H.H.G公演vol.9『愛しのメディア』

H.H.G公演vol.9『愛しのメディア』 in サイスタジオコモネ

作   鄭義信
演出  高橋正徳
美術  乗峯雅寛

メディアと名づけられた女性達はロクさん(上川路啓志さん)の下で集団生活をしながら
草太さんの援助をする為にロクさんの言われるがままに、働きはじめます。
思うように記録が伸びない草太さんと、方向を見失いメディア達を執拗に追い詰め働かせる
ロクさん・・・・疲労の為に体と心を蝕んでいくメディア達。
そんな彼らの先に、まだイオルコスの街の光は見えるのでしょうか?

メディアを演じるのは、文学座の女優の中からの選りすぐりの小悪魔さん♪達。
なまめかしい動きや台詞を連ねても、猥雑さを感じさせないのはすごい!!
くら~っとか、うぁっ~とする色気は、ちょっと・・・ですものね。
だって、海から来たメディア達・・ちょっと不思議系な彼女たちには
俗物的なものは当てははまらないのですから。
あっ、彼女達に色気が無い!と、云っているのではありませんよぉ、決して、決して。
そんな4人のキャラクターの各自の持ち味が、メディア達の存在自体の曖昧さと相まって
このへんてこで大人のおとぎ話の様な不可思議な物語に
観客の私達をやわらかく包み込んで誘ってくれました。

そんな愛らしいメディア達は
バレエのように指先まで美しくしなやかな動きで酔わせる山谷典子さん。
この山谷さんの目の動きや表情って、ちょっと違う・・霞を食べて生きてますっ!風な
不思議で魅力的に演じられていました。
アトリエの会での『アルバートを探せ』でも、加納朋彦さん演じる石原純さんが
地位も家庭も何もかも捨ててでも、彼女を選んでしまう歌人の原阿佐緒さん・・・
本当に美しかったですね。

ちょっぴり落ち着いたお姉さん的なメディアは、太刀川亞希さん。
穏やかで、皆より一歩下がった所に居ながらも、存在感はしっかりあるし
でも普通の女性とは、やっぱり違う立ち振る舞い・・
そんな太刀川さんは『シラノ・ド・ベルジュラック』で、シラノにからかわれる
シスターマルトさんを可愛く演じておられました。

ユニークさといえば、やっぱヨリちゃんでしょう(笑)頼経明子さん♪
せくしぃー(あえてひらがなで(笑))なお衣装で、いろっぽ~い眼差しを客席に向けて
・・・っと、そんな演技をされておられるとは露知らず、最前列で観てしまった私。
「ごめんねヨリちゃ~ん(><)」状態でしたが、しっかり受け止めましたよぉ。
ヨリちゃんビーム(笑)恥ずかしかったけど、えへっ♪
そんな、頼経さん演じるメディアは、清潔感があってユニークさの中にも、
力強さと可愛らしさを兼ね備えた一風変わったメディアの一員でした。
『シラノ・ド・ベルジュラック』でも、料理人ラグノオ(三木敏彦さん)の妻ルイズを
元気に演じておられましたね。
それにしても劇中劇(?)の山谷さんとの掛け合い講談(こういう表現で云いのでしょうか?)
鳥づくし・・すごかったですねぇぇぇぇ。もう、笑いすぎて、顎が痛かったです(笑)

元気といえば、元気で無邪気な天然系メディアは藤崎あかねさん。
思いっきり顔をくしゃくしゃにして泣き叫ぶ姿が、逆に可笑しさ一杯で・・
有志の公演『裸足』で、新米の保母さんを演じた彼女ですが
持ち前のピュアで新鮮な演技が好感が持てますね。
今後もとても期待が出来る女優さんです。

このすごいメディア達を相手に奮闘される男子2名は
H.H.Gでは、顔なじみの細貝弘二さん。
かっこいいですよねぇ。うん。(納得)
汗を光らせストイックなランナーを演じる目線のその先に幻のように映るイオルコスの町は
どんな魅力があるのでしょうか?
眉間にしわをよせ、歯を食いしばったその姿から
ふと、こぼれる笑顔がとっても魅力的な細貝さんです。
メディア達の彼を見上げるその眼差しがキラキラと輝くのも無理はありません。
『湖のまるい星』でも、体育会系(笑)恋に一途な(ちょっと邪道でしたが・・・)
剣道部員をコミカルに演じられていました。

そして、もうひとり草太さんを熱いまなざしで見つめるのは、ロクを演じる上川路啓志さん。
メディアとの共同生活から、少しずつかけ離れてしまう本来の目的とのズレの闇の部分を
大胆に演じ分ける事によって、嫌悪したくなる姿を逆手に取ってコミカルに魅せてしまう所に
上手く上川路さんのキャラが重なりましたね。
『シラノ・ド・ベルジュラック』中でもラグノオの料理人を「○×でござ~い♪」って
軽快に演じる姿がすごく印象的でした。

12/19~12/30 in サイスタジオ
by berurinrin | 2006-12-26 17:32 | 観劇感想