『たとえば野に咲く花のように』 

新国立劇場開場10周年記念
フェスティバル公演
「三つの悲劇」―ギリシャからVol.2
『たとえば野に咲く花のようにーアンドロマケ』 IN 新国立劇場中劇場(10/20) 

朝鮮戦争勃発の翌年の九州のとある町。
港に近い寂れたダンスホール「エンパイアダンスホール」。
ここで働く安田満喜さん(七瀬なつみさん)、珠代さん(梅沢昌代さん)達・・
ある日、ライバル店「白い花」のオーナー阿部康雄さん(永島敏行さん)が
やってきて、一目で満喜さんに夢中になってしまいます。
けれども康雄さんには、婚約者の四宮あかねさん(田畑智子さん)という存在が
そしてあかねさんを恋する康雄さんの弟分・竹内直也さん(山内圭哉さん)もまた

第2弾は、ギリシャから九州に舞台を移しての愛のドラマです。
実際のところ、アンドロマケの物語をちゃんと理解していない私にとって
どうリンクしているのかが、わかりませんでした(><)

遣り切れないほどの愛の連鎖の物語です。
戦争が終わって、日本が復活の兆しをみせながらも
米国の圧力を受け、隣国では戦争が始まり
日本に居ながらも、在日として生きている彼らにとって
祖国であり同胞である人たちが、今もなお戦時下にあり
空には、爆音と共に彼らの祖国・戦場に向う戦闘機の音が響きます。
そして戦争中に恋人を失った満喜さんにとっては、心の平安はこんな状況では
訪れる事もなく、そんな彼女を愛する康雄さんにも、戦争によって起こってしまった
暗い思い出が彼を責めさいなむのです。
「どうしてわたしじゃダメなの!!」と、悲痛な叫びを上げるあかねさんも
またアルコール依存症・・・

どうしてあげたら彼らを救えるのでしょうか?
ひたすら片思いの愛の連鎖の彼らは、抱えているものが大きすぎて
その鎖の重さに押し潰ぶされそうです。
けれど、戦場の後には静寂が、そして静かな時がやって来ます。
ラストの穏やかな光景に、自分でも気付かない涙が流れました。

10/17(水)~11/4(日) in 新国立劇場中劇場
by berurinrin | 2007-10-28 14:54 | 観劇感想