こまつ座第81回公演『私はだれでしょう』

こまつ座第81回公演『私はだれでしょう』 in 紀伊國屋サザンシアター(1/27)

脚本 井上ひさし
演出 栗山民也
音楽 宇野誠一郎

昭和二十一年東京。
脚本班分室長で元アナウンサー河北京子さん(浅野ゆう子さん)を中心に
山本三枝子さん(梅沢昌代さん)と脇村圭子さん(前田亜季さん)は、
今日もラジオ放送番組「たずね人」のコーナーで読み上げる原稿と格闘中・・それは
戦争によって、はぐれてしまった親や兄弟の手掛かりを得ようと、山のように来る手紙。
手紙を原稿に直したものを、放送原稿を事前にチェックするのは、
放送用語調査室主任・佐久間さん(大鷹良明さん)。
そして放送前原稿を検閲するのは、米の調査機構である新任の
CIE(民間情報教育局)のフランク馬場さん(佐々木蔵之介さん)・・・。
ある日、山田太郎?と名乗る男性(川平慈英さん)がやって来ます。
「たずね人・・・・。わたしにも、たずねたい人がいます。わたしは・・私は誰でしょう?」

話題の井上ひさしさんの新作(苦笑)です。
補助席さえも満席・・熱気溢れる客席&人と花の香りで一杯のロビーです。

残念ながら、このラジオ放送を私は知りません。
母に、昔のラジオ放送の「尋ね人」って知ってる?と、聞いてみたところ
「今の「個人保護法」なんて、へそで茶を沸かしちゃうほど
個人情報出しまくりで、放送していたわよ。
それだけ必死で藁をもすがる思いの人たちが多かったのよ。
・・靴磨きの少年・・駅にたくさん居たなあ・・・」
・・そうなんだ。
井上さんの作品で、いつも感じるのは
目の前で繰り広げられる表現される舞台のその先・・・切なくも想いを馳せる
エンディングのその後・・
そして、舞台のセットとして、山のように積み上げてある
「尋ね人」を探す人々からの想いの詰まった封書。
「原爆」という「被爆」という、言葉を放送に乗せられない為に
封も開けられない広島や長崎からの手紙の束・束・束。

こんなに優しく耳に流れてくる音楽と共に入ってくる心にぐっとくる台詞の数々。
素敵な作品を・・チケットを持っていたにもかかわらずに観る事が叶わなかったお客さん。
これは罪ですよ。井上さんってば、いい加減に反省してください!

~2/25(日) in 紀伊國屋サザンシアター

*「すばる」(集英社)3月号に上演台本が記載されるそうです。
by berurinrin | 2007-01-28 11:34 | 観劇感想
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