文学座付属演劇研究所研修科発表会『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』

文学座付属演劇研究所研修科発表会
  『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』 in 文学座アトリエ(4/7)

作   横内謙介
演出 小林勝也

病院のベットで目覚めた王様は、道化と共に荒野を目指します。
途中、お腹をすかせ主人とはぐれた従者と出会い意気投合し、
宿屋で酒盛りの最中に宿屋に逗留してはいるものの、
宿代を払えない旅芸人家族と出会います。
宿屋の主人の好意で、長逗留しているにもかかわらず
旅芸人の二人の子供たちは、宿屋のパンを盗んでは悪さばかりしています。
そんな子供たちのささくれた姿の原因として、
十年前のある事件がきっかけで、この国の人々は、
目に見えるものだけしか信じなくなってしまったと、嘆きます。

心機一転。始まりました~研修科生の発表会です。
またこの一年どんな新たな感動や驚きを与えてくれるのでしょうか?
そんなわくわく感を持ちながら、
アトリエの客席は追加席が出るほどの超満員。
すごい熱気に包まれて、静かに芝居は始まりました。

前回の卒業公演から約1ヶ月とちょっと・・・。
そして研修科新二年生となった彼らが
選んだ作品は、かなり難易度の高い作品でした。
過去には、大河ドラマ『風林火山』で活躍中の内野聖陽さんや
城全能成さんが、研修科時代に主演を努めたこの作品だそうですが
(モカさんありがとうございます)
作家の世界観の強いシニカルな作品というのは、
素人の目にも、役を自分の中に入れる作業というのは、なかなかどうして
かなり難しいんだろうなあ・・と思うわけですが、
それもそのはず
裸の王様と、ドンキホーテが重なって・・女子高生が出てくるし(爆)
この登場人物たちが、一癖も二癖もある人で
全員頭のネジが外れている人ばかり(笑)・・・
まさに体当たりで演じていました。

それもダブルキャスト(女性版と男性版)で彼らは短期間でやり遂げ
完成度の高い舞台を、わたし達の目の前で魅せてくれました。
毎回の事ながら・・この圧倒するパワーは、
いったいどこから出てくるんでしょうか?
このパワーに溺れそうになりながらも
この一年、私は彼らに魅力され続ける事になりそうです。

帰り道、満足満足~♪と信濃町駅に向かって歩いて居た所
反対方向からやって来た、浅野雅博さんに遭遇しました。
「これから、夜(研修科生の発表会)観るんです。(発表会)どうでした?」って
「も~最高♪すごくよかったです!」
浅野さん、前日もご覧になって居たそうです。
なんか良いですね。とっても素敵な関わりあい方をされていますね。
でも浅野さんだけじゃなくって、
他の座員の方々も客席から見守っていらっしゃいます。
うっうっ、わたしももうひとつのバージョン拝見したかったです。
どうしても調整ができず観ることは出来なかったのが心残りでもあり
次回の発表会の楽しみでもあります。
by berurinrin | 2007-04-08 22:18 | 文学座観劇感想