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オペラ宅急便シリーズⅦぎゅぎゅっとオペラ『椿姫』

オペラ宅急便シリーズⅦぎゅぎゅっとオペラ
ヴェルディ『椿姫』<原語上演・ハイライト版)        in ヨコスカベイサイドポケット(3/1)
企画・演出  彌勒忠史
エレクトーン 清水のり子
ナビゲーター 彌勒忠史
主催・制作  公益法人横須賀文化財団

パリのヴィオレッタ(小川里美さん)の華やかなサロン。
真っ直ぐに愛を訴えるアルフレード(高田正人さん)の言葉に
拒絶しながらも彼女の心はいつしかアルフレードを愛するようになっていきます。
数ヵ月後、田舎でアルフレードと暮すヴィオレッタ。
生活は厳しくなり、ヴィオレッタはパリの彼女の資財を手放し生活資金としています。
それでもヴォレッタはアルフレードとの生活で満たされているようです。
が、それも長続きはしないもの…アルフレードの父ジェルモン(与那城敬さん)が
アルフレードとの別れを説得しにヴィオレッタの前に現れます。
身を切る思いで身を引くヴィオレッタ。
理由がわからず逆上するアルフレードは、ヴォオレッタを追ってパリに向かいます。

わたしのオペラ鑑賞の師匠・高田正人さまことだちょんさんがご出演のオペラです。
それもアルフレードですよぉ~
が、先日のNHKラジオ深夜便にご出演されただちょんさんが
「チケット完売です」って おっしゃっていたもんで。
あら残念って思っていた時に 行けなくなったお友達からチケットを譲り受け
急遽、拝見させて頂くことになったのでした。●じさんありがとうございます。

椿姫といえば、小デュマといわれる『三銃士』の作家で有名な
アレキサンドル・デュマ氏の息子さんが 書かれた『椿姫』が原作のオペラ。
わたしにとってデュマは小学生の時に『がんくつ王』を読んで以来てっぺんの作家で、
最近『ボルジア家風雲録』上・下(イーストプレス)が発売されて
うぉーとテンションがあがりました。嬉しかったけどいまさらだけど鈴木力衛さんの翻訳が恋しいなぁ~
あれ…フランスが舞台のフランス人の作家だけどイタリア歌曲なのね

舞台は、平台で中央にソファ、上手に花瓶があってヴィオレッタのサロンで赤い花が活けてありました。
この花をヴィオレッタが散らすと第2幕の別荘のシーンでは
床に散ってる花が、花壇に咲きほこるの花に見えたりして
少ない装置を照明と工夫でうまく見せてくれています。
でも何よりこのホール、天井が高くてめっちゃ音が良い!
そして伴奏はエレクトーンのみ。 これがバリエーションに富んだ音を奏でていて素晴らしい。
ナビゲーター役の白衣姿で、ヴィオレッタの主治医という設定で 彌勒さんが登場されて、
病の進行を検証と同時に回想という形で物語が始まります。

真っ赤なドレスを美しく着こなすヴィオレッタを演じられた小川さんと
これまたタキシードを着こなしたアルフレードを演じられただちょんさんとの コンビが
超美男美女で、うっとりさせる美しいカップルでした。
それに色を添えるのが、合唱団の皆様。
舞台と客席の間には、いくつかのテーブルがしつらえていて、
地元のアマチュアの合唱団の皆様が控え
あの有名な『乾杯』という歌曲を一緒に唄われての参加型オペラとなっておりました。

それにしてもなんて綺麗な旋律に溢れた作品なのでしょうか… きゅんとしちゃいます。
さてだちょんさんのアルフレード。 恋して、愛して、嫉妬して、後悔して、絶望してと
愛のみに真っ直ぐ突き進む青年を 歌うというか一人の役者として見てしまうほど、
細やかに演じておられました。
ヴィオレッタからの別れの手紙にへなへなと崩れ落ちる姿や
再会の喜びからラストのヴィオレッタの死のシーン。
彼はヴィオレッタを失った明日はどう生きていくのか?と考えずにはいられない
身体全体からヴィオレッタを渇望している狂気さえ見える瞬間がありました。
思わずぐっと涙がつつーっと…(ここんとこはだちょんさんに内緒に、ハズカシイ)
いやぁ、最高の時間を頂きました。
終演後「チケット頼まれてないよねぇ~」と、開口一番の相変わらずお茶目なだちょんさん(笑)
そこにはアルフレードの狂気の瞳は見出せず、
明日も元気な日常が待ってるんだなぁ~と 心ひそかに安心したのでした 。

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3/1(土) in ヨコスカベイサイドポケット
by berurinrin | 2014-03-02 15:20 | オペラ

東京オペラプロデュース第93回定期公演オペラ『ミレイユ』

東京オペラプロデュース第93回定期公演オペラ『ミレイユ』 in
                            新国立劇場中劇場(2/8)

全五幕フランス語上演
作曲 C.F.グノー
原作 F.ミストラル
台本 M.カレ
指揮 飯坂純
演出 池田理代子
東京オペラ・プロデュース合唱団
東京オペラ・フィルハーモニー管弦楽団

フランス・プロヴァンスのとある村。農場主の娘ミレイユ(鈴木慶江さん)は
貧しい籠職人のヴァンサン(高野二郎さん)と身分違いの恋に落ちます。
二人は、互い何か不幸が起こった時にはサントマリー教会の前で神様に祈りを捧げる誓いを立てます。
ミレイユを愛する裕福な牛飼いのウーリアス(村田孝高さん)は、ミレイユの父・ラモン(東原貞彦さん)から
結婚の承諾を得ますが、ひょんなことから嫉妬に苦しむウーリアスとヴァンサンは決闘することになり
ヴァンサンは大けがを負ってしまいます。
ヴァンサンのけがを知ったミレイユは、二人の将来に祈りを捧げる為にサントマリー教会へ向かいますが
南仏の激しい太陽の日差しは容赦無く、ミレイユの身体は衰弱していきます。

いやぁ~すごい雪でしたね。
そんな日にオペラ観に行ってきました。
行くの悩んだんですけどね、とても楽しみにしていた作品だったので
どーしても観たくてオペラ鑑賞に似つかわしくない完全防備で家を出たわけです。
で、どーして観たかったかというと
わたしの心をぞわぞわと惑わす、なんとも美しい声を持つ高野二郎さんがご出演だったからなのです。
きゃっ
この二郎さん(私の亡きおじいちゃんと同じ名前ですが…)、
わたしのオペラ鑑賞の師匠・高田正人さんが参加されてる二期会のイケメンズの
ユニット・the JADEのメンバーなのです。で、初めてその歌声を聴いて
あまりの甘い声にくらくらしてしてしまい。もうヤバかった。
一人でリサイタル行っちゃった。その後日にはthe JADEのコンサートも行っちゃいました
クリーミーヴォイスと呼ばれているそうです。
清らかな透明感溢れた美しい声を持つ二郎さんのオペラ…雪なんて、雪なんて…くぅ~
ほんとなんかときめいちゃった。

出会って、お互いの気持ちを確かめあって
君が花なら、僕は蝶になる~♪
私が死んだら…僕は大地になって(棺桶に入って埋まった)君を抱きしめる~♪
なかなか、かなりのバカっぷりの歌を歌って、互いの愛の深さを推し量ちゃう
まわりはヒューヒュー(笑)
若い幼い恋愛が、幸せの絶頂から身分違いという大きな障害に阻まれ、障害があればこそ
その熱情が勢いを増していきながら、絶望に向かって急展開していきます。
ヴァンサンのけがを聞いて、約束を守って教会へと突っ走るミレイユ。
息も絶え絶に教会にたどり着いたミレイユは、愛するヴァンサンの腕の中で息を引き取ります。
(熱中症だったのかな…)と、神様がミレイユの魂を天に引き上げていくという
ラストは、ヴァンサンに振り返りもせず幸せそうに神のもとに向かっていくミレイユの姿。
残されたヴァンサンのその後は、どうなっちゃうのかしら?と、なんか
かわいそうになってしまいました。
なんなら一緒に天に召してあげればいいのに…って思っちゃうほどヴァンサンの歌声は
切なくて甘くて悲しいお話でした。

またミレイユの鈴木慶江さんが、きれいで可愛くて、無邪気なお嬢さん感がたっぷり♪
透き通るようなソプラノがこれまた美しい歌声でした。
最後は切ない幕切れだったけど、ヴァンサンと可愛い初々しいカップルでした。

演出は、なんとあの漫画家の池田理代子さん!
『ベルサイユのばら』とか『オルフェイスの窓』とか夢中で読んでいました。
その池田さんの舞台は、とてもとても美しくて、場面毎に舞台を立体的に動かして
中劇場の舞台構造と映像を上手く組み合わせた張り出した舞台は、素晴らしかったです。
舞台に立つ木々の立ち方が、その場面に合わせて表情を変えていました。
やっぱり絵を描く人だけに、そこんところの魅せ方はさすがですね。
本当に美しい舞台でした。
大変なお天気で、帰りも大変だったけど、満たされた一日でした。

2/8(土) in  新国立劇場中劇場







by berurinrin | 2014-02-12 22:19 | オペラ

新国立劇場オペラ『カルメン』

新国立劇場オペラ『カルメン』 in 新国立劇場・オペラ劇場(1/19)

作曲 ジョルジュ・ビセー
台本 アンリ・メイヤック/リュドヴィク・アレヴィ
原作 プロスペル・メリメ
指揮 アイナルス・ルビキス
再演演出 澤田康子
演出 鵜山仁

スペイン・セルビアが舞台。
ホセ(ガストン・リベロさん)は、心優しい婚約者ミカエラ(浜田理恵さん)
を大切にする真面目な伍長さん。
ある日タバコ工場で働く自由奔放で魅力的なカルメン(ケテワン・ケモクリーゼさん)
が女工達と喧嘩をして、逮捕されます。
ホセがカルメンを連行しようとしますが、カルメンの魅力の虜となり彼女を逃がして
しまい、その責任を取ってホセが逮捕されて投獄されてしまいます。
出所したホセはカルメンに会いに行きますが
偶然見かけた上官とカルメンの関係に嫉妬したホセは、上官に決闘を挑み
カルメンの云うがままに、密輸団の仲間になってしまいます。
全てを捧げてカルメンに尽くすホセ・・。けれどもカルメンの心はすでにホセからは遠く・・
彼女の目線の先には、彼女に好意を持つ闘牛士エスカミーリョ(ドミトリー・ウリアノフさん)の姿が・・・

さて新国立劇場オペラパレスも三度目のわたくし
そう…鵜山さん演出『カルメン』も初演、再演、再々演の三度目の上演です。わかりやすいでしょ
でもね
まだまだやっぱわからないクラッシックの世界。
再演の時に??だった再演演出というシステム。
今回もそう…やっぱ気になるのが第一幕の市場のシーン。
やけに活気がないのですよ。なんかそろりそろーりと歩き回る市井の人々。
初演の時に、このシーンでがやがやとざわざわと声なき声が聞こえてきて
市場のにぎやかな活気が空気振動を通して伝わってくる不思議さに感動したものです。
音楽がまたゆったりめな気がして
第一幕のラストで、ホセの手引きでカルメンが逃げるシーン。
荷台に乗っていたオレンジが、円を描いてポーンと投げられて…
なんか軽い気がしたんですよね。
けれど、たばこをくゆらせやってくる煙草工場に勤めている女性たちが登場するシーン
アンニュイというか、けだるい雰囲気と歌声の美しさといったら本当に美しいシーンで
彼女たちに絡む男性たちが思い思いのカップルになっていく姿にドキドキしてしまいます。
そして二幕からは、本当に美しくてはかなく見えて、とても素敵な舞台だったと思いました。
やっぱオペラ最高!

その中でもカルメン!
今回のカルメンは、もう可愛いですね。アヒル口で(^◇^)もうまさに小悪魔(苦笑)
ホセがへろへろになっちゃうのも理解できちゃいます。
だって可愛いんだもん
それに怒った時のあの目、あの表情…やばい。
ホセも純朴そうな青年(青年というには微妙な感じですが…)どんどん落ちていく姿が哀れで…

休憩時間は25分X2回。
三回目だからちょっと慣れてきた(笑)
ほらほら、休憩時間にブルスケッタ食べちゃった♪美味~
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奥のドリンクのコーナーでは、かのちゃんがお仕事していて
久々に再会できてうれしかったです。

と、文句ばっかいっちゃった…でも、本音は初演のコピーが観たいわけじゃないからね。
とはいえオペラのプロダクションってお金がうーんとかかるから
新たになにかというとかなり難しいかもしれませんね。
う~ん。難しいけど、やっぱ鵜山さんの新しいオペラ作品が観たいです。

1/19(日)、1/22(水)、1/26(日)、1/29(木)、2/1(土) in 新国立劇場オペラパレス



by berurinrin | 2014-01-28 21:11 | オペラ

The JADE(ザ・ジェイド)!

The JADE(ザ・ジェイド)というユニットグループご存知ですか?
日本のオペラ界のトップの方々が参加されてるユニットです。
じゃ~ん
樋口達哉さん(テノール)、高野二郎さん(テノール)、黒田博さん(バリトン)、成田博之さん(バリトン)
ほらほらすごい!
で、この方々に加えて、北川辰彦さん(バスバリトン)となんと高田正人さん(テノール)
が加わって6名による新生TheJADEが生まれました。
高田さんといえば、わたしのオペラのご指南役だちょんさんでございます。
この方とお知り合いにならなかったら、オペラなんて敷居が高くて
いくら愛する鵜山仁さんの演出だろうと敬遠していかもしれない今日この頃・・
感謝感謝のだちょん師匠でございます。

で、、買っちゃったよ~!!師匠!!ほれほれっ(笑)
はいベルちゃんと支えて下さいね

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だちょんさんのあまーい歌声・・と、いうか、みなさん美しい声で
ちょっと誰が何をどこのパートを歌っておられるか、まったくわからないんですが
でも、イイですよ!さざ波のように心揺さぶられます~♪ぜひ

そんなだちょんさん
なんとミュージカルにご出演されるそうです。
わたしも拝見させて頂きますョ

ミュージカルカンパニーワンダーラー
『INORI ~君のために僕が祈ろう~』
脚本・演出 たかさき こずえ
音楽制作  KANAMI
日時    8月 27日(土) 18:30~ /28日(日) 13:00~   
於     冲永記念ホール(帝京平成大学内)
代金    前売 4,000円 (当日 4,500円)全席自由

詳しい内容は、だちょんさんのブログへお願いいたします
うたうひとDACHONの人生奮闘記
by berurinrin | 2011-08-11 23:35 | オペラ

モーツァルト劇場公演『クレタの王イドメネウス(別名:イーリアとイダマンテ)』 

モーツァルト劇場公演『クレタの王イドメネウス(別名:イーリアとイダマンテ)』 
in紀尾井ホール(6/18)

作曲     モーツァルト
台本     ジャン・バテェスタ・ヴァレスコ
訳詩/総監督  高橋英郎
演出     鵜山仁
指揮     大井剛史

トロイアを陥落させたギリシヤ側の武将イドメネウス(児玉和弘さん)は
祖国クレタへの帰還の船が沈没してしまいます。
遭難したイドメネウスは、海神ネプチューンに
無事に生還出来たら、彼が最初に出会った人物を生贄として捧げることを誓います。
イドメネウスの息子イダマンテ王子(田村由貴恵さん)は、
トロイアの王女イーリア(品川昭子さん)を愛していますが
アルゴスの王女エレットラ(菊池美奈さん)という婚約者がいます。
イーリアもイダマンテを愛していますが、想いを伝える事ができません。
そんな時、父イドメナウスの船が沈んだことを聞いたイダマンテは
急ぎ海岸に駆けつけます。
海岸にたどり着き、九死の一生を得たイドメネウスの目に最初に現れた人物は
10年振りに再会した息子・イダマンテでした。
(キャストはダブルキャストです)

みなさま~ちょっとぉ~約一年ぶりの鵜山さんのオペラですよぉ~
楽しいですね~、テンション上がりますよ
最近、クラッシックを聴くことが、かなーり楽しくなってきました。
が、チケットは高いし、きっかけが無いと何を観たら良いかの選択肢が
よくわからないのですわ。
きっと新国立のオペラのシーズンレパートリを網羅したらいいんじゃないかと
思うのですが、そんなことをしたら確実に赤字になりそうなので
そこは我慢。がまん。
なので普段は、テレビやCD・・・聴きながら、たまに鼻歌でふふん~♪なんて
おおっ、ちょっとわかってきたかあ・・なーんてね。
でもホントは、まだまだド素人の枠から全く出ていませんから~

さて紀尾井ホール。
小ホールには、鵜山さん演出の『溺れる花嫁』(懐かしい・・うふっ)とか
主にリーディングを拝見しに何度か来たことがあったのですが、
1Fの大ホールは初めて・・こざっぱりした場内には
シャンデリアがずらっと3個X2天井から輝いてる
すごーい、きれーい、おしゃれだー。
舞台は緞帳はなくて、舞台後ろに青い布が吊ってあります。
この青い布が色んな表情を魅せてくれます。
荒ぶる海や穏やかな空の色、奴隷となったトロイア人が解放される平和の証。
イーリアの清らかな愛情・・・真っ赤なドレスを身をまとったエレットラが、愛と嫉妬で
もだえ苦しみながら、青い布の中に取り込まれていく姿は、行き場のない愛・・

中でもエレットラさんといえば、ギリシヤ悲劇では、弟と父を謀殺した母親を殺害したエレクトラ。
確かに激しい感情を持った女性に描かれているので
その先にそんなエピソードがあると思うと納得しちゃいますね。
でも、ギリシヤ悲劇って、同じ人物が、書く人によって自由自在に生きているんで
これもまた一つのアナザーストーリーってことで
『エレクトラ』という戯曲を読んじゃうと、お姫さまであるエレクトラが
彼女を恐れる母親の策略で、確か農夫のお嫁さんになっていますから。。
それにしても可哀相でした・・不幸せの象徴のような存在なのでしょうかねぇ
愛する婚約者がイーリアに恋しての三角関係。
そんな中で、身を隠す為とはいえイダマンテと二人で祖国に帰ることになって、
めっちゃ嬉しい!と思いきや、残念ながら見つかって
やっぱ殺されることになって、そしたらイーリアが替わりに死ぬなんて言っちゃうから
ほろっとしたネプチューンが「愛の力だ!」ってイダマンテを許しちゃう。
みんなが、やった!わーい、わーいって大団円の中、
ちょっとちょっとと、そりゃ一人割が合わない(><)
普通だったら、おめでとう!!で、幕が下りるところを
ここからが出番です状態(笑)
最後の最後にエレットラの乱れ舞で終わるところがすご~い
きれいごとで終わらせないんですね。

音楽は、オーケストラというか、こじんまりした管弦楽の構成で
ぽろん、ぽろろ~んと全体に軽やかな感じがします。
ところが、このぽろん、ぽろろ~んが、まあすごい
あちゃ~あ、こちゃ~あと色んな方向に自由自在に飛んでいくようで
これがまた、わぉって楽しい!
多彩に表情を変えながら、輝きを増していく音楽の力・・
なんかわくわくしながら音楽に乗っかった言葉を、おっとおっとと
キャッチしておりました。

主催のモーツァルト劇場さんは、日本語訳でのオペラ上演というポリシーがあるそうです。
自国語のオペラだと字幕があるのですが、
今回、ソリストの方によっては、歌詞が聞き取れない方もいらして
日本語訳でも字幕があったら、もっと楽しめたかなぁ~と、ちと思いました。

それにしても色んな愛の形があるんですねぇ~
わたしのような万年オペラ初心者には、ぴったりの贅沢な一品でした!
あ~満足しました★

6/17(金)、6/18(日) in 紀尾井ホール

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by berurinrin | 2011-06-21 22:47 | オペラ

東京二期会オペラ『サロメ』

東京二期会オペラ劇場、オランダ“ネザーランド・オペラ”及び
スウェーデン“エーデポリオペラ”共同制作
『サロメ』劇全1幕原語(ドイツ語)上演 in 東京文化会館(2/23)
原作 オスカー・ワイルド
台本 ヘドゥッヒ・ラッハマン
作曲 リヒャルト・シュトラウス
指揮 シュテファン・ゾルデス
演出 ペーター・コンヴェチュニー

ここは王ヘロデ(片寄純也さん)の宮廷での宴会の最中。
招かれたユダヤ人たちは宗教論争を繰り広げ、皆好き勝手状態
そこへ囚われの預言者ヨカナーン(友清崇さん)の予言の声が響きます。
ヨカナーンの声に惹かれたのは、ヘロデ王の妻ヘロディアス(山下牧子さん)の
娘サロメ(大隅智佳子さん)。
ヨナカーンに興味を惹かれたサロメは、彼女を慕う衛兵隊長ナラボート(大川信之さん)に
頼んでヨナカーンを目の前に連れてこさせます。

今年お初のオペラでございます。
オペラを観るからには、ちょいとおしゃれして
十分時間を取って会場に入り、広々とした開演前のロビーの片隅で
ワイン片手にパンフをぺらぺら・・平日の晴れやかな午後の贅沢う~ん、素敵!
この日、観るのは『サロメ』です。
作曲家は、リヒャルト・シュトラウス・・そう、まさに加藤健一事務所で
上演中で超ラブリーな鵜山仁さん演出の『コラボレーション』。
シュトラウスを加藤さんが演じられていました。
当時は第二次世界大戦真っ只中、ナチスに翻弄されたドイツの偉大な作曲家。
『コラボレーション』では、ユダヤ人の作家・ツヴァイクと
共作オペラ『無口な女』を巡るお話でした。
そーいえば、劇中にシュトラウスがオペラの台本作家ホフマンスタールの死を
嘆くシーンがありましたが
そのホフマンスタールとの制作したオペラ『ナクソス島のアリアドネ』も
東京二期会で、それも鵜山さん演出♪で拝見させて頂いたのでした。

さて、序曲の余韻もなにも、すーっと幕が上がりお話が始まりました。
どうやら『サロメ』には前奏曲がないのですね。
舞台装置は、無機質な壁に覆われた一室。壊れかけ今にも崩れかけそうな天井。
どうやら核戦争が起こり出口の見えない部屋は、シェルターの内部のようです。
なのでちょっと近未来的で衣装も現代風。
「最後の晩餐」をモチーフにした長いテーブル。
ヘッドホンでノリノリの王ヘロデは、なんとシャ○中毒。
長いテーブルの下でうごめく男女・・、その女性・・
とっかえひっかえ男性を代えていく女性は王妃ヘロディアス。
召使もそれに習うが如く・・
本を読みふけるユダヤ人たちは一見大人しそうですが、
何か事が起これば弱者に群がり、むしゃ、むしゃと
その全てを喰らい尽くすかのような狂気とその先の闇を感じます。
この世で悪と呼ばれるモノが、
この出口の見えない小さな世界で繰り広げられています。
そんな世界で生きるサロメは、彼らの吐き気を催すような宴会の中でも
悠然と体を休めているようで・・
それらが全くもって日常の風景の一コマに感じられているのでしょう。
でも、そんな中、一人袋を被って彼らと隔たれているのは、
囚われた預言者ヨナカーン。袋をはずされ、その素顔を見せたとき・・
サロメは、ヨナカーンに恋をします。
けれどもヨナカーンは、はっきりすっぱりサロメを拒否するのです。
そりゃそーなんですが、「汚らわしい」とサロメに言いつつ
ヨナカーンも清廉潔白な青年とも違う・・
サロメが王様の前で踊る有名な「七つのベール」のダンス
そのご褒美としてヨナカーンの首を欲しがるサロメが
渋るヘロデ王に必死に頼んでいる最中に、母ヘロディアスがヨナカーンを誘惑しちゃって
いやだよ~って避けつつも受け入れるヨナカーン。
このシーンは、かなり衝撃的・・だってヨナカーンが、ひゃ~びっくり仰天ですよ。
「そんなぁぁ~、あたしが一生懸命お父さんに首を頂戴って言ってる間に
ママとヨナカーンが!!不倫なんて、そんなアホなぁ」と、
そりゃあ、恋い焦がれる相手と母親の不倫現場を目撃しちゃうんだから・・

首を切り落とされて、ヨナカーンの首を抱くサロメの側に立っているのは
全てのしがらみから抜け出したかのような復活したヨナカーン。
ここからはちょっと現実からは離れた空間、ヨナカーンとサロメの
二人だけの誰も入ることの出来ない世界のお話。
ヨナカーンとサロメは初めて笑顔を交わして、
二人は軽やかに今まで出口が見えなかった世界から軽々と出て行きました。
このラストのサロメのアリアが本当に感動的で、
今まで見せられた全てのおぞましい場面が
清められるような繊細で美しい愛情深い歌声に、鳥肌が立ちました。
そして最後に二人が消え去る寸前「あの女を殺せ!」と客席から突然男性が叫ぶのです。
これもまたびっくり、私たちは単なる観客ではなく、彼らの立会人。
そう・・同じ劇場という空間の中で、彼らと運命共同体だったなんて・・・。

この日は、終了後に演出家コンヴィチュニー氏のアフタートークがありまして
コンヴィチュニー氏は、オペラで大事なものを順に挙げられました
1番は音楽。2番は歌詞。この二つは変えない。そして3番目はト書き。
100年前に、この作品が上演された時の観客の驚きを
現代の観客が観た時の驚きに置き換えるためにト書きを全部変えたと
おっしゃったコンヴィチュニー氏。
本当に驚きましたf(^_^;)
この作品は、賛否両論思いっきりあるようで・・演劇でもそうですが
芸術の世界は、みんながみんな同じ感想を持つことほど
気持ちの悪いことはないので、逆にいろんな世界を自由に見せてもらえる
そんな幸せを噛み締められた一日でありました。

さて、本当に久々の二期会のオペラ。
もちろんお目当ては、私のオペラ鑑賞の師匠・高田正人さんことだちょんさん!
だちょんさんは、5人のユダヤ人のお一人。
あんな事やこんな事をしちゃって、いや~んのびっくりでございました。
そこんとこやこの感想で興味を持って頂けた方は、ぜひだちょんさんのブログを
訪れてみて下さい。面白いですよぉ~
コンヴィチュニー氏の演出の解釈について、とってもわかりやすく解説して下さっています♪
うたうひとDACHONの人生奮闘記
だちょんさん今回も色々ありがとうございました。

これは、偶然ご一緒出来たkanoちゃんと近くの喫茶店で
飲んだパンダラテ♪美味しかった~
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2/22(火)~26(土)まで in 東京文化会館
by berurinrin | 2011-03-04 23:39 | オペラ

新国立劇場オペラ『鹿鳴館』

新国立劇場創作委託作品・世界初演『鹿鳴館』 in 新国立劇場中劇場(6/24)

原作         三島由紀夫
作曲         池辺晋一郎
上演台本/演出  鵜山仁

影山悠敏伯爵(黒田博さん)の妻・朝子さん(大倉由紀枝さん)の元に、
親しく交際してる大徳寺侯爵夫人・季子さん(永田直美さん)が娘・顕子さん(幸田浩子さん)と、
反政府派のリーダー清原永之輔さん(大島幾雄さん)の息子・久雄さん(経種廉彦さん)が
身分違いの恋愛していると告白されます。季子さんは、自分が叶わなかった生きかたを
顕子さんに託し、娘の恋愛を助けて欲しいと願います。
実は、朝子さんは、影山伯爵と結婚前に深く愛し合い、子供までもうけていた男性がいました。
その男性が清原永之輔さんであり、実の子供は久雄さん。
そして今もなお永之輔さんに対し想いを残していた朝子さんでした。
ところが、久雄さんさんが今宵の鹿鳴館での夜会で朝子さんの夫・影山伯爵の暗殺を企てていると
聞いて・・・

このお話は、11/3天長節(天皇誕生日)の一日のお話です。
いやぁ~世界初演ですよ。それも初日。で前売チケットが完売!
それも鵜山さんの上演台本ですよ!演出も!注目の舞台です。
あ~チケット買えてよかったぁ
以前に、この上演台本のお話を鵜山さんに伺ったときに
「縮めただけだから」って、両手を前に出して距離を縮めるようなポーズで、きゅっとして
さらっとあっさりおっしゃっていましたが
『鹿鳴館』のオペラトークで、三島作品は、勝手に言葉を付け加えちゃいかん・・そうで
本当は、ものすごく大変な作業だと思うんですけど。。
やっぱ、「好きな言葉をアンソロジーしちゃっただけ」と、あっさりおっしゃってましたねf(^_^;)
そんなトコが素敵なんですけど・・・

舞台は、シックなモノトーンの色調。
中央の回り舞台の上で、彼らのたくらみやら愛やら憎しみが、くるくる回りながら
その秘めた思いがふつふつと溢れ、どろどろと零れ落ちていく・・そんなドラマ。
誰もが誰かを愛しているのに、その思いは、一方通行。
朝子さんのご主人と元彼は、政治の面で仇敵同士。
幸せを願って別れた息子は、不幸の影を背負い・・もう散々なお話です。
そんなどろどろのお話ですが、三島さんならではの詩的で美しい言葉が
美しい音楽に乗せてキラキラと天空から降り注ぐように落ちてきます。
日本語ってこんなに美しいんだ・・・と、改めて感動。
言葉も聞き取れるし、難しい言葉は字幕の力を借りてと・・とても親切です。

第一幕は、妻である朝子さんの秘密を探る為、影山伯爵が
朝子さん付きの女中・草乃さんを抱きしめるシーンがすごく印象的でした。
これが艶めかしくてドキドキもんでしたわ。
二人が重なって、コロスのようなヴォーカリーズに絡め取られ、
地の底に落とされていくかのように消えていきました。
それに祝砲!美しい歌声やオーケストラの音色に慣れた耳には、
効果音は、とても異音に感じます。
オペラの世界では、効果音もあまり快く思われない方が多いと、トークで伺いましたが
でも逆に異音のリアルさによる臨場感がすごく伝わってきて、びくんどきん(笑)としました。

第二幕は、鹿鳴館の夜会のシーン。
冒頭のシャンデリアが浮かぶシーンや幻想のシーンも美しいのですが
精一杯背伸びをして西洋の慣れないダンスを踊ってる。どうも舞の形が・・そんな違和感と
滑稽さと気恥ずかしさが、お面を被るそのお面の絵の表情にも現れてみれて
観てるこっちも恥かしい・・そんなシーンもあり
それぞれの思惑が哀しい結末へ流れていく悲劇的な場面は、オペラという形態を
一瞬忘れてしまいそうなほどサスペンスで芝居的な色調があって、ぐいぐい吸い込まれていきました。
ラスト全てが終わって暗闇に吸い込まれそうな影山伯爵と朝子さんの二人のダンスシーンの崇高さ
もう、最高の舞台でした!

文学座からは、影山伯爵の影の存在・飛田天骨さんを演じられた早坂直家さん。
無言でしたねぇ~でも始終深く頭をたれ自らの存在を見せないようにしながらも
存在感ばっちし、そして左右の足の出し方まで計算してるかのようなふわっとした歩き方。
カーテンコールで、最後に客席に向ってやっと顔を上げて、早坂さんの顔が少し穏やかな笑みを
浮かべて下さるまで、本当に怖い刺客さんでした。
あっ、ホントの早坂さんは、とっても穏やかで面白いし優しい方ですよん(笑)
それに素敵な声の持ち主さんです!

さて、この日は初日!
鳴り止まないカーテンコールの何度目かに鵜山さんも登場!
わぉ~初めてのネクタイ姿!かっこいい~い(感涙)、めっちゃお似合いです!
そのお姿を見たいがゆえに、会社を半休して初日にチケットを取った不届きモノです(笑)
惚れ惚れするお姿の鵜山さんは、早坂さんと手を繋いで大拍手に応えられました。
そして最後の舞台に登場したのは、故・若杉弘さんの在りし日のお姿でした。
若杉さんの意思を、しっかり受取って引き継いで皆さんが形にした舞台です。
最後のシーズンの締めに華を添えるにふさわしい作品だと本当に思いました。

6/24(火)~27(日)  in 新国立劇場中劇場
*主要のキャストはWキャストでした(早坂さんは全日です)
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by berurinrin | 2010-07-09 23:58 | オペラ

新国立劇場オペラ『カルメン』

新国立劇場オペラ『カルメン』 in 新国立劇場・オペラ劇場(6/13)

作曲 ジョルジュ・ビセー
台本 アンリ・メイヤック/リュドヴィク・アレヴィ
原作 プロスペル・メリメ
指揮 マウリツィオ・バルバチーニ
再演演出 澤田康子
演出 鵜山仁

スペイン・セルビアが舞台。
ホセ(トルステン・ケールさん)は、心優しい婚約者ミカエラ(浜田理恵さん)
を大切にする真面目な伍長さん。
ある日タバコ工場で働く自由奔放で魅力的なカルメン(キルスティン・シャベスさん)
が女工達と喧嘩をして、逮捕されます。
ホセがカルメンを連行しようとしますが、カルメンの魅力の虜となり彼女を逃がして
しまい、その責任を取ってホセが逮捕されて投獄されてしまいます。
出所したホセはカルメンに会いに行きますが
偶然見かけた上官とカルメンの関係に嫉妬したホセは、上官に決闘を挑み
カルメンの云うがままに、密輸団の仲間になってしまいます。
全てを捧げてカルメンに尽くすホセ・・。けれどもカルメンの心はすでにホセからは遠く・・
彼女の目線の先には、彼女に好意を持つ闘牛士エスカミーリョ(ジョン・ヴェーグナーさん)の姿が・・・

2007年、鵜山さん演出の初演『カルメン』以来の2度目のオペラパレスです。
相変わらすハイソな雰囲気満載~!
当時の感想を読み直すと、思いっきりおのぼりさん状態で、テンションの高い事、高い事(笑)
なーんて、いいながらも(笑)今回も実は、めっちゃ楽しみにしてまして、もうテンション高い
2回ある25分の休憩時間が手持ち無沙汰で、
どーしたらいいのか?もーわからんと、サンドイッチを2回も買って食べちゃった(笑)
あほです。
『カルメン』は、どの楽曲もみんな好き。美しくって切ない旋律に溢れまくっています。

さて、再演の『カルメン』
主要なキャストも変わって、前回のカルメンは、マリア・ホセ・モンティエルさん。
とっても綺麗な方で、品があって可愛らしくて、ホセを誘惑するところなんて子悪魔ぽくって
めっちゃ素敵だったんですけど、今回のキルスティン・シャベスさんは、
セクシーダイナマイト路線(笑)一直線風。
女性からは俄然嫌われるタイプだけど、男性にはモテモテ女という、なんだかなぁ~と
でも自分に正直に生きてるカルメン像としては、マリアさんより、より近いのかもしれません。
でも、ちょっとショックだったのは、初演のエスカミーリョを演じられた
アレキサンダー・ヴィノグラードさんが、これまたしゃきーんと若々しくて綺麗な美しい方で
本能のままに生きるカルメンが、ホセを振ってエスカミーリョに心が動いちゃうのが
「こればっかりは、仕方ない」と納得したんですけど
今回のエスカミーリョ・・・う~ん、見た目が・・そんな・・どうなんですかねぇ~

オペラについては、まだまだ知らない事がいっぱいあって
今回は、再演演出という言葉。
要は、今回の再演の演出は、鵜山さんは絡んでいないんですよね。
オペラ『鹿鳴館』と『カルメン』の稽古初日が重なっているという事でも、ピンとくると思いますけど・・
やっぱ、オペラっていうのは、様式美で見るものなのかしら・・と
前回、演出助手をされた濱田さんが、事細かく初演時をそのままに再現して下さっているんですが
歌手も変わって、アンサンブルや助演も変わっているので、やっぱ違う。
幕開けと同時に、活気溢れる町の喧騒や華やかさが、舞台から溢れんばかりに
溢れてきたものが、残念ながら今回は感じられなくて、人がわらわら沢山そこにいるだけの
気持ち悪さに、一体これはなんだろう?と思っていたら
美しい音楽の終わりに拍手によって演奏止まってしまうシーンがかなりあって、それもあってかな・・
とも思ったんですけど・・まだ、まだ、オペラの見方がわからん。
オペラの休憩時間の過し方がわからん。

でも、夢のように綺麗だったなぁ~歌声も舞台も・・・また観たいっ!!

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6/10(木)、6/13(日)、15(火)、18(金)、20(日) in オペラ劇場

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オペラ『カルメン』に合わせたウエルカムフラワー!入り口を入ってすぐの正面に
飾られています。素敵でした。
ちなみに真っ直ぐ正面の階段を上がっていくと中劇場です。
by berurinrin | 2010-06-27 13:41 | オペラ

東京二期会オペラ『ラ・トラヴィアータ』

東京二期会オペラ『ラ・トラヴィアータ』オペラ全3幕原語(イタリア語)上演
                          in 東京文化会館(2/15)
台本 フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ
作曲 ジュゼッペ・ヴェルディ
指揮 アントネッロ・アッレマンディ
演出 宮本亜門

パリのヴィオレッタ(安藤赴美子さん)の華やかなサロン。
ガストン子爵(高田正人さん)がヴィオレッタに紹介するのは、以前から彼女に
恋をしている友人のアルフレード(井上了吏さん)。
けれどヴィオレッタにはすでにパトロンであり愛人のドゥフォール男爵(佐野正一さん)
という存在が・・。けれど真っ直ぐに愛を訴えるアルフレードの言葉に
ヴィオレッタの心は傾きアルフレードを愛するようになっていきます。
数ヵ月後、田舎でアルフレードと暮すヴィオレッタ。
生活は厳しくなり、ヴィオレッタはパリの彼女の資財を手放し生活資金としています。
それでもヴォレッタはアルフレードとの生活で満たされ
友人からの華やかなパーティーの誘いも興味はないようです。
けれど、アルフレードの父ジェルモン(青戸知さん)が
アルフレードとの別れを説得しにヴィオレッタの前に現れます。

ラ・トラヴィアータというのは、「道を外れた女」という意味だそうです。
小デュマの小説『椿姫』をもとにピアーヴェさんが、作り上げられました。
あ、小デュマというのは、お父さんがアレキサンドル・デュマ氏・・そう
『三銃士』や『モンテクリスト伯』を書かれた私の大好きなフランスの大作家。
その息子に当たるデュマ・フェスが書かれた作品なので、小デュマと一般に
いわれたりしています。

序曲が始まると静かに幕が上がり
上手側から下手側に下がる急勾配の八百屋舞台。
暗い格子柄の背景に当たる緩やかな照明が
ゆらゆらと、ぼやけた様なめまいを感じるのは、
瀕死の歌姫ヴィオレッタの状態と重ね合わすことができます。
愛するアルフレードの姿に手が届かなくて、弱り果てた彼女の姿と
切なくて美しい音楽が一体化される素敵な場面から本編が始まりました。

あれあれ、どこぞで聴いた事があるぞっと思う歌曲が多いのと
ドラマ性が強いオペラなので、ストーリーはわかりやすいし
演出も宮本亜門さんってこともあって、親しみやすく楽しく鑑賞できました。
(なんて云いながら『アイガットマーマン』しか観たことないんですけどね。)
それにしても、あの八百屋舞台。
よく見る舞台装置だし違和感はないのですが
それはあくまでも通常の芝居の話で、
肉体の鍛錬とかされている俳優達でも、腰に負担がくるとかよく耳にしますが
歌手の方達・・大丈夫なのかしら???と不安になってしまいました。
でもたくさんの歌い手の方々が、急勾配の舞台にずらっと並んで歌う姿は圧巻だし
全体的に暗い照明の中に、明るい光が差し込んだ色の線が美しくて
その光のコントラストもヴィオレッタの心情の映し出す光景とリンクできて
病魔に冒され、心を傷つきながらもひたすら愛する人を思うヴァイオレッタが
哀れだし、切ないっす。あ~辛い。

そんなヴィオレッタに愛されるアルフレードさんも辛い。
好きな女性との愛の日々が短すぎるだけに、その後の展開がかわいそう・・
愛に突っ走る姿が無邪気なだけに、時に両刃の刃になって彼女を傷つけますが
そんな姿も羨ましいなぁと、そんなに人を愛して愛されることって出来るんだろうか?と
今更ながら思ったりなんかしちゃって・・ラブですよ。

さて、今回はそのアルフレードの友人
ちょっとお調子もんだけど、アルフレードの事が心配で女性に優しい(女性と接する度に
かるーく会釈しちゃう紳士つーんですか♪)ガストン子爵を演じられたのは
高田正人さんこと、師匠のだちょん氏です(笑)
2幕では、赤いマントをぶんぶん回して、かるーくターンしてダンスまで披露されて
このぉ!かっこいい~ぞ師匠!!
この公演の後は、NYに1年間留学されるそうで寂しいなぁ・・
数日後には旅立つっていうのに「用意は?」と聞いたら
「なんにもしてねぇ~」おいおいお~い!!って感じですが
だちょんさんのブログを読んで頂けたらお解かり頂けると思いますが
わたしのようなオペラ初心者にもとっても優しい解説や作品の見所を紹介して下さる・・
そしてお茶目さんな(笑)だちょんさんの日々の姿・・
それはオペラなんて敷居の高い芸術ではないし、お芝居をふらっと観るような気分で
オペラも楽しめる・・そんな思いや姿勢がホント伝わってじーんと来るのです。
一年後、だちょんさんが何を感じて、何を得てどんな姿でわたしの前に現れるのか?!
今からわくわくです。

2/12(木)~2/15(日) in 東京文化会館

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by berurinrin | 2009-02-15 22:48 | オペラ

東京二期会オペラ『ナクソス島のアリアドネ』

東京二期会オペラ『ナクソス島のアリアドネ』 in 東京文化会館(6/27)

作曲  リヒャルト・シュトラウス
指揮  ラルフ・ワイケルト
演出  鵜山仁
管弦楽 東京交響楽団

と、あるご主人の館の祝宴で悲劇オペラ『ナクソク島のアリアドネ』の
上演を控えた舞台裏。
そこへ館の執事長(田辺とおるさん)が現れて、オペラが終わったら次は道化たちの
歌や踊りが上演されることを告げられます。
あまりの場違いな構成に困惑する作曲家(小林由佳さん)。
そこへオペラに出演する歌手達とツェルビネッタさん(安井陽子さん)率いる道化チームが
現れ舞台裏はごちゃごちゃに。
そんな折、執事長が再度ご主人の伝言を伝えに来ます。
「悲劇と道化劇を一緒に上演するように」
・・・・・。
そして上演時間がやってきました。

題名から、チラシの美しい写真から
どんな妖艶で美しいオペラが上演されるのかしら??と思いきや
どんでもない(笑)
1幕は、ドタバタのバックステージもの
2幕は、1幕のドタバタを踏まえた上での劇中劇。
重ねてオペラです(笑)

1幕は、舞台裏の混乱振りが芝居色濃く現れていて
わらわらうごめくひっちゃかめっちゃかぶりが見ものでした。
そして普通の会話に音楽が覆いかぶさるように台詞がメロディーに載っていく
と思いきや逆に歌が台詞に変わっていく・・おおっすごい
オペラ組vs道化組の温度差の違う能天気振りの役者たちのやりとり
「せっかく作ったど・悲劇なオペラなのにぃ~(><)」
一人混乱し絶望してる若き音楽家・・オモロ~Yeah~!(*^^)v 状態です。

そんな中、小悪魔的で可愛いツェルビネッタさんに面会する若い仕官さんを演じられた
高田正人さん・・だちょんさんです。ツェルビネッタさんの部屋に消えていきます。
いやぁ、「色事はおいらに任せろ、これから先は内緒だぜ」
みたいな流し目を客席に向けちゃう出番は少ないながらもインパクト大!
・・・さすが私のオペラの師匠!!色気ありますね。華やかな雰囲気がかっこいいです。

そして、2幕ではとうとう悲劇と喜劇の融合の舞台が上演されます。
恋人のテセウスに無人島の島“ナクソス”に置いていかれたアリアドネ(横山恵子さん)
が絶望に泣きくれてると、ツェルビネッタと愉快な仲間たちが現れる・・

こんなのありですか?!と、聞きたい位に弾けたオペラですが
登場人物達の個々の心情や人間関係が複雑のようでわかりやすい・・
とてもユニークで理解しやすいし細やかな作品です。
シュトラウスの柔らかで流れるような音楽が美しくて、
真逆な性格と立場のアリアドネとツェルビネッタの美しい二人の女性の
それぞれの愛の見つけ方が、なんとも可愛らしいなぁ・・なんて(*^_^*)

オペラの展開が、親しみやすく時に吹き出しちゃいそうな場面に出くわすなんて
初めての経験で、それはやっぱり演劇な要素が強いオペラだからだと思います。
1幕の混乱振りが印象強く残らないと、2幕の滑稽さや面白さが伝わらないんじゃ
ないかなと・・1幕の芝居色を濃く打ち出された結果。
2幕は、朗々とした美しい歌を聴くことで、ああやっぱりオペラを観に来たんだと
思ったラストシーンは、1幕の執事や仕官さん達がお客さまとして座って観てる?!
実は、私たちと一緒にオペラを観ていたというシーンで、劇中劇だったんだぁと納得。
この構成が新鮮でオモローYeah~!(*^^)v (2度目(笑))

文学座からは、神野崇さん、川辺邦弘さん、頼経明子さん。
そして文学座研修科を今年卒業された渡辺文香さん
頬を赤く塗って、お揃いのお衣装・・まるで4兄妹(笑)
時にピエロのように、大道具さんのように動き回る姿が面白いす。
ニヒルなイケメン川辺さんと神野さんの赤い頬っぺたは・・
見る価値十分ありありです(笑)

ああ、でも一つ気になったのは
アリアドネさんのアリアの最中、違和感たっぷりの低い音が・・・
鼾?!でも回りを見まわしても寝てる人なんか誰も居ないぞ・・
その低い音がプロンプさんの声だとは・・・結構ショック・・
んで、アリアドネのパートナーのバッカスさんの目線がどうも気になる・・
(3階から見ていたので、バッカスさんが白目剥いてる感じで・・)
それは舞台中央の小さなボックス。
見下ろしているから白目がちに見えたのでしたf(^_^;)
そこにプロンプさんが控えているのが解ったのはカーテンコールの際にバッカスさんが
手を差し伸べたら、ボックスからにょきっと手が出たから・・
う~ん。まあ、でも面白かったから良いっか。

6/26(木)~6/29(日)まで in 東京文化会館大ホール 

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by berurinrin | 2008-06-28 23:00 | オペラ