メジャーリーグ+庭劇団ペニノ『野鴨』

メジャーリーグ+庭劇団ペニノ『野鴨』 in シアター1010ミニシアター

作         ヘンドリック・イプセン
演出・上演台本 タニノクロウ
企画・上演台本 笹部博司

ヤイマール・エクダル氏(手塚ひろしさん)は、美しくて働き者の妻ギーナ(石田えりさん)
13歳になる娘へドヴィック(鎌田沙由美さん)、エクダル老人(藤井びんさん)と
静かに幸福に暮らしています。そこへ豪商ヴェルレ氏(津嘉山正種さん)の
息子で彼の友人のグレーゲルス(保村大和さん)がやってきて
ギーナと父との過去の関係を打ち明けます。

会場に入るとそこは森でした。
実際に本物の木がそちらこちらにそそり立つ姿は見事です。
木の伐採に関しては、長野まで行かれたそうです。
(その後、この木達はどうなっちゃうんでしょうか?ちと心配ですが・・)
特にこの時期、劇場はかなり乾燥していて
のど飴、マスクは、マストアイテムなのですが、なんとなーく潤っているような
舞台となる森を囲んで、客席はL字型で2列しかありません。
なんという贅沢な作りなんでしょう。
照明も木立の影を通すように、上からそっと降り注ぎます。
薄ぼんやりした暗い光だったので、つい睡魔が・・と、一瞬ヤバイ状態を
耐え、気がついたら舞台に見入ってました(笑)

登場人物は全て、心や体に傷を持つ人々・・その傷は奥底に潜ませて
穏やかに暮らす彼らの生活に突然割り込み
わけのわからない正義感を振りかざし
聞いちゃいない真実を暴露し、ひとつの幸福だった家族を破壊する悲惨なお話しです。
最後はものすごい大きな犠牲を支払う事になりますが・・
それにしても真実を知ることは、本当に良い事なんでしょうかね?!
でも決して真実だけが全てじゃないと、改めて考えさせられてしまいます。
とはいうものの、そう言い切る程の秘密が自分には無かったんですが・・・(><)

イプセンといえば『人形の家』!って、それしか知らなかった無知な私ですが
この本はすごいです。原作を読んでみたくなります。
ヒロインのへドヴィックが、飼っている傷ついた野鴨
それは猟犬によって、野鴨が死に場所にたどり着く前に捕獲された
二度と空を飛ぶことが出来ず、もはや死ぬことも出来ない野鴨・・・
その野鴨について、イプセンが書いているそうです。
「野鴨が突然、銃で撃たれる。
野鴨はすぐに真っ直ぐに水底に潜る。
潜るだけ潜って、藻や水草にかじりつく。
そこが野鴨の死に場所で、死を決意した野鴨はそうやって二度と
水上には浮かび上がってこないのだ・・・・」

真実かどうかはわかりませんが辛いです。

この大きな代償の償いは、いったいどこへいくのでしょうか?

11/1(木)~11/30(金) in シアター1010ミニシアター
by berurinrin | 2007-11-29 08:59 | 観劇感想
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