こまつ座第83回公演『円生と志ん生』

こまつ座第57回公演『円生と志ん生』 in 紀伊國屋サザンシター(11/23)

作   井上ひさし
演出 鵜山仁

五代目志ん生こと美濃部孝蔵さん(角野卓造さん)と六代目円生こと
山崎松尾さん(辻萬長さん)は、終戦間近な昭和20年、演芸慰問団の一員として
満州・大連に渡りますが、そこで終戦を迎えます。
そしてやってきたのは、ソ連軍の進攻、中国人の反乱
満州から日本に帰国する為に、大連を目指す日本人達・・
地獄の坩堝と化した大連に孝蔵さんと松尾さんは閉じ込められてしまったのです。

ソ連軍に囲まれた異国で、帰りたくても帰れない彼らに次から次へと襲い掛かる
悲惨な出来事のオンパレードのはずなのですが、人間って不思議なもので
これ以上人間の器がいっぱいになっちゃうと、もう「笑うっきゃない」状態。
現在の悲惨な状況を変える手段はなくても、考え方次第で
悲劇から喜劇へ、方向の転化は可能のようで、悲喜こもごもの彼らの
二人の満州での生き方が、落語のお話しと心地良い音楽で進んでいきます。

この二人を巡る5組の女性たちは、誰もがどん底の地獄の中を生き抜き
彼らに出会い、そしてその後の運命もまた・・・・。
胸をいっぱいにさせるエピソードが綴られます。
でもどんな運命が待っていても、顔を上に向け生き抜く姿は
キラキラと美しいものです。

そーいえば、初演の幕が上がる数日間前に鵜山さんから
「まだホンが上がってないんだけどね(笑)」とおっしゃっておられたなあ・・と
懐かしい気持ちで拝見しましたが
初演の素晴らしさもさることながら、再演され熟された作品の見事さ・・
泣きながら笑って・・大忙しの私です(笑)

文学座からは、前作同様に生活の全てが落語と共存しつつも
その場しのぎの孝蔵さんに角野卓造さん。そして塩田朋子さん。
塩田さんは、今回からの参加ですがぴったり人物にハマっています。
彼女が演じられる5人の女性たちは
美しく哀しく、時に凛として母性を感じさせる素敵な女性たち・・・
ハスキーで美しい歌声と共に魅せて下さいます。

11/14(水)~12/2(日) in 紀伊國屋サザンシアター
by berurinrin | 2007-11-24 10:27 | 観劇感想