『オットーと呼ばれた日本人』シアタートークvol.2

舞台の下手側から、司会の堀尾正明さん、演出の鵜山仁さん♪きゃー!!
鈴木瑞穂さん、吉田栄作さん、紺野美沙子さん、グレッグ・テールさん、永島敏行さんと
豪華なメンバーが揃ったシアタートークが改めて始まりました。

吉田栄作さんについで堀尾さんのマイクは、紺野美沙子さんへ
「もう、毎日緊張しています。怒るシーンから始まるので(笑)
酔うと、ころっと変わっちゃう(笑)」
オットーの奥様役の紺野美沙子さん。夫への疑惑を感じてオットーに突っかかりますが
逆にお酒を飲まされて甘えんぼさんに変わってしまう姿。可愛かったですね(笑)
後半の質疑応答の時に「主人公の妻は酒好きでしたか?」という質問があって
鵜山さんが「確証は無いけど、書かれてる雰囲気ではかなりいけそう(笑)」
普段の美沙子さんは、個人的にはお酒は嫌いではないそうです(*^_^*)
だからと云って、こんなに早く酔いません(笑)と
以前『誘惑』という題名のTVドラマで、栄作さんを誘惑する役を演じたことがあったと
照れながらもお話してくださいました。

グレッグ・デールさんは、実際はアメリカ人。
1991年に来日してからは、役者として演出家として多彩の才能をお持ちのお方です。
プランとしては、ドイツ人で英語が流暢に話せるジョンスンという天才のスパイなので
ヨーロッパとアメリカの中間位の言葉をイメージしたそうです。
という事を、流暢な日本語で語ってくださいました。
8月に俳優座劇場でアガサ・クリスティ作『ホロー荘の殺人』を演出されるそうで
ちゃっかりPRをされていました(笑)

永島敏行さんは、3度目の新国立劇場ご出演ということで
「鵜山さんから(新国立劇場が)広いので、声を届けることを指導された。
会社組織でいうなら、現場の人間を演じたかった。
動く立場(現場)の矛盾を感じる大陸的な人間をイメージしていました」
NHKの番組で司会をされているようですが、なんとNHKは髭がNGなんだそうです。
仕事でNHKに行く度に「髭は今の芝居の役作りの為なんです」と言い訳をされてると
いう話に、妙に堀尾さんと波長が合ったようで嬉しそうでした。

鈴木瑞穂さんは、46年前の初演の『オットー・・』からご出演されているそうで
当時のお話を取り混ぜてお話して下さいました。
当時は、約4時間の大作で渋谷の今は無き東横ホールという劇場で公演されたそうです。
初演は宇野重吉さんが演出、滝沢修さんがオットー。
鈴木瑞穂さんは、吉田敬一さんが演じられた鄭さんを演じたそうです。
出番が終わると、裏方で転換や大道具の助っ人もされていたと語って下さいました。
今回の弁護士の役は、最後の最後、終盤近くのご出演なので
その心境は・・という、堀尾さんの質問に
「最後の最後に作り上げられた時にコケたら・・(笑)常にアイドリング状態です」
「出番までどう過されますか?」(堀尾さん)
「餌場で(笑)お菓子のつまみ食いしてます(笑)」
実際のゾルゲ事件の時代を生きていた鈴木さん。当時の自分を思い出されて
皆が皆そうであったように、ファシスト少年で事件が発覚した時は
「日本の中に国賊!即、銃殺!!」と叫んでいたそうです。
ところが戦後、尾崎秀美さんの本を読んで「今の政治家は足元にも及ばない」と
激しくおっしゃる言葉に、オットーの国民を守るという熱い気持ちが甦りました。
そんな鈴木さんに、堀尾さんが「鵜山さんの演出はどうでしたか?」
「こんな(新国立劇場の)すごい機構を使って広大な広がりを持たせた。
(演出は)細かい(笑)指示とか、ジェントルマンで紳士的な演出だけど
たまにどう注意されてるかわからない(笑)そんな時は、云われたことを
何度も反復してみる。そうして距離を縮めていました」

と、ここからは質問タイム・・
驚くほど沢山の手が客席から挙がっていました。
やはり往年の木下順二さんのファンの年配の方が多く
細かくご覧になっておられるんだなあ・・と、一つの一つの質問に感動します。

吉田栄作さんのファンの方で、10回ほどご覧になるお客さまがいらして
会場中、そのバイタリティに感嘆の声が・・
私は2回・・まだまだ未熟もんですね(笑)
その方から、吉田栄作さんの役作りについての質問に対して
「2年位前に話があった時点で台本をもらいました。
今年に入ってから役作りに入りました」
鵜山さんと多磨霊園に眠っているゾルゲさんと尾崎秀美さんのお墓参りにいかれた
話をして下さいました。

鵜山さんに質問が結構集中しまして、
「(字幕なので)日本語で書かれた台詞が突き刺さってこない」うっ厳しいご意見です。
鵜山さんからは
「色んな文化の形があると思い、ちょっと強引にやっちまったというか(笑)
大きな賭けだった。そのご意見も心に留めておきたい。
けれど、色んな意味で立体的に観て欲しい
価値観の違いとか・・豊富に使いたかった」
その言葉に後押しする形で、鈴木瑞穂さんが
「違和感は無く、むしろ面白い」うんうん、頷く私でございます(笑)
そんな中、英語の会話を劇中にメモる林さん演じる永島敏行さん
「僕は字幕をメモしてます(爆笑)」

劇中で日本語と英語での会話が出てきます。
それは、互いの心の会話だから、他国語でしゃべっていても自国語でわかる
気持ちが通じ合うと理解できるのではないか・・そう言われた鵜山さん。

13歳で終戦を迎えた鈴木さんは、当時を振り返って
何を信じたら良いかわからなくなったそうです。
「虚無感を感じながら生きていた。もう戦争にはもっていきたくない」
81歳になられた鈴木さんの言葉は、とても重いです。

「オットーは自分の信念に生きた人。普遍的なメッセージを持っている作品。
自分の意見を持つことが難しい時代に、自分の信念に生きていくことの大切さを
感じます」(吉田栄作さん)
「一つのことをやる為には、欲しいものを捨てる。
今の日本がどうして今の日本になったのか?知らなすぎた。
日本人として知らなきゃいけない。やらなきゃいけないことがある」(永島敏行さん)

丁度、客席に(実は私のお隣に・・)永島敏行さんが演じられた林さんのモデルに
なったかたの娘さんがおいでになっておられました。
最後に、初演から全ての『オットー』をご覧になっておられるそうで
お父様のエピソードを語って下さいました。
大陸浪人のような生き方をイメージされた永島さん演じる林さんが実際のお父様に似て
おられたそうで、情熱的でロマンチストだったそうです。
尾崎さんとゾルゲさんとは、活動家の仲間としてよりも
人間として信頼しあう友であったそうです。
先に亡くなった二人のお墓に、お酒をかけながら「尾崎」と泣いておられたそうです。
今までご覧になった中でも今回の『オットー』のラストが素晴らして感動されたと
淡々と優しい品のあるお話しぶりで聞かせて下さいました。

シアタートークが終わったのは、7時過ぎ
なんと1時間半も続いていたのでした。
いやぁ~でも聞き応え十分。まだまだ沢山の質疑応答がありました。
なにしろペンを持ってメモメモ状態なので
言葉が違う点もいくつもあると思いますがお許しください。
相変わらす薄いレポですが・・雰囲気だけでも味わって頂けたら嬉しいっす(*^_^*)
by berurinrin | 2008-06-18 23:19 | イベント
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