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こまつ座第101回公演『イーハトーボの劇列車』

こまつ座第101回公演『イーハトーボの劇列車』 
                                                      in 紀伊國屋サザンシアター(10/6、10、14、23)
                   in 岩手県民大ホール(11/28)
作  井上ひさし
演出 鵜山仁
美術 島次郎
照明 沢田祐二

今や死出への長い旅路に赴く農民たちが、見守る中
宮沢賢治さん(井上芳雄さん)は上野に向かう電車に母・イチさん(木野花さん)と乗車しています。
妹・とし子さん(大和田美帆さん)が急病で倒れ見舞うためでした。

舞台はアンドロメダ星雲のイメージ…だそうで勾配のある楕円の回り舞台になっていました。
過去何度が再演をされた井上作品として名作とうたわれいる作品です。
というか井上さんの作品はすべて名作なのに、あえて名作といわれるって
どんだけすごい作品なんだろう?!と思いながら初日の客席に座ったわけですが
…すごかった…すべてが…
客席から動けないというのは、こういうことを言うのかと
あえてセリフにないのに、たくさんもの生に対する執着のメッセージ。
柔らかな感情の中に心をぎゅっとつかんでくる思いの深さ

出てくる登場人物は、みんなぶきっちょで、ちょっとした足の踏み間違え、横道をふらっと
ほんとささやかな迷い
そんなこんなで思い描く未来とは、まったく違う不幸を背負ってしまって…
そんな矛盾だらけの人生ばかりシャボンの泡の様に浮かんでしまいますが
なんと温かい眼差しに満ちた作品なのでしょうか。
井上ひさしさんの宮沢賢治さんに対する愛情が伝わってきて
優しい気持ちと現実の厳しさ…これまた矛盾…
こんなに心が引っ張られる作品の強さ本当にすごいことだと思いました。

何度も上演されているそうですが、わたしは全くの初見で
井上麻矢さんや制作のSさんから
色々教えて頂きました。
本当に井上さんは宮沢賢治さんが大好きで
また『父と暮せば』の英訳で有名なロジャー・バルバースさんも大の宮沢賢治さんファン。
宮沢さんのお話で盛り上がるお二人だったそうです。
今回が鵜山さんの初演出。その前は木村光一さんが演出されていたそうです。
セットも前回は、場面事にしっかり作られていたそうで、
今回の幻想的な作りにはなっていなかったそうです。
前作では、ラスト車掌さんが、思い残し切符を一人一人客席に配るように渡していたそうで
今回は、絶対受け取れ!と激しく投げつけるように切符を配る車掌さん(みのすけさん)の演出だと
その違いを教えて頂き、鳥肌が立ちました。
「それがきっと鵜山さんの思いなんでしょうね」って麻矢さんの言葉に泣きそうになりました。
初日乾杯では「「思い残し切符」は一枚の客席に落ちていませんでした」とご報告があり
みなさんが、彼らの思いを受け取って帰られたということですね。

さて文学座からは、人買いでサーカス団の団長さん神野仁吉さんと小説家の前田六介さんを
演じられた田村勝彦さん。
短い出番ですが、田村さんが出られると空気がぎゅっとぎゅっと変わりますね。
普段は穏やかで柔らかい声をお持ちの田村さんが、怒った姿がまじ怖い(><)
初日に「(そのすごさに)やられました」と伝えしたら
「本当に面白かった?不安でさぁ」と笑顔で答えて下さった田村さん。
「緊張したよ」って、ベテランの田村さんでも緊張されたそうです。

こまつ座初出演で、がんばっちゃったのは、三菱の社員で宮沢賢治さんとライバル的(?!)な存在
ミュージカル界のスターを前に歌って踊っちゃって、やっちまいました状態の石橋徹郎さん♪
「髪の毛にこんなに油つけられちゃってさぁ~それも前半と後半で分け目違うし」と
「髪大事じゃん」いやいやねぇ~みたいな(笑)
でも、おおらかな石橋さんと第一郎さんのキャラが重なっていい味でてましたよねっ!うん
素直でおおらかで、とっても愛らしい第一郎さんでしたが
ラストでは、車掌さんに会っても「思い残し切符」を渡されることがなかったという
あ~この人も死んでしまうんだぁ~と切ない気持ちになったのでした。

そしてこまつ座初出演で舞台デビューだったのが、人買いに買われた娘と小説家の前田六介さんを
尋ねにきた雑誌編集者を演じられた鹿野真央さん。
ほっぺを赤くした幼い女の子が、場面毎に女性として変化していくさまが、表現されていましたね。
当初、着物をはだけて隠していたお餅を出すシーンで、賢治さんたちが現れて
恥じらいながらさっと着物を直していましたが、後半になると、恥じらうことなくゆっくりと襟を直している
演出に代わり、その間の女性としての生き様が見えた気がしました。

それにしても主演の宮沢賢治さんを演じられた井上さん。
その前に東宝ミュージカル『二都物語』が初めましての井上さんなのでしたが
あんな大きな帝劇で主役を張れるかと思うと、サザンの会場でも自然なたたずまいをみせる事ができるという
すごいなぁ~と、改めて、この人はこういう声を持った人なんだ、こういう表情を
されるんだと…井上さんの作品に主役を演じられる若い層の俳優がここにもいらっしゃると
思うと、とても頼もしく楽しみですね。

ラスト死出の旅立ちの列車に乗り込むさまざまな時代を生きた農夫の人々
思い残し切符を手渡し空を見上げて盆が回る姿は、メリーゴーランドのように美しく
その顔はすがすがしい表情をされています。
死後の世界のことはわからないけれど、あの表情から
そんなに悪い世界じゃないかもしれない、でもそれはもっと先のことだと
私たちはすべきことを済ませてから…
目には見えない「思い残し切符」を握りしめて思うのです。

10/6(日)~11/17(日) in 紀伊國屋サザンシアター
11/23(土)、24(日) in 兵庫県立芸術文化センター
11/28(木)in 岩手県民会館
11/30(土)、12/1(日)in 川西町フレンドリープラザ






by berurinrin | 2014-01-06 01:37 | 観劇感想

加藤健一事務所VOL.87『Be My Baby いとしのベイビー』

加藤健一事務所VOL.87『Be My Baby いとしのベイビー』
                                                                      in 下北沢本多劇場(11/27,12/8)
作 ケン・ラドウィッグ
訳 小田島恒志 小田島則子
演出 鵜山仁
美術 乘峯雅寛

1963年。叔母のモード(阿知波悟美さん)を伴ってグロリア(高畑こと美さん)は、
婚約者のクリスティ(加藤義宗さん)の待つスコットランドに向かいます。
そこで待っていたのは300年も続く貴族の家柄のクリスティ家の執事・ジョン・キャンベル(加藤健一さん)。
モードとジョンは、顔を合わすたびに喧嘩ばかり…
それから…クリスティとグロリアの赤ちゃんに不幸な事件が起こり
同じころ、サンフランシスコに住むグロリアのいとこが離婚することになり、産まれたばかりの赤ちゃんを
里子に出すといわれ、その赤ちゃんを里親として引き取るため
クリスティはジョンに、グロリアはモードに、サンフランシスコに行くように働きかけます。

今年最後の鵜山仁さんの10本目の作品でした。
美術は、乘峯さん(*^-^*)可愛らしい遊び心満載のイラストに飾られて
ポップアップ絵本のように前後左右、いろんなところから次から次へと場面が転換していきます。
動きも立体的、なかなかありそうで見掛けないユニークなセットの作りではないでしょか
なんと30シーン以上も場面があるそうですよぉ~すごいですね。
中でも感動的なのは初めて飛行機体験するシーン
モードの恐怖感が、手に取るように伝わってくるだけに、申し訳ない位に可笑しくて
それが飛行機の座席のセットだけで表現されていて、その座席があらまぁ~と
ジェットコースターのようにぴゅーんと舞台をくるくる回って、
スピード溢れる動きに一緒に体験してる気分になっちゃう(^^)/
そして機上の人になった時のゆったりした心地よい雰囲気がふぁっと
これは絶対、名(迷)場面(笑)!

喧嘩ばかりしていたジョンとモードに赤ちゃんが託されてから
ピリピリしていた二人の空気感が一転して、ほんわかなパステル調に変化していきます。
ささやかな赤ちゃんのしぐさに微笑み合う二人の姿…素敵でしたね
赤ちゃんを通じてお互いが、かけがえのない存在になっていく変化が
とても丁寧に温かいまなざしで描かれていました。
それぞれ歳を重ねて、巡り合ったパートナー…いいなぁ~
その二人のスパイス的な役割がクリスティとグロリアの若い夫婦の姿。
田舎暮らしに馴染めないグロリアとクリスティの愛し合っていながらも
心が離れていくジレンマに苦しみながら解決策を見出そうとする二人。
二組のカップルがそれぞれ選んだ道は、最高の選択でしたね。

さて文学座からは粟野史浩さんがご出演。
加藤忍さんと共に場面毎に役柄を変えて登場
なんと9役!
ぶっきらぼうだけど♡の農夫、太っちょの飛行機の乗客、
「かしこましましたぁ~」笑顔満載のホテルマン、ブラウン管のTV司会者
痔を悪化させちゃった判事、レストランの支配人、ひゃっくりの医者、酔っぱらいの神父、
あれあと一役なんだっけ…う~ん(>_<)
(あと一役は、機長の声だったそうです♪これで9役、ああすっきり(^^♪ありがとうございます)
声音を変えて、頭の先からつま先まで大変身の数々~絶対何かやってるし(笑)
舞台に花を添えておられました♪

で、で次回の加藤健一事務所の作品は『あとにさきだつうたかたの』!
そう山谷典子さんの作品が上演されるのです。
すごいですね★よかったよかった
今回の上演にあたり新たに戯曲を手直しされたそうです。
本多劇場という大きな会場で、作家・山谷さんの作品を拝見できるなんて(^_-)-☆
素敵なことですね



11/27(水)~12/8(日) in 下北沢本多劇場
by berurinrin | 2014-01-04 22:44 | 観劇感想

2012&2013観劇リスト

2012年

<1月>
浜松演劇鑑賞会・文学座『長崎ぶらぶら節』@浜松アクトシティ大ホール
文学座付属研修科発表会『OUR COUNTRYS GOOD -我らが祖国のために』@文学座アトリエ
文学座リーディング『輝く街ーシャイニングシティー』@穂高交流学習センターみらい交流ホール
SAKASUZAKASU『hondana』@新宿スペース雑遊
<2月>
巣林舎『品川出世恋の景清』@北品川楽座
文学座本公演『三人姉妹』@紀伊國屋ホールX4
こまつ座『雪やこんこん』@紀伊國屋サザンシアター
桐朋学園芸術短期大学芸術科・ステージクリエイト専攻7期卒業制作『幻影図書館』@調布市せんがわ劇場
文学座付属研究所卒業公演『Scenes from the Big Picture』@文学座アトリエ

<3月>
文学座『長崎ぶらぶら節』@可児創造センター
『キャサリン・ヘップバーン五時にお茶を』@博品館劇場X2

<4月>
イッツフォンテーヌ『天切り松』@アトリエ・フォンテーヌX2
こまつ座『闇に咲く花』@紀伊國屋サザンシアター
文学座発表会・第2回リーディング/こんな作家はどうですか?『落下する鳥』@文学座新モリヤビル2階

<5月>
文学座有志の会nori-mading『櫻の木の上 櫻の木の下』公開稽古@文学座新モリヤビル1階
豊橋演劇鑑賞会・文学座『長崎ぶらぶら節』@豊川市文化会館
地人会新社『シズウェは死んだ?!』@赤坂REDシアターX3
オフィス3○○『月にぬれた手』座・高円寺X2

文学座アトリエの会『NASZA KLASA』@文学座アトリエX2
COREDOプロデュース『冬のサボテン』@COREDO
演劇集団キャラメルボックス『無伴奏ソナタ』@東京グローブ座

<6月>
劇団昴『危機一髪?!』@俳優座劇場X3
文学座『長崎ぶらぶら節』@長岡リリックホール

風琴工房『記憶、或いは辺境』@シアターKSSAI
文学座有志の会による自主企画『ボーイング=ボーイング』@新モリヤビル
文学座有志に会による自主企画リーデング『輝く街ーシャイニングシティー』@新モリヤビル

<7月>
朗読座『日本の面影』@俳優座劇場X2
横浜演劇鑑賞協会『骨唄』@神奈川県立青少年センター
非戦を選ぶ演劇人の会『私の村から戦争が始まる~沖縄やんばる・高江の人々が守ろうとするもの~』@新宿スペースゼロ
Pカンパニー『月の岬』@池袋グリーンシアター
椿組『二十世紀少年少女唱歌集』@花園神社
ぶんがくざこどもフェスティバル『泣いた赤おに』@新モリヤビル

<8月>
こまつ座『芭蕉通夜舟』@紀伊國屋サザンシアター
グループN『或るクリスマスの出来事』@伝承ホール

劇団銅鑼『遺骨』@アトリエ銅鑼
日本劇作家協会『SHINSAI Theaters for Japan』@座・高円寺
文学座『花咲くチェリー』ゲネ@パンテオン多摩
劇団1980『ボクセン』@シアターX
劇団青年座『ブンナよ木からおりてこい』@新国立劇場
unks『世界の果て』@渋谷ルデコ
H.H.G『リビング・ウィル-尊厳死の宣言書-』@サイスタジオ

<9月>
横浜演劇鑑賞協会『百物語』@神奈川県立青少年センター
西瓜糖『いんげん』@スペース雑遊
ZOOLI LA PONTONCO vol.8『gift』@日暮里
文学座本公演『エゲリア』@吉祥寺シアターX2
こまつ座『芭蕉通夜舟』@川西町フレンドリープラザ
文学座付属研究所研修科発表会『30人のジュリエット』@<1月>
浜松演劇鑑賞会・文学座『長崎ぶらぶら節』@浜松アクトシティ大ホール
文学座付属研修科発表会『OUR COUNTRYS GOOD -我らが祖国のために』@文学座アトリエ
文学座リーディング『輝く街ーシャイニングシティー』@穂高交流学習センターみらい交流ホール
SAKASUZAKASU『hondana』@新宿スペース雑遊

<10月>
新国立劇場『リチャード三世』@新国立劇場中劇場X4
Sekraft(ゼークラフト)公演『13700000000』@渋谷ルデコ

<11月>
新国立劇場『るつぼ』@新国立劇場小劇場
文学座本公演『タネも仕掛けも』@紀伊國屋サザンシアター
文学座付属研究所研修科発表会『セュアンの善人』@文学座アトリエ
加藤健一事務所『バカのカベ』@本多劇場X2
大塚庸介プロデュース:音楽劇『心のメモリーたりてますか?!』
舞台芸術学院発表『紙屋町さくらホテル』@舞台芸術学院

<12月>
文学座アトリエ12月の会『海の眼鏡』@文学座アトリエX2
文学座『くにこ』ゲネ@前進座劇場
文学座『くにこ』@京都芸術劇場

劇団銅鑼『ボクの穴、彼の穴』@劇団銅鑼アトリエ

2013年

<1月>
文化庁・公益社団法人日本劇団協議会『ウェルズロード12番地』@青年座劇場

<2月>
モジョミキボー製作委員会『モジョミキボー』@下北沢OFF.OFFシアターX4
遊戯空間・シアターX提携『詩x劇 未来からのことばーもし成就するならばー』@シアターX
『テイキングサイド』@銀河劇場
モジョミキボー製作委員会『モジョミキボー』@インディペンデントシアター1STX2
文学座本公演『セールスマンの死』@あうるすぽっと
東京二期会『こうもり』@東京文化会館

<3月>
札幌えんかん『モジョミキボー』@かでるホール
加藤健一事務所『八月のラブソング』@本多劇場X2
『マウストラップ』@ブルーシアター
Ring-Bong『あとにさきだつうたかたの』@サイスタジオ
久保田万太郎の会『わかれ道』『通り雨』@文学座第2稽古場

<4月>
地人会新社『根っこ』赤坂REDシアターX3
文学座アトリエの会『十字軍』X3
演劇ユニットハイブレット『トモダチ』@阿佐ヶ谷TABASA

<5月>
こまつ座『うかうか三十、ちょろちょろ四十』紀伊国屋サザンシアターX2
夢の劇団雨蛙『考えろ、ジャコミーノ』@アトリエ第七秘密基地
劇団銅鑼『不思議な記憶』@アトリエ銅鑼
高野二郎リサイタル2013『この春の夜に』@東京文化会館小ホール
文学座付属研究所研修科発表会『カスケード』@文学座アトリエX2

<6月>
文学座文芸研究委員会『リーディング/こんな作家はどうですか?』@文学座モリヤビル1F
文学座有志の会『おとなとこどものためのおはなしの会』@文学座モリヤビル1F
非戦を選ぶ演劇人の会『いま、憲法の話』@スペースゼロ
こまつ座『うかうか三十、ちょろちょろ四十』@川西町フレンドリープラザ

文学座本公演『ガリレオの生涯』@あうるすぽっとX2
おはなしの会2013『おとなとこどものおはなしの会』@文学座新モリヤビル1F
The JADE『アーリーサマー・コンサート2013』@なかのZERO大ホール
二期会21『これがオペラだ-カルメン-』@めぐろパーシモン小ホール
西瓜糖『鉄瓶』@下北沢駅前劇場

<7月>
なつやすみこどもフェスティバル『三匹のこぶた』@文学座新モリヤビル1F
やまぎみわ演劇公演『ゼロ・アワーー東京ローズ最後のテープ』@KAAT神奈川芸術劇場大ホール
H.H.G『鴉たちの行方』@サイスタジオコモネAスタジオ
東宝ミュージカル『二都物語』@帝国劇場X4

<8月>
文学座有志による自主企画公演『この道はいつか来た道』@文学座新モリヤビル1F
Sekraft(ゼークラフト)公演『Glitch』@文学座新モリヤビル1F
久保田万太郎の世界『不幸』『一周忌』@浅草見番
文学座付属研究所研修科発表会『アルジャーノンに花束を』@文学座アトリエ

<9月>
文学座9月アトリエの会『熱帯のアンナ』@文学座アトリエ
『ジャンヌ-ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌの真実-』@世田谷パブリックシアター@2
劇団東京フェスティバル『泡』@恵比寿エコー劇場
『駈込み訴え』@文学座モリヤビル2F

<10月>
『ジャンヌ-ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌの真実-』@穂の国とよはし芸術劇場
『ジャンヌ-ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌの真実-』@札幌市教育文化会館大ホール
こまつ座『イーハトーボの劇列車』@紀伊國屋サザンシアターX4

『エドワード二世』@新国立劇場小劇場
Sla Collectionシリーズ『秋の螢』@吉祥寺シアター
しんゆりシアター『十二夜』@川崎アートセンターアルテリオ小劇場
文学座10.11月アトリエの会『未来を忘れる』@文学座アトリエ
劇団昴『本当のことを言ってください。』@赤坂RED/THEATER
文学座『くにこ』ゲネ@八王子いちょうホール

<11月>
文学座本公演『くにこ』@可児市文化創造センター
東京二期会オペラ『リア』@日生劇場
イッツフォーリーズ『見上げてごらん夜の星を-ミュージカルこそわが人生-』@かめありリリオホール
文学座付属研究所研修科発表会『血は立ったまま眠っている』@文学座アトリエ
俳優座プロデュース『もし、終電に乗り遅れたら…』@俳優座劇場
『ピグマリオン』@新国立劇場中劇場
加藤健一事務所『Be My Baby-いとしのベイビー-』@本多劇場x2
こまつ座『イーハトーボの劇列車』@岩手県民会館大ホール

山本有三記念館 秋の朗読会『真実一路』@山本有三記念館

<12月>
文学座本公演『大空の虹を見ると私の心は躍る』@紀伊國屋サザンシアターx2
文学座本公演『殿様と私』@調布グリーンホール
紛争地域から生まれた演劇シリーズ5『3in1(パレスチナ)』@東京芸術劇場アトリエウエスト
紛争地域から生まれた演劇シリーズ5『修復不能(アフガニスタン)』@東京芸術劇場アトリエウエスト
紛争地域から生まれた演劇シリーズ5『包囲された屍体(アルジェリア)』@東京芸術劇場アトリエウエスト

いやぁ~あろうことか半年もおざなりにしておりました??
2012&2013年まとめてのリストになっちゃった
ちなみに色付きは鵜山仁さんの作品です

色々あったのです…ブログのありかたさえも考えておりました。PCの調子も悪かったんですけど
続けていく自信も失いかけておりました…
このブログを始めたころは。まだネットでの文学座関係の情報が少なかったのですが
いまや本当にすごい情報量(*^^*)素晴らしいことだと思います。
その分というかtwitterやFBの方で、ごく限られた範囲の中で
細々と日々の出来事や観劇感想をupしておりました。
PCの環境も整ったことだし、ブログについて愛情溢れる叱咤や激励や
思いの外声を掛けて下さって(ほとんど内輪というかそれが逆に嬉しかったり)
来年はまた頑張れるかな?!

そんなこんなで相変わらず鵜山さんラブが最優先ですが
今年一年ありがとうございます。
諸関係者の皆様、本当に本当にいつもあたたかく見守って下さってありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます
大変お世話になりありがとうございました!
そして鵜山さん!
いつもいつもミーハーな私を呆れもせずに優しく受け止めて下さって
ありがとうございます。いっぱい感謝しています。
そして今年も鵜山さんを通じてたくさんの出会いの場がありました。
幸せな時間を共有できました
ありがとうございました

来年もどうぞよろしくお願いいたします!

皆様、ぜひ最高のお年をお迎えください!
by berurinrin | 2013-12-31 23:27 | 観劇感想

非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディングvol.16『いま憲法のはなしー戦争を放棄する意志―』

非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディングvol.16
『いま憲法のはなしー戦争を放棄する意志―』
                         in 全労済ホール/スペース・ゼロ(6/11)

台本構成 石原燃
演出   鵜山仁
演出助手 永井愛

65年の歳月を経た日本国憲法(高橋長英さん)は、少しお疲れ気味のようです。
そんな日本国憲法に対して、世界の憲法からみたらまだまだ若手と励ましの言葉を掛けるのは
あたらしい憲法のはなし(七味まゆ味さん)。彼女は日本憲法の教科書として
5年間という短い期間ではありましたが、子供たちの学びのテキストとして発行されていました。
そんな二人の前に現れたのは、安部晋三内閣総理大臣(益岡徹さん)。
現政権が選挙公約にしている憲法改正について
果たして、憲法改正することで、私たちの生活がどう変化していくことになるのでしょうか?

あの・・
このリーディングを観る前、(相変わらず・・)小林よしのりさんの『脱原発論』『国防論』『反TPP論』を
立て続けに読了。
特に『国防論』での日本の自衛隊の姿勢とその働きが詳しく描かれていまして
自分を顧みることなく、ストイックなまでに国民の為に自ら進んで活躍する姿に目を見張るものがありました。
それは本を読む前に、すでに情報として見聞きはしていたものの、そんな彼らが
日本を脅かす近隣の大国に対し、追い払う事の出来ない障害が憲法9条であるなら
憲法を改正して、自分たちの国は、自分で守るって。
日米安保も不要で、そしたら沖縄から米軍基地の必要性が無くなるんじゃないかと
思っていたのですが・・

甘い!甘いx2!!しょぼーん自分(><)

そもそも、憲法は権力から国民を守るために作られた法律だそうです。
だからいくら権力があっても、憲法がNOといえば、絶対NOなのです。
民主主義国家にとって多数の意見が、そちらの方向に答えを出しても
憲法に違反することであれば、ダメなのです。えーって言ってもダメ。
ダメなものはダメなのです(笑)
それは一種の楔かもしれません。

その憲法を今や権力の意思決定に委ねさせようと、憲法の上に権力を置こうとする
為に、憲法を変えようとしている人たちがいます。
そこんところは、メディアでは、いいことばっかしか言ってないから
本当にびっくりする話だらけ、そら恐ろしい現実が近い将来起こりえることばかり…
特に、憲法9条を巧みにすり抜けさせようとする「国家安全保障基本法案」
これは自●党のH.Pに政権公約としてUPされています。
過去、ベトナム戦争に憲法9条にある「国の交戦権は、これを認めない」
日本は参戦しませんでした。
けれど改正案では、国民の義務として「国防の義務」を課せられ
自衛隊は「間接の侵害その他の脅威に対して」イラク戦争など他国の紛争に武器を持って
「国際慣例に則り」交戦権を認める
「厳格な文民統制の下に」国民に向かってデモの廃止を…今のトルコの映像が浮かびます。
自衛権=交戦権になっちゃうのかぁ・・ヤバい
そして「武器の輸出」もOKって…そんな
日本が地雷を作っていた話は、そんな過去の話じゃない。
「強い日本」と掲げた自●党は、そのまんま力を強くしたいんですかねぇ~
もっと精神の問題かと思っていました。
てか、国民を巻き込んで時代を逆走しようとしてませんか?!

第2部では、弁護士の川口創さんと根岸季衣さんとのトークが行われました。
川口さんは、自衛隊イラク派兵差止訴訟を起こし、国を相手に戦って勝訴した弁護士さん。
さばさばと語る力強い声に対し、逆に知らなかった事への怖さを知りました。
~う~ん、近隣の国の諍いに武器を持って加わって、
実際は関係のない国の人を自衛隊が殺したり、殺されるなんて…やっぱダメだ。
「日本は戦争をしない」それがブランドになっているとおっしゃっていました。
特に内乱の激しい中東地区…ヨルダンでも国連よりも日本を中立な国と認めてくれているそうです。
そんな海外での評価を捨て去る憲法改正。
焦点は、「(憲法で権力を縛る)立権を守るか壊すだ」そうです。
どうあっても、権力の下に法律を置いてはいけないと思いました。
最後に私たちを守ってくれるのは権力ではなくて法律だと思いました。

演出は、鵜山さん♪今回で3回目のピースリーディングです。
客席から、俳優がこちらそちらから登場されると、一緒に参加してる気がしてきます。
憲法の問題は、舞台の上の物じゃなくて、私たち全員の問題なんですよね
こういう作品に携わって頂くとファンとして誇らしいです
他に文学座からチリの女性を演じられた山谷典子さんと
総理に喰ってかかる民主党・小西さん演じられた田中宏樹さん。
田中さんは12日には、弁護士の川口さんを演じられます。
実物みちゃったし、ちょっとどうしようなんてプレッシャーかかった田中さん(笑)
いやぁ、ぜったいイケたでしょうね♪

リーディングのラスト。出演者の方々が、日本国憲法の序文を読まれました。
胸が震えました。
黙読より言葉に出して読んでみると、この文章の言葉の力を感じます。
わたしは、憲法改正に反対です。

6/11(火)、6/12(水) in 全労済ホール/スペース・ゼロ
by berurinrin | 2013-06-12 21:43 | 観劇感想

劇団銅鑼公演No.44『不思議の記憶』

劇団銅鑼公演No.44『不思議の記憶』in 銅鑼アトリエ(5/2)

作・演出・美術 大谷賢治郎

フシギ(井上太さん)の導かれるままにトキ(谷田川さほさん)と出会う少女カゼ(土井真波さん)。
トキの持っていた小箱を開けると、そこは子供たちの世界…
カゼは、ソラ(庄崎真知子さん)、ホシ(三田直門さん)、
ツキ(竹内奈緒子さん)と共に出発します。

もともと台本がなく、イメージとアイデアを持ち寄ってワークショップ形式から立ち上げたとの事。
4人の子供たちの様々な冒険譚が、シーンごとにふあふあと浮かび上がるように作られていました。
ストーリーがあるような無いような・・幻想的で夢のような不思議な体験でした。
殆どパントマイムで役者の体を極限まで使って、そこから形、音、時に香りや味まで伝わってきそうな程
繊細な表現に魅入ってしまいました。

いくつも印象的なシーンがあって、椅子を使って自転車を漕ぐシーン。
一生懸命漕いだ後、ふあ~と片足をあげて風を感じるかのように気持ちよさそうな
4人の子供たちの後姿の美しさ
種から芽が出て、花が咲いて香しい匂いを楽しんで、おもわず出てしまう笑顔。
蔓が伸びて、ジャックと豆の木のように木に登って、木の実を頬張る無邪気さ・・
ふと顔に張り付く虫に驚いたり、自然と共に成長する彼ら
ところが一転、何もわからない状態で全てを失う絶望感・・そこにあるものに触れらない理不尽さ。
3.11の震災後の状態を連想させる光景・・
ちょっと映画『スタンドバイミー』な要素もあったり…
目の前の光景を見ながら、ふと自分の幼い頃の光景とリンクしちゃったり(*^_^*)
自然で心の中の懐かしいものを思い出させて頂きました。

今回は、子供にもってな事で、5歳時の姪っ子を連れての観劇でした。
かぶりつきの最前列の席で拝見させて頂きました。
いやぁ~どうなることかと思ったのですが、当人はかなり面白かったらしく
コミカルなシーンではケラケラ笑い。時計が映し出されると「時計だ!」とf(^_^;)
パントマイムもちゃんと伝ったようで「(あの子、虫を)食べちゃった!!」
俳優たちが見立てをして客席後方を眺めると、一緒になって客席の後ろをみて首を傾げたり
彼らの動きをそのまま目線であっちやこっちや馳せてる姿が微笑ましく感じました。

終演後は、三田直門さんにパントマイムの花と鳥と虫を教えてもらった5歳児。
すっかり仲良しになっちゃって、大きくなったらプリ●ュアになって
保育園の先生になって、ダイヤモンド屋さんになって銅鑼に入って直ちゃんと共演すると(笑)
で、制作のHさんとも20年後に呑みに行く約束なんかしちゃって
拝見させて頂いた回が、子供は5歳児だけだったようで
演出の大谷さんから感想を聞かれた5歳児「面白かったです」と答えてました。
後から5歳児に聞いたところ、本当に面白くてずっとニコニコしながら見ていたそうです。
そして、今回も偶然にも劇団昴の永井誠さんに遭遇(笑)
5歳児連れだったので、さすがに真っ直ぐの帰宅。
帰り道、制作のHさんに頂いたうさぎのキーホルダーを抱えながらの5歳児と永井さんが
すっかり意気投合(笑)別れ際ハイタッチまでしちゃって
永井さんの意外な一面を見てしまいました(*^_^*)
子供好きなんですねぇ~

帰りの電車の中では
「電車の音って同じリズムだね」
「あのお花の色は何色だったんだろうね」とか
「あのぱっくんって食べた果物は、なんだろうね」とか
「虫はやっぱ食べれないでしょう(笑)」みたいな
いつもは、「なぜ?なぜ?」攻撃真っ盛りなうf(^_^;)
まさに世の中すべて不思議に見えるらしいの5歳児と一緒に考えて
話し合えた時間がとても貴重で楽しい一時でありました。
いやぁ~子供の想像力というのは計り知れないというか、
すごいなぁと改めて思った次第です。
またそんな子供たちの想像力を伸ばしてくれる今回の作品に出会えたことは
きっと5歳児にとって、とても貴重な時間だったと思います。

5歳児に、鳥さんってどうすんの?と聞いたら
「フラダンスのように手をくねくねしてばってんにするんだよ」と
「お花はね、お手々を合わせてぷくっと膨らんでから、そっとお指をはなすの」
どうですか?よかった空を飛ぶ鳥のイメージと
その手のお花の色と香りを想像してみて下さいね。
それはあなただけの空想の世界なのですよん

5/1(水)~6(月・祝) in 銅鑼アトリエ
by berurinrin | 2013-05-06 21:51 | 観劇感想

演劇ユニットハイブレット第3回公演『トモダチ』

演劇ユニットハイブレット第3回公演『トモダチ』 in 阿佐ヶ谷TABASA(4/27)

作  勝嶋啓太
演出 中野志朗

と、ある孤独な男性(坂井宏充さん)がトモダチ(竹内勇人さん)を購入しました。
なかなか歩み寄れない二人。トモダチを返品しようとしますが
すでに何度となく返品されてきたトモダチは、今回返品されると処分されるそうです。
また同じように、検査員による審査に合格しなければ、トモダチを強制的に引き取るそうです。
急遽、翌日行われる事になった審査に合格するため二人は、協力し知恵を絞り合います。

この日は、文学座6月アトリエの会『十字軍』を拝見して、アフタートークの途中で
後ろ髪を引かれつつ退席しての阿佐ヶ谷。
チラシを入手していなかったもので中野氏からの案内をチェックしつつ
バー●ーキングとて●やの間を通って、お好み焼き屋さんの美味しそうな匂いを
目標に商店街を突っ切って見上げた2階のBARが目的地(*^_^*)
客席が15席MAXな感じのこじんまりした公演でした。

ゲームのたぐいは一切やらないので、どう表現したらいいのかよくわからないのですが
開演前にシューティングゲームの映像が延々と流れ、そのゲームをやってる俳優の後姿・・
今のゲームって残酷なんですねぇ~対象物が恐竜?!血がどぴゅーんみたいな・・
始まる前からちょっと引き気味な感じで・・って、なんか嫌な予感したんです。

ゲームが好きな主人公は、楽しみにしている翌日に控えたサバイバルゲームの大会に出たい!
でも、参加規定が二人。孤独な彼は、その大会に参加したいが為に、ネットでトモダチを購入。
早速、彼はゲームの手ほどきを教えると難なくこなしちゃうトモダチが面白くなくて
「返品したい」と言い出します。
すでに何度となく返品されたトモダチは、今度返品されたら処分される事を告白してしまいます。
また同じように二人の友人関係を審査し、不合格になるとやはり処分・・
いわゆるこれもサバイバルゲーム
何とか審査をクリアするため、審査基準項目を一つ一つ二人で
協力しながら必死で明日の審査に立ち向おうとします。

で、その審査の基準は5つあって、それぞれ彼らなりの答えを出していきます。
1、コミュニケーションが取れていますか?→漫才をする
2、自然なスキンシップが出来ますか?→抱き合う
3、本音で向き合っていますか?→「ほんおと」と解釈し、互いに本を叩いて音を合わせる
4、きちんとぶつかりあってるか?→ぶつかり稽古→相撲をとる
5、表情で相手の心がわかりますか?→互いにわからないので、
何にも考えていない表情を作って「何も考えていない」ことにする。
その間、時の精(中田由布さん)が二人が考えいる時間の経過を知らせます。

通販で購入したトモダチは、人間で、ちょっと近未来的なストーリーになるのかなぁ~と
思いつつ、その後の展開はあまりにもベタな感じで、ちょっとこれはヤバいと思いましたが
最後までヤバかった・・
細かく書くと怒りが・・・審査基準に対しての彼らの解釈のひどさ・・
これは無いでしょう
はっきり言って中野氏、これは面白くないです。
わたしは中野氏のちょっと変わった目線の演出がとても好きなのです。
たまに理解に苦しむ遊びもありますが、そこんとこも嫌いじゃない。
でもこれは、本がひどい・・で、中野氏の遊び心が加わると逆効果(><)。
これ以上書くと自分もヤバくなりそうなので、ここで終了させて頂きます。

4/25(木)~4/28(日) in阿佐ヶ谷TABASA
by berurinrin | 2013-05-03 23:34 | 観劇感想

地人会新社第2回公演『根っこ』

地人会新社第2回公演『根っこ』 in 赤坂RED/THEATER(4/4,13,28)

作 アーノルド・ウェスカー
訳 木村光一
演出 鵜山仁

ロンドンに暮らしていたビーティ(占部房子さん)が、田舎に住む家族に帰ってきます。
一緒に暮らしている恋人・ロニィを家族に紹介するため、彼より一足先に里帰りしたのでした。
社会主義者だというロニィに影響されたビューティは、家族相手に対話を試みます…

第一回公演は、アパルトヘイト施政下、
南アフリカの黒人社会虐げられた人々のしたたかさを描いた『シズウェイは死んだ』。
そして家族に焦点を当てた第2回公演『根っこ』。演出は共に鵜山さんでした♪
前回もそうでしたが、狭い空間の中で行われるほぼ一か月に渡る公演ってイイですね。
観る度に作品の変化を肌や空気を通して感じられる…堪能させて頂きました。
本当はもっと前に感想を書きたかったんですが
なんか言葉に出来ない・・言葉にすると思ったことが自分の中から流れ出てしまいそうで
ちょっと怖かったんです。
いい年をして、両親と暮しているだけに
ビーティと母ブライアント夫人(渡辺えりさん)とのやりとりは、
そのまんま母と自分に置き換え出来そうで、やんなっちゃう(笑)
最近は、母がハマっている韓流ドラマ&韓流スターの話題を常に口にしてる母。
私に興味を持たせようとやっきになってる気がしますがf(^_^;)
ブライアント夫人とビーティの逆バーション?!
残念ながら興味が全く持てず…「へー」とか「ふーん」とか言っちゃう自分が
改めてなんだかなぁ~今後は「そっかそっか」「ふんふん」とか
もうちょっと前屈みになって話を聞く姿勢でいこう。うん。
他人事のようにちょっと離れた目線でみちゃうと、悔しい程に母のありがたさが
こころにぐぐっくるもんです。

戻ってくれば台風の目のように、周りを振りまわす賑やかで愛しい娘ビーティが
めんどくさそうな一見都会風の恋人ロニィを連れて来るという…
ビーティは本当にロニィが好きなんでしょうね。
痛い程気持ちがわかりますよね~。
でも、客観的にみて、上手くいきそうもないっていうのは
お姉さん・ジェニィ(七瀬なつみさん)も感じていて、早々にビーティに釘を刺していました。
それも家族だから言えること。
それでもビーティの愛する人を歓迎しようとするのも家族だから・・。

学の無かったビーティが自分の「根っこ」という言葉を自分の中から見出して
みんなに語る姿は圧巻ですが
それよりも、一生懸命語る彼女に対する一人一人の受け側の姿に家族の姿を見た気がしました。
客席から見てるから感じるのですが、この姿がそれぞれの家族のありようで
これがまったくの自然な姿なんだなぁ~と思うと
開演前に流れていた日本のポップスや舞台の壁に貼られた新聞記事や
節目節目の大きなニュースの吹き出し記事も国や人種関係なく、
自分かもしれないし隣の家族の話かもしれない
たまたまイギリスのブライアント家の話ではありましたが
ひとつのくくりでは収まらない家族の姿をみた気がします。

壁といえば、場面転換もすごいユニークで楽しかったですねぇ~
セットの移動はスタッフとキャスト。
初日では、かっちかちにセットを移動していたのに
楽近くには、音楽に合わせてノリノリ~♪楽しそうでした。
そんな移動した壁の後ろにキッチンがあって、そこで調理できちゃったり
会話しながら湯気が見えて、ほのかな匂いから生活感が生き生きと伝わってました。
あんまりそこんところがリアルなので3回観て3回とも楽しいトラブルが起きて
そのシチュエーションもまた生活感たっぷりで、これまた楽しく微笑ましくみえたのでした。

文学座からはビーティのおとうちゃんブライトン氏金内喜久夫さんと
ビーティのお兄ちゃんフランキーの石橋徹郎さんがご出演。

支配人の裁量一つで簡単に仕事を首にされてしまう…
厳しい境遇の中で養豚を行っているいわゆる小作人のブライトン氏。
体調が悪くてもそんな様子をおくびにも出さず牧場の支配人の
指示に従順に従う様は、都会生活が長いビーティにしてみたら許せないようです。
反面、家の中では、わがままな頑固おやじ的な雰囲気が、
これまた素敵な金内さん
そこにいるだけで雰囲気が変わってしまう…金内さんの存在感に圧倒です。

石橋さんは、第三幕からのご出演です。
その前に第一幕から第二幕の大掛かりな舞台変換の時に
黒いコートを着てクールで音楽に合わせてノリノリの姿が、
かなりカッコ良かったのですね。
ところがフランキーになると、ぐったぐた(笑)ロニィに会うために無理してきた
スーツは窮屈そうで、髪はひよこのみたいな寝癖がぴんぴん♪
フランキーは農夫さん。土と共に生きてる男性です。
妻のパール(高畑こと美さん)とは力関係的にどうやら分が悪そう(笑)
ビーティの言ってる事はさっぱりわからんとした表情の中にも
なにかざわざわした感情が芽生えて、それが自身の新鮮な驚き…
そんな感じがしました。

ビーティの投げた言葉の波紋が家族の中に広がっても母は強し。
でーんと大地のように彼らの根っこを支えているのは、
いつでも母なのかもしれませんね

休憩時間、ロビーでパブこうのとり(劇中に話題になったパブ)が開店していて
イギリスの三種類のビールが販売されていました。
とっても興味があったのですが買いそびれてしまいましたf(^_^;)
でも劇中と同じ名前で狭いロビーの中でサービススペースがあるなんて
遊び心があって素敵じゃないですか
ちなみに鵜山さんは、呑んだとおっしゃっておりました(*^_^*)

初日の幕が下りてロビーでの初日乾杯の時、
制作Eさんから作家のウェスカー氏からメッセージを頂きましたと
お披露目がありました。
短い言葉ながら愛に溢れたメッセージに超感動!
公演中のロビーに終始飾っていました。
このビーティのモデルは、そんなウェスカー氏の奥様なんだそうです。
もう一人温かいまなざしで、
遠い異国からビーティとその家族を見守る人が居たんですね

なんか公演が終わっちゃって寂しくて…
ふとした時に観たい、元気をもらいたい、あの熱量を浴びたい
そんな芝居でした。ぶっちゃけ大好きな作品でした。
また観たいなぁ~★ずーっと観続けたかった作品でした。

4/4(木)~4/28(日) in 赤坂RED/THEATER
by berurinrin | 2013-05-02 23:36 | 観劇感想

久保田万太郎の世界 第十回公演『わかれ道』『通り雨』

文学座有志による自主企画公演
 久保田万太郎の世界 第十回公演

作   久保田万太郎
演出  黒木仁

久保田万太郎の会
祝十回公演おめでとうございます♪
続けて下さって感謝申し上げます。
この久保田万太郎作品、なかなか手ごわい
毎回、演じる俳優陣のみならず観客にも負荷のかかる作品で
集中度も半端ないのです。
と、いうのも大抵一幕物で、時間も短いだけに
切り取られた一つの場面から、フルに頭を回転させ前後の事の流れを推測し
役者の細やかな動き、衣装や持ち物で生活の匂いや季節を感じ・・
そして美しい俳優の所作と立ち姿にうっとり・・(*^_^*)
観客の私たちも舞台の見方の基本を学ばせて頂くような気持ちです。
終わると結構ぐったりしちゃうのですが
それがまたかなり気持ちがいいのです。
さて、十回目公演となる今回も素晴らしい二作品を魅せて頂きました。

樋口一葉 原作
『わかれ道』

一人暮らしのお京さん(山本郁子さん)が外出の為に、留守を預かっていたのは
身寄りがなく、お京さんを姉と慕う吉三さん(南拓哉さん)
そこへ同じ仕事仲間の文次さん(西岡野人さん)が訪ねてきます。
昼間、親方の息子と喧嘩した吉三さんに対して気遣う文次さんでしたが
逆に怒らせてしまいます。
そしてお京さんの帰宅・・
いつも違うお京さん・・そして昼間の喧嘩の原因が明らかにされます。

と、ある適齢期を過ぎてなお美しい身寄りのない女性の生きる術・・
いわゆるお金持ちの旦那はんのお世話になって第二の人生を歩むべきか
まだまだ女性の地位が男性と同列とはいえない時代です。
同じ身寄りのない吉三さん=きっちゃんと姉弟のような関係から
きっとお京さんは、違う感情が生まれてきたことを感じ取ってしまったのだと
思いました。自分の感情の変化にとまどいながら、二人の行く末を…
自分の未来をさとってしまったのかもしれません
う~切ない。
さっぱりした二人の会話から漂ってくる匂い。
必死にお京さんの決意を覆そうとするきっちゃんの訴えも、まだまだ幼い。
出て行こうとするきっちゃんの手を必死で掴んで、その手の熱さが
お京さんの言葉にならない思い。
「放せ」と言いつつ振りほどけないお京さんの手の中に委ねたきっちゃんの手。
あうあうあう・・
もう二度と元に戻れない二人の決別の時だったのですね。

幸せとは言い難い、けれど新たな人生を決めたお京さんは、山本郁子さん。
うわぁ~と匂う程の美しさでした。
紫の頭巾を被っての帰宅姿。普通の娘は、夜遅く外に出ないから
人目を避けるように被っていたそうです。
桜の柄の着物も美しかったし、そのお着物を着こなす郁子さんも美しい。
お針仕事を始めた時に、糸をピーンと這ってぴんぴんって、わかりました?!
当時の絹糸は、すぐよってしまってくしゃってなったそうで、
ぴん♪ぴんと指で弾くように伸ばしたそうです。
所作も見どころの一つなのですよね。

そんなお京さんを姉のように慕うきっちゃんは南拓哉さん。
この作品で、くぼまん(笑)デビュー♪
すごいプレッシャーだったと思いますが、
本当に頑張って吉三さんを演じられていました。
火種を起こす、おもちを焼く、食べる…
当時の普通の日常の光景を普通にみせることの難しさ
亡くなった祖父が、お醤油に砂糖をかけておもちを食べていたことを思い出して
懐かしさにほろっとして、おもちの焦げた香ばしい香りが漂う静かな時間。
熱さよりも嬉しさが伝わる食べ方に、
きっちゃんの幼さが現れて微笑んじゃいます。
幼さと男っぽさの魅力を垣間見せて、お京さんが想ってしまう気持ちも納得でした。
南さん…頑張りましたねっ(*^_^*) 素敵なデビューでした♪
あとは経験を積んで作り上げられることを楽しみにしています。

きっちゃんと同じ職人として働く文吉さん(西岡野人さん)。
昼間の争い事を気にして様子を見にやってきました。
結局きっちゃんとは喧嘩別れで、怒っちゃう文吉さん(笑)
大抵、くぼまんではノビ君が怒られ役が多かったのですが
怒る男も素敵でございます。かっと頭に血が上ってぼっと出て行っちゃう。
でもそこんとこのとぼけた味わいが、下町の愛すべき男衆代表な雰囲気を漂わせて
見事な職人さん振りでした。着物の着こなし方も様になって
なかなかの男っぷりです
そーいえば、くぼまんデビュー当時のノビ君ったら、声のみの出演とか、姿だけとか(苦笑)
演じ続けることの形が今につながっていくのでしょうね。
大事なくぼまんファミリーの一員として今後もご出演続けて頂きたいと思います。

低い声にぞぞぞっとしたのは、常盤津の師匠・おわかさんを演じられた高橋紀恵さん。
お京さんが、夜の人目を忍ぶ姿その声と対照的な華やかな雰囲気です。
違和感があるのは、おわかさんの人となりの生きた環境から匂い立つ
彼らと一線を置く空気感なのかもしれません。



『通り雨』

慶蔵さん(鈴木弘秋さん)の住まいでは、仲間内で無盡(むじん)が行われていました。
欠席している喜之助さん(細貝光司さん)の縁談話が新聞に載ったことで盛り上がる反面
新井さん(吉野正弘さん)のお子さんのお葬式に参列したという榎本さん(高橋克明さん)が
遅れて参加されます。
無盡が終わり、参加者が帰宅された後、訪ねてきた喜之助さん。
結婚が決まったというのに、なぜかその表情は曇りがちです。

たった30分程の作品ですが
幕が上がった舞台の上に
赤司まり子さん、鵜沢秀行さん、高瀬哲郎さん、大原康裕さん、鈴木弘秋さん
横山祥二さんというずごい面々!!居るだけで、わくわくしちゃう豪華な幕開きです。
彼らに不思議な緊張感があるのは、くじを前にしてのどきどき感(*^_^*)
そこへ遅れて入ってくるのは、第一声を兼ねて現れる伊勢喜の女中(鈴木亜希子さん)です。
これまた緊張しちゃいますね。 うきき(*^_^*)

さて当時『無盡(むじん)』という、くじ引きのような
組合の有志で一口いくらと金額を決めてお金を出し合って、
くじで当たった人が、そのお金で融資を受けたという仕組みの事だそうです。
前身が『無盡(むじん)』から始まったという、一部の銀行とか
当時の私たちの生活に密着していたのでしょう。
『無盡(むじん)』といえど、色々あって、お芝居を観に行ったり旅行に行ったりと
娯楽としての役割もかねていたそうです。
そんな久しぶりに集う場で、互いの近況やよもや話の中で出てきた一つの出来事が波紋を広げます。

ぴったり頭を撫でつけておしゃれな克明さん。
おしゃべりやまず・・という感じですが、なんと初くぼまんって伺ってびっくりです。
朗らかでにくめない・・むじゃきな大人な(笑)榎本さんが居るだけで
場が盛り上がるそんな好人物でした。
その榎本さんの表情に釘づけになってしまいつつも、
吉野さん演じられる新井さんの表情がどんどん厳しくなっていく姿。
もの静かな佇まいをみせる新井さんの苦悩の表情は、
恐怖というより哀しみの色が浮かんでみえました。
そして『無盡(むじん)』で集まった来客が去った後現れたのが、喜之助さんでした。
すべてを知っているのは、この家の主の慶蔵さん。
喜之助さんが色気があるなぁ~と思ったら、役者さんという役どころだったのでした。
憂いを含んだしぐさやまなざしの美しさと云ったら、
着物姿の肩の線がめっちゃ綺麗♪細貝さんの繊細な魅力が溢れていました。
今更、どうにもならない秘めた思い・・
慶蔵さんの「ふっきればいい」という言葉に
この一作目の『わかれ道』に通じる感じがして、
なんともじんわり胸に響くお話でした。

終演後は、恒例の飲み会(笑)
演出の黒木さんが登場されて、小道具やお衣裳の事や作品について
色々お話をして頂きまして貴重な時間を過ごさせて頂きました。。
くぼまんを観ちゃうと、色んな事を聞きたくなってしまうのです。
南さんには「おもち熱くないのですか?」とか(笑)
やっぱ熱いらしいですf(^_^;)
南さんからは、熱さよりも食べることの嬉しさが伝わってきました
それは子供時代の生活の厳しさからきたのかしら?!とかね。
ぷりぷり怒った文次さんのノビ君は、怒って引っ込んだ後は
着替えておしるこ作りに励んでいるとか(笑)
それも慶蔵さんの食べっぷりを毎回チェックしてたそうです。
そんなこんなで、ざっくばらんに出演者の方々やその場に居合わした
文学座大好きなお仲間との交流は時間を忘れるほど楽しいものなんです。
気になる方は、ぜひ次回のくぼまんで交流しましょうね♪
ん?と後ろを振り返ると、お酒を片手に克明さんと観に来られていた
加納朋之
さんが、お話し中★なにやら企んでいるようですョ♪うふふ

数年前に久保田万太郎全集を古本で購入した私。
戯曲はまだまだ沢山作られています。
演出の黒木さんは全作品を上演するとパンフに書かれていました。
わたしもずっとこれからも見逃さない様に全作品拝見し続けたいと思っています。
いいですよぉ~くぼまん♪

3/28(木)~3/31(日) in 文学座第1稽古場(新モリヤビル1F)
by berurinrin | 2013-04-03 23:04 | 観劇感想

ピュアマリー/トリックスターエンターティーメント『マウストラップ』

ピュアマリー/トリックスターエンターティーメント『マウストラップ』 in 六本木ブルーシアター(3/15)

作 アガサ・クリスティー
翻訳 鳴海四郎
演出 ジェイソン・アーカリ


大雪の日
ラジオ放送からロンドンでの殺人事件のニュースが聞こえてきます。
ここジャイルズ(渡部将之さん)とモリー(石井麗子さん)が経営する
ゲストハウス「マンクスウェル山荘」は本日がオープン初日。
続々とお客様がやって来て大賑わい
そんな折、ロンドンで起きた殺人事件に、この山荘が
なんらかの関わりがあるらしいとトロッター刑事(森宮隆さん)がやってきます。
そして恐れていた殺人事件が起こります・・
誰が殺されたのでしょう?そして犯人は誰でなのでしょうか?

この『マウストラップ』という作品は、本場イギリスでは
なんと60周年もの超ロングラン公演なう・・ギネス記録を爆走中なのだそうです。
英国の皆様に愛されている作品なのですね。
そうそう映像化を禁止されてる作品なので、舞台を見なきゃ犯人が分からない
だから、犯人はへへへっ内緒です(笑)
で、その60周年祝年に、ここ六本木ブルーシアターで上演されました。

ブルーシアターってブルーマンやってたとこなんですね!(みてないけどf(^_^;))
道理で、ちょっとストプレのお芝居を観るには、
ちと不似合いな劇場な感じ・・舞台も広すぎる気もします。
それを利用しての舞台セットは大きくてゴージャス感たっぷし、難しい機構を上手く魅せています。
まさに高級な山荘のイメージです

一人一人この山荘に来る度に青いライトが点灯して、
印象的に登場シーンを魅せているのが面白い仕掛け。
なんだろ…ストプレにしては必要以上にダイナミックに魅せたり
違和感があるのですが、そこに遊び心を垣間見たり
ミステリーなのにお祭りみたいな盛り上がりがあったり
観た事のない不思議な感覚を感じました。
エンタメ色が強く出されています。
ただ難をいえば、単に山荘という船に乗り合わせた人たちの話というか
個人の背景がみえず、それぞれ各人がこの広い舞台をあっちやこっちと
動きまくった感があって、落ち着きがなかったかなぁ~
でも、今まで見たことがない感覚で面白かったです。
多分演出の視点が、人じゃなくて、しいて云ったら窓f(^_^;)
なんか面白いんですよ。

文学座からは、石井麗子さんがご出演。
声を掛けて下さっていつもありがとうございます。
その麗子さんは、舞台となる「マンクスウェル山荘」の女主人・モリーを演じられました。
モリーめっちゃ可愛い・・(笑)楚々としたイメージの麗子さんが
はつらつと女主人としてきびきびと切り盛りする姿、新鮮で素敵でした。
このミステリーの中で、ターゲットの一人となる過去の出来事を封印したはずが
少しずつほどけてくる不安と疑惑におびえる姿・・
そこんところの心の動きは、誰よりも印象的でした。
またそんな時は、この広い居間のセットが、不気味に同調する気がしました。

この『マウストラップ』過去に何度か上演作品を観ているのですが
実は私のマイベストは、文学座の研修科の発表会で上演された『ねずみとり』。
トロッター刑事を反田孝幸さんで、
怪しげな外国人パラビチーニ氏を松角洋平さんが演じられました。
この二人の全く異なる方向のイッちゃた感が本当にすごくて、すごくて・・
そーいえば、最近ソリ君の舞台観てないなぁ~観たいなぁ~

3/6(水)~17(日)まで in 六本木ブルーシアター

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by berurinrin | 2013-03-20 23:35 | 観劇感想

加藤健一事務所vol.85『八月のラブソング』

加藤健一事務所vol.85『八月のラブソング』in本多劇場(3/8)

作  アレクセイ・アルブーゾフ
英訳 アリアドネ・ニコラエフ
訳  小田島恒志
演出 鵜山仁

バルト海に面した美しい町リガ。
この町の療養所に入院してるリディア・ワシーリエヴナ(戸田恵子さん)との
面談をすっぽかされたのは医師ロディオン・ニコラエヴィッチ(加藤健一さん)。
ロディオン先生は、目の前に現れた反省の色もなく奇妙で
高飛車な態度にリディアにすっかり怒り心頭。
リディアもロディオンの態度に憤懣やるせない
その後は顔を合わすと言い争う二人・・ところが

ここ最近、鵜山さんがカトケンさんのお芝居を演出をされると聞くと
ワクワクしちゃうのです。
この作品選び&タイトル名はすべてカトケンさんのセレクトだそうですが
観終わった後、あ~こういう作品が観たかった。
そう心にヒットするのです。
今回もそう。
まさに心にビタミン注入♪そんな作品でした。

二人が出会って、喧嘩して、ひょんなことで周波数が重なって
いつしか互いが、かけがえのない存在になっていく
二人の会話だけで、彼らの背負った人生が語られる・・他には何もない。
二人芝居だからそうなんですけど、そぎ落としたギリギリの台詞の中で
辛辣な喧嘩が、いつしかじゃれ合いに感じたり、
会話がテンポよく進む中、その反面
おずおずと慎ましげに心が近づき重なっていく時間が愛おしくなります。

時間の経過の暗転の間に影絵のように浮かぶ家の風景や音楽の心地よさ・・
どれもが優しくて寂しくてはかなくて・
海を感じて、潮風が香しい・・確かに伝わってきました。

思えば、そう恋愛経験が多い方じゃないのですけど、
恋愛だけに留まらず友人にしても
日常の会話でも、言葉を一から十まで説明するわけじゃなくて、
相手の言葉の中で足りな部分を気遣いや想像で補って
会話していくもんだと思うのです。
きっとロディオンとリディアの二人の会話の中で、足りない部分は
観ている私たちが気遣いながら想像していくだけに、気持ちが入っちゃって
ラストの一瞬ぎょっとするどんでん返しとその後の・・・(まだちと秘密)
ねぇ~って言いたくなるのです。
ねぇ~(*^_^*)

終演後、とてつもなく呑みに行きたくなりましてf(^_^;)
多分、一人でも行きそうな勢いでしたが、ありがたいことに
偶然、演鑑の事務局長と先輩が一緒で3人でシャンパンとはいきませんでしたが
しなびたおでん屋さんで乾杯しました。
そう・・乾杯したかったのです(*^_^*)


3/8(金)~3/24(日) in 本多劇場
by berurinrin | 2013-03-18 23:32 | 観劇感想