『酒坊ちゃん』(横浜演劇鑑賞協会第218回)

クラクラ・ブロデュース/劇団道学先生vol.16
『酒坊ちゃん』(横浜演劇鑑賞協会第218回) in 赤レンガ倉庫ホール(5/18)

作   中島敦彦
演出 青山勝

自分がアル中の過去を持つ酒問屋の社長(藤原啓児さん)の主宰する
“青空断酒会”に集う人々は、過去にお酒で失敗した人たちばかり
そんな彼らを母のように世話をするのは、お手伝いの清子さん(かんのひとみさん)。
そんな清子さんに思いを寄せる社長さん。
ひたすら大好きなお酒と戦う彼らの前に、仲間の小沼さん(海堂瓦さん)が連れてきた
酔っ払った女性(三橋加奈子さん)が現れたことにより起こる騒動。。
色んな出来事に出くわしながらも、彼らは常に前を向いて生きています。

酒問屋の一角にある、アルコール依存症の方のための断酒会が舞台です。
そのシチュエーションにもかなり笑えますが
登場人物たちは何かしらのコンプレックスを抱いているのです。
超有名なスポーツ選手と同姓同名の為に、いじめられたり、からかわれたり
周りに厳しい真面目な専務さんの奥さんは実は万引き常習者・・
そんな奥さんが、いつも盗むのはなぜか“たわし”・・・???。
お酒の為に、手が震えて手品ができなくなってしまったマジシャン・・
飲まずにはいられなかった彼らのほろ苦い経験談とだめだめぶりに呆れながらも
彼らなりに悩みながら・・それでも明るく頑張っている姿に
時に可笑しくて愛おしさで一杯になります。
とっても心の温まる暖かい作品です。

横浜演劇鑑賞協会・・今回は、青少年ホールではなく
観光地でもある「赤レンガ倉庫」内のホールでの公演でした。
ここはめちゃめちゃ環境がいいんですよお♪えへへ
みなとみらい地区を眺めながら、広々とした視界の先には海。
時折、船の汽笛の音が聞こえてきます。
気持ちを切り替えて、ゆったりとした時間を過ごす事ができるんです。

さて、今回は『お酒』というキーワードがあったので
公演期間中ロビーでは、神奈川県のお酒を集めた利き酒コーナーを設けて
一杯200円で販売していました。
また神奈川県の新鮮な野菜の販売コーナーもあって
開演前、終演後では大盛況でした。
実は、開演中のロビーでも大盛況だったんです。
ロビーにはキッチンスペースがあるので、そこでめちゃめちゃ料理上手なシェフの運営委員の
おじ様が素敵なおつまみを作って下さって
場内のモニターを眺めつつ、スピーカーからは断酒会の
「酒はのみま~せん!」という掛け声を聴きながら
お手伝いの運営担当&委員たちが盛り上がっていました(笑)

前回はこのホールで『TERRA NOVA』を公演しました。
そして、この作品で演出家デビューをされた高橋正徳さんの次回作
オトコとおとこ』がアトリエで公演中です。
前売りが完売した日もあるようですが、当日券も若干ありますので
あきらめずにぜひチャレンジしてみて下さいね。
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by berurinrin | 2006-06-27 20:54 | 観劇感想