こまつ座第85回公演『父と暮せば』

こまつ座第85回公演『父と暮せば』 in 紀伊國屋サザンシアター(6/13)

作  井上ひさし
演出 鵜山仁
美術 石井強司

広島に原爆が落ちて3年後。今にも崩れそうなこの家に一人で住んでいるのは
美津江さん(栗田桃子さん)です。
図書館に勤める美津江さんは、ある日恋をします。
けれど原爆によって愛する人たちを尽く失った美津江さんにとって
生き残ってしまったという罪悪感から、恋心も疎ましくその心を固く閉ざしがちです。
そこへ亡き父・竹造さん(辻萬長さん)が現れます。
娘のために、娘の恋の成就のために・・・

待っていました『父と暮せば』ですよ。
美津江さん役は、新たに栗田桃子さん。
同じ広島を舞台にした、こまつ座の『紙屋町さくらホテル』を観てから
桃子さんが美津江さんを演じた姿が観たいなあ・・と、心ひそかに思っておりましたが
こんなに早く実現するとはっ!!!
まさに「キターーーー!」でございます(笑)
現在の私たちには想像できえない・・あまりの悲劇を体験したしまった痛ましさに苦しむ
情緒不安定なあやうさ・・・その当時に被爆されたであろう・・・生と死が隣り合わせの世界で
生き残ったたくさんの女性達の体験した姿と重ねずにはいられません。
ひたむきで真っ直ぐな美津江さんの心の言葉は体中から発しているのに
目の前にいる美津江さんの表情の固いこと。その眼差しは暗くて視線は下に・・・下に。
あまりのいじらしさに感想をUPしながらも思い出して泣きたくなります。
桃子さんの演じる美津江さん・・・本当に素晴らしいです。
優しく丁寧に丁寧に演じられています。
そんな美津江さんにたまりかねた竹造さんが、現れるのも納得してしまいます。

前回もそうだったんですが、美津江さんが麦湯を竹造さんに勧めて
一旦は湯呑みを口元に運んで飲もうとしますが、大きく喉を鳴らして
「わしゃよう飲めんのじゃけえ。」・・このシーンからもうほとんど涙でくもって
「よう舞台が観れんのじゃけぇ」f(^_^;)状態のわたしなのです。
ほとんど泣き笑いの状態。今更ながら、隣のお客さま・・すみません・・ずるずるで・・(><)

こんな悲劇が二度と起こらないように
生き残ってしまってすみません・・・などと考えてしまう人たちが、二度と現れませんように
そしてこの作品が、これからも観続ける事ができますように・・。
私たちが過去の現実を絶対、絶対に忘れない為に。
一人でも多くの方に観て頂きたい作品です。

終演後、まずは涙でぐちゃぐちゃの顔を直す為にトイレに直行(笑)
それからゆっくりロビーへ・・と、この作品の演出助手をされていたイケメン演出家(笑)
上村聡史さんに遭遇!次回のアトリエの会は、上村さんの演出作品Yeah~!(*^^)v
『ミセス・サヴェッジ』ですよぉ~!!お楽しみに~☆彡
その上村さん「(鵜山さん)いますよ、そこに(笑)」と、その視線の先にはうーさまが!!!!
「いいでしょう・・(栗田)桃子」と、笑顔の鵜山さん♪きゅあーきゃー
あんまり久しぶり近くでお会いした緊張と何よりも私は
声を出したら涙が出そうなほど、この作品の素晴らしさに感動していたのです。
いっぱいいっぱいの私は、息も絶え絶えに早々に逃げるようにその場から逃げてしまいました。
帰りの電車の中で、突然場面を思い出し涙が・・・いやぁ参った参った。
怪訝そうな乗客の目線に「ハードコンタクトにごみがぁ~(涙)」という、
くさいジェスチャーをしてその場を乗り切ったのでした・・。
よかったねコンタクトしてて・・・ソフトだけどね(笑)

『父と暮せば』は、初演からずっと鵜山さんが演出されておられます。
鵜山さんにとってまさにライフワークの作品。。
こんなに魂に直球で打ってくるドラマを演出される鵜山さん。
鵜山さんを好きになって本当によかったと自分を褒めてしまいたくなります。
★えらいぞ自分!って自分を褒めてどーする?!・・すみませんf(^_^;)

~6/22(日)まで in  紀伊國屋サザンシアター
6/24(火) in  鎌倉芸術館小ホール
7/13(日) in 逗子文化プラザ なぎさホール 
by berurinrin | 2008-06-14 20:28 | 観劇感想