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くにこ』終演後、アフタートークに参加してきました。
司会は、田村勝彦さん。
田村さんは、作家の中島敦彦さんが、文学座に書き下ろされた第一弾
ゆれる車の音~九州テキ屋旅日記』で
元テキ屋さんで警察官という有江さんを演じられていました。
今回はご出演はされていませんが、向田作品のファンだそうで
こんな形で、向田さんの作品がちりばめられていて素敵だなぁ~と、感想を語られました。

折りしもこの日は2010年11月28日。
向田邦子さんが生まれたのは1929年11月28日。
ご存命であれば81歳のお誕生日。
「これも何かの縁かもしれません」ということで、アフタートークスタートです♪

中島敦彦さんと出演者全員参加です・・・あられれっ椅子が一つ空いてる?!

最初に紹介された作家の中島さんから、
角野卓造さんから「向田邦子さんでどうだ」と言われたそうで
色んなエピソードから、フィクションを入れつつ書かれたそうです。
「いかがでしたか?」と聞かれ、会場からは大きな拍手です。
そして出演者全員の自己紹介。
鬼頭典子さんは、鹿児島時代の「くにこ」の同級生から下町のおばちゃんまで
6役演じられているそうです。
「年寄りを一手に引き受けました(笑)」と、塩田朋子さん。
演じてる姿とリンクできないでしょう(笑)
そのギャップの違いで会場から笑いが・・「笑わないで下さい」と塩田さん。
本当は、めちゃめちゃ綺麗で美しい女優さんなのでした。
角野さんは「着替えが忙しくて“ばか、ばか”言ってるから声かすれちゃって・・」と
本番は全く気にならなかったのですが、ちょっと声が辛そうです。
怒りんぼうお父さんですから・・・ちょっと心配ですね。

田村さんから
「演出の鵜山仁さん、仕事の都合で遅れていましたが到着されました!」
と、「何もやってない鵜山です(笑)遅れちゃってすみません」と鵜山さん。
実は・・後から「あれは遅刻じゃない。言われた時間に着たんだよ」と(笑)

さてパンフには難しいこと書いてますが・・と
田村さんに企画というか思いとかについて聞かれた鵜山さん。
元々は、角野さんの企画で『缶詰』『踏台』『ゆれる車の音ー九州テキ屋旅日記ー』と
10年前から続いてきた企画の中で、参加させて頂いたというのが実感だそうです。
前作『ゆれる車の音』は、200近いステージ数で、地方を巡演されました。
(神奈川地区には来れなかったんですけど・・)
わたしも初演以外に、兵庫、静岡、京都、四国と拝見させて頂いたのでした♪
中島さんは、早々に舞台装置の打ち合わせとか参加されるそうですが
それは、台本があっての事ですが・・と、ネタバラシ?!
今回は台本が一行も無い状態での打ち合わせだったそうで
『ゆれる車の音』と同様に、俳優をイメージして台本を書く“当て書き”の手法を
取られたそうですが、装置も“当て書き”もあったかなぁ~と
シェイクスピアも“当て書き”の手法を使われた事があるそうです。

「迷った。どんな風にしたら良いか?」と中島さん。
ぎりぎりになってえいっ!って書かれたそうです。まさに劇中の邦子さん状態(笑)

企画者でもある角野さんとの打ち合わせは?と聞かれた中島さん。
「主に髪型を念入りに(笑)どの辺で薄まればいいか・・とか(爆)」
いつくかの役のなかで、財政文化社の社長さんの時に、ふさふさぺったり風の鬘を
被られるのですが、その鬘を「すばらしく良かった」と絶賛の中島さん。
やっぱ、髪型大事ですよねっ!!ぷぷっ
で、それについてと田村さんから聞かれた角野さん。
「こんなところで言うの?!(爆笑)」
続けて、角野さんからお話がありました。
「・・10年間、団塊世代の男の人の話を書いてもらってやってきた」と
ちょっとここからシビアなお話なのですが
企画の意図について語って下さいました。
まず一つは、劇団の経済的な理由として、お芝居を上演することの厳しい環境。
それはこの紀伊國屋サザンシアターを連日満員にしても赤字という現実問題。
全国の鑑賞団体に作品を買ってもらって、地方に巡演しないと運営ができない。
よって地方に巡演できる作品もやらなくてはならない。とおっしゃいます。
故・杉村春子さんは、毎年、年2回、約2ヶ月間毎の旅公演されたそうです。
おかげで、20代、30代の頃はアトリエ等で好きな芝居に打ち込めた・・
今度は角野さんたちの世代が、後輩たちにの為にやらなきゃいけないと
50代になって感じたそうです。
と、同様に、自分たちの世代で共感を持って観ていただける作品。
明日から頑張れる!そんな芝居をやりたい・・それが10年で一区切り。
もう一つは、女優達が活躍できる芝居をやりたい。
で、ふと思ったのが“向田邦子”さんだったそうです。
それは中島さんの『びっくり箱』の記憶があったそうです。
中島さんお願いした事は、人数が10人以内、上演時間が2時間以内で休憩なし。
角野さんご自身が、観客となって芝居をご覧になる際に、好きな時間構成だそうです。
人数は予算的な問題らしいですが・・
内容については、なんでも好きに書いてください・・と、お願いされたそうです。
で、鬘を被られた感想(笑)は・・・
久しぶりに被られたと角野さんの感想は「熱い(笑)」とおっしゃっていました。
普段は地毛だそうですよ(笑)

ここから質疑応答です。

塩田朋子さん扮するきんさんが、亡くなって棺おけに入られますが、
棺おけに入った感想について

あの棺おけは本物だそうで、お布団も枕も付いていて非常に寝心地が良いそうです。
だた死装束の合わせが違うので普通の所作が出来ない。
棺おけの中は、とても暑いそうですが、「棺おけに入ると長生きできる」と言われ
「良い経験をさせてもらっています。(笑)」

他に質問から出たエピソードなど・・

小中学校の頃から、向田さんのドラマシリーズをご覧になっていたとおっしゃったのは上田桃子さん。
本もほとんど読まれていたそうで『くにこ』に出演できて嬉しかったそうです。

マージャン初挑戦なのは太田志津子さん。パイを触ったのも、お稽古場でお初
だったそうです。このシーンは毎日どきどきしてるそうです。

約2時間で6役をこなす鬼頭典子さん。稽古場の時から混乱しないように
いんちき衣装(笑)で着替えをされていたそうです。

向田ファンにとってカメラマンは、伝説的な男性だそうで
そのカメラマンを演じられた亀田佳明さん。お知り合いの方から
「ちゃんと演らないと(向田ファンを)敵に回すよ」と言われたそうです。
結果、かっこよかったですよね~

そのカメラマンについて中島さん。
「カメラマンの男性は、向田ファンは誰でも知ってるけれど実像はしらないという」
う~ん、ミステリアスですねっまぁ、でも・・ですよね。

山本郁子さんのお母さんが素敵だったと感想をおっしゃった
お客様に対して
「昭和のお母さんをイメージして、お父さんを立てつつ、実は握りつつ角野さんにお仕えしています」
そのお父さんの角野さんから
「あの頃の昭和のお父さんは、あんなもんだったんじゃないか?!」
ちゃんと家族の中心として立っていて、家族のピラミッドが出来上がっている。
昭和の時代。お父さんがあんなに強かったら、家族が弱ることは無い。
家族の絆がなくなったらつまらない。どんな形であれ繋がっていないといけない。
とはいえ実際の角野さんは、ご自宅でめちゃめちゃ動くそうです(笑)

ヒロインのタイトルロール邦子さんを演じられた栗田桃子さん。
役作りについて、向田さんの本やインタビューの映像とかご覧になったそうですが
何より大事にされたのは、中島さんが書かれている本の中で、
どうやったら生きていけるか?!
小さな女の子が、色んな人たちと出会って積み重なっていく大人になっていく姿。
共演者の人たちから沢山積み重ねていけたら良いなぁと
思って演じられているそうです。

最後に、学校の演劇部に所属されいる方からの質問で、
心掛けていることは何ですか?と聞かれ
関輝雄さんから
「役と真摯に向き合う事が大事」と
今回、鹿児島弁で大変苦労されたそうですが、
最後には方言指導の方からお墨付きを頂いたそうです。
「あんまり考えてやってない(笑)」そう言いつつも
「真摯に向き合うことは大切」と上田桃子さん。
「人によって色んなやり方があると思うんですけど・・」と塩田さん。
「今回おばあちゃん役をやらされて、さっぱりわかりませんでした(笑)」
杉村春子さんが『女の一生』を82歳位まで演じられたそうです。
最初のシーンは16歳で、幕ごとに年を取っていく構成で
「自分の年齢を経てこそ、若い年齢がわかる」とおっしゃったそうで
今回は、自分の行った事のない年齢を演じられている塩田さん。
人によっては、時代背景の本を読んだりされるそうですが
何かという正解は無い。ぴーんときた直感を大事にしたらいいんじゃないか?!と
それが結果、真摯に向き合うことなんじゃないか・・と、おっしゃいます。

で、関さん
「私もそうだと思います。お芝居は難しいです」
最後に、栗田桃子さんの締めのご挨拶があって、
約一時間ほどのアフタートークは以上で終了です。
ニュアンスの違いとか、いっぱいお話が前後したりしてますが、お許しくださいませ。

さてこの日は、今度は池袋に移動して舞台芸術学院の発表会♪
鵜山さん演出『ルーベンスタインキス』を拝見です。
感想は、また次の機会に
ともあれこの日は、鵜山さんづくしの一日なのでした。
やっほぉ~!!
by berurinrin | 2010-12-03 21:20 | イベント

<ぶんげいマスターピース工房 シェイクスピア・コンペ>
学芸講座『シェイクスピア戦記―演出家・鵜山仁さんに聞く』 in 京都府立文化芸術会館(10/30)


講師   鵜山仁
聞き手 平川大作

後半は、過去に鵜山さんが演出された『女たちの十二夜』の映像を見ながらのトークから始まりました。
今、拝見しても斬新というか面白いですね!
わたしはサンシャイン劇場の再演の舞台を拝見しているんですけど
ほぼ女性だけで演じられるユニークな作風のきっかけは、
翻訳された小田島雄志さんが、どこかの女子高で、ご覧になって面白かったからという(笑)
平川さん『十二夜』は、宝塚でも上演されているそうです。

お話は、双子の兄妹を中心に二組のカップルが生まれるハッピーエンドのお話ですが、
その双子を内野聖陽さんと青山雪菜さん(再演)が演じられています。
互いに死んだと思っていた双子が偶然出会って、互いの姿が瓜二つ・・・
という超感動するシーンの映像が流れて、
「とても二人が似ているとは思えない(笑)一種の見立てですね」と鵜山さん(爆笑)
こういう世界が成立しちゃうのもシェイクスピアの世界だとおっしゃいます。
内野さん、若いですねぇ~キュートです♪

平川さんから、映像をご覧になっての印象は?と聞かれた鵜山さん。
やっぱり台詞に使われて日本語は、どこか戦前の教養を背景にした日本語・・・と、鵜山さん。
美しい小田島雄志さんの翻訳です。
この頃から「第三世代」や「夢の遊民社」とか小劇場世代の俳優が登場されるようになり
男性が力を失くしてきたんじゃないかなぁ~と、鵜山さん
「破天荒の酔っ払いを女性が演じるとエネルギーを感じる」と.
確かに高畑敦子さんや片桐はいりさん、白石加代子さんの自由奔放な弾けっぷりは
今、観ても本当に弾けた勢いのある演出で女優達が生き生きと男性を演じておられます。
本当に躍動感があって面白い~(笑)
「これけっこう小田島さんが付け加えた以上のことをやっちゃった気がする(笑)」と、
いたずらっぽくおっしゃる鵜山さんです。
う~確かに、舞台にウ○コ出ちゃったり、遊び心満載でしたねっ

この『女たちの十二夜』は、TVで劇場中継されましたが
ご自身の作品の放送は、再演の時にとらわれちゃいそうで、あまりご覧にならないようです。

昨年、10/27~11/23まで新国立劇場で上演された『ヘンリー六世・三部作』に話は移りました。
『ヘンリー六世・三部作』には、それぞれ第一部『百年戦争』、第二部『敗北と混乱』、
第三部『薔薇戦争』と副題が付いていましたが、これは鵜山さんが考えられたそうです。
平川さんから、芝居の舞台となる土地に前もって行くんですか?と聞かれた鵜山さん。
「これを記念に行くようになった」そうで、最近では、今地方巡演中の
無名塾公演『炎の人』(2010年3月サンシャイン劇場で公演)
のゴッホゆかりのオランダ、フランスに取材旅行に行かれてました。

本場イギリス、RSCでは『ヘンリー六世』三部作だけでなく
その前のストーリー『ヘンリー四世』第一部、第二部『ヘンリー五世』。
続編に当たる『リチャード三世』と計七部作を上演されたそうです。
すげー!

『ヘンリー六世』のお稽古に入る前に、鵜山さんはイギリス・フランスと縁の地を自費で!
(ここんところは大事だそうで(笑))
季節は春。ヘンリーを巡る取材旅行に行かれましたが、その時の写真を映しながらの
注釈を入れて思い出の土地を振り返られました。
結局、どこの場所をめぐっても田畑野原の平和な景色ばかりが目に付いて
でもかつては戦場で血なまぐさい話ばかり、そんな積み重ねの最後にたどり着いた
セント・オールバンズ大聖堂では折しもカール・ジェンキンス作曲の
「Armed Man平和のためのミサ曲」のコンサートが開かれ。
そもそもその曲は、コソボ紛争の犠牲者を悼んで作曲されたというミサ曲だったそうですが、
原曲は15世紀の音楽をベースにされていてたそうです。
この曲を聴くと舞台のシーンが蘇えってくる気がします。

で、戦跡旅行のスライド写真の次は『ヘンリー六世』の舞台写真を見ながらの
シーンごとのこぼれ話など聞かせて下さいました。
その中で、いくつか・・ご覧になっていない方は、なんのこっちゃって感じですみませんが、
お付き合い下さい。

全キャストは37名。シェイクスピアの総作品と同じだそうです。

まずはセット、イギリス庭園にしたかったそうで、池も欲しいし木も欲しい。
で、今は何も無いけれど人間の喜怒哀楽のプレスされた歴史の蓄積みたいなものを
表現したかったそうです。

『ヘンリー六世・第一部』
<ヘンリー五世の葬式の場面>
幕開け、キャスト37名全員が出演されているそうです。
この俳優群の立ち位置が圧倒的でしたが、演出的には
「「ヘンリー五世が死んだ」というニュースに対してのそれぞれの距離感で立ってください」と
指示を出されたそうです。

<イギリス軍とフランス軍>
フランス軍は青、イギリス軍は赤。
フランス軍の陣営に出てきたバックのブルーシートに見えたのは、実際は布だったそうですが
色を塗ったらバリバリのビニールシートになっちゃた(笑)・・・そうです。
稽古場では、ふあふあした軽い布だったそうです。
フランス軍のお化粧・・・お顔白く塗ってましたねぇ~オルレアンの私生児を演じられた城全能成さん(笑)
「フランス18世紀で行きましょう」で決まったそうです。
ロココですね~

衣装については、中世のイメージをコラージュしたそうです。
色に関しては、丁度その日、二日酔いで気分が悪くて「灰色にしましょう」と言ったら決まっちゃった(笑)
と、鵜山さん。これは冗談だと思いますが(笑)ただヘンリーは白でいきましょうと、
で、フロアの色合わせて他の方々は白から黒の中で色を決めていかれたそうです。
小道具はジャコベッティでと・・ほほぉ
「コートはトレンチコート?」と平川さん。
「日本軍の軍隊外套」だそうです。

『ヘンリー六世・第二部』
<ジャックケードの率いる反乱軍>
国内の内乱で、立川三貴さん演じられたジャック・ケードと愉快な派手な仲間たちの
衣装。「東京衣装さんにある出来るだけ派手な衣装を揃えて下さい」BY鵜山さん(笑)


『ヘンリー六世・第三部』
<音楽>
後のリチャード三世となる岡本健一さん演じられたリチャードのモノローグの
BGMの曲は『オズの魔法使い』の「オーバー・ザ・レインボー」。
リチャードの幼児的なある種の夢・・で、この曲を選ばれたそうですが
昔、大阪で『仁義なき戦い』をご覧になった鵜山さん。
壮絶な殺し合いの中で「こんにちは赤ちゃん」という曲が使われていた事を思い出されたそうです。
ちなみに『新・仁義なき戦い』は、布袋寅秦さんが曲を提供されてました♪

ヘンリー六世(浦井健治さん)が自分は無能力でアイデンティティーがなくなちゃって
なんてことのない森番二人につかまってしまうシーン。
森番は中嶋しゅうさんと村井国男さん。
お二方とも一部、二部では中嶋さんはグロスター公。
村井さんは、サフォーク伯という重要な役柄を演じられていましたが、
楽屋で村井さんってば、「俺の本役は森番Bだ!」とおっしゃっていたそうです(笑)

そしてラスト、全編9時間で休憩入れて約12時間。
次世代の子供たち・・新しい子供を未来に託すシーンで
キャスト全員に出てもらった。最初と最後は全員で、最初のシーンは葬式で
最後のシーンは誕生式。巡り巡って次ぎは何が起こるか解らない
ちょっと亡霊的な感じが強いかも・・・と、鵜山さん。

と、多少所定の時間をオーバーしましたが、お二人のざっくばらんなトークで終始した
親しみやすいシェイクスピアに関わるお話で、楽しい充実した時間を過す事ができました。

話が前後したり、勝手な解釈が一杯入ってます。改めてそこんとこゆるやかにさら~っとご覧下さい。
う~、それにしても『ヘンリー六世』・・大きな舞台でしたね。
その舞台を拝見できた事、本当に幸せな体験でした。
願わくば、も一度観たい!!!!つーか、ご覧になられなかった方に観ていただきたい。

さてこの日は、深夜バスを予約してまして(笑)こんなヘタレなわたしが深夜バス!
実は、すでに放送は終了してますが『水曜どうでしょう』というローカルバラエティ番組
が今更ながらマイヒット中で、その中でも「三日三晩深夜バスだけの旅」を観たばかり(笑)
こりゃ深夜バスに乗らなきゃ!と思ったのですが
講座が終わった途端、体力的にぐったり・・(それは午前中の行動の所為なんですが・・)
結局、新幹線で帰ったという、やっぱヘタれの日帰り旅でございました。
でも、ほ~んと良かった!楽しかったで~す!

さて、この<ぶんげいマスターピース工房 シェイクスピア・コンペ>
コンペ部門にグループAKT・T『ヴェローナの二紳士』に文学座から山谷典子さんがご出演&
スタッフに賀澤礼子さんが参加されていて
優秀賞(最優秀賞は該当なし)を受賞されたそうです!おめでとうございます。
by berurinrin | 2010-11-25 23:57 | イベント

<ぶんげいマスターピース工房 シェイクスピア・コンペ>
学芸講座『シェイクスピア戦記―演出家・鵜山仁さんに聞く』 in 京都府立文化芸術会館(10/30)


講師   鵜山仁
聞き手 平川大作


鵜山さんと平川さんとなれば、最近では『モジョミキボー』!ちょっと前なら『コペンハーゲン』!
どちらも話題作だったし、素晴らしいし大好きな作品です。
『コペンハーゲン』なんて、なんの話をされてるのか?さっぱり判らない理論物理学なのに
どきどきする緊張感、めっちゃすごい作品でした。
さて、そんなお二人の馴れ初め(笑)というかきっかけは、2005年にオープンした
兵庫県立芸術センター(杮落としも鵜山さんが演出された『朱鷺雄の城』でしたね)の一環で、
建築前に、ソフト先行というか、海外の新しい戯曲を20数作品を平川さんが翻訳され、
その中で鵜山さんが演出された作品があったそうです。

鵜山さんの過去をさかのぼってお芝居とその折々に関わったシェイクスピアについて
お話をして下さいました。
シェイクスピアだけでなく色んなエピソードを交えてお話して下さったのですが、
勝手にはしょったり、勝手な解釈満載ですがお許し下さい。

反戦劇『マクバード』(バーバラ・ガーソン)や『袴垂れはどこだ』(福田善之氏)を上級生が上演し
『ヘンリー四世』(ピランデルロ氏)や『友達』(安部公房氏)『ジョルジュダンダン』(モリエール)を
演出しつつ自ら主役を演じられたという楽しそうな(笑)学生時代を送られた鵜山さん。
バーバラガーソン作『マクバード』というのは、シェイクスピアの翻訳家といえば小田島雄志さん!
小田島さんの初期の翻訳の作品で、題名からピン♪とくると思いますが
シェイクスピアの『マクベス』をベースにして、
アメリカ大統領ジョンFケネディに置き換えた創作劇だそうです。
そして、台本として意識して読んだシェイクスピアは、
高校生の頃『ベニスの商人』が初めてだったそうです。
当時、自室の壁に芥川比呂志さんの『ハムレット』の写真を貼っていたそうです。

高校を卒業して、上京してきた70年代には、渋谷ジャンジャンを拠点とした
シェイクススピア・シアターが活動を始められた時期だったそうで、
ほとんど舞台セットのない空間で、出口典雄さんが演出され全37本上演されたそうです。
「ジーパン・シェイクスピア」と呼ばれたそうで、小田島さんが月一本程のスピードで翻訳したものを、
次から次ぎへと連続上演されていたそうで、通常だったら約3~4時間掛かる作品が2時間強位で
すごいスピードで、シェイクスピアの世界を征服していった感があったそうです。
その頃は、つかこうへいさんが、舞台で「ぶす」と言ったり
いままで舞台でしゃべれなかった言葉が、しゃべれるようになっていき、
劇場に行けば、新しい発見、ものが見えたそうです。
つかさん繋がりで、つかさんの舞台『ストリッパー物語』に裏方で付いた事があったそうで、
打上が京都で先斗町(ぽんとちょう)に生まれて初めてお座敷に上がって、
つかさんにビールを次いで頂いたという、貴重なエピソードを語って下さいました。
鵜山さんも24歳で文学座に入って5年間位は、下積みを経験されたそうです。

昨年、鵜山さんが新国立劇場で上演され超話題作となった『ヘンリー六世・三部作』は
日本で2回目の上演で、公式では日本で3回上演されているそうです。
初演はシェイクスピア・シアター。今年上演された蜷川幸雄さんは三回目。
蜷川さん版『ヘンリー六世』は、新訳でしたが、鵜山さん版は、小田島さんの訳で上演されました。
その意図を平川さんから聞かれた鵜山さんは、
あるハードル感というか、今の普段の日常の言葉とちょっと違う。
小田島さんが翻訳された当時の日常の言葉との微妙な空気感や抵抗感に
こだわってみたかったそうです。

鵜山さんが演出されたシェイクスピア作品ということで、配布されたテキストは、
「赤旗」に連載された『シャイクスピアを巡る』という鵜山さんの書かれたレポートを中心に話を進められます。
純粋にシェイクスピアの演出作品というと『リア』『夏の夜の夢』『十二夜』ですが、
ほかに変わった作品で鵜山さんご自身が、アトリエで企画されたエドワード・ボンド『リア』
『リア』は去年、まつもと芸術劇場企画で拝見したんですが、すごくエグかったですf(^_^;)
フランスや本場、イギリスのRSCでも上演されたそうです。
メジャーリーグ制作で2本。
『女たちの十二夜』と『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(トム・ストッパード)
『女たちの十二夜』は、「殆ど女性でやっちゃおうと」
男性は二人(生瀬勝久さん、内野聖陽さん)以外は、女性で演じられた作品。
『ハムレット』のアナザストーリー的な『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』は、
ロズ、ギル(生瀬さんと古田新太さん)の会話を関西弁でやってみたそうで、
これらの面白いアイデアは制作側からだったそうです。
わたしは『ロズ・ギル』が大好きで、映画化されています。
(映画版だとゲイリー・オールドマンとティム・ロス)DVDも持っていますが、今は絶版かもしれません
いつか文学座で観たいです。

1998年1月、新国立劇場開場記念の三本立ての第三弾として上演された『リア王』は、
主役が山崎勉さん。当時の芸術監督の故・渡辺浩子さんの企画だったそうです。
ちなみに、この時のエピソードは、
山崎さんの著書『俳優ノートー凄烈な役作りの記録』(文春文庫)をぜひおススメします。
(この本で、わたしは完璧に鵜山さんに惚れたのでした(^^)/ )

1983年から約一年半程、フランス留学をされていた鵜山さん。
平川さんからフランスにおけるシェイクスピア劇について当時を振り返る形で伺われました。
劇作家不毛で演出家の時代で、コンクリートでセットを作っちゃうとか
本物の雪を降らせたり、始めから終わりまでらくだを舞台に立たせたり、刺激的な舞台があったそうです。
でも、ジュルジュ・ストレーレルという演出のイタリア語で上演された『テンペスタ』(『テンペスト』)や
図書館で本をひっくり返しながら演じられた『ロミオとジュリエット』を
ご覧になったようです。
「目で観て解る演出のインパクトとか?」と聞かれた鵜山さん。
圧倒的な物量の違いだとか、中でも日本とは周波数が違うから?と
照明の色の違いをおっしゃっていました。今は、日本でも、そう変わらないそうですが、
明かりの印象で、ベルリンオリンピックの時に発明されたという
HMIという水銀灯系の明かりが幅を利かせていたそうで
色温は低いけれど、かぁ~と白く照りつける明かりの中で男女のラブストーリーにしても
神経の奥の奥まで突いてくるような感じがして、でコンクリートの高い壁が背景にあったりとか・・。
あとヴァンセンヌの森に本拠地を置く太陽劇団という劇団で、よくシェイクスピアが上演されていたそうで
『ヘンリー四世』とかご覧になったそうです。
けれど、ちょっと異質というか独特の扮装をされていたそうです。

フランス語にはシェイクスピアの言葉が合わないというのが定説になっているそうです。
とはいえシェイクスピアの時代に、だんだん英語が言語として形となってきたそうです。
ヴァンセンヌの森は、ヘンリー5世が赤痢で亡くなった場所で、
そのヘンリー5世からイギリスの王様と認知され始め
それまでフランスの王様という時代があって、フランスからイギリスの見方をかえると
日本と中国とか置き換えられるし、確執の痕跡がみえるそうです。

『ヘンリー五世』は立派な王様のお話で、『ヘンリー四世』は、フォルスタッフが出てきて面白い・・で
『ヘンリー六世』というと、優柔不断で(笑)と平川さん。
すると鵜山さんが、「学問が好きで、ケンブリッジを作ったりした王様」とちょっとフォロー♪
と、ここでインターバルをはさんで、後半は『女たちの十二夜』の映像と『ヘンリー六世』のお話に入ります
by berurinrin | 2010-11-23 21:26 | イベント

英ロイヤル・コート劇場芸術監督ドミニク・クック氏
来日記念シンポジウム

2010年10月6日 in 文学座アトリエ

司会進行  高瀬久男
パネリスト ドミニク・クック氏
   通訳 中山香織氏
そして空席のいす(誰が来られるのかなぁ~きゃはっ)

テーマ「芸術監督の仕事」

ロンドンの演劇事情などを盛り込んで高瀬さんより、先ずは背景からお話をして下さいました。

クック氏といえば、2002年~8年まで続いたファミリーシアター『アラビアンナイト
(リンクは2006年バージョンです)を脚色されました。
青山円形劇場がスタートして大ヒットした作品ですね。
高瀬さんは、いつかロンドンで公演したいと思っていたそうです。
そんなこんなである日、翻訳の中山香織さんから「読んでみませんか?」と送られてきたのが
カラムとセフィーの物語』だったそうです。
『アラビアンナイト』にしても『カラムとセフィーの物語』もそうですが
両方ともストーリーがしっかりしていて、アンサンブルで動くというのが、素敵だなぁと思われたそうです。
『カラムとセフィーの物語』の稽古初日の前には、ロンドンに行って
クックさんの稽古場を見学されたそうです。

『アラビアンナイト』の事もあって来日をとても楽しみにしていたと、クックさん。
前日には、一人で京都に行って来られたそうです。
文学座についての感想を聞かれると
経済状態は似てる(笑)と
なによりアトリエのスペースにとても感動されたようです。
「『カラム・・』については、大変難しい芝居だけれども
世界中の演劇人と話すとすぐ仲良くなれる。
言葉を超えてコミュニケーションができる」とおっしゃっていました。
それは、手段は違えど目指すところは、きっと同じ方向を向いているからなのかもしれませんね。

イギリスで舞台俳優を目指す為には、3年間演劇学校に通うそうで
演劇学校は、すべて民間経営されています。
で学生たちは、自治会で助成金が出るそうです。
最近は、どこの演劇学校も生徒たちが増えてるそうです。
卒業しても医者や看護士のように役に立つ技能はないけれど
有名になりたいと思う人たちが、こぞってやってくるそうです。
たくさんの学校があるそうで、その年によってレベルは変わってくるようです。
で、演出になるには・・と、いうと特に何があるわけではなくて
「自分は演出家!」と言って、周りを納得させるのだそうです。

卒業後、テレビ局に勤めたクックさん。3年間、報道を担当して退社後に
友人たちと劇団を立ち上げ、2年半に渡ってツアーをされたそうです。
当時は、ご自身の演出は未熟だっと言いつつ、資金調達や税金については長けてたそうでしたが
カンパニー全体が疲れてきた時に、
RSC(ロイヤルシェイクスピアカンパニー)の演出助手の仕事が決まったそうです。
その後、約2年間素晴らしい演出家の元で素晴らしい経験が出来たそうです。
そしてシェイクスピアをやるという事は、演出家にとって難しい事だと痛感したそうです。

演劇学校では、学校によって違いますが
実践的なことを学びつつ、テクニックを学んでいくそうです。
演劇は、イギリスの文化に重要な役割を持っているので、
若者たちはプレッシャーを感じるそうです。
俳優という職業は、生涯学び続けなくてはならないし
学び続けたことを伝え続ける仕事であると、
そして、残念ですが、失業率が非常に高いそうです。

演出助手の後は、演出の仕事を始めたクックさん。
このステップは、かなりの痛みが伴ったそうです。
それは、お金の調達で、自分に投資をしてもらわなくてはいけない。
お金を集めるのは、非常に長い時間がかかるそうで
その後の3年間は、たまに演出している以外は、働いたり
お金を集めたり、生きる為の違う仕事をしたりされたそうです。
けれど、当時は、今は、なくなってしまったそうですが
社会保障(失業保険)から多少の援助をもらえた時期だったそうです。

その後、フリーランスの演出家を経てロイヤルコート劇場の芸術監督の
公募があったので、応募されたそうです。
ちなみに芸術監督については、雇用機会均等法によってすべて公募なのだそうです。
募集については新聞やネットに載るとのこと。
難関を乗り切って2006年大晦日に就任されたそうです。

ロイヤルコート劇場は、1888年創立で
戦争によって被害を受けたり、映画館になった時期もあるそうですが
現在は、新人作家の発掘を目的とした新作戯曲を発表する劇場だそうです。

で、芸術監督としては、劇場のすべての最終責任の責務を負うそうで
もちろん経済面も含まれるとの事です。
例えば、火事で劇場が焼けても芸術監督の責任。
丁度この時期、ヨーロッパをゲリラ豪雨が襲って、大雨洪水で大変な事になったそうで、
地下の非常照明が壊れたそうです。
メインの劇場は、公演が終わったばかりで、併設している小劇場の公演の
夜の公演をキャンセルになったそうです。
不幸中の幸いでした。
芸術監督は、4年間の契約で今年切れるそうですが、
来期もオファーされているそうで、そのまま継続されるそうです。
いやにならなければ・・と(笑)
年間18本の作品を上演し、新作を生む。
ロイヤルナショナルシアター、RSCなど巨大な組織で助成金の面でも
同じ本数を確保し同じ数の作品を作るのは、ないお金でやっていくのは、プレッシャーだそうです。

演出をされてない時のドミニク・クックさんのお仕事は
20~35%は、トラブルの解消だそうです。
芸術面や演出家のスケジュール。プレビューの時に判る投資の失敗の解消。
人事面、セクション間のトラブル・・・・水害(笑)

芸術面では、新しい作家たちが書かれた作品が年間約3000作品近く届けられ、
スタッフは、ただひたすら読み続けるそうです。
また15歳から始まるライタースクールでは、毎年50作品委嘱され
芝居を発展させる為にワークショップや観客に観せて試す試みの
ドラマリーディングも開催されているそうです。
そおいえば、今年は、イキウメ主宰の前川知大さんが、毎年行っている
「インターナショナル・レジデンシー」というプログラムに
参加された事がシアターガイドに載っていました。
また、「ヤングライターズプログラム」というのがあって、
その中から3作品が上演され、その内の一作品は、14歳の少女が書いた芝居だったそうです。

良い芝居であれば、書かれて三ヵ月後に上演が可能だそうで

言葉を持たない観客が何を求めているかを、キャッチするのがアーティストであり、
何か新しい声、アイデアを提供することが、ロイヤルコート劇場の使命であるとおっしゃいます。
その為には、劇作家を守らないといけない・・多大なリスクのかかる事だそうです。

また、外にも目を向けて、いい作品があれば招いて上演することも可能だそうで、
一つの国に絞ってプログラムを展開されるそうです。
今までに、アラブ諸国やロシア、トルコ、南米の国々の作品が上演されたそうです。

2006年、劇場は50周年を迎えたそうです。
与えられた資源を最大に利用することが大切だとおっしゃいます。
出来るだけ芸術的な作品を、出来るだけ多くの観客に届ける
それらを、どうしたら最大限に生かせるか?模索中だそうです。

さて、ここで高瀬さんから声が掛かって
空席だった椅子に呼ばれたのは、文学座にもいらしたんですねぇ~うふふっ
芸術監督と呼ばれた方が!颯爽と壇上に上がられたのは、そう!
新国立劇場演劇部門前芸術監督の鵜山仁さんでした。
きゃぁきゃぁ~♪素敵っ★(すみません・・・)

高瀬さんから、クックさんに尋ねたいことは?と聞かれた鵜山さん
「(芸術監督を)辞めたらどうするんですか?(笑)」
あ~みたいなぁ~掴みはオッケーな鵜山さんです。
ロイヤルコート劇場のパンフをご覧になっていた鵜山さん
アトリエの上演作品と重なるものがいっぱいあったそうです。
『ゴトーを待ちながら』『怒りをこめて振り返れ』『キッチン』などなど
今に至るまで、アトリエではイギリスの芝居ばっかりやっているわけじゃない
それなのに、ロイヤルコート初で日本初演の作品をアトリエで数多く上演している事が信じられない。
と、おっしゃる鵜山さん。
「じゃっかんこっち(アトリエ)が、兄貴分(笑)」

「ロイヤルコート劇場には、固有の劇団は持ってますか?」と鵜山さん。
固有の劇団は持っていないそうで、民間の演劇学校の卒業生を招いてるそうです。
アトリエで『カラムとセフィーの物語』をご覧になったクックさんは
劇団として、長い期間で協調し合っている姿がうらやましいとおっしゃっていました。
ロイヤルコート劇場は、劇作家の為の劇場だそうです。

昨今、現代劇を発掘するのが難しい時代になってきたようです。
最近、19歳の劇作家の作品を上演されたばかりとの事ですが
彼らにふさわしい環境を与える必要があるとおっしゃいます。
そしてロイヤルコートには、若い劇作家を支える素晴らしい指導者がいらっしゃるそうです。

「どうしても一見タブーがなくなっちゃって、それを超える新しい表現を見つけるのは難しい」と、鵜山さん。
東西冷戦を区切りとして鵜山さんが例えて話されると、クックさんは
現在の世界、社会から自分自身の問い掛けへと移行してきたとおっしゃいます。
「難しいテーマに挑んでいきたいという欲がある」と鵜山さん。
作品のテーマというか、時代時代による現状の責任、誰に責任があるのか?
それは政治だけじゃなくて、自分たちかもしれない。」
この環境の責任は、この人たちの責任のせいとか・・今であれば、気候変動とか
目の前のペットボトルとプラッスチック製のコップを例えて
「何でプラスチックのもの(ペットボトル)から
プラッスチック製のコップについで飲むのか?」
部分的にでも誰もが何かの責任を担っていると。クックさん。
対立するものが時代共に変貌してきた。と、おっしゃいました。

「今後、公立劇場との仲介役となっていくんだろう・・
国から助成金をもらっているので、商業(民間)では成り立たない芝居も上演する義務もある。」
そうおっしゃるクックさんに頷く鵜山さん。
現芸術監督のクックさんと前芸術監督の鵜山さん。

もっともっと話し合いたいという気持ちが伝わってくる後半は熱い対話になっていきましたが
話がわたしのド素人レベルでは、難しくなってきてしまいましてf(^_^;)
そこんところは、発売中の今月号のシアターガイド12月号
このシンポジウム後に収録されたお二人のガチンコ(笑)トークを読んで下さいませ(笑)
by berurinrin | 2010-11-20 23:06 | イベント

後半は質問タイムです。
作品の内容が、かなりショッキングなものだけに、質問もいつも以上に多かった気がします。

「観ていくうちに、だんだん人間関係が浮き彫りになっていった」とおっしゃるお客様から
チハルさんを演じられた藤崎あかねさんへのエールと、代役として入った期間についての質問です。

そうなんですよね。当初は荘田由紀さんがキャスティングされていたのですが
体調不良の為に藤崎さんに変更となりました。
舞台は生のライブですがら、色々あります。
はっきりいって珍しい事じゃないんですよね。
荘田さんも辛い決断をされたと思います。『女の一生』で大型女優の片鱗を魅せてくれた
彼女の180度違う表情を観たかったと思ったのは、
皆さんも私もそれに荘田さんご自身も同じだったと思います。
まぁでも気持ちを切替えて、来年『美しきものの伝説』で、また元気にお目にかかれる日が楽しみですねっ(*^_^*)
さて、荘田さんからバトンを渡されたあかねさんは
お稽古開始から10日程遅れての参加で、本読みは1回のみだったそうです。

「盗撮カメラ、舞台の装置としてモニターを見るシーンは、どういう仕掛けですか?」

劇中、チハルさんへの暴行シーンなど衝撃的なシーンが、モニターから流れますが
それらは舞台稽古の時に、本番さながらの場面をあらかじめ収録して編集したそうです。
生ライブでの映像は、4台のカメラを仕込んでいて舞台監督が、上演中に切替えをしているそうです。
映像中に、インターネットによるつぶやきのような中傷文字が入ったり
細かく作り手のこだわりがちりばめられていました。

今回のゲスト、脚本家・鐘下辰男さんへの質問で
「“住み分け”とか“身分制度”とか発言が出てくるのは?」

スカイタワーに住む住人たちは、いわゆる人生の勝ち組で、ある種のステイタスを持っていましたね。
なので以外の地域の住民たちとの差別的な発言が振りまかれていました。
鐘下さんからは
「犯罪が起こると、環境が悪い。じゃぁ環境を良くすれば犯罪はなくなるのか?
暮らしが良くなっていくはずなのに、わけの解らない犯罪が起きる。
安全性を求めているのに、わけの解らない奴が出てくるのを感じる」
そんなジレンマから、かつての身分制度まで戻ってしまったんじゃないかと・・

今日ご覧になっていたと演出をされた高橋正徳さんのおじさん(笑)が質問されました。
するとすかさず(笑)高橋克明さんと櫻井章喜さんが揃って
「お世話になっています」と深々とお辞儀(爆笑)

「『ダーヴィンの城』のタイトル?の由来は?」

ダーヴィンというと「進化論」からきてるのか?と思われたそうです。
おじさんを前に「いつでもしゃべれるんで(笑)」と、ちょっとテレながらマイクを握るノリ君。
題名は、単語を出し合って出てきたそうで
「人間はだんだん進化していく→ダーヴィン・・・・にしたい」と
その「・・・」の部分が、色々出たそうですが
最終的にカフカ『城』のイメージが繋がって、『ダーヴィンの城』となったそうです。

「いいお芝居」だっと感想をおっしゃったお客様から
「(ショウゴさんのお母さんを演じられた)吉野由志子さんの泣き声が耳に残った。ラストの意義は?」

あの崩れ落ちながら咽び泣く吉野さんの泣き声・・心に浸みました。
もう何も起こらない・・・今までの悪意が消えていくような・・優しい泣き声でした。

鐘下さんから
「僕にとって暗い話だなぁと思って、最後に救いが欲しいと、ピリオドを打てるようにしたかった」
ノリ君からは、特に演出的な指示はなく
彼らの背景について「どういう環境で生きていたのかな」など、と話し合いはあったそうですが
あの吉野さんの素晴らしい演技の背景には
「お子さんを育てられて、俳優というより人間の歴史の成せる技」と、ノリ君。
本当にそう思います。

「『トロイアの女たち』『カラムとセフィーの物語』そして『ダーヴィンの城
と共通して母親は可哀相な存在だと思った」と感想がありました。

町の治安やスカイタワーの住人と近隣の人たちとの共存を
目指すカネコアキオさん(金内喜久夫さん)の着ているTシャツ。
はじめは、ほのぼのした可愛らしいイメージでしたが
エピローグでは、警察と相談して似せた作ったと言うレトロな制服になっていました。
その姿が「怖かった」とおっしゃるお客様。

わたしもかなり怖かったです。
丁度、『縞模様のパジャマの少年』というナチスドイツの映画を観たばかりだったので、
余計あのレトロな制服が、権力とか独裁とかと妙にリアルに結びついちゃって・・ぞぞぞっとしたんですけど
「Tシャツから始まって行き着く先がファシズム」というノリ君の言葉に、なんとも言えません。

初日をご覧になって、その衝撃で「どうしようかと思った」という
女性のお客様からの感想です。
「あそこまでリアルにやらないと作り物だと思った」そして
「人間は限度をしらない、とことんやらないとわからない。」
体を張ったあかねさんの芝居にエールを送られました。

確かに逃げ場のないお芝居で
わたしも最初に拝見した時、バーストしました。
で、近くでご覧になっていたノリ君に「大丈夫?!」と心配されましたf(^_^;)
あかねさんは、登場するたびに表情を変えるそうで
「この人と会ってる時は、こうやって生きる。結構みんなあると思う。親の知らない顔がある
自分もそうだし、人によって違うのがわかる」
本当にそう思います。日常、意識しないでも、人によって表情、言葉の言い方、雰囲気も代わりますよ。
そして、ノリ君から「意識しないで感覚的に変えてくれた」
「(あかねさん)がんばってくれた」

TVで観ると血糊とか気にならないけど、ライブだとリアルという発言にたいして
すると克明さん、あかねさんに
「180度違う、違うよな、優しいよな」と無理やり(爆笑)

「誘拐された子供は?その両親の結末は?」

終盤、ベビーグッズを処分するシーンがありましたよ。
石橋徹郎さんがヘロヘロになって
植田真介さんのちょっと「バラバラに捨てれば」的な発言があったりして
きっとたぶん・・でしょう!?と思っていたのですが
「トモヒロ(赤ちゃんの名前)生きてる説」が、あるそうで
ノリ君が鐘下さんに「トモヒロ死んでんじゃないですかねぇ~」と聞いた所
鐘下さん「いやぁ生きてて欲しい」とビールをぐっとやりながら(笑)おっしゃったそうです。
「最後は赤ちゃんの笑い声とメリーゴーランドが回ってたんだけど」とノリ君。
最初の、場内アナウンスの声は子供の声でしたね。
もしかして。。。もしかして、実はお芝居は過去のもので
少し成長したトモヒロ君が語るお話だとしたら・・・生きていてくれるのは嬉しいけど
これまたぞぞぞぉって感じですね。

以上で、アフタートークのレポは終了です♪

後日、3作品すべての舞台美術を担当された乘峯雅寛さんの御案内で
バックステージを拝見させて頂きました。

通常アトリエのロビーに当たる場所は、今回小道具の保管場所&早替わり場所になっていました。
ひときわ目立つのは、川辺邦弘さんが「メッチャホリデー!」で、かぶった金髪の鬘(笑)
その黒く塗った仕切りは『トロイアの女たち』で使用した板で、ところどころ剥げた場所は
赤いペンキが、こんにちは(笑)状態でした。

本物の金魚は、かなり前に用意されたそうで
えさをあげる時に水槽をコンコンと叩くと反応するように、練習されたです。
乘峯さんが、水槽のサイズに比べて金魚の数が多かったそうで、毎日水槽をきれいに掃除したそうです。
そんな金魚の水槽にショウゴさんが、アカネさんの携帯を落とすシーンは、本物の携帯を水槽に入れちゃうと
金魚が死んじゃうので、中身を抜いた偽物をつかったそうです。
それもとり易いように仕切りが入っていました。
金魚たちを愛おしそうに見る優しい乘峯さん♪ちなみに死んだ金魚は、作り物でした。

ぱーんと金魚のえさをばら撒くシーンがありましたが、中身は色のついた紙を小さく丸めたものでした。
リアルでしたよね。
リアルといえば、歯!
アカネさんが、W不倫相手のタケノリさん(中村彰男さん)に殴られて
口から血がこぼれると共に歯が抜けるシーン。
あれはTVモニターの下に小さな風船状のビニールに血糊とピーナッツが仕込んでありまして
乘峯さんが毎日作っていたそうです。

そしてベランダで妊婦のアカネさんが破水するシーンは
ベランダの手すりに水の入ったスポイトが、仕込んでありました。
ランニングマシーンは本物で、新品を購入したそうです。
櫻井さんが「わわわわっと!!」と、スピードに合わせてダッシュするシーンは
本物だったんですねぇ~
ポテチも本物で、毎回バキバキと割っちゃう携帯も本物を用意されたそうです。
アカネさんとミサトさんの互いの携帯を相手に向けての写メ取りガチバトル(笑)
携帯の画面に互いの写真が張ってあったのですが、客席からわかりましたか?

リアルとフェイクが混ざり合った世界。本当に面白かったです。
最後にひょっこり高橋克明さんが「終わったの?」覗きに来られてました。
ショウゴはどうしようもないひどい人でしたが、高橋克明さんはめっちゃいい人なんですよ。ほんとですよぉ~

さて、これでアトリエ60周年記念3作品連続上演企画は終了しました。
思えば『トロアイの女たち』が始まった頃は、まだまだ9月といえども残暑の暑さが厳しかったですね。
出演者及び関係者の皆様本当にお疲れ様でした!
とってもとっても堪能させて頂きました。

さ、皆様★次は本公演『くにこ』に向かってGO~!!ですよぉ~
演出は鵜山仁さんですよぉ♪きゃぁ~素敵っ!!嬉しい!!って
最後は、ミーハーで締めてしまってすみませんm(_ _)m
by berurinrin | 2010-11-08 23:19 | イベント

アトリエ60周年記念公演第三弾『ダーヴィンの城』終演後に行なわれた
アフタートークに参加してきました。
表現とかニュアンスは勝手な解釈をしていますので、
そこんとこはゆる~く察してくださいね。

出席者は、全キャストと演出された高橋正徳さん、ゲストは、脚本を書かれた鐘下辰男さんです。
司会をされたのは、チハルさん(藤崎あかねさん)の年の離れた夫シンドウヤスヒロさんを
演じられた大原康裕さんです。
まずは、ご出演者の方々の役名&自己紹介からスタートです。
「本日は、今日は、ありがとうございます」と川辺邦弘さんのご挨拶に
「噛んでる」と早速、高橋克明さんからのツッコミです(笑)
「きっと、いろんな感想をお持ちだと思います。忌憚のないご意見を」と、中村彰男さん。
いい座組み・・いい雰囲気です♪

1997年文学座アトリエの会『寒花』(西川信廣さん・演出)、1999年『北の阿修羅は生きているか』に
続いて3本目となる鐘下作品ということで、演出された高橋さんから説明がありました。
1年半位前から準備が始まったそうで、20~21世紀の「諍い」に合うテーマを探していた中
2010年の現代、そしてこれから先を見据えるというか日本を舞台に・・と考えると、鐘下さん?!
小林勝也さんに相談して、勝也さん経由で鐘下さんとコンタクトを取られたそうです。
勝也さんは、鐘下さん率いる演劇企画集団「THEガジラ」によくご出演されています。
「今の日本の諍いを書いて欲しかった」と高橋さん。
鐘下さんからは、
勝也さんから電話で「高橋正徳」って知ってるか?と、聞かれ「はい」と(笑)
「(ノリ君の)言いたい事を言ってくれれば書きますよ」♪
コーヒーを飲みながら、二人して秋葉原事件や映画「ルーキーズ」とかの話をしながら
あるゲーデットマンション(=城)で、ある程度規制されたマンションの中での
それぞれの家族の物語から・・と、始まったそうです。
とはいえ、13人の登場人物って今まで鐘下さんは書かれた事がなかったそうで
頭の中で13人が、動き出すのが大変だったそうです。

「その13人っていうのは、鐘下さんに対しての挑戦だった」とノリ君。
通常、鐘下さんの描く人物構成というのはアンサンブルなどがいても、軸は5人位。
「今回は13人の俳優、それも文学座の誇る1~13位の役者を揃えたので
ちゃんと13人分の物語を書いて下さい」とお願いしたそうです。
THEガジラとは、とは違うものを書いて欲しかったそうです。

大原さんから、9月に入ってお稽古が始まり
お稽古初日には完成台本でお稽古が出来たそうで
お芝居のシーン毎の流れに沿った説明を踏まえながら進行されました。

先ずは、極悪非道(笑)の克明さんに「苦労は?」と
すかさず、克明さん「脱ぐシーン(笑)」
ああっ、そうなんですよf(^_^;)克明さんと櫻井章喜さんと川辺邦弘さんが
「せーの、えいっ」って、フルヌードをご披露しちゃったんですねぇ、いやいや参った参ったf(^_^;)
克明さん曰く、この為にオーデションしたと(笑)自慢されていましたf(^_^;)
慣れたら楽しいらしく・・「60周年で脱いじゃって・・(笑)」
「アトリエ初で、冒頭に一人で立ってしゃべって、脱いじゃって(笑)裸一貫で」と川辺さん。
櫻井さんのキャラクターは、なかなか決まらなくて・・とノリ君。
飲料水のCM“DAKARA”の余分三兄弟の脂肪さんを演じてる櫻井さんは、ちょっとぽっちゃりさん。
でも、高校時代はサッカーされてたそうで、体育会系ぽっちゃりさん♪
なので、その運動神経のよさと体型とのキャラクターをどういう方向に持って行ったらいいか
瞬発力をどう抑えるか?!稽古場でぶれたりしながら決めていかれたそうです。

「で、出せてんの?!」と、ツッコミは克明さんで(笑)
「いい感じで(笑)」と、櫻井さん。

で、肝心のヒロイン・チハルさんを演じた藤崎あかねさんに、大原さんから聞かれると
やっぱすかさず(笑)克明さん「ボコボコだからね」と
「本当はヤなんですけど・・貴重な経験をさせてもらってます」と元気に発言するあかねさん。
終演後すぐのアフタートークなのにお疲れの姿も見せず、元気なあかねさん。
出演者みなさんから「根性がある!」と言われ、客席からも「うん、うん」と声がありました。

で、ここまでがプロローグ。

赤ちゃんを誘拐された若い夫婦を演じる斉藤祐一さんと牧野紗也子さん。
「今まで楽しい雰囲気でいるのに、袖ですごい顔してこっちを見てる」と牧野さん。
斉藤さんの目が、黒目がちでくりんとして可愛いだけに、目を剥いた表情されるとめっちゃ怖いですもんね。
音大出身の牧野さんのハミング素敵でしたよね。

大原さん、植田真介さん、川辺邦弘さんが並んで、超絶で囁くように台詞を言って
それがモニターに映って、中村彰男さんがそのTV画面を見てるシーン。
あれは以前、TVに出演したオ○ムの人たちをリメイクされたそうです。
超絶の台詞をよく聞いていると、実名とか入っていてリアルで怖かったですもん。

「鐘下作品は、初めて」だとおっしゃったのは、金内喜久夫さん。
緊張しながら演じられてるそうですが「台詞は身近に感じる」と、おっしゃっていました。

男性カップルは、石橋徹郎さんと植田真介さん。
立ち稽古から、キスしてたというお二人(笑)
「目が合うとキスしたくなる(笑)」と石橋さん。すっかり二人だけ世界の入ってるようで!(* ̄m ̄)プッ
「お前らだけだよ(笑)」と克明さん
「ゲイといっても相手に愛着を持つ気持ちは、普通と変わらない」と石橋さん。
二人の出番は、4.5シーンだったそうで
「起承転結で、人物のストーリーが作りやすかった、ひとりよがりしちゃうと芝居は作れない。
美術、照明・・話し合いながら作っていくのが楽しかった」
「・・・それが一番理解できてなかった石橋さん(爆)」とノリ君。
あれ~(笑)素晴らしい発言をされたのに・・ねぇ石橋さん(笑)

音楽について、あの暴力的なシーンのBGMはPerfumeの『チョコレート・ディスコ』
曲を聴くとそのシーンが蘇えってきて、怖いんですけどぉ(笑)
「ああいうJ-POPを、文学座で流す事はないので、僕達らしい音楽を選んだ」とノリ君。
普段、家でチハルさんが聴いていそうな曲を選んだそうです。

高橋克明さんが演じられるショウゴさんのお母さんを演じられた吉野由志子さん。
初日のお稽古開始時間を一時間間違えてしまったそうで、しっかりしてそうな吉野さんの
可愛らしい一面を語って下さいました。
「正直言って、ばばぁは、ショックでした」と吉野さん。
一応ひらがなで書いてみたんですが、口調はカタカナ的な発音でf(^_^;)
台本には「ばばぁ」でト書きに「それ程ばばぁではない」と鐘下さんの愛を感じられたそうです。
お稽古中も、克明さんが
「ばばぁ!!」と言った後に「でも、見えないけどね」と言っておられたそうです。
そんなやりとりの中でショウゴに対して好きになってきた・・
ラストに「誰が言うの?ばばぁって」と金内さんの台詞に、どーんと愛情が出てくるとおっしゃっていました。

奥さんがキャリアウーマンで、若い子(チハルさん)と浮気をするタケノリさんを演じた中村彰男さんは、
「そりゃ色々ありますが(チハルさんを)本当に殴ってる。ふりだけしてもだめで
えー見たくない人もいると思います」
このシーン、ばちんばちんっと本当に殴る音が聞こえるんですよ。
叩かれる側のあかねちゃんに「痛い?」って聞いたら「全然痛くない」とケロッとしてました。
逆に血糊で肌が荒れる方が辛いそうです。

そのキャリアウーマンのミサトさんこと征矢かおるさん。
「もうちょっと若い時に振って欲しかった・・それなりに努力してきました」と
いやいやお若いし、素敵なプロポーションでしたねっ
お稽古場で慣れるために早い時間から、地明かりの中スリップ姿でお稽古をされていたそうです。
アトリエは10年振りで、嬉しそうに語って下さいました。

「大原さん、自分の事は?」とノリ君のツッコミです(笑)
大原さんといえば、年の若い妻・チハルに言った一言「脱げー!!!」ですよね。超怖かったf(^_^;)
「(「脱げ!」)言った事が無いので、次のシーンに繋がるよう頑張って言ってますf(^_^;)」
珍しくも役名も同じ“ヤスヒロ”さんでした(笑)

舞台美術は、三作品とも同じ乘峯雅寛さんによるものです。
三作品とも同じ空間なのに全く違いましたよね。
「今回は、線だけで勝負しよう」とノリ君。マンションの見取り図を参考にされたそうです。

ここからは質問タイム!
それは次回へ続きます!
by berurinrin | 2010-11-07 18:09 | イベント

カラムとセフィーの物語』のアフタートークに参加してきました。

参加メンバーは出演者全員と音楽を担当された芳垣安洋さん、高良久美子さん。
演出された高瀬久男さんです。
司会は、ハドレー家の秘書サラとノート人でカラムの同級生シャニアを演じられた添田園子さんです。

まずは、ご出演者紹介ということで
お一人づつ演じた役名の説明と自己紹介から始まりました。
「アル中のジャスミン(笑)を演じました」と、山崎美貴さんの一言が爆笑を誘い。
詳しく役名と役柄をお話してくださって、その上、この日はアトリエ記念Tシャツ(もう買われましたか?!)
のお当番で、後で「藤側宏大さんと販売コーナーにいます!」なんて完璧かと思われた挨拶で、
ご自分の名前を言うのを忘れた大滝寛さん(笑)のお茶目っぷりに爆笑。
とてもくだけた楽しい座組みの雰囲気満載のアフタートークとなりました。

そんな17名の登場人物たちの自己紹介の後は、演出をされた高瀬さんです。
この作品の台本が高瀬さんのお手元に届いたのは一昨年だったそうで
「ドミク・クック氏の作品を翻訳したけど、どうでしょうか?」と、
翻訳された中山夏織さんからご連絡を頂き、
『アラビアンナイト』つながりで読んでみたら「難しいわ(笑)」と
筋は戦いだけど、馴染まないんじゃないかと、思われたそうです。
ちなみに本国では、白人と黒人の俳優で演じられたそうです。
とはいえ『アラビアンナイト』と同じように、生演奏を使ってもう一度やってみたいと
思っておられたそうです。

で、早速の質問タイムです。

『カラムとセフィーの物語』で印象的だったのはメイク。
皆さんのメイクもそうですが、顔全部を白や黒く塗るわけじゃなくて
一部分のみのメイクでしたよね。

「最初に登場した時、(顔に貼り付けた)白や黒のマルやバツのシールがわかりにくかった・・」

演出の高瀬さんから「元々、この作品はイギリスの人気女流作家、それも青少年向けの文学で
黒人の社会が支配しているファンタジーであって
黒人と白人の世界を描くわけじゃない」とおっしゃいました。
「基本的にファンタジーにしたかった。
あとは観た人の想像力を頼りたくて顔を黒く塗るわけじゃなくて・・」
白や黒のマルやバツのシールについては、原題『Noughts and Crosses』から
黒人と白人のメイクを記号化してみたそうです。

「カラム(亀田佳明さん)とセフィー(渋谷はるかさん)の二人の物語が、
カラムがおじいさんになるまで続くと思った。意外と出口がないまま終わった気がした」

実は、この物語は3部作になっているそうです。
第2部は、カラムのお兄さんジュード(柳橋朋典さん)が主人公。
で第3部は、カラムとセフィーの二人の生まれた子供が主人公だそうです。
日本で出版されると良いですねっ!う~ん読みたいぞぉ!ねぇ

「差別用語について」
クロス人に対する“ラガー”という言葉、実際、黒人に対する差別用語として使われているそうです。
ノート人に対して発せられた言葉の“ブランカー”(俗語「からっぽ」)
これは架空の言葉のようだそうです。

「原題のタイトルでもある○×ゲームの結末は終わらない!?」

「色んなことを想像していい」と、高瀬さん。続けて
「あとは力で発展して良いと思う・・
終わりが無いことを続けていくことは、愚かだと思っていい
ファンタジーと断りつつ、ある置き換えをして、(ファンタジーだから)うそですよと言って
本当に言いたいことを伝えやすい。」
・・想像の力には壁がありませんもんね。

「どうやって台詞を覚えるんですか?」

すごい厚みがある台本だったそうです。
で、カラムの亀田さんは、真面目(笑)そうに
「現場でただ繰り返してやるだけ。一人で読んで覚えることが出来ない」
で、セフィーの渋谷さんは
「(受験や試験勉強のときに使った)赤いシートで、自分の台詞をかくして覚える」
すると「そんなことしてんの?」と亀田さんにツッコミを入れられ
「え~してないんですかぁ?」と、可愛い渋谷さんです。

「藤側さんは、なぜ役者に?」

藤側さんの故郷・広島から先生と一緒に来られたお客様から(笑)
と、センターにマイクが用意され、藤側さんがマイクの前に
「今日は、ご観劇ありがとうございました・・“好きだから”です。
逆に(出演者の)みなさんどうですか?明確な答えはないです。よろしいでしょうか」
「だめです(爆笑)」と大滝さん。
さっすがぁ(笑)後でTシャツを販売する相棒だけあっていいツッコミです(笑)
「がんばれよ!」と客席から先生の声?!
そそくさと自分の席に逃げる藤側さん(爆)
「この記念Tシャツの後ろの可愛いイラスト描かれたのは、藤側さんです」と紹介されると
「さすが宏大!宏大の為に休みを取ってきたぁ~
自分が文学座を背負ってがんばるって言ってたなぁ~」
「うそ言わないで~」と、あわあわの藤側さん(笑)
素敵な先生ですねぇ~、いつも落ちつた雰囲気を漂わせてる藤側さんのあわあわ
のテレまくった姿も最高ですっ!

「生の音楽が楽しかった」とおっしゃったお客様から、「オリジナルで作った楽器はあるんですか?」

芳垣安洋さんが、合わせてお芝居での生演奏についてお答え下さいました。
舞台の奥に配置している楽器たちは、太鼓、鐘、ほっぺを叩いた時に使う効果音の板など、
普通の楽器として使われているものと、音の出るものは何でも使っているそうですが、
今回は、楽器をオリジナルで作ってはいないそうです。
時には、ベニア板で箱を作ったり、民族楽器を作ったりすることはあるそうですよ。
今回は、ブラジル、トルコの楽器を用いたりしているそうです。
関係性について触れられ、音楽と芝居とそれぞれ簡潔するのではなく
音楽が、いかに空間の人々の動きと調和していくか
俳優たちが、スピードやテンポ、音の高さに調和していくか
どういう風に動けるか?サポートが大切。音楽だけで成り立つよりも
共存できるように作るのが苦労したところだそうです。

高良さんから、15種類の打楽器を演奏されているそうで
「自分の出来ない楽器を役者にやってもらった(笑)」

「ご覧になっていて、今までアトリエの会だけは(苦笑)失敗はなかった」と
おっしゃるお客様から「企画はどうやって作られるのか?」

高瀬さんより
「現在社員を含めて劇団員200人が、ひとつのポリシーを持って“自分がやりたいもの”を出す。
それをアトリエ委員会で読んでプレゼンして、今年のテーマに合うもの
なるべく公平に選ぶ。ある絶対的な権力で決めるわけではなくて
みんなで提出して決まっていくそう」とのことです。

「初日と別に日と何度がご覧になっているお客様から、カーテンコールが変わっているのは?」

初日を観ていないので、私がよくわかってないんですが
カーテンコールで出演者たちが、楽器の演奏を聴く?演出だったそうですが
あっさり高瀬さん「やめた(笑)」
こういうことは、よくありますよね(*^_^*)
このお話の導入部分も本国では、2パターンあって
カラムとセフィーの二人の浜辺のシーンから始まるシーンがメインになってるそうですが
日本でやる場合は、導入シーンとして○×を成立させる為、始めの部分は創作されたそうです。

さて、アトリエでは第三弾『ダーヴィンの城』絶賛上演中です!
ぜひ十年に一度のお祭りに参加して、十年後にまた語り合いたいですねっ!!
by berurinrin | 2010-10-27 22:33 | イベント

稽古場の話の続きで、蜷川幸雄さん演出の『ヘンリー六世』を翻訳をされた河合祥一郎さんは
台本は、日本語で書かれているが、言語はどうなっているか?とか語順は?とか
翻訳者として稽古場で聞かれることが多いと言われます。

鵜山仁さんの演出された『ヘンリー六世』の翻訳は、小田島雄志さん。
お稽古場での翻訳家との係わり方は?

小田島さんには、稽古を観ていただいて「これでいいでしょうか?」と
事後承諾みたいな形だったそうです。
本来は、浦井健治さんとそうだったように、3.4ヶ月付き合ってもらって・・って
「それも楽しそうなんですけれども、そこで小田島先生の言う事を僕が聞かなくなったり
その逆も起こったりで、人間関係がこじれるのも嫌なので(笑)」
小田島さんに結果を観て頂いて判断を仰ぐ形にされたそうです(笑)
そりゃそーですよね。「鵜山さんなんて、ふーんだ」とか「小田島先生、もーやだ」とか
喧嘩になったら大変(爆)
とはいえ、「それ以前は勝手にやっていい加減に解釈をされていた」と、お茶目に語る鵜山さんです。

実はカットしていた?

蜷川さん演出バージョンは、河合さん翻訳構成で6時間(それでもすごいですが)で
短縮版として非難f(^_^;)されたそうですが
実は9時間の鵜山さん演出でも、約20%ほどカットされていたそうです。
ギリシヤ神話のお話とかは、すっきりカットされてましたもんね。
「その作業は稽古に入ってからですか?」と河合さん。
「稽古場に入る前に台本作るからとせかされてf(^_^;)」と鵜山さん。
本当は、稽古しながらやりたい作業だそうですが、あらかじめ作られたそうです。
そして出来上がった台本に対して
「素晴らしいカットだ」と、小田島さんからは「お世辞としか思えない言葉を頂いた(笑)」そうで
それでも9時間・・さすがにプロの役者さんたちの引き締め方が違かったそうで
お稽古の最初からピリッとしていて、だらだらしながら詰まっていくという感じでなく
最初からあの位の規模で出来たとおっしゃいます。
なので、初日と千秋楽とで時間は変わりましたか?という河合さんの問いに対して
「じゃっかん程度」だったそうです。

稽古の流れは

「まぁ、長くなるぞって、わかっていたんで(笑)」と
本読み稽古が終わって、まず飛ばし稽古(シーン毎の稽古)で最初の場面をやって
またそれを細かくやって、細かいというのは
「誰に言ってるんだろうね?」とか「どういう、うねりになっているんだろうね?」とか模索しながら
稽古をされるそうで、一番最初の場面に戻って稽古をされると
普通は一つの作品に対して4日に1度位に戻って出来るそうですが、今回はx3になるんで
2週間(笑)・・・2週間前にやったのでもう忘れちゃってる状態なのに
今回は皆さんちゃんと覚えていて下さって緊張感が高かったそうです。

すると、河合さんが
何かの取材で渡辺徹さんが「僕達ほど、この時代の歴史に精通している俳優はいないだろう」と
話されておられたそうで「皆さん勉強された?」
「やってて僕もわからないですもん(笑)」と鵜山さん。

1部でこれを演じた人が、3部に出ていて、亡くなっていたりして
同じ役名だけど違う人だったり・・少なくともどういう繋がりなんだろう?というのは
皆さん予習が必要なんだろうけど・・・と、おっしゃいながらも
「面白いのは、配役をしたとたんにストーリーが自分でも把握しやすくなった」とおっしゃいます。
例えは、村井国夫さんがサフォーク。「サフォークって村井さんの事だよね♪」
そういう感覚で、これは中嶋しゅうさんと渡辺徹さんの関係かぁって
そんな風にしていくとわかりやすかった。

『ヘンリー六世』の舞台と顔が一致していくとわかりやすい作品と河合さん。続けて
「キャラクターのグロスターは、本当に中嶋しゅうさんの!って感じがした
ヨーク(渡辺徹さん)は、立体的なキャラクターだと思わなかった。
ヨークは、残酷で野心満々じゃなくて、ちゃんとした父親であることが初めてわかった」
「ほめてもらった(笑)」鵜山さん
「あの(徹さんの)まるまっちぃ(笑)でないと・・・」

ヘンリーに対向するヨーク公リチャードを演じられた渡辺徹さんのキャラクターについて
「白バラを掲げたリチャード。徹さんが演じられると悪党にはなり切れない。
必ず正義を貫く・・確かに彼の言っている事は正義なので、なるほどこういうヨークがあるんだ」
「吉田鋼太郎のヨークは、完全に悪党みたい(笑)」と河合さん。
「本当にコントラストがあった・・。徹さんをキャストした時点で考えていましたか?」
「いや賭けです(爆)」
「そりゃもう失敗と背中合わせ・・・いちかばちかです(笑)
でも、そういうもんじゃないですかねぇシェイクスピアって、一人の人の中に
リチャードもヨークもグロスターもヘンリー六世もいる・・っていうか分解してこうなったというか
元々は一人の人間の中にある多様性。
それを演じる役者一人一人の中にある多様性をどうやって組み合わせるか?!
それは時の勢いだったり・・僕も多少預かって方向付けをしているけれども
結果ああなっちゃったのは仕方ない(笑)」

「かなり計画的に仕掛けていたんじゃないか?!
新国立劇場のH.Pに「3分に一度は驚かせてあげようと考えています」とおっしゃっていたけれど
それを読んで、すごい演出プランをお持ちなんだろうなぁ」と河合さん。
「皮肉だとしか思えない(爆)」
「ただ演出をやっていて、演出のコツは色んな所で言っているんですけど“飽きる事”で
飽きたら当然眠くなっちゃう(笑)その時に出来るだけ寝ちゃわないように立ってダメ出しを
「ここは面白くないから、何かやりましょう」とか立って役者のところに行く数秒・・
その時に何をするか考える。
立ち上がる時は、ただつまらないと思って立ち上がって、何がつまらないのか?ここに至るまでの
キャリアの蓄積とか戦跡旅行とか様々な勉強の情報の集積とかあるんですけど
3分に一度どうやって驚かせそうとかは、わからない(笑)
ここで驚かせないとお客さんが寝ちゃう恐怖感とか自分を通じてあって、それにそそのかされて
立つことは立つんですけど、その時はどうするかわかってなくて向こうに行って、よし!こうしよう!」って
この鵜山さんの言葉ってすごく深いと思ったんですよ。
お客さんの立場というか、ご自分の気持ちを第3者的に冷静にみて立ち止まって、
役者の元に行く時に演出の立場の感性を巡られてアイデアを探る姿勢って、すごい!
すごい!かっこいい~~☆彡

河合さんも「そのひらめきが天才なんですね」

久しぶりのUPですみません。コツコツと頑張っていますのでお付き合いくださいね。
なんか当時の事を思い出しながらUPしていくと、すごく楽しくて
でも自分の書いたノートの意味不明な箇所が続出してまして・・字が読めない(><)
それだけ河合さんと鵜山さんのやりとりの波長が合って面白かった結果なんです。
自分の解釈だらけですが、楽しんでニュアンスを汲み取っていただけたら嬉しいです。
by berurinrin | 2010-09-26 13:21 | イベント

次は、コロスの中で、一番小さいハナタレ小僧(笑)もとい!少女を演じておられるのは
佐藤麻衣子さん。
なんとアトリエデビュー!よっめでたい!
後輩達を差し置いて(笑)「一番ちっちゃいコロス」だそうで
「この(60周年の)節目に出れて嬉しい・・1時間35分
出たら引っ込むことなく次から次へと、みんなの嘆きの中で、最初に歌うので緊張する」
と、おっしゃる麻衣子ちゃん。
始まる前に芝居の稽古より歌の稽古(笑)をされてるそうです。
終演後は、いつも泣き顔の麻衣子ちゃん。
「倉野さんの台詞を聞いているだけで、そのまま泣けてくる」と、言ってました。
本当にそう・・・あの言葉、あの悲しみを聴いているだけで堪らないです。

麻衣子ちゃんの同期の頼経明子さん。まるっこい可愛いコロスさんです。
「踊ったり、歌ったりと、何よりも毎日流れる汗(笑)と戦っています」
ホント動き回ってますもんね。
終演後のヨリちゃんのお顔は、お風呂から出たような(笑)ほのかなピンク色・・湯上り美女のように
さっぱりされてましたもん(*^_^*)

絶世の美女ヘレネを演じられた松岡依都美さん。
ダイエットの為に外苑を走ったけど無駄だったと(笑)
只今、イギリス留学中の上村聡史さんから「絶世の美女だからなぁ、絶世って意味わかってんのかぁ」
と、メールを頂いたそうです(笑)
いやいや絶世の美女・・確かに頂きました!(* ̄m ̄)プッ
でも、ほんと同性から見ても納得のまじ綺麗なヘレネでしたよね!!

狂気のカッサンドラを演じられたのは吉野実紗さん。
山形さん翻訳の台本を見たら、なんと10ページに渡る長台詞だったそうです。
すげー。
「最初の5行で疲れた。どうやって言えるか?!」大変な苦労だったようです。
でも、塩田朋子さんの言葉で「ちゃんと聞こえるまで20年掛かるんですね(笑)」と
いえいえちゃんと聞こえてましたよ・・ねっ!

増岡裕子さんは、今年の4月に研修科を卒業して準座一年生。
『トロイアの女たち』の出演が決まったときは、査定前だったそうで、ひやひやだったそうです。
とても出たかったそうで、念願叶ってよかったよかった(*^_^*)
コロスは、出ずっぱりなので、「気が抜けない」と、おっしゃる増岡さん。
特にアクションが大変のようです。
「90分やったら痩せると思ったら、その分食べているのでf(^_^;)」
大人びた雰囲気をお持ちですが、トークで語る姿は、とても可愛らしい増岡さんでした♪

木下三枝子さんは、研修科一年生。
先輩方に混じって頑張っておられました。
「研修科でスピードUPする!」と力強いコメント!この経験を糧に研修科に戻って
色んなものを吸収して頂きたいです。

王子キャラが定着(?)しつつあるのは、この方(笑)細貝光司さん
かっこいいですね~!かっこよくて面白くって優しい・・言う事無しの二枚目さんです。
そんな細貝さんは、研修科の卒業公演で『トロイ戦争は起こらない』で、ヘクトルを演じられたそうです。
ヘクトルといえば、アンドロマケの旦那さまです。
ちなみに『トロイ戦争は起こらない』演出は、鵜山仁さん♪なんですけど~きゃっ!
えっと、えっと・・・で、トロイア側に愛着を持っておられるそうです。
とはいえ、ギリシャ側なもんで「先輩方を突き飛ばし、座歴に負けないようにやってました(笑)」
確かに、ヘカベをどーん、アンドロマケもえーいと(笑)

蜷川幸雄さんの舞台でも兵士としてギリシャ劇に参加されたことのある清水圭吾さん。
「心優しく厳しくやっています(笑)」
りりしいお顔の清水さん。まさに戦士、兵士にぴったりな風貌ですが
笑顔は、めちゃめちゃ可愛い清水さんなんですよ(笑)

さて、倉野章子さん。言う事無しの素晴らしい王妃ヘカベ!
すごい長台詞に継ぐ長台詞の倉野さん。
ヘカベのちょっと低めの声から、いつもの温かい声で
「しゃべるだけしゃべったので、後は皆さんでどうぞ(笑)」ですよね・・と言いたくなりますが
やっぱ倉野さんの言葉聞きた~い!
ヘカベに対しては
「母だなぁ・・と、王妃より何より・・普遍的なもので、そこから掘り起こした」
たった1時間半なのに、「ヘカベは、ちょっとずつ絶望や悲しみに強くなると」
実際、トロイアが陥落した後のたった一日のお話が、この『トロイアの女たち』なんですよね。

劇中、アコーディオンを演奏されたのは、おおたゆみこさん。
演出の松本祐子さんの細かい台詞一つ一つで音が変わったそうです。
何千年前の人間の思いを音楽にして、生きた役者と言葉と寄添っていられる面白さが出ていたら・・と
おっしゃるおおたさん。
初めての稽古場のゲネの時は、暗い感じがしたが、初日が開いて人が入って、芝居なんだなぁと
感動されたそうで「劇場が喜んでる」と、ちょっと涙ぐんでお話してくださったおおたさんでした。
素敵な方ですね(^_-)-☆

その後、質問タイムがありまして
「音楽にアコーディオンを使ったのは?」
祐子さんからは
「この空間こそのギリシヤ悲劇。一緒に呼吸してくれる楽器がよかった。
アコーディオンも呼吸する楽器なので・・」と
おおたさんが女性なので、コロスの一員としての扱いをされていて
「男性はギリシヤ側のみ」で分けたかったそうです。

「舞台に匂いがあってもいいのでは?」という質問に対して
匂いが感じられるといい、演技で匂いが感じられればいいと、祐子さん。
「匂いを流す事は、殆どないけどあってもいいですね」と
そこで、翻訳の山形さんが
昔、ギリシヤ劇では血糊の替わりに本物の動物の血を使ったとびっくりのお話をして下さいました。
野外では、舞台がすり鉢状になっていてお香を焚くと匂いが伝わるそうです。
すると、倉野章子さんが『初雷』の時のエピソードで
「お線香を焚いたら、セットよりも上に煙が行っちゃった(笑)」
で、匂いといえば今回は、出演者には香水禁止令がでたそうです。

セットについての質問が出たので、今回の美術を担当された乘峯雅寛さんのご紹介がありました。
赤い舞台・・もしかしたらヘカベの家?サロンかもしれない・・ベットや椅子や子供の靴
破壊されたあと、真っ赤に塗り固められた?!
乘峯さんのセットで以前拝見した鵜山さん演出の『溺れる花嫁』の上からロープの
様に繋がっていたクリップが真っ赤に塗られていて、血が滴っているように見えたのですが
これがまた光に当ってそれは綺麗で、すごく印象的でした。

その他、衣装については祐子さんが
「2,500年前に書かれたけれど、未来に見えたらいい」とおっしゃいます。
「トロイア・・裕福な国で、ちょっとおろかで、ある日戦争が起こって敗者になって何も無くなった。
そんな未来の日本にみえたらいいな」

以上で、アフタートークのレポは終了です。いかがでしたでしょうか?
さくっとでも感じて頂けたら嬉しい
アフタートークは、本当に参加すると楽しいし、皆さんの生の声が聞けるチャンスです。
ぜひ機会がありましたら、この雰囲気を感じて欲しいなぁ~と思います。
続く『セラムとカフィーの物語』『ダーウィンの城』でもアフタートークは開催されますので
ぜひぜひご一緒に楽しみましょう★
by berurinrin | 2010-09-22 23:11 | イベント

トロイアの女たち』終演後、シアタートークが行われました。
司会は、コロスのお一人を演じられている、つかもと景子さんです。
出演者全員と演出の松本祐子さん。
そして劇中素敵なアコーデオンの演奏をされたおおたゆみこさん。
翻訳家の山形治江さんをゲストに迎えてのトークの始まりです。
あくまでもメモ書き状態なので、そこんところは温かく眼差しでお願いいたします。

つかもとさんはアトリエ委員会のメンバーのお一人。
アトリエ委員会というのは、単純にいうとアトリエの会の演目を企画して実行する組織です。
20~21世紀にかけて60周年ということで、メインテーマが『諍い』
そこからお話が始まりました(*^_^*) まずは、演出の祐子さんから一言。
「60周年を祝うのに暗くないかぁ(笑)」
相変わらず(笑)とっても元気な祐子さんです。
振り返ってさてどういう時代?!そう思うと
戦争が終わらない・・もう、戦争は起こらないと思ったのに起こっている
そして日本の社会でも起こっている「いさかい」
それらをテーマにしたいと思われたそうです。
「また、舞台に関してもプロセ二アム(舞台と客席を仕切る)はやめよう・・どうせなら剥き出しで
言葉でぶつかる芝居でいってみました。」
まさに言葉の洪水・・・目の前の臨場感をアトリエならでは・・客席は、たっぷり受け止めましたね

翻訳の山形さんは、何度も稽古場に来られ
その度に素敵な差入れを持って来て下さったそうです。
山形さんが、これまた気取らない素敵な女性で、先日の解説講座に参加したのですが
本当に、めちゃめちゃ楽しかったんです。
山形さんは、蜷川幸雄さん演出のギリシャ悲劇の翻訳もたくさんされていて
蜷川演出と今回の文学座のお稽古の違いについてお話して下さいました。
蜷川演出だと、ほとんど本読みはなくて、稽古始めから立ち稽古から始まるそうです。
なので文学座の芝居の作り方としょっぱなから違うそうで・・
文学座のお稽古に立ち会ってびっくりされたようです。
「最初の一週間は、テキストを読んで、二週目から立ち稽古・・
これで最後まで行けるのかなぁと不安になった(笑)」
「でも・・やればやる程きっちり整っていく」
色々違うもんなんですね~(*^_^*)

アトリエ40周年記念公演は、同じギリシヤ悲劇を題材とした壮大なドラマ『グリークス』
で、20年前の『グリークス』にご出演していたのは
坂口芳貞さん、石田圭祐さん、藤堂陽子さん、塩田朋子さん、奥山美代子さん。
当時の思い出を踏まえながらの自己紹介タイムですぅ

坂口さんは、『グリークス』では、オデッセウスを演じられたそうです。
演じられる役を「ギリシャの中間管理職」とおっしゃる坂口さん(笑)
それにしても、今回のタルテュピオスは、嫌な奴(笑)にくったらしかったですわ。
でも、彼の立場からしたら・・嫌な役目ばっかてなことになるんでしょうか?

「20年前から全く成長していない」とご謙遜されるのは藤堂陽子さん。
コロス一筋とおっしゃっていました。
全幕では約9時間かかる『グリークス』の第一部のラストが『トロイアの女たち』
にあたるそうです。
山形さんの解説講座で、文学座と蜷川さん演出『グリークス』のラストシーンの映像を見せて頂きました。
真ん中に立ち女性達を従えて粛々と運命に向かって突き進んでいこうとするヘカベの姿を
感じられるのが文学座バージョン。
最後にヘカベの体に焼き印を押して奴隷の姿をより生々しく描いている蜷川さんバージョン。
確かTVの劇場中継で拝見した覚えがあるんですけど・・面白い対比でした。
藤堂さんは、「ヘカベさま、・・」と、20年前と同じ台詞をおっしゃっているそうです♪
それってすごくないですか?!すごいですよね

石田圭祐さんは『グリークス』では、メネラオスの兄アガメムノンを演じられたそうです。
「兄ちゃん」とおっっしゃってました(笑)
『グリークス』は男性の出演者が多かったそうです。が、今回は、圧倒的に女性が多いので
楽屋は男女別ではなくて、年齢別に分けられているそうで
「女たちは、食いもんと男の話ばっかしてる」(笑)

ムードーメーカーは山本道子さん。
やはりアトリエ委員の道子さん。アトリエ記念公演の成功させたいと意気込みをお話下さいました。
で、道子さん。
お稽古見学の時に、お稽古が始まって少し経過した頃
演出の祐子さん初め、ご出演者の皆さん「???」と演技が止まって
「道子さんがいない!?」と、しばし道子さん探しが始りまして
「みっちゃ~ん!」「みっちゃ~ん」と(笑)
ちっちゃくなって現れた道子さんのお姿が、失礼ながらとても可愛かったんですよ。
なので、ムードメーカーとご紹介されたつかもとさんの言葉に納得しちゃったんです。

『グリークス』では、エレクトラだった塩田朋子さん。
「アンドロマケは、ヘカベ演じる倉野章子さんの嫁の役。
稽古場で、何度も姑をいじめてる嫁にみえた(笑)」とおっしゃる塩田さん。
アガメムノンの妻で、クリュタイムネストラ演じる寺田路恵さん
との喧嘩のシーンで「何を言っているかわからないと」怒られ
北村和夫さんに「君には、女の悲しさがわからない」といわれ
杉村春子さんには「あなた。何、言っているかわかるまで20年かかるわね」と「20年経ちました(笑)」
『グリークス』の事を色々思い出されると、おっしゃる塩田さん
「台詞をわかってもらうのに20年かかる」と重ねておっしゃっておられました。

『グリークス』で、初舞台を踏まれたのは奥山美代子さん。
「当時はピチピチして可愛くて、それだけで価値があった(笑)」
今回は、演出の祐子さんに、奴隷のように稽古されせらたそうで・・(笑)
コロスの結束が高まったそうです。
そして女性の皆様が着ていたのはアトリエ60周年記念Tシャツ!
アトリエの改修費に当てられるそうです。
こう宣伝される姿も、結束力が高まった印なんでしょうね。素敵です。
私?!もちろん購入してますよ!白持ってま~す
でもピンクも可愛いので、近々GETしちゃいます。

ここで倉野章子さんご登場です。
白髪で老いたヘカベ王妃さまから、すっかりいつもの優しい笑顔、美しい倉野さんに変身です。
しばし席に戻られちょっとインターバルを取られます。
by berurinrin | 2010-09-21 22:17 | イベント