こまつ座第84回公演『人間合格』

こまつ座第84回公演『人間合格』 in 紀伊國屋サザンシアター(2/10)

作   井上ひさし
演出  鵜山仁

昭和5年(1930年)高田馬場に近い下宿に越してきたのは、帝大一年生になった
青森の大地主の六男坊・津田修治さん(岡本健一さん)のちの太宰治さん。
ひょんな事から非合法の活動行なっている貧しい学生山田定一さん(甲本雅裕さん)
と佐藤浩蔵さん(山西惇さん)と出会います。
戦争、戦後と激動の時代を経て3人の友情は、世情に巻き込まれ揉まれながら
も固く結ばれたものでした。

太宰治さんといえば、学校の推薦図書で「走れメロス」を読んだ記憶しかないf(^_^;)
私が言えることは、全くない!と胸を張ってしまう(張るな!!)無知の世界ですが
彼の生き様は、映画やらドラマやらで、スキャンダラスな人生の側面を垣間見ると
自分の勝手な解釈の、繊細でイケメンな太宰イメージに岡本健一さんがぴったし♪
パンフレットの写真もそんな雰囲気が漂っています。
ちょっと左顔がゆがむ癖があるみたいですが、そこが神経質な一面をかもし出して
いるようで、着物姿もお似合いです。
そんな悩める津田さんを囲んでの3人の不動の友情の物語ですが、
男の友情って熱い!熱くて潔くって、ちょっとおバカで愛おしい・・
そんな3人の生き様を温かく厳しくそれ以上のおバカさで見守っているのは
津田家の番頭さんの中北芳吉さん(辻番長さん)。
登場する度におちゃめな歌を披露しなからの中北さんの朗らかさ・・

プロローグで6枚の津田さんの写真が登場しますが
その写真にまつわるエピソードで構成されたドラマです。
笑って笑って心の底から楽しめる中に、ほろ苦さが残るのは
彼らが生きた時代が、彼らにとって生き易い時代ではなかったから。
彼らの過酷な人生の中での一瞬の、劇中の台詞「小さな宝石」の輝きが
激しい激動の時代と平凡に生きている現代とは輝きの度合いが違っていたからそこ
彼らの姿がより眩しく熱く胸に迫ってきたのかもしれません。

この『人間合格』と文学座3月公演『長崎ぶらぶら節』って共通するものがあるのです。
あ、両作品とも鵜山仁さん♪ですが(笑)うきゃうきゃ・・・じゃなくって
二村定一さんの歌う『青空』という曲が使われています。
実は鵜山さんから教えて頂き、どんな風に使われているんだろうと
気になっていました。
音楽が場面を変えるといいますが、
逆に場面によって音楽の聞こえ方が変わってくることを感じることが出来ました。
音楽がしっとりと時代の変化を伝える伝達の役割を果たす『長崎ぶらぶら節』と
その時代の今を伝える華やかな明るさ『人間合格』のそれぞれのワンシーン。
両方ご覧になれる方は、ぜひ感じてみて下さいね★

2/10(日)~3/16(日)まで  in 紀伊國屋サザンシアター
3/19(水)、20(木)in山形県・川西町フレンドリープラザ
by berurinrin | 2008-02-11 16:32 | 観劇感想