やかに魅せて下さる祐子さんの繊細な演出。
鄭義信さんの本と祐子さんの相性が良いですね~!
と、同意見の皆様には朗報が!!
祐子さん演出で、鄭義信さん作『二十世紀少年少女唱歌集』が椿組で演じられます
文学座からは亀田佳明さんが客演されます。
この作品は、研修科の発表会で2回ほど上演されてますが
アトリエ中が砂塵にまみれた伝説の舞台・・あの時、アトリエ内で水撒きをしているのを初めてみました
本当に本当にマジに熱い熱い作品です!夏にふさわしいお勧め作品です!

そしていつも細やかな照明を手掛けて魅せて下さるのは賀澤礼子さん。
祐子さんとコンビを組んで(笑)客席案内をして下さいました。
満席でジグソーパズルのようにテキパキ客席を作り上げる手腕。すばらしいパチパチ♪
で、客席に松角君の同期の松岡依都美さんのお姿も
いずちゃんは、目下ル・テトル銀座『菊次郎とさき』ご出演中、終演後駆けつけてこられたそうです。
そうだ!松角君といずちゃんが研修生時代に『二十世紀少年少女唱歌集』ご出演されてました。

この『冬のサボテン』は、2006年12月にH.H.Gで公演されています。
ちなみに当時のデーターとして
演出   高橋正徳
カズ也  石橋徹郎
ふじ男  浅野雅博
花ちゃん 櫻井章喜
ベーヤン 沢田冬樹
いまさらながら皆さん主役級のすごい豪華なメンバーですね~

5/23(水)~5/27(日) in THEATER&Co.COREDO
by berurinrin | 2012-05-26 23:38 | 観劇感想

地人会新社第一回公演『シズウェは死んだ?!』

地人会新社第一回公演『シズウェは死んだ?!』 in 赤坂RED/THEATER(5/10.14.19)

作  アソル・フガード/ジョン・カニ/ウィンストン・ヌッショナ
訳  木村光一
演出 鵜山仁

ここは南アフリカ共和国。
ポートエリザベスの黒人居住区にあるスタイルズ(嵐芳三郎さん)の経営する写真館。
ある日、ロバートと名乗る黒人男性(川野太郎さん)が、
なんでも田舎に暮らす妻に送る為に自分の写真を撮ってほしいと、
この写真館に訪ねてきました。

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by berurinrin | 2012-05-19 23:30 | 観劇感想

こまつ座第97回公演『闇に咲く花』

こまつ座第97回公演・紀伊國屋書店提携
『闇に咲く花』 in 紀伊國屋サザンシアター(4/21)

作   井上ひさし
演出 栗山民也

終戦後昭和22年の夏・・・。
愛嬌稲荷神社の神主さん・牛木公麿さん(辻萬長さん)を中心に
生きていく為に、戦争未亡人達とお面作りと闇米を得ることに精を出す日々。
そんな時、息子・健太郎さん(石母田史郎さん)の幼馴染の稲垣善治さん(浅野雅博さん)
が戦地から何とか無事に戻ってきました。
健太郎さんの戦死の報を受けて、思い出を語るうちに
ひょっこり健太郎さんが現れました。
これで穏やかな日々が戻ってくると誰もが思った時
GHQ法務局に勤める諏訪三郎さん(石田圭祐さん)が現れます。

いやぁ~すごい作品です。
3年前、初めてこの作品を拝見した時、その強烈なメッセージに打ちのめされた思い出があります。

A級戦犯、B級戦犯そしてC級戦犯・・・
前回の感想で、祖父の兄弟がフィリピンでB級戦犯として処刑されて
その後、と、ある雑誌に英文で書かれた遺書が掲載された話を書きました。
母曰く、リベラルな叔父さんだったそうです。
そんな母から貰った本は、母の母、私の祖母の弟で昭和天皇(当時、皇太子)の海外外遊随行、
通訳を務めていたという山本信次郎さんの自伝です。
「父・山本信次郎伝」(山本正)中央出版社
中学生の時に、カトリック信者となり、昭和天皇のバチカン訪問にも随行したそうです。
主に外交面で活躍したという信次郎さん。
海軍小将だったその制服姿で、片手にサーベル、帽子そして制服の胸には沢山の勲章が飾られ、
穏やかな表情の写真が載っています。
信次郎さんは、昭和17年2月28日(66歳)の時に病の為、自宅で亡くなったそうです。

そして「いわゆるA級戦犯」「天皇論」「靖国論」・・この内容がすべてだとは思いませんが
無知なわたしとしては、何度となく本箱からひっぱり出しての情報源なのでした。
信次郎さんが、終戦まで生きていたらどんな人生が待っていたのだろうか?
海軍の末路・・・どう転んでも、悲しいかな最悪なものしか浮かばない・・・

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で、なんつーんだろ、栗山さんの演出の井上作品の感想を書く時ほど、頭を抱えるというか
すごく難しいのです。
なんつーんだろx2f(^_^;)
う~ん、多分、自分の心にヒットする瞬間が、ズレるというか・・・チト違うというか
もうひとつ私の頭をガツンとやって欲しい(マ○か(笑))
わたしの感性がブレているのか?!うん。そうだ!!

と、ちょっと悪口を書いちゃったけどf(^_^;)
でも、すごい作品です。
地獄から天国へ、天国から地獄へそして絶望から平安へ
戦争によって激しい人生の振幅を味わいさせられてしまう人々の
それでも前に向かって生きて行こうとする健気さと潔さ
絶望という悲しみを背負った人たちだからこそ分かり合える何かが
きっと彼らの生に対する執着というか、明日へと突き動かしているのだと思います。
そしてどんな言葉で費やしても、この作品を脳裏に焼き付けるだけで
誰もが、二度と戦争を起こしちゃいけないと思うはずです。
だって戦争が起こす悲劇は人を選ばないんですから

文学座からは、前回が初こまつ座参戦だった浅野雅博さん。
健太郎さんの幼馴染で、野球部でそれもピッチャーの健太郎に対して
キャッチャー無二の親友・・神経科医の稲垣先生。
無邪気に過去を振り変えるには、楽しさと苦さと苦しさが入り混じったバランスのあいまいさを
時に狂気にも似た熱を発して語る姿に、エピソードの面白さに笑いつつも
同時に違和感と胸を突く痛みを感じさせます。
稲垣先生の語る野球部員の仲間たちの瑞々しい青春時代のすぐその先に潜む悲劇の結末は
尋常な人の生きた証としては、あまりにもむごすぎました。

戦争未亡人の田中藤子さんは、山本道子さん。
義両親との暮らしの中の辛さも、そのほんわかした明るさで健気に過ごす気遣いを
感じさせて下さいました。明るいムードメーカー役だからこその
他人にはなかなか見せることのない、ふとした時に垣間見える悲哀が伝わってくる気がしました。

実は三年前には、なかなか好きになれなかったんです(><)
健太郎さんを悲劇に、周り人たちを絶望に追い込む・・この人さえいなければって
憎まれ役のGHQ法務局に勤める諏訪三郎さんを演じられた石田圭祐さん。
好き好んで日本人を狩るような事をするわけじゃないですよね。
彼も理不尽の犠牲者の一人。その冷たい表情の向こうの姿を想像すると
やりきれない気持ちでいっぱいになってしまうのでした。

終演後、ロビーで偶然観に来られていた山谷典子さんと偶然再会(*^_^*)
いやんお会いしたかったぁ~で、山谷さんは、ご紹介したように
只今、韓国ツアーの目下お稽古中です♪応援してますよぉ→キャンプファイヤー
で、そのままご一緒に
浅野さんと石田さん、道子さんにお会いできました♪
魂が、ちょっと体から離れて浮遊してる状態でしたf(^_^;)いやいやお疲れ様です。
今回の舞台では、なかなかお目にかかれませんでしたが
笑顔がめっちゃ魅力的な石田さんなのです。
終わって直後でも元気な道子さん♪
これから夏まで長丁場のツアーで全国を回るそうです。
どうぞぐれぐれもお体に気をつけて下さいね

「実はね、この舞台装置は能舞台をイメージしてるんだよ」と教えて下さったのは
いつも気軽に話掛けて下さる・・こまつ座の制作のSさんでした。
と、いうのも演出をされた栗山民也さんは、能に魅せられてこの世界に入ってこられた方
そして前回上演された『雪やこんこん』の時代設定は、昭和二十年代の終わり28、9年って事は
『雪やこんこん』の演出は、鵜山仁さん♪るん・・いや♪るんじゃなくてf(^_^;)生まれた年?!
「井上さんは、俳優のアテガキだけじゃなくて、演出家にも当てて書いてるんだよ」
と、Sさんに教えて頂き、わわわっ思わず鳥肌が立ちました。
井上ひさしさん・・・・ああ本当にすごい作家いや作者。参りました。

4/19(木)~4/29(日) in 紀伊國屋サザンシアター
by berurinrin | 2012-04-27 23:04 | 観劇感想

イッツフォーリーズ公演『ミュージカルでないスペシャルな「天切り松 最終版」』

イッツフォーリーズ公演『ミュージカルでないスペシャルな「天切り松 最終版」~とん平一座 8年間の旅路』
    in アトリエフォンテーヌ(4/14)
ミュージカル『天切り松』人情闇がたり
 
原作 浅田次郎(「天切り松 闇がたり」集英社刊)
脚本 水谷龍二
演出 鵜山仁

スペシャル『天切り松 最終版』
構成・演出 井上一馬

現代のと・ある留置場。
老人・松蔵(左とん平さん)は、今日も語ります。
“闇がたり”といって、六尺四方から先には聞こえないという夜盗の声音を使って・
それは松蔵がまだ子供だった頃の大正時代。
義賊と呼ばれた目細の安吉親分に引き取られた
幼い松蔵さん(金村瞳さん)の目から見たいくつかのエピソード・・
それは、今や死語になりつつある義理と人情の溢れた世界です。

本編は、4つのエピソードからなる物語を休憩入れて3時間程の作品ですが
スペシャルということで、その中の3つのお話が展開されました。
清水の次郎長親分の手下・小政(井上文彦さん)の
古き良き時代の渡世人の流儀に生きたお話「残俠」。
湯屋に行くお金を無くした男の子イサオ(西垣陽子さん)と知り合った
説教強盗の寅弥さん(井上一馬さん)が、陸軍大臣の家に強盗に入る「初湯千両」。
そして左とん平さんを中心としたリーディング形式で展開された
網走刑務所に囚われた親分に会いに行く「銀次蔭杯」。
ミュージカル『天切り松』の総集編のような構成で、初見の人にも親しみやすい作りになっています。

初演は2004年ここアトリエフォンティーヌで幕を開けた『天切り松』
とうとうこの日の昼夜の公演。回数でいうと200そして201回をもってラストステージになったそうです。
思えば、初演を見逃しましたが、再演から拝見し続け
紀伊國屋サザンシアター、アトリエフォンテーヌ、亀有リリオホールと首都圏以外に
極寒の旭川、台風に見舞われた直後の四日市と追っかけさせて頂きました。
ホント楽しかったなぁ~

この作品の、独自のとん平さんのスタイルで、私のミュージカルの概念を変えてくれた気がします。
なんで、この作品が好きなんだろう私・・・
なんか温かいんですよね~一つ一つのエピソードが、沁みてくるんですよ。
でもって、気持ちが良い場面がいっぱい詰まってるんですよ。
音楽も歌詞も、直球(笑)なので、すんなり五感に入ってくるし
とん平さんの世界の中に、ふわっと包まれて、こぼれるように出てくるさまざまな昔語り
小政さんの仁義を切るシーンや寅弥さんの説教やら・・。
喜怒哀楽がちりばめられた大好きな作品でした。マジなんか寂しい・・・

カーテンコールでは、とん平さんの独自のユニークなMCでご出演者全員を紹介されて
夜の部では、脚本家の水谷龍二さんと鵜山さんが登場されました。
そーいえばチラシの出演者にしっかり鵜山さんの名前がありましたっけ(笑)
舞台に登場された鵜山さんは、最後「はっか飴」という曲を皆さんと歌われました。
マイクがなくても、しっかり鵜山さんの声は、しっかり私の耳に届きました(*^_^*) 超満足♪
歌う鵜山さんもめっちゃ素敵なのでした

終演後、客席にいらした中川雅子さんに声を掛けて頂きました。
中川さんから今は亡き愛猫ベルの事、気にかけて下さって本当に嬉しかったです。
家に帰って、ちゃんとベルに伝えました。ありがとうございます♪
そんな中川さんは、ご一緒にいらしていたパーカッショニスト横田大司さんと金沢映子さんと
「おはなしDecoBee(デコビー)」というユニットを組まれて活動もされています。
来月公演も行うそうです♪
なかなか拝見する機会がないのですが、とても気になるユニットです
きっと楽しいんだろうなぁ~(*^_^*)

で、もって鵜山さん(笑)
色々大変な日々をお過ごしだったと思いますが、そのさっぱりしたお顔を拝見して
もうこっちまですっきり(笑)大丈夫、大丈夫です♪

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4/14(土) in アトリエフォンテーヌ
by berurinrin | 2012-04-15 19:09 | 観劇感想