こまつ座第七十九回公演『兄おとうと』

こまつ座第七十九回公演『兄おとうと』 in 紀伊國屋ホール(1/27)

生涯のうちで5回しか枕を並べて寝たことがない、兄の吉野作造さん(辻萬長さん)と
おとうとの吉野信次さん(大鷹明良さん)の生涯の物語。
父が借金の返済に貧しい人達から田畑を奪っていく姿を見て育ち、
贖罪の念から貧しい人達の味方として生きる姿が過激だと、右翼からは命を狙われ、
社会から反発の矢面になって身の安全も脅かされる兄とその家族。
その後の父の景気が傾いた姿を見て育ち、出世して社会を動かす側に立つ為に
政治の世界に身を置く弟。
お父さんから受ける影響はすごいものです。
時は大正時代。お互い気遣いながらも、会えば喧嘩ばかりの二人。

演出はわたしの憧れの鵜山仁さん。
ちなみに今年初の鵜山さんの演出作品でした♪
今年も出来る限り鵜山さんの作品を見続けます!!イエィ♪
(・・・・失礼しました)

こまつ座の作品は、大抵ハッピーエンドの結末ではないのですが
なぜか心がわくわくする楽しさがあります。(・・・そしてほろ苦い痛みも)
それはやはり芝居と音楽の調和が抜群にいいからだと思います。

この作品も音楽がふんだんに使われる、いわゆる音楽劇ですが
井上ひさしさんの手による音楽って
なんとなーく聞いたことのある音楽がベースにあって
たとえば、家に居る時に鼻歌を歌っている自分がいて
妹が合いの手を入れるような(?)
会社で気がつくと鼻歌を歌っている (ギョロに「新曲ですね」とか「今日はsmapですね」とか・・と突っ込みを入れる)同僚のサキちゃんのような。。
日常の風景のような自然な流れに身を委ねられる感じ?!

だから歌い方も、ミュージカルのようなきちんとた訓練された歌い方ではなくて
役者たちの持ってる普通の声で歌っています。
ミュージカル俳優のように歌えなくてもいいんです。
伝わってくる暖かい音楽に乗った言葉が伝われば・・・。
そんな役者達がとても無邪気に歌って、子供のような笑顔が溢れる姿。
そして容赦ない結末。
とても心を揺さぶられるのです。

~2/5迄 in 紀伊國屋ホール
by berurinrin | 2006-01-30 21:49 | 観劇感想