双数姉妹『やや無情・・LES PETITS MISERABLES』

双数姉妹『やや無情・・LES PETITS MISERABLES』 in THEAER/TOPS  (4/11)

作・演出 小池竹見

ここは刑務所。
それは再犯を繰り返す受刑者たちのために、更生教育の一環として始められた
演劇のプログラムを行なっている教室です。
役人サクラダさん(小林至さん)、心理学者のモリノさん(井上貴子さん)の
アドバイスのもと某劇団の演出家トムカイさん(吉田麻起子さん)が
彼らの指導をしていますが、題材は、彼らの行状を再現するかの内容・・
受刑者たちの心を傷つけながらも、モリノさんの熱意は少しづつ彼らの演劇に対する
意識に変化を起こしていきます。

初の双数姉妹です(笑)
舞台は刑務所・・それも選りすぐれた再犯を繰り返す囚人達。
そんな彼らに強制的に“演じさせて”まるで過去を回帰させるような内容の
芝居を外の劇場で公演する目的で、日々稽古を始めていきます。

初めは、囚人達の人権を無視したかのような意見や質問を投げかけたりする
「上から目線」のような演出家や
規則で固められた看守や囚人達におびえなから参加する俳優達・・。
いつしか同じ目的の為に次第に団結していきます。が、彼らは囚人達・・
教室への行き帰りは点呼に整列。芝居の出番の無い時は、体育座り。
移動は、脇を固めて握りこぶしを前にして早足・・。
普段は従順な彼らも、ちょっとした事で怒りを表す態度は、めちゃめちゃ怖いです。
その時ばかりは、看守と囚人&一般人と、ボーダーラインがはっきり見えてきます。
その目に見えないラインが見え隠れする教室は、
平和な空気と少しの緊張感に縁取られています。
彼らはいつしか刑期を終えて、外の世界に出て行きますが
また舞い戻ってしまう事が多いそうです。
どうしても過去の出来事が、家族の苦悩、まわりの差別を生み、理不尽な思いで
つい・・。でも、周りの尽力や自分の意思の力で立ち直っていく姿・・。
辛い現実もこの芝居の中で劇中劇という形で、
彼らが演じる彼らの未来の姿を重ねる事が出来ます。
劇中劇で、春山さんを演じたハルヤマさん(佐藤拓之さん)の未来が明るいといいなあ・・・、
一生懸命演じる囚人さん達も幸せ=普通の生活が送れるといいなあ・・・と、心から思いました。
けれどこの芝居では、より現実的な出来事が起こってしまいます。
・・・厳しいです・・ぐすん(涙)
でも、本当の現実はもっともっと厳しいと思います。
犯罪を犯した人が居れば、被害を被った方も居られる。。
何よりも被害者の方の心の平安が優先だと思います。

さて文学座からは、かっこい~い!中村彰男さんがご出演です。
囚人達の演じる芝居の助っ人で、参加される俳優・カオナシさんもといオトナシさん。
そーいえば『千と千尋の神隠し』では、あのカオナシさんの吹き替えを演じられた彰男さん。
偶然ですかぁ・・よね(笑)
一生懸命に演じる彼らを見守るオトナシさんの眼差しは、
彼らが不安な時、オトナシさんの顔を見る事によって力つけてくれそうな程に
癒しの効果たっぷり優しく慈愛に満ちています。
ほんとうに優しい笑顔です。
囚人達から質問を受ける時に、相手の顔をじっと見つめ返す姿に真摯に彼らと接しようと
努めるオトナシさんの気持ちにぐっときました。
やっぱかっこいい彰男さんです。

お話はシビアなものでしたが、ロビーや物品販売など会場の雰囲気はユニークで
ちょっとびっくりしましたが(笑)劇団のアットホームさが伝わってきました。
彰男さんとお揃いでTシャツ買うべきだったな・・・と、後から後悔しちゃいました

詳しくは、双数姉妹のブログに載ってます。

4/9(金)~4/13(日)まで in THEAER/TOPS
by berurinrin | 2008-04-13 20:38 | 観劇感想