『エゲリア』

五大路子詠み芝居『エゲリア』 in 神奈川県立青少年センターホール(12/23)

脚本 瀬戸口郁
演出 西川信廣

国民的超売れっ子漫画家である岡本一平さん(関輝雄さん)は、酒と女性に溺れ
収入の殆どを遊興費に当ててしまい、家庭を省みない・・
妻であるかの子さん(五大路子さん)は、一人息子の太郎さん(岸槌隆至さん)を抱えて
少しづつ心に病んでいきます。その姿に一平さんは贖罪の念にかられ、今までの生活
すべてを改め、かの子さんの為だけに生きることを誓うのでした。
ある日、かの子さんは恋をします。そしてその恋は、かの子さんと一平さんと愛人との
微妙な同居という新たな関係を作り出します。

わたしの今年締めくくりのお芝居が、この瀬戸口郁さんのホン・・『エゲリア』でした。
とても素敵な戯曲です。すごい!素敵でしたよぉ瀬戸口さん!!
アトリエ公演『アルバートを探せ』では、瀬戸口さんのお顔を拝見しただけで
笑ってしまって本当にすみません!!
詠み芝居ということで、いわゆるリーディング(朗読劇)のスタイルです。
俳優達は台本を両手で持ち、読みながら演じます。
五大路子さん演じるかの子さんは、心の病から立ち直った後は
少女のような子供のような、喜怒哀楽を激しく表す女性に変貌しますが
思い立ったら即実行。後先考えないその姿は清清しい位です。
その姿を丸ごと愛して、敬う一平さんの姿がまたおかしいやら哀しいやら・・・
関輝雄さんだからそこの出来る愛すべき人物像になっていました。
息子の太郎さんを演じる岸槌隆至さんは不思議な個性を持っている方で
そのままの姿で子供にも見えるし、大人にも見える・・とても興味深い俳優さんです。
そして、やっぱかっこいい方は、かの子さんの2番目の恋人の外科医の
「はーちゃん」こと若松泰弘さん!
かっこいいだけじゃないんですが、もう登場されたとたん、その台詞回し動きの細かさ
一瞬にして場の雰囲気が一転しました。
でも、あんなに嫌がった若松さんをも虜にしてしまうかの子さんの魅力!参りました!!
その後ろには一平さんのありえない献身も多大にありますが(苦笑)

朗読劇って、なかなか面白いものなんです。わたしは大好きです。
俳優達の紡ぐ台詞の後ろに自分だけが想像できる世界を堪能しに
ぜひ一度体験してみて頂きたいです♪

岡本かの子さんという女性は、あの「芸術は爆発だ!!」と名文句を残された
芸術家の岡本太郎さんの実のお母様です。
そして、父の岡本一平さんはあの『アルバートを探せ』の登場人物?
アインシュタイン博士が日本に来日した時に、
実際に旅に同行して似顔絵の漫画を描かれたそうです。

in 神奈川県立青少年センターホール(横浜)
by berurinrin | 2005-12-25 23:00 | 観劇感想