文学座+青年団自主企画交流シリーズ第一弾『チェンジングルーム』

文学座+青年団自主企画交流シリーズ第一弾『チェンジングルーム』 in
                                  こまばアゴラ劇場(5/13)

英国のとある炭鉱の試合当日・・ラグビーチームの更衣室。
黙々と用具係りのハリー(山本祐子さん)が準備する中、選手達がやってきます。

ストーリーはとても単純です。
ラグビーチームの試合当日の更衣室の様子を一日をドキュメンタリータッチで
描いたような作品です。

更衣室なのでユニフォームに着替えながら、
あっちやこっちで選手達が会話をしているので、こっちの会話を見ていたら、
着替えだしてあららっ、失礼(笑)と思って違う選手に目を向けてっと・・
なにやら落ち着きのない私でしたが
試合前の選手たちは、試合に向けて自分と戦ってるようで
当たりかまわず相手を挑発したりする選手、寡黙に自分に問いかけている選手。
イメージトレーニングに励む選手。ひたすら文句ばっかり言う選手・・・。
コーチ(横山祥二さん)に対してまるで母のように、駄々っ子みたいに甘えたり愚痴ったり・・
時間の経過と共に、クロスビー監督(高橋克明さん)が現れると
空気が緊迫して大人しくなる選手達・・監督はお父さんみたいですね。
声を嗄らして叱咤激励する高橋克明さんの熱さに答える彼らの瞳の輝き
スクラムを組んでチームとして戦いに向かう選手達。
個々の選手達はひとつの塊に思えてきます。大きな声を張り上げながらスタンドに姿を
消して行く姿にジーンと胸が熱くなりました。

選手達がいなくなった更衣室はがら~んとしていますが、汗の臭いや体温の熱さが
残っています。ハーフタイムに、ぬかるんだ土でどろどろになった選手達がどっと
戻ってきますが、その姿に絶句!ほんとうに泥だらけ・・
身体から湯気が出ているような、熱いほてりが見えるんです。
途中、負傷者が運ばれてきたり
オーナー(山谷典子さん)から翌日には解雇通知が出されようとしている選手。
でも、勝利を飾った試合後の更衣室は先程の緊張感みなぎる
張り詰めた空気は何処へやら・・選手達は、汗を流しお風呂場からタオル姿で
子供達のようにはしゃぎながら現れます。
そして着替えて思い思いに去っていきます。

静寂から始まって静寂で終わるこのドラマの素晴らしさは
選手達を演じる俳優達のモチベーションの高さ、凄さによるものだと思います。

この作品をご覧になったさるお方から
「暑いです。気をつけて」とアドバイスを頂きましたが
選手達に煽られるように、客席もスポーツ観戦をしたように熱を帯びてきました。
でも、その後の「気をつけて」・・これはこの場に居合わせた観客でないとわからない
かもしれません・・・わたし的には「やばかった・・」(笑)です。

この作品は初演は文学座のアトリエで行われたそうです。
演出は俳優でもある坂口芳貞さん。
伝説の作品といわれるゆえんが、わかったような気がします。。。

in こまばアゴラ劇場
by berurinrin | 2006-05-14 11:00 | 観劇感想
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