次世代を担う演劇人育成公演『衣装』『薔薇』

平成18年度文化庁芸術団体人材育成支援事業
主催=(社)日本劇団協議会・次世代を担う演劇人育成公演

森本薫の世界~しなやかな女たち~
『衣装』『薔薇』 in 青年座スタジオ(5/28)

『衣装』
演出 千田恵子

母、勢世さん(井上夏葉さん)と娘二人の住む屋敷に
次女の千沙さん(緒方淑子さん)の帰りを待っている嶺さん(小豆畑雅一さん)。
夜も大分更けた頃、日疋さん(土師孝也さん)という一人の老人が訪ねてきます。
この母娘達と日疋さんとは、深い関係があるようです。

『薔薇』
演出須藤黄英

夏子さん(原口優子さん)の元に訪れたのは、
昔は互いに好意を寄せ合あった菅さん(若松泰弘さん)。
二人は青春の日々を語り合い思いをはせますが、菅さんの表情は
なぜか暗い影を落としています。

昨年の『激情』では山崎美貴さんが客演された、この「次世代を担う演劇人育成公演」
今回は若松泰弘さんがご出演されました。
前回の『激情』にしても、今回の2作品にしても
役者にとってとても難解で、観る側にとっても難しい作品ですが
そういう作品をあえて選んで挑戦する姿勢は
頼もしく、次世代を担う俳優たちを温かく見守るように
会場も満席で熱気に溢れる公演となっていました。
そんな俳優達に混ざって、引っ張っているのは
若松さん扮する菅さんのピリピリする緊迫感!死と向かい合わせの狂気の一歩手前の
理性との戦い・・・さすが、気迫にのまれてしまいました。
うふふ、若松さん!かっこいいですよね~!!

それにしても・・いやいやいやぁ・・2本とも難しいお芝居でした。
作家の森本薫さんと云えば『女の一生』『華々しい一族』など
これぞ文学座の名作中の名作を書かれたお方です。
この2作は各45分位の短編作品で、ラジオドラマとして書き下ろされたものだそうです。
台詞がとても鮮明で情景が浮かび上がってきます。
流れるような言葉の美しさと、
静の動きに相反するぎゅっぎゅっとした感情の振幅の激しさ・・
去年拝見した『珍客』のような作品でした。
『珍客』では文学座のベテラン俳優達の魂のぶつかり合いのような
まるで稲妻の光を見たような激しさ・・めまいを感じる瞬間がありましたが
目の前で演じている俳優の動きはあくまでも“静”でした。
でも、なかなか森本さんの短編など、拝見する機会がなかったので
とても嬉しい企画でした。

そして、今回も青年座を愛する友人とビーバーのような笑顔♪が健在の
制作のSさんに、青年座のお話を伺いつつ楽しい時間を過ごさせていただきました。
ちょうど、帰りがけに若松さんの姿をお見掛けしましたが
本当にかっこいいオーラが出ていて、青年座を愛する友人も
一瞬くらっとしてました(えへへっ、ばらしちゃった)
青年座の中にある、青年座劇場・・とてもアットホームで居心地がいい空間です。
お世話になりました!!またの機会が超楽しみです(笑)

5/24(水)~5/28(日) in 青年座劇場
by berurinrin | 2006-06-11 15:45 | 観劇感想