『犬が西むきゃ尾は東』稽古場見学

ご無沙汰しております。

別役実さん的には、いわゆる“正しくない風邪”をひいてしまいました。
ちなみに“正しい風邪のひき方”というのは、日常付き合のある人が30人程いたら
5.6番目に感染するのが望ましいそうです。
そうなると、周囲の人たちも風邪に対して敏感になってきているそうなので
すでに風邪をひいた方々は、体験談を語りたがるし、まだの方々は用心の為に
こちらの容態を知りたがるので、おのずと話が弾んで賑やかな病床になるそうです。
先に風邪をひいてしまうと「まじ風邪ひいちゃたの?」とか認めてもらう確立は少ないし
最後に風邪をひいてしまうと「鈍感じゃん」と、人格否定まで(笑)?
風邪をひくのも大変です。
ご興味がありましたら、別役実さん著「日々の暮らし方」白水Uブックスをご覧下さいね。
他にも正しいお散歩の仕方や笑い方など、正しく生きるコツが(笑)盛り沢山です。

同僚のきーくんが、先日朝の通勤電車の扉にスーツの上着を挟まれ
「えいっ!」と引っ張ったら「びりっ~!」と破れてしまったそうです(><)
それも背中の真ん中の部分(笑)他の乗客の皆様は
伏目がちで、見てない振り・・「可哀相・・・(笑)」という声無き声が
聞こえたそうです。
本人にとってはありえない最悪な朝の出来事ですが、社内は朝から大爆笑・・・
まさに不条理の世界です。えへへっ

・・・・と、前置きが長くなってしまいましたが
独自の不条理の世界を描く別役実さんの新作『犬が西むきゃ尾は東』の
稽古場見学を拝見しにアトリエへと云ってきました。
今回は旧作『数字で書かれた物語』と2作連続上演。
『数字で書かれた物語』は、アトリエの隣の「もりや」でお稽古されてるそうです。

アトリエに入ると、目の前には電信柱!別役ワールドの必須アイテムの一つ
そして始まったのは、冒頭の部分。
この電信柱を中心に・・・・・・・・うっ、これ以上云えません。
ただ、皆さん笑いっぱなし、思わずご自分の台詞に吹き出す吉野佳子さん(笑)
それに釣られて大爆笑。
角野卓造さんの合図で、少し前に戻って仕切りなおし♪
小林勝也さんは、不思議なオーラを放っちまくり
田村勝彦さんは少年ぽくみえます。
倉野彰子さんはいつものキラキラの笑顔をちょっとお休み?しています。
その短い間もその場で俳優同士で細かな所を打ち合わせしています。
でもまた始まると、くすくす(笑)と笑いが其処彼処から・・・
そんな姿を優しい眼差しで見守る演出の藤原新平さん。

俳優達の思い思いのイメージの稽古着も、????な世界
みなさん・・とんでもない(笑)お姿の中、お一人カッコいいのは
沢田冬樹さん!スーツ姿細いネクタイがめちゃめちゃお似合いです。

今一歩、別役さんの作品に苦手意識がある私ですが
稽古場見学後、パートナーズ倶楽部会員の方々から
別役実さんの過去の作品の感想や楽しみ方をアドバイスして頂きました。
皆さん本当にたくさんお芝居をご覧になっていておられるので、勉強になります。
稽古場見学も楽しいのですが、その後に美味しいお茶とお菓子を頂きながら
皆さんのお話を伺うことのできるこの時間も楽しみの一つです。

さて、その時に教えて頂いた一言。
別役さんの作品は、目の前に起きることをその場で感じて楽しんで下さい。
後から首をかしげるかもしれませんが、それがまた後から楽しめます。
頭でっかちになりそうな私にとって、素敵なアドバイスを頂きました♪
by berurinrin | 2007-06-10 11:51 | 稽古場/舞台裏話