『あわれ彼女は娼婦』

『あわれ彼女は娼婦』 in Bunkamuraシアターコクーン(7/7)

作   ジョン・フォード
翻訳 小田島雄志
演出 蜷川幸雄

中世のイタリアのとある町の裕福な市民フローリオの息子ジョヴァンニ(三上博史さん)は
未来を有望しされた若者ですが、彼は美しい妹のアナベラ(深津絵里さん)を
一人の女性として愛し、同じ思いの二人は近親相姦の罪を重ねていきます。
ある日アナベラの妊娠が発覚し、カモフラージュの為にアナベラに求婚をしていた
貴族のソランゾ(谷原章介さん)と結婚するアナベラ・・この時から彼らの
運命はすべての人々を巻き込んだ地獄へと繋がっていく事になります。

とても観たかった作品です。演じて欲しかった・・文学座で(><)
ご覧になった方のご感想はどうでしたでしょうか?
わたしはどうも最初から斜め目線での感想になりそうなので
ごめんなさいm(_ _)m ご容赦ください。
あまりにも地人会公演での中村彰男さん演じたジョヴァンニと毬谷友子さんのアナベラが
初々しいカップルだったのです。
それは、ダメだダメだといわれても自分を抑えられない衝動や妹の愛に突っ走って
勝ち得た愛に有頂天になったり、追い詰められた彼らの絶望
挙句の果てにアナベラを手に掛けるジョヴァンニの姿が清々い程哀れで・・
またアナベラが血だらけの姿で臨終の際に「むごい・・・」という絶叫の叫びと
死の間際、自分を手に掛けた兄に対し神に許しを乞う場面の痛々しさ・・
何年経っても色褪せないで私の心に残っているのですが・・

今回は・・。その若さの突っ走り方か抜けていたというか、落ち着いたカップルに
みえてしまったのが残念でした。
でも落ち着いた分別のある二人ならこんな事態にはならないんです(><)
が、三上さんと深津さん・・絵のように美しいカップルでした。
最後まで深津さんの純白のドレスは血で染まることなく、
シェークスピアの『ロミオとジュリエット』の美しいイメージのままで終わってしまったようで・・
でも私にとって、この作品は高貴な作品ではなく、もっと厚顔で乱暴で哀れで
蜷川さんの素晴らしいセットをバックにしてでなく、小さなアトリエで
シンプルなセットで観たかったなぁ~という、気持ちを抑えられません・・
でも、でも、今回初めてご覧になる方は、全く別の感想を持たれると
思いますので、ぜひ楽しんで下さい(何を言ってるんだ私は・・・)

文学座からはアナベラの求婚者の一人で軍人のグリマルディ役の鍛治直人さん。
がっちりした体格は、『チェンジングルーム』のラグビー選手のあの迫力が蘇ります。
まさに舞台に負けない姿りりしいですね♪強面の顔もかっこよかったです。
戸井田稔さんは道化に近い役柄ですが、いやぁ舞台でスキップ姿が見れるとは(笑)
笑える場面が多かっただけに、亡き主人を嘆く従者の悲しみが切なかったですね。
そして、偽医者に扮するたかお鷹さんコメディからシリアスまで色んなお顔を見せて下さる、
たかおさんの姿は今回静かな怒りがふつふつと沸いている迫力に見ごたえ十分でした。

~7/30(日)まで in Bunkamuraシアターコクーン
by berurinrin | 2006-07-11 15:35 | 観劇感想