新国立劇場オペラ『カルメン』

新国立劇場オペラ『カルメン』 in 新国立劇場・オペラ劇場(12/1)

作曲 ジョルジュ・ビセー
台本 アンリ・メイヤック/リュドヴィク・アレヴィ
原作 プロスペル・メリメ
指揮 ジャック・デラコート
演出 鵜山仁

スペイン・セルビアが舞台。
ホセ(ゾラン・トドヴィッチさん)は、心優しい婚約者ミカエラ(大村博美さん)
を大切にする真面目な伍長さん。
ある日タバコ工場で働く自由奔放で魅力的なカルメン(マリア・ホセ・モンティエルさん)
が女工達と喧嘩をして、逮捕されます。
ホセがカルメンを連行しようとしますが、カルメンの魅力の虜となり彼女を逃がして
しまい、その責任を取ってホセが逮捕されて投獄されてしまいます。
出所したホセはカルメンに会いに行きますが
偶然見かけた上官とカルメンの関係に嫉妬したホセは、上官に決闘を挑み
カルメンの云うがままに、密輸団の仲間になってしまいます。
全てを捧げてカルメンに尽くすホセ・・。けれどもカルメンの心はすでにホセからは遠く・・
彼女の目線の先には、彼女に好意を持つ闘牛士エスカミーリョ(アレキサンダー・ヴィノグラードさん)の姿が・・・

初めて新国立劇場のオペラ劇場に足を踏み入れてしまいました。
すごいですね。もう何もかもすごいです。
3部構成で休憩が2回。それも各25分・・合計すると50分(笑)も休憩するわけですが
休憩時間にまわりを眺めてみれば、シャンパングラスをくいくいっと、頂きながら
楽しげに盛り上がり、おしゃれな装いで休憩毎に違うスウィーツを堪能して、
物品コーナーで舞台写真や関連書籍なんかのグッズに目を輝かし・・・
本当にすごい、素敵です~☆彡

いやぁ予習・復習大事ですね。
この日の為に漫画「のだめカンタービレ」を熟読し、日本語版のオペレッタ『こうもり』で
オペラデビューを飾り、演奏会形式の『カルメン』でカルメンの曲に親しみ
二期会公演『仮面舞踊会』で本格的にオペラの楽しみ方を勉強させて頂きました。
・・とは、いうものの歌手の方々の歌い方だの、声の質だの
そんなすごい事は、全くわからないので、勝手に楽しんだ感想で(笑)

この公演を前に『カルメン』のオペラトークという企画を拝見しまして
(あの、鵜山さんの肩にカルメンさんが手を置きながら歌ってた、あれです(笑))
若杉オペラ芸術監督が「オーソドックスな『カルメン』を鵜山さんの手で観たい」と
おっしゃっていたのが印象的でした。
そして鵜山さんは「群集をどう日常に見せるか?」と・・

満場の拍手を浴びながら登場された指揮者のジャック・デラコートさん。
大きな体をさらに大きく、そして小刻みに震わせながら、指揮棒を振る姿は
堂々として美しく、合唱隊と共に口ずさんだり、歌手に向って拍手したり
素晴らしいタイミングで観客の熱い拍手と歓声に音楽の間を置いたりと
愛情深く舞台を見つめる姿が、みんなのお父さんのように暖かく感じました。
そんなデラコートさんの奏でる音楽は、演奏会形式の『カルメン』が若々しく
ダイナミックだとしたら、とても繊細で細やかな自然に胸の中の血を沸き立てる
熱くて美しい旋律が次から次へ流れてきました。
そして幕があがると、人だらけ(笑)
わらわらわらっ・・・と、人々の活気に満ち溢れる町の風景です。
まさに群集劇です。
一度は聴いたことのある音楽に占められている『カルメン』は、悲劇といえども
本当に場面場面が見事で豪華で、ため息が出るほど美しいです。
これじゃあオペラは高くても仕方ないなあ・・と、現実を忘れられるゴージャスな世界・・
まばたたきをする一瞬さえもどかしく魅惑されっぱなしでした。

さて、文学座からは松角洋平さんと松岡衣都美さんがご出演。
前日、サイスタジオで偶然このお二人にお会した時に
松角さんが「全幕、出てますからがんばって探してくださいね」と
舞台では一言も発する事は無いので「もう~、歌いてーしゃべりてー」
と、おっしゃっておりましたが
このお二人に共通しているのは、とても華やかな雰囲気を持っているということ。
始まったとたん、高いところに居る兵士さんの松角さん発見!
と、男性の腕に手を預けている貴婦人の松岡さんも発見!
おおおっ、女工さんたちに押しつぶされそうな松角さん発見!
女の人を口説いてる松角さん発見!
日傘をさしてる貴婦人松岡さん発見!
ビンクのタイツが眩しい金ぴかマタドール松角さんはっけーん!!
と、お二人を探す楽しみも満喫しながら
オペラに酔いしれたのでした・・・・・(笑)

新国立劇場オペラ『カルメン』_c0023954_2251850.jpg

11/25(日)~12/9(日)まで in 新国立劇場オペラ劇場
by berurinrin | 2007-12-02 22:39 | オペラ