日韓合同公演『焼肉ドラゴン』

日韓合同公演『焼肉ドラゴン』 in 新国立劇場小劇場(4/19)

作   鄭義信
翻訳  川原賢柱
演出  梁正雄/鄭義信

大阪万博が開催された前後の年のお話しです。
関西の・・と、ある空港近くの朝鮮人集落。
焼肉屋「ドラゴン」を経営しているのは、片腕を戦争中に失った金龍吉さん(申哲振さん)
と妻の高英順さん(高秀喜さん)二人は、再婚同士でそれぞれの連れ子である
金静香さん(粟田麗さん)と金梨花さん(占部房子さん)金美花さん(朱仁英さん)
そして二人の息子・金時生さん(若松力さん)と暮らしています。
この日は、次女・梨花さんと哲男さん(千葉哲也さん)との結婚のお祝い会。
「ドラゴン」では、歌手を目指す実花さんが歌い、賑やかにささやかに楽しく過しています。
時は、高度成長期真っ只中。
大波となって「ドラゴン」に集う人たちを、今にも飲み込んでいきそうです。

熱くて煙くて香る舞台です(笑)
舞台上で焼肉ジュージューして、はふはふして食べてる俳優達を初めて観ました(笑)
実は、私・・焼肉が苦手で焼肉屋さんには行く機会がないので
やかんにお茶碗で頂く、マッコリの飲み方・・とか、とっても斬新
お茶碗で飲んでるもんだからスープ?!でもこんなに飲むの?おかわりがんがんするし
なんて・・無知なじぶん・・本当もう恥かしい・・・

ちょっと、周りの目が・・とか、みんなの前でこんな事・・
そんな事は一切お構いなく「ドラゴン」に集う人たちは皆、好き勝手に
いっぱい怒って、いっぱい笑って、喧嘩して・・・もう・・めちゃくちゃです。
在日というくくりの中に大きな体を収め、片寄せあって生きる彼らの生き様の底辺にある
モノカナシイさ・・祖国と日本との間に浮遊している彼らの基盤のない生き方が
わたしには不思議と羨ましさと痛ましさ・・両方の眼差しで感じ入っていました。

家族の定義もあったもんじゃない!とごちゃまぜ状態ですが
夫婦の愛情の上に自立していく子供たちが、
それぞれの決意を胸に旅立って行く瞬間。
それがどんな結果に結びついても、その後を思うと胸に直球に迫ってきます。
家族でさえ何も出来ない・・・自分はなおさら・・
年代を性別を超えて観ても、きっと自分の底に持っている熱い心を感じることのできる
素晴らしい作品だと思います。

いっぱい笑って、いっぱい泣いてください。
ぜひ、たくさんの方に観て頂きたいです。

4/17(木)~4/27(日)まで in 新国立劇場小劇場
by berurinrin | 2008-04-22 13:49 | 観劇感想