『ゆれる車の音』バックステージツアー

昭和45年頃を舞台にした宮崎県日南市。。実在に存在する乙姫神社。
豊漁祭を舞台に繰り広がるテキ屋のお話・・。
そんな『ゆれる車の音』の舞台裏を拝見してきました。
(ちなみに豊漁祭は、フィクションです)

舞台中央にでんっ!と置いてある黒い車。まじ本物の車です。
車種は○ンダ“ステップバン”、しっかりエンジン部分は空っぽ。
あっ、バッテリーは付いていましたが使用していないそうです。
ライトは、車内にスイッチがつけられ敏子さん(塩田朋子さん)が自ら操作されているそうです。
ゆらゆら揺れる車はそのまま、重蔵さん(角野卓造さん)が揺らしています。

舞台の上手にある南国の木“ココヤシ”これは本物です。ちゃんと根っ子もあって
毎日お水をあげてるそうです。すごーく重くて人の力では持てなくて、クレーンを使って
舞台の上に乗せたそうです。
“ココヤシ”の右手にある建物は“社務所”です。
神社には社務所という場所があって、お守りや絵馬、おみくじ、奉納等の受付場所。
ちょっと寂れた感じになっていましたが、きっと、20年前には華やかだったのでしょうね。

この社務所の裏には、自転車止めのような折り返し場所があって、坂の下から
自転車でつぅ~っと、降りてきて折り返して、舞台に出られるようになっていましたが
狭いし思いのほかスロープが長くて、実際自転車に乗って降りたり・・ちょっと怖そうでした。
特に丈太郎さん(たかお鷹さん)を後ろに乗せて大田川宏さん(植田真介さん)の二人乗りは
自転車止めの所でスタッフの方が待機されてるそうです。

スロープの一番上から客席を眺めると本当に高いです。太平洋ではなくて
客席中を一望できる素晴らしい眺めです。
スロープの途中に客席とは反対側には階段がありました。
降りると参堂の先には鳥居が二つ、その前には石塔・・近くから見ても本物そっくり★

鳥居の脇を通り、舞台袖に入ってから舞台監督の居るモニター場所を眺めながら
Uターンすると、そこは舞台下手にある公衆トイレ。
ここが一番興味ありました(笑)トタンで囲まれた壁はプラスチックで、窓はアクリル板に
黒のマジックで窓の割れた亀裂が描かれ、ガムテープで貼ってあります。
やはり本物のトタンは危険なので、プラスチックにされたそうです。
そして水道。上にタンクがあって、ホースを繋いで自然の流れで出るようになっていました。
流した水は、下に洗面器のような四角いトレイが流しの下にセットされてました。
使う水の分量を量って、洗面器を用意されたそうです。
公衆トイレの隣にはベンチがあって、掲示板にはラジオ体操のお知らせと
小さな「お化けのQ太郎の絵」細かすぎるぅ(爆)

お芝居の中で、怒った敏子さんが、車の鍵をトイレに投げ捨ててしまった後
重蔵さんが、木の枝を使ってトイレで何やら「ぴちゃぴちゃ」と音を立てる(笑)
恐ろしくも・・リアルな想像をしてしまうシーン。音はテープだそうですが
角野さんは、しっかり屈みながら「ぴちゃぴちゃ」と見えないところで、演技をされてるそうです。
また、この大事な枝を折るシーンも「えいっ!」と枝を折り、猫の鳴き声にびっくりする演技を
舞台の袖で演じておられるそうです。
客席からでは見えないこの姿・・いつか見せて頂きたいですね。ちょっと怖いですが(爆)

この時代には、まだダンボールがそれほど普及はされなかったそうで
移動にはりんご箱や竹や柳で編んだ行李(こおり)、木箱・・
ノスタルジックな気分になります。
そして、この時代にはバッテリーは、持ち歩いてはいないだろうとい事で
夜の宴会の場面の電気は、公衆トイレから電気を拝借!といことでコードを繋いで
車の上に、裸電球を点していましたが
頭が無防備(?)な角野さんとたかおさんが、裸電球に頭を当てて「熱っ!!!」
実際は熱くはないそうですが、さすがの演技力!!熱そうでしたぁ(笑)

舞台は九州なので、「酒!」といえば、勿論「焼酎!」って、ロビーのスピードくじの
景品にもなっていましたね。ところが、残念ながらお芝居では「お水」をグビグビ・・
しかし、後半登場する“ラムネ”これは、本物だそうです。
今も販売してるラムネの瓶と当時の瓶は違うので、昔の瓶を使って
なんとスタッフの方が、毎日ラムネ水を作って冷やしているそうです。
味もちゃんとあって、美味しいそうですよ♪
丈太郎さんが、ラムネを開けるとき「プシュッ♪」小さな音が聞こえましたか?

重蔵さんが、妖気を感じてびっくりしたのは
突如、車の後ろから出てきた小料理屋の女将のしのぶさん(山本郁子さん)。
車の後ろにあるスロープの石垣の壁には、戦争中の名残の防空壕の後がありました。
この防空壕から出てきたのでした(笑)

芝居が始まる前に、緞帳ではなくて
舞台中央の前に吊り下ろされていた幕(半幕というそうです)
これは4枚の大漁旗を重ね合わしたものでした。どうりでかなり派手でしたね♪
作家の中島敦彦さんからの頂き物だそうです。
って、どうしてお持ちだったんでしょう???でも、すごく素敵なアイデア★

今回セットがとてもリアルで細かくて、舞台をご覧になっていらっしゃらない方には
マニアックすぎて、なかなか伝わりづらいかもしれませんm(_ _)m
ぜひ、稽古場日記を書かれていらっしゃる丈太郎さんの息子メガネの雄太郎さん
浅野雅博さん)のブログで画像を見てくだされば、伝わりやすいと思います。

今頃このセットたちは、バラされているんでしょうね・・寂しいです。
でも次回作は、シラノですっ!『シラノ・ド・ベルジュラック』!!
お稽古も始まったそうです!楽しみだぁYeah~!(*^^)v
by berurinrin | 2006-09-24 17:59 | 稽古場/舞台裏話